6 / 14
転生しました?
第6話
しおりを挟む
横長の穴、冷たい石の上に座り考える優恵楼(ゆけろう)。
もうゾンビもスケルトンも追ってきてない…はず。だから今出て行っても大丈夫な…はず。
なにもハッキリとしない。ただハッキリしていること。
それは優恵楼がまだゾンビやスケルトンに恐怖しているということ。
もうさすがにいないだろうと思っても腰が上がらない。足が出ない。
しばらく後頭部を石の壁につけ、冷たさを味わったりし、考える“フリ”をして
「よしっ」
ようやく重い腰を上げ、立ち上がる。高さ3メートル、3ブロック分の横穴。
壁に松明を設置しながら奥へと進んでいく。暗闇が続く横穴。
進んでいくと1段下がった。1ブロック1メートル。
何度だって言うが、下がるのだって割と苦労するし、それに加えて暗闇の中である。
いつどこに穴が空いているかわからない。
いつも以上に慎重に、たかが1ブロック、1メートル下る。
そしてしばらく歩くとまた1ブロック下がっていた。
そうして徐々に、なだらかに下っていった。
すると奥の方にぼんやりとした暖かな光が見えた。そちらの方へ近づくと開けた場所に出た。
そのぼんやりした暖かな光の元はマグマ、溶岩溜まりだった。
ポクポクという沸々とマグマ、溶岩が湧き出る音が響く。
マグマ、溶岩溜まりの表面には小さな半円が浮き出てきて
パツンッっと破裂する現象が至るところで起こっていた。
「あぁ~、ちゃんと見てなかったけど、溶岩溜まりってこんな神秘的で綺麗だったんだ」
マグマ、溶岩溜まりに近づく。
サウナ室の扉を開けたときのような熱気が優恵楼の顔に襲いかかる。
「あっ、ついねぇ~」
しゃがみ込む。より熱気が伝わる。ポコポコしているマグマ、溶岩の表面を眺める。
よくテレビやMyPipeなどで視聴率が謎にいいのが
焚き火などの火の揺らぎなんて話を聞いたことがあるかもしれない。
パチパチという薪や木の枝、松ぼっくりに火が浸透し、灰になり折れるというのか割れる音。
そんな非日常的、だけど親しみがあるような映像と音が人の心を掴むのだろう。
そんな人々の心を謎に掴む、謎に癒される映像や音にだいたい関わっているのが
「1/fゆらぎ」というもの。「1/fゆらぎ」というのはクラゲや焚き火、川など
基本的に自然界見られる予想のできないゆらぎのことをいう。
それは視覚だけでなく聴覚にも働きかける。
木々とその木々をそよがせる風のコラボレーションの音。
要するに「1/fゆらぎ」とは人を癒すもの全般に適応されるといっても過言ではない。
優恵楼(ゆけろう)もまさに今、その1/fゆらぎに癒されている。
マグマ、溶岩の表面の蛇がうねうねと動くような
でも蛇のように規則性があるわけではなく不規則なうねり。
ポコポコと湧き上がって膨らんでは、小さな火の子を吐き出しては萎む半円たち。
そのポコポコという音。視覚的にも聴覚的にも1/fゆらぎを感じる。
あぁ~…。はぁ~…。なんか、だいぶこの世界に慣れてはきたけど
いつまでこの世界で暮らすんだろ…。…ずっと?
まだ死んだことないけど、もしかしたら死んだら元の世界帰れたりする?
ハードコアモードだったりする?1つ切りの命だったりする?
…でも死ぬ勇気ないしな…。どっちにしろ死ぬの怖いし…。スケルトンの矢とか
思い出し背中を見る優恵楼。しかし背中に刺さっていた矢はもう消えていた。
刺さった…よな?ちゃんと痛かったし。ちゃんと痛いってことは…夢、では、ないんよ…な?
この世界に来たときのこと。もうこの生活に慣れ始めていること。
元いた世界のこと。そんなことに想いを馳せる優恵楼。
父さん…オレが事故に遭って会社休んじゃったのかな…。家計を支えてくれるのに申し訳ない…。
母さん…心配性だからな…。ちゃんとご飯食べれてるかな…。心配です。息子、心配してます。
姉ちゃん…あの人人使い粗かったなぁ~…。弟ということをいいことに
やれ充電器取って来いだの、飲み物取って来いだの…。
あぁ。横暴な人こそ、こーゆーときによく思い出すってか。皮肉だわ…。
あの人、大学でよく飲んで帰ってくるから、危なくて仕方ないんだよな…。
無駄に顔いいから、変な男に変なことされないように。弟、心配です。
兄ちゃん…若くして結婚して、実家離れて、奥さんと赤ちゃんのために仕事してお金稼いで。
オレの事故の連絡行っちゃったかなぁ~…。ただでさえ、子どもまだ小さくて大変なときなのに
オレのせいで…申し訳ねぇ…。ごめんよ兄ちゃん。
んで高校…。あぁ。流来(るうら)、元気かな…。心配かけたかな…。悪いことしたなぁ~…。
親友のことを思い浮かべた。優恵楼と流来は
達磨ノ目高校という高校の同級生、同じクラスの親友だった。出会いは中学1年生の夏休み前。
優恵楼(ゆけろう)はゲーム好きで、そんな少しインドアな趣味を持ったグループで固まり
流来(るうら)はイケメンで活発。カーストというものがあるとしたら1軍。
運動部や目立つメンバーと固まっており
たまに女子なんかも一緒にいるようなキラキラグループで固まっていた。
そんな関わりを持たなかった2人が、席替えで近くになった。
優恵楼の斜め後ろに流来がいるよな席である。
優恵楼は目立つようなグループに入ってはいなかったが
決して真面目と呼べる生徒でもなかった。後ろの席であるということを良いことに
授業中に大好きなゲーム、ワールド メイド ブロックスをプレイしていた。
それを斜め後ろから見ていた流来が放課後、優恵楼に話しかけた。
「ワメブロやるんだ?」
今考えてみればワールド メイド ブロックスは
ゲーム実況者しかやっていない、パソコンでしかできなかった時代と変わり
今やパスタイム スポットでもサティスフィーでもできる時代。
やっていてもなにも不思議ではないのだが、優恵楼は
「え。もしかして杉木(すぎ)くんもやるの?」
と反応した。「見せてよ」と言われてワールドを見せた。
「スゲェ。マジ?これ大和木部(やまとぎべ)が作ったんだ?」
優恵楼は建築が得意だった。村人たちの家を作り直したり、街を作ってみたり。
そんな優恵楼(ゆけろう)に惹かれて流来(るうら)は一緒にプレイしたくなり
次の日サティスフィーを学校に持ってき授業中一緒にやろうぜと誘った。
そこから怖くない先生のとき、授業中に通信で一緒にプレイしていった。
流来は探索、資材集め。いわば冒険が好きで、優恵楼は建築が好き。
たまに一緒に冒険しに行って、優恵楼がスケルトンやゾンビなどにビックリして
授業中に机がガタンッ!という大きな音をさせ、先生を含め、生徒ほとんどの視線が集まり
「あ、すいません」
と言う優恵楼(ゆけろう)を見て流来(るうら)が笑ったり
建築のセンスがあまりない流来の変な建築物を見て優恵楼が笑ったり。
そんな中学生活を過ごしていた。そして高校受験。
真面目に授業を受けていないことが仇になり
受験に向けて猛勉強をしなくてはならなくなった。そんなときも優恵楼と流来は一緒だった。
図書室や自習室で勉強して勉強して、休憩にワメブロを一緒にして、大声で笑って怒られて。
志望校は一緒にした。それが達磨ノ目高校。お祭り事が大好きで校則が緩い高校。
見事2人とも受かり、一緒の制服を着て一緒の高校へ行けることになった。
高校1年の夏休み。流来が髪を赤く染めるというので付き合った。
イケメンだから似合ったが、金髪にした当日は見慣れない姿に笑ったりした。
授業の休み時間、お昼ご飯を食べた後の昼休み
一緒にワールド メイド ブロックスをプレイしたし
土日、春休み、ゴールデンウィーク、夏休み、冬休み、徹夜で建築したこともあったし
そんな長期休みなんて関係なしに、次の日も学校がある平日でも徹夜したこともあった。
…流来…
ナレーターも涙が出そうになる振り返りをしていたが
「あっ、ついわ」
さすがにしゃがんでマグマ、溶岩の近くにいたら
顔に熱気がずっと当たり、耐えられなくなった。ナレーターの涙も引っ込むわけである。
「さてと…だいぶ下りてきちゃったわけだけども…」
右手の松明で周りを照らす。しかし松明の明かり程度では全然見えない。
壁沿いに少し歩いてみる。
マグマ、溶岩溜まり周辺はマグマ、溶岩の明かりでぼんやり照らされているため
少し離れ、マグマ、溶岩の明かりが届かないところから壁に松明を設置していく。
天井こそ低いが、どうやら横には広いようだ。
「怖いよなぁ~…」
時に言葉、思考は現実に影響を与える。首を横に倒し、バキッ。っと鳴らした瞬間
視線の左側をものすごい速さでなにかが過ぎ去った。音でわかった。
恐らく壁に刺さり、勢いで上下左右にビンビンと音をたてて揺れている。
振り返る。設置した松明の横に矢が刺さっていた。
矢…ということは…
ご名答!と言わんばかりに暗がりから、カランッ。カランッ。と骨を鳴らしながら
優恵楼が右手に持った松明の明かりが届く範囲に不気味に現れたスケルトン。
「っ…」
やはり恐怖。声も出せずに逃げ出した。逃げても無駄だということはわかっていた。
なぜならスケルトンは至る所に現れる。暗ければそこにスケルトンがいる。これ格言。
あ、あとゾンビとかも…他のモンスターもいます。これも格言。
走れば1メートルだって、助走があるのでジャンプで乗り越えられる。
走った。とにかく走った。
「ウオォ~…」
ゾンビの声に足はさらに高速で回った。無我夢中で、とにかく行けるところに走っていくと
横に長ぁ~~い、そして天井も高ぁ~~い渓谷に出た。
渓谷とはいっても天井は開いておらず、どちらかというと大地を横に切り裂いたような
裂け目といったほうが正しいようなものだった。相当な高さがあるのだろう。
優恵楼(ゆけろう)が松明を天に向けてみるが、その光が届くことはなかった。
そもそも松明の明かりはそんなに遠くまで届くものではないが
ぼんやりとすら天井を見ることも叶わない高さのようだった。
気づけばスケルトンの音もゾンビの声もしない。
その横に長い、高さも高い大きな裂け目に心を奪われていた優恵楼(ゆけろう)。
松明を壁に設置しながらゆっくりと裂け目を歩いていく。
やはり天井はものすごい高さにあるらしく
そこそこ高い位置から流れているマグマ、溶岩の滝が見えたが
そのマグマ、溶岩の明かりでも天井はぼんやりとも見えなかった。
チャポチャポ、サーという音が聞こえる。どうやら水も滝のように流れているようだ。
暗くて見えやしないが。キーという声や微かな羽音も聞こえる。
どうやら先程聞こえたチャポチャポという水の音は、コウモリが水浴びをしていた音のようだ。
「コウモリ。実際見たらたぶん怖いんだろうけど
今この状況だと声だけでも癒されるのはなぜだろう」
姿も見えないコウモリに癒される優恵楼。そのまま裂け目の探索に繰り出した。
もうゾンビもスケルトンも追ってきてない…はず。だから今出て行っても大丈夫な…はず。
なにもハッキリとしない。ただハッキリしていること。
それは優恵楼がまだゾンビやスケルトンに恐怖しているということ。
もうさすがにいないだろうと思っても腰が上がらない。足が出ない。
しばらく後頭部を石の壁につけ、冷たさを味わったりし、考える“フリ”をして
「よしっ」
ようやく重い腰を上げ、立ち上がる。高さ3メートル、3ブロック分の横穴。
壁に松明を設置しながら奥へと進んでいく。暗闇が続く横穴。
進んでいくと1段下がった。1ブロック1メートル。
何度だって言うが、下がるのだって割と苦労するし、それに加えて暗闇の中である。
いつどこに穴が空いているかわからない。
いつも以上に慎重に、たかが1ブロック、1メートル下る。
そしてしばらく歩くとまた1ブロック下がっていた。
そうして徐々に、なだらかに下っていった。
すると奥の方にぼんやりとした暖かな光が見えた。そちらの方へ近づくと開けた場所に出た。
そのぼんやりした暖かな光の元はマグマ、溶岩溜まりだった。
ポクポクという沸々とマグマ、溶岩が湧き出る音が響く。
マグマ、溶岩溜まりの表面には小さな半円が浮き出てきて
パツンッっと破裂する現象が至るところで起こっていた。
「あぁ~、ちゃんと見てなかったけど、溶岩溜まりってこんな神秘的で綺麗だったんだ」
マグマ、溶岩溜まりに近づく。
サウナ室の扉を開けたときのような熱気が優恵楼の顔に襲いかかる。
「あっ、ついねぇ~」
しゃがみ込む。より熱気が伝わる。ポコポコしているマグマ、溶岩の表面を眺める。
よくテレビやMyPipeなどで視聴率が謎にいいのが
焚き火などの火の揺らぎなんて話を聞いたことがあるかもしれない。
パチパチという薪や木の枝、松ぼっくりに火が浸透し、灰になり折れるというのか割れる音。
そんな非日常的、だけど親しみがあるような映像と音が人の心を掴むのだろう。
そんな人々の心を謎に掴む、謎に癒される映像や音にだいたい関わっているのが
「1/fゆらぎ」というもの。「1/fゆらぎ」というのはクラゲや焚き火、川など
基本的に自然界見られる予想のできないゆらぎのことをいう。
それは視覚だけでなく聴覚にも働きかける。
木々とその木々をそよがせる風のコラボレーションの音。
要するに「1/fゆらぎ」とは人を癒すもの全般に適応されるといっても過言ではない。
優恵楼(ゆけろう)もまさに今、その1/fゆらぎに癒されている。
マグマ、溶岩の表面の蛇がうねうねと動くような
でも蛇のように規則性があるわけではなく不規則なうねり。
ポコポコと湧き上がって膨らんでは、小さな火の子を吐き出しては萎む半円たち。
そのポコポコという音。視覚的にも聴覚的にも1/fゆらぎを感じる。
あぁ~…。はぁ~…。なんか、だいぶこの世界に慣れてはきたけど
いつまでこの世界で暮らすんだろ…。…ずっと?
まだ死んだことないけど、もしかしたら死んだら元の世界帰れたりする?
ハードコアモードだったりする?1つ切りの命だったりする?
…でも死ぬ勇気ないしな…。どっちにしろ死ぬの怖いし…。スケルトンの矢とか
思い出し背中を見る優恵楼。しかし背中に刺さっていた矢はもう消えていた。
刺さった…よな?ちゃんと痛かったし。ちゃんと痛いってことは…夢、では、ないんよ…な?
この世界に来たときのこと。もうこの生活に慣れ始めていること。
元いた世界のこと。そんなことに想いを馳せる優恵楼。
父さん…オレが事故に遭って会社休んじゃったのかな…。家計を支えてくれるのに申し訳ない…。
母さん…心配性だからな…。ちゃんとご飯食べれてるかな…。心配です。息子、心配してます。
姉ちゃん…あの人人使い粗かったなぁ~…。弟ということをいいことに
やれ充電器取って来いだの、飲み物取って来いだの…。
あぁ。横暴な人こそ、こーゆーときによく思い出すってか。皮肉だわ…。
あの人、大学でよく飲んで帰ってくるから、危なくて仕方ないんだよな…。
無駄に顔いいから、変な男に変なことされないように。弟、心配です。
兄ちゃん…若くして結婚して、実家離れて、奥さんと赤ちゃんのために仕事してお金稼いで。
オレの事故の連絡行っちゃったかなぁ~…。ただでさえ、子どもまだ小さくて大変なときなのに
オレのせいで…申し訳ねぇ…。ごめんよ兄ちゃん。
んで高校…。あぁ。流来(るうら)、元気かな…。心配かけたかな…。悪いことしたなぁ~…。
親友のことを思い浮かべた。優恵楼と流来は
達磨ノ目高校という高校の同級生、同じクラスの親友だった。出会いは中学1年生の夏休み前。
優恵楼(ゆけろう)はゲーム好きで、そんな少しインドアな趣味を持ったグループで固まり
流来(るうら)はイケメンで活発。カーストというものがあるとしたら1軍。
運動部や目立つメンバーと固まっており
たまに女子なんかも一緒にいるようなキラキラグループで固まっていた。
そんな関わりを持たなかった2人が、席替えで近くになった。
優恵楼の斜め後ろに流来がいるよな席である。
優恵楼は目立つようなグループに入ってはいなかったが
決して真面目と呼べる生徒でもなかった。後ろの席であるということを良いことに
授業中に大好きなゲーム、ワールド メイド ブロックスをプレイしていた。
それを斜め後ろから見ていた流来が放課後、優恵楼に話しかけた。
「ワメブロやるんだ?」
今考えてみればワールド メイド ブロックスは
ゲーム実況者しかやっていない、パソコンでしかできなかった時代と変わり
今やパスタイム スポットでもサティスフィーでもできる時代。
やっていてもなにも不思議ではないのだが、優恵楼は
「え。もしかして杉木(すぎ)くんもやるの?」
と反応した。「見せてよ」と言われてワールドを見せた。
「スゲェ。マジ?これ大和木部(やまとぎべ)が作ったんだ?」
優恵楼は建築が得意だった。村人たちの家を作り直したり、街を作ってみたり。
そんな優恵楼(ゆけろう)に惹かれて流来(るうら)は一緒にプレイしたくなり
次の日サティスフィーを学校に持ってき授業中一緒にやろうぜと誘った。
そこから怖くない先生のとき、授業中に通信で一緒にプレイしていった。
流来は探索、資材集め。いわば冒険が好きで、優恵楼は建築が好き。
たまに一緒に冒険しに行って、優恵楼がスケルトンやゾンビなどにビックリして
授業中に机がガタンッ!という大きな音をさせ、先生を含め、生徒ほとんどの視線が集まり
「あ、すいません」
と言う優恵楼(ゆけろう)を見て流来(るうら)が笑ったり
建築のセンスがあまりない流来の変な建築物を見て優恵楼が笑ったり。
そんな中学生活を過ごしていた。そして高校受験。
真面目に授業を受けていないことが仇になり
受験に向けて猛勉強をしなくてはならなくなった。そんなときも優恵楼と流来は一緒だった。
図書室や自習室で勉強して勉強して、休憩にワメブロを一緒にして、大声で笑って怒られて。
志望校は一緒にした。それが達磨ノ目高校。お祭り事が大好きで校則が緩い高校。
見事2人とも受かり、一緒の制服を着て一緒の高校へ行けることになった。
高校1年の夏休み。流来が髪を赤く染めるというので付き合った。
イケメンだから似合ったが、金髪にした当日は見慣れない姿に笑ったりした。
授業の休み時間、お昼ご飯を食べた後の昼休み
一緒にワールド メイド ブロックスをプレイしたし
土日、春休み、ゴールデンウィーク、夏休み、冬休み、徹夜で建築したこともあったし
そんな長期休みなんて関係なしに、次の日も学校がある平日でも徹夜したこともあった。
…流来…
ナレーターも涙が出そうになる振り返りをしていたが
「あっ、ついわ」
さすがにしゃがんでマグマ、溶岩の近くにいたら
顔に熱気がずっと当たり、耐えられなくなった。ナレーターの涙も引っ込むわけである。
「さてと…だいぶ下りてきちゃったわけだけども…」
右手の松明で周りを照らす。しかし松明の明かり程度では全然見えない。
壁沿いに少し歩いてみる。
マグマ、溶岩溜まり周辺はマグマ、溶岩の明かりでぼんやり照らされているため
少し離れ、マグマ、溶岩の明かりが届かないところから壁に松明を設置していく。
天井こそ低いが、どうやら横には広いようだ。
「怖いよなぁ~…」
時に言葉、思考は現実に影響を与える。首を横に倒し、バキッ。っと鳴らした瞬間
視線の左側をものすごい速さでなにかが過ぎ去った。音でわかった。
恐らく壁に刺さり、勢いで上下左右にビンビンと音をたてて揺れている。
振り返る。設置した松明の横に矢が刺さっていた。
矢…ということは…
ご名答!と言わんばかりに暗がりから、カランッ。カランッ。と骨を鳴らしながら
優恵楼が右手に持った松明の明かりが届く範囲に不気味に現れたスケルトン。
「っ…」
やはり恐怖。声も出せずに逃げ出した。逃げても無駄だということはわかっていた。
なぜならスケルトンは至る所に現れる。暗ければそこにスケルトンがいる。これ格言。
あ、あとゾンビとかも…他のモンスターもいます。これも格言。
走れば1メートルだって、助走があるのでジャンプで乗り越えられる。
走った。とにかく走った。
「ウオォ~…」
ゾンビの声に足はさらに高速で回った。無我夢中で、とにかく行けるところに走っていくと
横に長ぁ~~い、そして天井も高ぁ~~い渓谷に出た。
渓谷とはいっても天井は開いておらず、どちらかというと大地を横に切り裂いたような
裂け目といったほうが正しいようなものだった。相当な高さがあるのだろう。
優恵楼(ゆけろう)が松明を天に向けてみるが、その光が届くことはなかった。
そもそも松明の明かりはそんなに遠くまで届くものではないが
ぼんやりとすら天井を見ることも叶わない高さのようだった。
気づけばスケルトンの音もゾンビの声もしない。
その横に長い、高さも高い大きな裂け目に心を奪われていた優恵楼(ゆけろう)。
松明を壁に設置しながらゆっくりと裂け目を歩いていく。
やはり天井はものすごい高さにあるらしく
そこそこ高い位置から流れているマグマ、溶岩の滝が見えたが
そのマグマ、溶岩の明かりでも天井はぼんやりとも見えなかった。
チャポチャポ、サーという音が聞こえる。どうやら水も滝のように流れているようだ。
暗くて見えやしないが。キーという声や微かな羽音も聞こえる。
どうやら先程聞こえたチャポチャポという水の音は、コウモリが水浴びをしていた音のようだ。
「コウモリ。実際見たらたぶん怖いんだろうけど
今この状況だと声だけでも癒されるのはなぜだろう」
姿も見えないコウモリに癒される優恵楼。そのまま裂け目の探索に繰り出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
美醜逆転世界の学園に戻ったおっさんは気付かない
仙道
ファンタジー
柴田宏(しばたひろし)は学生時代から不細工といじめられ、ニートになった。
トラックにはねられ転移した先は美醜が逆転した現実世界。
しかも体は学生に戻っていたため、仕方なく学校に行くことに。
先輩、同級生、後輩でハーレムを作ってしまう。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる