勇者の孫、パーティーを追放される~杖を握れば最強なのに勇者やらされてました~

結月楓

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第一話 『転職』

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「まずは職を探さないとな」

 職というのはジョブのことだ。

 今は勇者に設定してあるけれど、俺に向いている職業ではないのは明らか。

 なのでひとまずジョブを設定する神殿に向かった。

 神殿の中には受付の人がいる。

 この人が職を探している人に適切なジョブをアドバイスしてくれたりするのだ。

「あの、魔法使いになりたいんですけど」

 俺は魔法使いか僧侶なら確実に極められる自信があった。

 少なくとも前のパーティーの糞リーダーやエロ親父僧侶には負けないほどの。

「ちょっとステータスを確認させてもらえますか?」

「はい、いいですよ」


名前:アルフ
職業:勇者
Lv:99
HP:300
MP:10000
力:200
素早さ:200
体力:200
知力:99999


「あれ、なんか知力だけおかしいな」

「いや、MPもとんでもなく高いです! これは賢者の素質がありますね。それも世界に二人しかいない大賢者に勝るとも劣らない素質がありますよ!」

 やっぱり俺の適性は杖職だったんだな。
 頑なに杖職を俺に譲らなかったあいつらのことを思い出すと虫唾が走る。

「それじゃあ賢者に転職をお願いします」

「それでは教会に三秒間祈りをささげてください」

 三、二、一、零

「何も変わった気がしないんですけどこれでいいんですか?」

「いえ、変わったはずです。ステータスを見てください」


名前:アルフ
職業:賢者
Lv:99
HP:250
MP:15000
力:150
素早さ:200
体力:150
知力:120000


 おー結構変わってるな、得意なところがさらに伸びたって感じか。

「杖とかロッドを貸してもらえたりはしないですかね?」

 今まで剣しか持たされていなかったため散々苦労してきた。

 魔法を使うために必須の杖さえあれば魔王軍だってもっと簡単に攻略できたはずなのに。

 やはり前のパーティーはちょっと、いや、かなりおかしかったんだ。

「初心者向きの木の杖ならゴミのように在庫がありますが……」

「あ、それで十分ですありがとうございます」

 こうして最弱の装備を着けた最強の賢者が誕生したわけだ(あくまで予測だけど)

「ところでパーティーは組まないんですか? 賢者のソロパーティーとか聞いたことありませんが」

「そうだな、パーティーを組むのも良いかもしれないな」

 しかし前パーティーの糞三銃士達のことが脳裏によぎる。

「きちんと人物検査という名目で面接したうえでパーティーを組みたいと思う」

「わかりましたー。滅茶苦茶強い賢者がパーティーを募集してるって看板を酒場に貼っておきますね」

 こうしてトントン拍子に俺の新パーティー作成計画は動き始めたのだった。
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