13 / 27
第十二話 『ヘルスライム討伐戦』
しおりを挟む
「目撃情報によるとだな、ヘルスライムは町北東部の湿地帯にいるらしい」
浮遊魔法で浮いたまま移動しているエリザとミカは、話半分に聞いているようで気のない返事をする。
こうやって甘やかすのがダメなのかな。
しかし今回は甘やかしに甘やかそうと思う。
エリザの体には常に防御魔法が切れないように詠唱している。
正直めんどくさいことこの上ないけどこれで今回は気絶しないで済むだろう。
「さて、湿地帯が見えてきたな」
「うわー、地面沼じゃーん。絶対に降りたくないわー」
「確かに降りないほうがよさそうかもな。戦闘が始まったら別だけど」
浮遊魔法による機動力は大したことない。
普通に歩けるならそのほうが圧倒的に俊敏に動き回れる。
が、湿地帯となるとそうともいえない。
今回の戦いは地形との戦いになると言っても良いだろう。
「あの、アルフさん? あそこにいるヘドロ色のスライムがヘルスライムなんじゃないでしょうかね?」
エリザがこそっと俺に耳打ちをする。
ヘドロ色のスライムの大きさはとてもでかい。
熊くらいのサイズはあるんじゃないだろうか、スライムだけど。
「あれが標的で間違いないな。まだこちらには気付いてないようだから先制攻撃をする、お前たちは後ろに下がっててくれ」
使う魔法は超飛球。今まで試した魔法の中でも最高のもので挑もうと思う。
「まずはミカとエリザに防御魔法を張ってと……」
続いて超飛球の詠唱だ。
「古の魔力によりて、我が魂を灼熱の業火とせん」
前にデュラハンに打った時とは違ってエネルギーを圧縮して打てたと思う。
ヘルスライムにほとんどの熱エネルギーが衝突したはずだ。
――ゴオォォォォォォォ
スライムが焼けこげる何とも嫌なにおいがする。
あっけないけどこれで今回の幹部討伐も完了だな!
そう思った矢先、
「――いきなりなにをするのだ人間よ」
「貴様、もしかしてデュラハンを倒した賢者ではあるまいな?」
「恨みを晴らすなら今ですなぁ」
なんとヘルスライムが何匹もの小さいスライムに分離してしまった。
人型の大きさのスライムだったり、小動物サイズのスライムだったりサイズはまちまちだが。
「くそっ! 俺の知力120000アタックが効かないだと!」
これはやっかいなことになった。
「みんな、一旦守りを固めろ、対策は今考え中だ……」
「あの、アルフさん、なんかヌメヌメした物体が私を取り囲んでくるんですけど、イヤーっ!!」
「大丈夫だ、防御魔法を張ってるから奴もそう簡単には攻略できないはずだ」
そうはいっても防御魔法は万能じゃない。
「くくくっ、この程度のバリアでスライムの吸収を防げると思ったか! それっ!」
エリザの胸の辺りや下半身の部分からバリバリとエネルギーが取られているのが見える。
恥ずかしいからエッチな部分には目を背けて防御魔法を張った影響でその部分が薄くなってしまったのか。何たる失態!
「い、いやあぁぁぁ」
「すまん、エリザ、耐えてくれ。俺がエッチな部分を入念に守らなかったためにスライムの辱めを受けることになるなんて想定外だった」
「言葉にして言わないでください~! セクハラです!」
そうはいってもなあ……。助ける手立てが思い浮かばない。
ミカのほうはどうなっているのだろう。
みるとミカは沼に半分体を埋めながら体操座りをして縮こまっている。
「うちには防御魔法《プロテクト》がちゃんと張ってあってスライムもすぐ諦めて行っちゃったよー。なんだろうこの屈辱感は……うちに魅力がないってことなのかな……」
ミカは全体的にフラットだから防御魔法が張りやすかったんだよな。
まあこんなこと言うと火に油を注ぎ込みかねないので黙っておくが。
ついでにいうと俺の方にスライムが来なかったのは俺が男だからか?
エロスライムめ、許すまじ。
結局スライムはエリザに集中して魔力吸収を行っているようだ。
「ねー、アルフー。今ならもう一回スライムを一網打尽にできるチャンスなんじゃない?」
確かに、一か所に集まっているなら攻撃しない手はない。
「エリザー! すまないけど今から魔法を飛ばすから耐えてくれな!」
「ひぅ! 何で私だけ損な役回りなんですかー」
火の最強魔法だとスライムは飛び散ってしまった。
ならば今度はマイナスの魔法氷の魔法で対抗だ。
「氷の精霊よ、わが下僕となりて力を解き放て!」
――ピキーン
エリザと取り囲んでいるスライムの氷の彫刻が完成した。
なんかエリザが辱めを受けて苦しんでいるオブジェみたいで心苦しい。
でも彼女は既に戦闘不能で記憶がなくなっているだろうからこの事は教えないでおいてあげよう。
知らないほうがいいことってあるよね……。
「ミカ! エリザとスライムを教会まで運ぶぞ!」
「うぃーっす」
俺はエリザを囮にしてしまった事に少し罪悪感を持ちながらも教会へと戻るのであった。
浮遊魔法で浮いたまま移動しているエリザとミカは、話半分に聞いているようで気のない返事をする。
こうやって甘やかすのがダメなのかな。
しかし今回は甘やかしに甘やかそうと思う。
エリザの体には常に防御魔法が切れないように詠唱している。
正直めんどくさいことこの上ないけどこれで今回は気絶しないで済むだろう。
「さて、湿地帯が見えてきたな」
「うわー、地面沼じゃーん。絶対に降りたくないわー」
「確かに降りないほうがよさそうかもな。戦闘が始まったら別だけど」
浮遊魔法による機動力は大したことない。
普通に歩けるならそのほうが圧倒的に俊敏に動き回れる。
が、湿地帯となるとそうともいえない。
今回の戦いは地形との戦いになると言っても良いだろう。
「あの、アルフさん? あそこにいるヘドロ色のスライムがヘルスライムなんじゃないでしょうかね?」
エリザがこそっと俺に耳打ちをする。
ヘドロ色のスライムの大きさはとてもでかい。
熊くらいのサイズはあるんじゃないだろうか、スライムだけど。
「あれが標的で間違いないな。まだこちらには気付いてないようだから先制攻撃をする、お前たちは後ろに下がっててくれ」
使う魔法は超飛球。今まで試した魔法の中でも最高のもので挑もうと思う。
「まずはミカとエリザに防御魔法を張ってと……」
続いて超飛球の詠唱だ。
「古の魔力によりて、我が魂を灼熱の業火とせん」
前にデュラハンに打った時とは違ってエネルギーを圧縮して打てたと思う。
ヘルスライムにほとんどの熱エネルギーが衝突したはずだ。
――ゴオォォォォォォォ
スライムが焼けこげる何とも嫌なにおいがする。
あっけないけどこれで今回の幹部討伐も完了だな!
そう思った矢先、
「――いきなりなにをするのだ人間よ」
「貴様、もしかしてデュラハンを倒した賢者ではあるまいな?」
「恨みを晴らすなら今ですなぁ」
なんとヘルスライムが何匹もの小さいスライムに分離してしまった。
人型の大きさのスライムだったり、小動物サイズのスライムだったりサイズはまちまちだが。
「くそっ! 俺の知力120000アタックが効かないだと!」
これはやっかいなことになった。
「みんな、一旦守りを固めろ、対策は今考え中だ……」
「あの、アルフさん、なんかヌメヌメした物体が私を取り囲んでくるんですけど、イヤーっ!!」
「大丈夫だ、防御魔法を張ってるから奴もそう簡単には攻略できないはずだ」
そうはいっても防御魔法は万能じゃない。
「くくくっ、この程度のバリアでスライムの吸収を防げると思ったか! それっ!」
エリザの胸の辺りや下半身の部分からバリバリとエネルギーが取られているのが見える。
恥ずかしいからエッチな部分には目を背けて防御魔法を張った影響でその部分が薄くなってしまったのか。何たる失態!
「い、いやあぁぁぁ」
「すまん、エリザ、耐えてくれ。俺がエッチな部分を入念に守らなかったためにスライムの辱めを受けることになるなんて想定外だった」
「言葉にして言わないでください~! セクハラです!」
そうはいってもなあ……。助ける手立てが思い浮かばない。
ミカのほうはどうなっているのだろう。
みるとミカは沼に半分体を埋めながら体操座りをして縮こまっている。
「うちには防御魔法《プロテクト》がちゃんと張ってあってスライムもすぐ諦めて行っちゃったよー。なんだろうこの屈辱感は……うちに魅力がないってことなのかな……」
ミカは全体的にフラットだから防御魔法が張りやすかったんだよな。
まあこんなこと言うと火に油を注ぎ込みかねないので黙っておくが。
ついでにいうと俺の方にスライムが来なかったのは俺が男だからか?
エロスライムめ、許すまじ。
結局スライムはエリザに集中して魔力吸収を行っているようだ。
「ねー、アルフー。今ならもう一回スライムを一網打尽にできるチャンスなんじゃない?」
確かに、一か所に集まっているなら攻撃しない手はない。
「エリザー! すまないけど今から魔法を飛ばすから耐えてくれな!」
「ひぅ! 何で私だけ損な役回りなんですかー」
火の最強魔法だとスライムは飛び散ってしまった。
ならば今度はマイナスの魔法氷の魔法で対抗だ。
「氷の精霊よ、わが下僕となりて力を解き放て!」
――ピキーン
エリザと取り囲んでいるスライムの氷の彫刻が完成した。
なんかエリザが辱めを受けて苦しんでいるオブジェみたいで心苦しい。
でも彼女は既に戦闘不能で記憶がなくなっているだろうからこの事は教えないでおいてあげよう。
知らないほうがいいことってあるよね……。
「ミカ! エリザとスライムを教会まで運ぶぞ!」
「うぃーっす」
俺はエリザを囮にしてしまった事に少し罪悪感を持ちながらも教会へと戻るのであった。
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。
そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。
「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」
なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。
故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。
一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。
「もう遅い」と。
これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる