ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~

結月楓

文字の大きさ
2 / 81

第二話 仲間を求めて

しおりを挟む
 どのくらい待っただろうか。教会の裏部屋に入ってしまった俺を出待ちして勧誘しようとするものはいなくなった。

「ふぅ……」

 俺は深いため息をついた。まさか出待ちをする奴まで出てくるとはな……。オーディン恐るべし。ようやく落ち着けたので、気になることを片っ端からローザに聞いてみることにした。

「ローザさん? オーディンの召喚持続時間は五分らしいけど、一度使ったら次はいつ使えるようになるの?」

「同じ召喚が使えるのは一日に一回までだから、普通は翌日になるわよ。それまで十倍の力を発揮するのはお預けだわね。」

「……そうなんだ。さっき召喚しちゃったから今日はもう使えないのか、残念。一回力を試しておけばよかったなー」

 本当に召喚しただけで加護を受けられるのだろうか? 若干不安ではあるな……。

「ダンジョンってのは、明日からもう行けるもんなのか? 仲間とか集めたほうがいい?」

「そうねぇ……。いくらオーディンが強力といっても使える時間が限られてるから、一人で行くのは止めといたほうがいいかなあ。その可愛いお顔を傷つけたくなかったらね」

「まだ行けないのか……。それじゃあさ――」

 その後、ローザから色々な話を聞いた。
 冒険者には初級・中級・上級・熟練のランクがあること。
 ランクにより行けるダンジョンが制限されていること。
 初級冒険者は、一定期間住まいを借りられること。
 仲間を集めるには、ギルドに所属するか教会前の掲示板で集めることなどなど。

「……それじゃあそろそろ日も落ちるし、宿を案内するわね」

 ローザが案内してくれたのは、教会からすぐ近くの石造りの小屋だった。俺一人が寝るには十分すぎる所だ。ご丁寧に夕飯用のパンの用意までされていた。

「それじゃあまた明日迎えに来るから! バーイ!」

 ローザは軽快なステップを踏みながら教会へと戻っていった。……親切な人だけど、いまいちノリがつかめないなぁ。取りあえず明日は仲間を集めなきゃいけないし、さっさと食って寝よう。


――――――――――――――――――――


翌日

”最終開放オーディン持ちと一緒にダンジョンに旅立とう! PTメンバー二名募集中!”

 俺は朝ローザが迎えにくるとすぐに、掲示板でパーティーメンバーを募集したいと伝え、こんな文句を書き込んだポスターを即興で作った。
 
 どうやら初級冒険者が行けるダンジョンは一つしかないらしい。そしてそのダンジョンでは三人までのパーティーに制限されているとのことだ。
 だから募集人数は俺を除いた後二人だ。

 その後、しばらくのあいだ俺とローザは募集締め切りの時間まで広場で待った。

 ドキドキしながら待っているとあっという間に集合時間になった。

「これで全員かな?」

 ポスターを見て集まってきたのは二人の女の子だけだ。
 ……思ったより少ないぞ。

「昨日の必死の勧誘っぷりはなんだったんだろう……」

 俺は恨みがましく呟いた。

「冒険者の大半はギルドに所属して、その中でパーティーを組むから仕方ないわよ。むしろ普通はギルド以外でのパーティー募集なんて人が集まるものじゃないから、誇っていいのよ!」

 ローザはどや顔で言った。普通集まらないならそうと事前に教えてほしいものだが、集まってるから良しとしよう。

 さて、この集まった二人だが、なんとも妙だ。
 一人はツンとした顔で腕を組みこちらを睨んでいる。
 俺と同い年か、ちょっと年下ってかんじかな?
 美人ではあるが、表情のせいで勿体ない……。

 もう一人は中学生くらいにみえるちびっこ。
 顔が隠れる程のでっかいとんがり帽子を被っている。

 仲間にするのが女の子ってのは華やかでいいが実力の程はどうだろう?

「まずは名前と、所持している召喚を教えてくれるかな」

 とりあえずツンとしている女の子に声をかけてみる。
 見かけが怖くてもきっとしゃべればいい子に違いない……。

「――私はアリサよ。召喚獣はシルフ。以上」

 彼女は俺の方を見向きもせずそっけなく答えた。もしかして俺とパーティー組むの嫌なのかな?

 でもそれだとなんで応募してきたんだろう?

 まあいいか、気を取り直して隣の子にも聞いてみる。

「それじゃあ、とんがり帽子の君は?」
「……わ、わたしはシル……ヴィァ」

 声が小さくてよく聞こえなかった。シルヴィアっていったのか?

「この子の名前はシルヴィアよ。召喚はピクシーを持っているわ」

 帽子の子に変わってアリサが代弁した。どうやらこの二人は知り合いのようだ。

「――そしてこの子は私の妹。どうしてもあんたのパーティーに参加したいと言って聞かないからわたしもついてきたんだけど、正直不安だわ」

 なるほどね、姉妹で応募してきたのか。

「どうして不安なんだ? 俺は最終開放オーディン持ってるし、そこそこ力になれると思うけど」

 アリサは俺の言葉を聞くと、ため息をついて言った。

「……オーディンは確かに強いけど、あんたは昨日冒険者になったばかりでしょ? そんな人にシルヴィアやわたしの運命を託すのは不安で当たり前じゃない。そもそも十倍になるって言っても、元が0なら意味ないのよ?」

「――なっ!?」

 これはもしかして挑発されてるのか? アリサの言い分もわからないわけではないけど、そもそも応募してきたのはアリサのほうだ。ここまで言われる筋合いはない。

 ――いいだろう。この生意気ガールにはユート様の真の力ってやつをみせてやろうじゃないか。

「その言葉、挑発とうけとったぜ! そんなに俺の力が不安って言うなら見せてやるよ。アリサ! 俺と一対一で勝負しろ!」

 俺の雰囲気(オーラ)が変わったことに気付いたのか、アリサは身構える。

「……ふーん、凄い自信じゃない? いいわよ、やってやろうじゃないの!」

 アリサは腰につけていたナイフを取り出した。

 ――げっ!? 凶器ありとか聞いてないんだけど! しかし大見得切った以上はあまり弱気な発言もしたくないしな……。

 俺は緊張でバクバクなっている心臓の鼓動を聞こえまいとして言葉を続ける。

「あ、あのさ? そっちが凶器を使うなら、こっちも凶器をつかっていいよな?」
「構わないわよ? でもあんた、見たところ丸腰じゃないの」

 俺は首を横に振ってから、右手を前に突き出した。

「――持ってるさ! 男はだれでも持っている! ……煩悩という名の凶器をな!」

「――はぁっ!? 何言ってるのよ?」

「俺はこの右手でお前のおっぱいを揉みくちゃにしてやるっていってるのさ。名づけて! ライトニングハンドだ!」

 俺の突然のセクハラ発言に、アリサは一瞬鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をした。しかし、すぐにこちらを睨み返して、

「わかったわ。あんたが二度とそんなこと言えなくなるようにぶっ飛ばしてあげる。――わたしに力を貸しなさい! シルフ!」

 いきなりの宣戦布告をしてきた。アリサが召喚したのは緑色の羽を持つ可愛らしい見た目の精霊だ。

 おいおい、シルフってどんな加護だよ!? 俺は突然現れた召喚に怖気づいてしまう。

 ――そうだ、ルーペで確認だ! 俺がルーペを構えようとしたその時、
 
 周囲にある木々が折れそうなくらいにきしみだし、その葉は千切れて宙を舞った。

 ――これは、風!?

「ちょっと痛いかもしれないけど、我慢しなさいよ!!」

 アリサはナイフを構えたまま俺に直進して向かってくる。よく見るとナイフにはカバーがついたままではあるが、あれを打ち込まれたら痛いことは痛いだろう。

 かわさなければならないというのに、俺はシルフの生み出す風の影響で立っていることすらままならない。

 ――これは使うしかないな、切り札ってやつを。

「いくぜ! オーディン!!」

 俺がオーディンを呼び出すと、漆黒のオーラを纏った戦争を司る神獣が姿を現した。

 ――なんだこれっ!? めっちゃ力が湧き出てくるぞ! 

 アリサが俺の右腕をめがけてナイフを叩きつけてくる。俺は一瞬にしてその攻撃をかわし、アリサの背後に回った。

 俺の脳内ではアドレナリンがドクドク出ているのがわかる。

 オーディンやべえ! この感覚、気持ちいい!

「――いなくなった!? シルフの風で止めていたのに!?」

 アリサは俺が急に目の前から姿を消したことに驚いている。俺は後ろからぎゅっと抱きしめる形で、彼女のおっぱいにタッチすることに成功した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

処理中です...