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第四十一話 予選開始!
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「はい、次の人」
「ユートです」
「ユート、ユートさんね。あった、ハイどうぞ。このプレートは予選で使うからなくさないように注意してください」
今日はギルド感謝祭の予選実施日だ。会場入り口の受付で名前を告げると、ネーム入りのプレートを渡された。このプレートを使って何をするんだろう?
「それにしてもすごい人の数ね」
遅れて入ってきたアリサが思わず感嘆の声を漏らす。グランノーヴィル大陸の予選には、全部で百三ものギルドが参加しているらしい。一ギルドにつき五人代表が居るわけだから、ここには五百人以上の人がいるってことになる。
「みんな、召喚の準備はちゃんとしてきたか?」
ギルドのメンバーが全員入場したのを見てから、俺はみんなに確認する。
「勿論よ。……あんたはどの召喚をセットしてきたわけ?」
「ん? ああ、それは――」
――ドーン!
俺が言い終える前に赤色の煙幕が打ちあげられた。
「レディース&ジェントルメーン! 今日はみんなが待ちに待ったギルド感謝祭! なんと全部で百三のギルドが参加してくれることになったわ! この大会ではギルド代表の五人をチームと呼ばせてもらうけど、この百三チームの中の頂点を今日は決めるわよ! 盛り上がっていきましょ~!」
ローザがラッパのような拡声器を使ってイベントの開幕宣言をしている。ローザは大会の司会までやってるのか……大変そうだな。俺は前の方に行きローザに手を振るが、気づいてもらえない。この人数だから当たり前か。
「よ、期待の新人ユート君」
そう言って後ろから俺の肩を叩いたのは異端審問機関のリーダー、ミルドレッドだった。
「……どーも。もしかしてミルドレッドさんもこの大会に参加するの?」
「いや、違うよ。私は別件の方さ」
別件というのは、ヘルヘイムの幹部を捕まえるってやつのことだな。ヘルヘイムの名は会場では口にしてはいけないとローザに念を押されていたので、俺は黙って頷いた。
「ユートは参加者として頑張ってくれ。勿論有事の際には協力してほしいけどね」
「勿論協力しますよ。俺だって機関の一員なんだから」
ミルドレッドは俺の返事を聞くと、指を二本立ててよろしくとジェスチャーした後に人ごみの中に消えていった。
「しかし、この中に本当にいるのかね……」
俺は独り言をつぶやく。もし仮にこの中にヘルヘイムの連中がいたとしても、見つけ出すのは難しそうな気はしている。ミルドレッドには何か策があるのだろうか? そんなことを考えていると、再びローザのアナウンスが始まった。
「あーあー、みなさん聞こえますかー? 今から一次予選のルールを説明しま~す。この会場に入るときにプレートを配ったけど、ちゃんとなくさずに持ってるわよね?」
会場にいる人たちはネームプレートを確認している。早速これを使うのか。
「みんなにはこれから三十分間指相撲をしてもらいます! 互いの右手を親指以外の四本の指で握って、相手の親指を自分の親指で10カウント抑えたら勝ちというゲームよ。言われなくても知ってるわよね?」
指相撲だって? スポーツ大会という割には随分とこじんまりとした競技を選んだものだな。これだけ人がいるからそういう競技しか選べなかったのかな。
「近くにいる別のチームの人に声をかけて、お互いの同意が取れたらプレートを一つ賭けて勝負開始よ! 決着がついたら負けた人は勝った人にプレートを渡すこと。ここでプレート枚数の増減が発生するわけね。あと注意点が一つあって、同じチーム内だからと言ってプレートの譲渡は禁止! ……ルールはこれだけよ。簡単でしょ? プレートを集めた枚数が多い上位五チームが一次予選を勝ち抜けるわ」
会場がざわついた。ここでいきなり百三チームから五チームまで絞るのか。……勝ち抜けるのは大体5%ってところだな。というか指相撲って、俺たちのチーム不利じゃね?
「おい、みんなちょっとこっちに来てくれ」
俺はギルドのみんなを集めると、円陣を組んで作戦会議を始めた。
「いいか、自分より弱そうなやつとしか戦うなよ! 絶対だぞ! 特に一戦目は気をつけろよ? 負けたらそこで終わってしまうわけだからな」
会場には屈強な男もいるが、みたところ華奢な女の子もそれなりに居る。そういう相手に絞って戦わせた方が安全だろう。
「……わたし……左利き……」
シルヴィアが自信なさげに言う。シルヴィアは力があるほうじゃないし、かつ左利きとなるとここは安全策で行った方がいいな。
「わかった。シルヴィアは勝負しないで待機しててくれ。残りのメンバーでなんとかしよう、いいな?」
「わかったわ」
「……うん」
「わかったのである」
「承知いたしましたわ」
みんなは口々に返事をした。その声色からは不安な様子がうかがえる。俺も力が強いわけではないので正直自信はない……でもやるしかないんだ。
「さあ準備はいい? 3カウントしたら始めるわよ! ……3……2……1……スタート!」
会場内の人が一斉に動き始めた。
「ユートです」
「ユート、ユートさんね。あった、ハイどうぞ。このプレートは予選で使うからなくさないように注意してください」
今日はギルド感謝祭の予選実施日だ。会場入り口の受付で名前を告げると、ネーム入りのプレートを渡された。このプレートを使って何をするんだろう?
「それにしてもすごい人の数ね」
遅れて入ってきたアリサが思わず感嘆の声を漏らす。グランノーヴィル大陸の予選には、全部で百三ものギルドが参加しているらしい。一ギルドにつき五人代表が居るわけだから、ここには五百人以上の人がいるってことになる。
「みんな、召喚の準備はちゃんとしてきたか?」
ギルドのメンバーが全員入場したのを見てから、俺はみんなに確認する。
「勿論よ。……あんたはどの召喚をセットしてきたわけ?」
「ん? ああ、それは――」
――ドーン!
俺が言い終える前に赤色の煙幕が打ちあげられた。
「レディース&ジェントルメーン! 今日はみんなが待ちに待ったギルド感謝祭! なんと全部で百三のギルドが参加してくれることになったわ! この大会ではギルド代表の五人をチームと呼ばせてもらうけど、この百三チームの中の頂点を今日は決めるわよ! 盛り上がっていきましょ~!」
ローザがラッパのような拡声器を使ってイベントの開幕宣言をしている。ローザは大会の司会までやってるのか……大変そうだな。俺は前の方に行きローザに手を振るが、気づいてもらえない。この人数だから当たり前か。
「よ、期待の新人ユート君」
そう言って後ろから俺の肩を叩いたのは異端審問機関のリーダー、ミルドレッドだった。
「……どーも。もしかしてミルドレッドさんもこの大会に参加するの?」
「いや、違うよ。私は別件の方さ」
別件というのは、ヘルヘイムの幹部を捕まえるってやつのことだな。ヘルヘイムの名は会場では口にしてはいけないとローザに念を押されていたので、俺は黙って頷いた。
「ユートは参加者として頑張ってくれ。勿論有事の際には協力してほしいけどね」
「勿論協力しますよ。俺だって機関の一員なんだから」
ミルドレッドは俺の返事を聞くと、指を二本立ててよろしくとジェスチャーした後に人ごみの中に消えていった。
「しかし、この中に本当にいるのかね……」
俺は独り言をつぶやく。もし仮にこの中にヘルヘイムの連中がいたとしても、見つけ出すのは難しそうな気はしている。ミルドレッドには何か策があるのだろうか? そんなことを考えていると、再びローザのアナウンスが始まった。
「あーあー、みなさん聞こえますかー? 今から一次予選のルールを説明しま~す。この会場に入るときにプレートを配ったけど、ちゃんとなくさずに持ってるわよね?」
会場にいる人たちはネームプレートを確認している。早速これを使うのか。
「みんなにはこれから三十分間指相撲をしてもらいます! 互いの右手を親指以外の四本の指で握って、相手の親指を自分の親指で10カウント抑えたら勝ちというゲームよ。言われなくても知ってるわよね?」
指相撲だって? スポーツ大会という割には随分とこじんまりとした競技を選んだものだな。これだけ人がいるからそういう競技しか選べなかったのかな。
「近くにいる別のチームの人に声をかけて、お互いの同意が取れたらプレートを一つ賭けて勝負開始よ! 決着がついたら負けた人は勝った人にプレートを渡すこと。ここでプレート枚数の増減が発生するわけね。あと注意点が一つあって、同じチーム内だからと言ってプレートの譲渡は禁止! ……ルールはこれだけよ。簡単でしょ? プレートを集めた枚数が多い上位五チームが一次予選を勝ち抜けるわ」
会場がざわついた。ここでいきなり百三チームから五チームまで絞るのか。……勝ち抜けるのは大体5%ってところだな。というか指相撲って、俺たちのチーム不利じゃね?
「おい、みんなちょっとこっちに来てくれ」
俺はギルドのみんなを集めると、円陣を組んで作戦会議を始めた。
「いいか、自分より弱そうなやつとしか戦うなよ! 絶対だぞ! 特に一戦目は気をつけろよ? 負けたらそこで終わってしまうわけだからな」
会場には屈強な男もいるが、みたところ華奢な女の子もそれなりに居る。そういう相手に絞って戦わせた方が安全だろう。
「……わたし……左利き……」
シルヴィアが自信なさげに言う。シルヴィアは力があるほうじゃないし、かつ左利きとなるとここは安全策で行った方がいいな。
「わかった。シルヴィアは勝負しないで待機しててくれ。残りのメンバーでなんとかしよう、いいな?」
「わかったわ」
「……うん」
「わかったのである」
「承知いたしましたわ」
みんなは口々に返事をした。その声色からは不安な様子がうかがえる。俺も力が強いわけではないので正直自信はない……でもやるしかないんだ。
「さあ準備はいい? 3カウントしたら始めるわよ! ……3……2……1……スタート!」
会場内の人が一斉に動き始めた。
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