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第五十九話 力対力
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「逃げてないでかかって来いよ! どっちが最強のエリート召喚士か白黒つけようぜ」
メイルシュトロムは八重歯をちらつかせながら笑っている。戦闘が大好きって感じだな、まともに戦うと危なそうだ。
しかし水の流れを自在に操れるとなると俺も動けないのでどうしようもない。
そして水位は天上まで達し、ついに息もできない状況になってしまった。いよいよ本格的にやばい。
シルヴィアが来てくれれば問題ないのだが彼女の事だ、他のメンバーの救出に向かっていることだろう。
しばらくの間は俺で持ちこたえるしかないのか……。
「どうした? こないならこっちからいくぜー!」
メイルシュトロムはしびれを切らして攻撃フェーズに入ったようだ。
どんな攻撃をしかけてくるのかわからないが、俺に対応できるだろうか……。
「とりあえずこっちにきてもらうぜ~♪」
メイルシュトロムが手招きをすると同時に、水の流れが激しさを増した。
俺はその流れに逆らうことが出来ず、奴のほうに引き寄せられる。
奴の目の前に流されたときにはもう遅かった。
メイルシュトロムは俺が来るタイミングを見計らって勢いよくパンチを放ってきて、俺のみぞおちに的確に攻撃してきたのだ。
「――ぐはっ」
水に流された勢いと、逆ベクトルの正拳突きを受けた俺はひとたまりもない。
胃の中のものを全て吐き出しそうな感覚を受けて、反撃する余裕すらなかった。
「もう一回いくぜー!」
今度はメイルシュトロムから遠ざかる形の波が押し寄せて距離を取られてしまう。
ヒットアンドアウェイ、これが奴の戦略か……。
イフリートは花火でもない限り水での効果は薄い。
オーディンを使えばある程度波に逆らうことは出来るだろうが、五分で蹴りをつけられる自信はない。
ここは甘んじて攻撃を受けて耐えるしかないのか……。
その時、救世主がやってきた。アリサだ。
「ボコボコボコ……! ブクブクブク……!」
アリサが必死に何かを言っている。
水の中なので何を言っているかさっぱりだが、助けに来たと言っているのだろう。
助けに来てくれたのはありがたいのだが連携が取れないと非常にまずいな。
『ユート、監視していたエリート召喚士に動きがあったので助けに来たぞ! 状況はどうだ』
――これは!? ミルドレッドの『ミ=ゴ』によるテレパシーだ。俺は頭の中でミルドレッドへ返信するために念じてみた。
『ギルドが水で埋まってしまって、メイルシュトロムという水のエリート召喚士の独壇場になってしまっている。ミルドレッドは入ってこないほうが良い、それよりも水の中で喋れないので、アリサと俺の連絡の橋渡しを頼む』
『アリサ? お前の近くにいる女の事でいいんだな?』
『そうだ、彼女にシルフで俺の周囲にメイルシュトロムに向かって全力の風を起こすよう頼んでくれ』
『了解!』
双方向のテレパシーは便利だな。これは異端審問機関のリーダーに選ばれるのも納得の能力だ、もっとも彼女は能力がなくても選ばれるくらい有能だろうけど。
アリサの方を見るとテレパシーが伝わったのか、俺とアイコンタクトを交わした。
(メイルシュトロム! 今度はこっちから行くぜ! さっきの借りを返させてもらう!)
水の中で声は届かないが、勇気を奮い立たせる意味もあって俺は宣言した。
その直後、アリサに指示した通り強烈な風が吹き始めた。
このままいくと、自分からただ突っ込んでいき再びみぞおちパンチをもらうのが落ちだ。しかしそうはさせない。
恐れを振り切って全力で進めば、奴もそのスピードについてこれなくなるはずだ。そこに勝機はある。
俺はアリサの風にオーディンの加速を使い水の力と真っ向から勝負することを選び、メイルシュトロムの方に全力で進んだ。
「いいぜ! いいぜ! 全力でかかってくる奴は俺は大好きだ! 俺も敬意をもって最大限の力で対抗させてもらおう」
メイルシュトロムは水の流れを俺が進んでいる方向に向けて加速させた。
遠ざけるのではなく、さらに勢いをつけて引き寄せることを選んだのだ。
俺のスピードはもう水の中を泳ぐシャチよりも速い。
オーディン・シルフ・ポセイドンのすべての力が加わった速度だからだ。
この状況で繰り出した攻撃は、かすっただけでも致命的な攻撃となるだろう。
「次の一撃ですべてを決めようぜ!」
メイルシュトロムは正拳突きの構えを取って俺を待ち受ける。俺は右の拳を左手で覆い、腰をひねって思い切り振りかぶり力を溜める。
――そして二人は交錯した
その瞬間、ゴッという鈍い音が俺の頭に響いた。奴のパンチをもろに頭に受けてしまったのだ。
俺は意識を失う直前、フラフラになりながらも微かに音を聞いた。
「やるじゃねえか……。俺に一撃くらわ……せる……なんて」
――バタンッ、メイルシュトロムの倒れる音だ。
メイルシュトロムにも俺のパンチは直撃していたようだ。
……これで安心して俺も倒れることができる。
後は任せたぞみんな……本当にしんどい……戦いだった。
メイルシュトロムは八重歯をちらつかせながら笑っている。戦闘が大好きって感じだな、まともに戦うと危なそうだ。
しかし水の流れを自在に操れるとなると俺も動けないのでどうしようもない。
そして水位は天上まで達し、ついに息もできない状況になってしまった。いよいよ本格的にやばい。
シルヴィアが来てくれれば問題ないのだが彼女の事だ、他のメンバーの救出に向かっていることだろう。
しばらくの間は俺で持ちこたえるしかないのか……。
「どうした? こないならこっちからいくぜー!」
メイルシュトロムはしびれを切らして攻撃フェーズに入ったようだ。
どんな攻撃をしかけてくるのかわからないが、俺に対応できるだろうか……。
「とりあえずこっちにきてもらうぜ~♪」
メイルシュトロムが手招きをすると同時に、水の流れが激しさを増した。
俺はその流れに逆らうことが出来ず、奴のほうに引き寄せられる。
奴の目の前に流されたときにはもう遅かった。
メイルシュトロムは俺が来るタイミングを見計らって勢いよくパンチを放ってきて、俺のみぞおちに的確に攻撃してきたのだ。
「――ぐはっ」
水に流された勢いと、逆ベクトルの正拳突きを受けた俺はひとたまりもない。
胃の中のものを全て吐き出しそうな感覚を受けて、反撃する余裕すらなかった。
「もう一回いくぜー!」
今度はメイルシュトロムから遠ざかる形の波が押し寄せて距離を取られてしまう。
ヒットアンドアウェイ、これが奴の戦略か……。
イフリートは花火でもない限り水での効果は薄い。
オーディンを使えばある程度波に逆らうことは出来るだろうが、五分で蹴りをつけられる自信はない。
ここは甘んじて攻撃を受けて耐えるしかないのか……。
その時、救世主がやってきた。アリサだ。
「ボコボコボコ……! ブクブクブク……!」
アリサが必死に何かを言っている。
水の中なので何を言っているかさっぱりだが、助けに来たと言っているのだろう。
助けに来てくれたのはありがたいのだが連携が取れないと非常にまずいな。
『ユート、監視していたエリート召喚士に動きがあったので助けに来たぞ! 状況はどうだ』
――これは!? ミルドレッドの『ミ=ゴ』によるテレパシーだ。俺は頭の中でミルドレッドへ返信するために念じてみた。
『ギルドが水で埋まってしまって、メイルシュトロムという水のエリート召喚士の独壇場になってしまっている。ミルドレッドは入ってこないほうが良い、それよりも水の中で喋れないので、アリサと俺の連絡の橋渡しを頼む』
『アリサ? お前の近くにいる女の事でいいんだな?』
『そうだ、彼女にシルフで俺の周囲にメイルシュトロムに向かって全力の風を起こすよう頼んでくれ』
『了解!』
双方向のテレパシーは便利だな。これは異端審問機関のリーダーに選ばれるのも納得の能力だ、もっとも彼女は能力がなくても選ばれるくらい有能だろうけど。
アリサの方を見るとテレパシーが伝わったのか、俺とアイコンタクトを交わした。
(メイルシュトロム! 今度はこっちから行くぜ! さっきの借りを返させてもらう!)
水の中で声は届かないが、勇気を奮い立たせる意味もあって俺は宣言した。
その直後、アリサに指示した通り強烈な風が吹き始めた。
このままいくと、自分からただ突っ込んでいき再びみぞおちパンチをもらうのが落ちだ。しかしそうはさせない。
恐れを振り切って全力で進めば、奴もそのスピードについてこれなくなるはずだ。そこに勝機はある。
俺はアリサの風にオーディンの加速を使い水の力と真っ向から勝負することを選び、メイルシュトロムの方に全力で進んだ。
「いいぜ! いいぜ! 全力でかかってくる奴は俺は大好きだ! 俺も敬意をもって最大限の力で対抗させてもらおう」
メイルシュトロムは水の流れを俺が進んでいる方向に向けて加速させた。
遠ざけるのではなく、さらに勢いをつけて引き寄せることを選んだのだ。
俺のスピードはもう水の中を泳ぐシャチよりも速い。
オーディン・シルフ・ポセイドンのすべての力が加わった速度だからだ。
この状況で繰り出した攻撃は、かすっただけでも致命的な攻撃となるだろう。
「次の一撃ですべてを決めようぜ!」
メイルシュトロムは正拳突きの構えを取って俺を待ち受ける。俺は右の拳を左手で覆い、腰をひねって思い切り振りかぶり力を溜める。
――そして二人は交錯した
その瞬間、ゴッという鈍い音が俺の頭に響いた。奴のパンチをもろに頭に受けてしまったのだ。
俺は意識を失う直前、フラフラになりながらも微かに音を聞いた。
「やるじゃねえか……。俺に一撃くらわ……せる……なんて」
――バタンッ、メイルシュトロムの倒れる音だ。
メイルシュトロムにも俺のパンチは直撃していたようだ。
……これで安心して俺も倒れることができる。
後は任せたぞみんな……本当にしんどい……戦いだった。
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