支配するなにか

結城時朗

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第二章

取り調べに来た〇〇

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ーーーーー西野家の前・昼ーーーーー

手帳を見て、住所を確認している〇〇

〇〇「西野菜々・・・  とりあえず行くか」

ーーーーー西野の家・玄関前ーーーーー

インターホンを鳴らす〇〇。
オートロックのマンションで、警備が厳重である。
応答する西野。

西野「はい。どなたですか?」
〇〇「私、(警察手帳を見せて)こういうものです。  二、三、お伺いしたいのですがお時間よろしいですか?」
西野「今から、仕事なんで手短にお願いします」
〇〇「では、早速。  現在、白井麻衣さんを探してるんですが、訪ねに来たり、会ったりとかされてませんか?」
西野「あー、今行方不明なんですよね?  私も心配してるんです。  会えるなら会いたいですよ!」
〇〇「では、会っていないということですね?」
西野「はい。  まさか、殺されてたりとかは?」
〇〇「分かりません。  まだ見つかってないですからね。」
西野「ですよね」
〇〇「麻衣さんについて、行きそうな場所とか、よく行ってたとか、何か情報ありませんか?」
西野「さぁ?  映画好きなのは知ってます。  よく2人で映画館に行ってました。  私が卒業してからはほとんど合わなくなったので」
〇〇「そうですか。  他に思い出せる情報とかどうですか?」
西野「もしかして、何か疑ってます?」
〇〇「いや、全然そんなことないですよ!  交友があった方にお話を聞いてるだけなので」
西野「何もないです。  何かあったらご連絡します」
〇〇「私の名刺です。何かあればこちらに」

名刺を渡す〇〇

西野「西田さんって言うんですね。  私と1文字違い」
〇〇「そうですね。  これも何かの縁ってことかもですね」
西野「そろそろ、仕事に行かないと行けないので」
〇〇「お忙しい中ありがとうございました」
西野「私でお役に立てるならなんでも協力します」
〇〇「ありがとうございます。  それでは、失礼します」
西野「では」

扉を閉め、チェーンをかける

〇〇はエレベーターの方向へ行く

〇〇「何かにおうな・・・」

その頃西野は、扉の前で座っていた。

西野M「何とか誤魔化したけど、何やろう?  あの感覚。  全て見透かされてる感」

リビングに向かう西野。

ーーーーーリビングーーーーー

昨日と変わらず手足を縛られている麻衣
ただ1つ変わったところは、タオルで 猿轡さるぐつわをされている麻衣。

麻衣「アーアアン!!(なーちゃん!!)」
西野「ごめんごめん!  警察きたからさ、もし性格が別人になった時叫ばれたら困るからさ!」

タオルの猿轡さるぐつわを外す西野。

西野「怒らんといてな!」

手足を縛っていたタオルを取る西野。
体を起こし、手首を回す麻衣。

麻衣「これ以上、迷惑かけられないから、私出るよ!  昨日も別人格出たと思う」
西野「うん。  叫んでた。  タダじゃおかねぇーとか、Aじゃないだろうな?  とか」
麻衣「えっ?  私っていうか、別の方も?そう言ってた?」
西野「うん。  なぁ?  Aって誰?」
麻衣「なぁちゃんには、関係ないよ!」
西野「そうかもしれへんけど、隠さんでええやん!」

麻衣は自分の荷物を持って出ていこうとする。
麻衣の手を掴む西野。

麻衣「離して!」

振り払おうとする麻衣。
西野は、その手を自分の方に引き寄せ、抱きつく。

西野「もう、1人で悩まんといて!  抱え込まんといて!  私が付いてるから!」

予想もしなかった状態に驚く麻衣。
麻衣は、意識していなかったが不意に出てきた涙が頬を伝っている事を確認する

麻衣「ごめんね・・・」
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