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お城妖精のお仕事日報及び雑記

妖精の関心事ベスト3!

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どんな世界でも個々が集まれば、組織ってやつが出来上がるものらしい。

その場合、ちょっとばかり他より頭が良かったり、要領が良かったり、見識があったりする者が他者を束ねて、共通の利害のために協力したり、または争ったり。

稀に、たまたま他より声が大きくて主張強めなやつ、そこに古くからいるってだけで幅を利かせているやつ、なんかもいる。


そして、シリシアンの城中でもそんな先住先輩の城妖精方が当然いたわけだ。

突然現れた下級妖精のリアムが、あれよあれよという間に城主付きの執事に成り上がったのに、誰も文句を言わなかったか?


言わなかった、のだ。
いや、言うはずもなかった。


シリシアンは前任の棺の鍵係だった者に、ここよりも、もっと良い職場を紹介した。

リアムの提案である。

自分が後任に就きやすいように、と先手を打ったわけだ。


こうして、元いた前任者たちに、ここよりも良い職場を提供し、前任者達がいなくなったポストへ下級の妖精達が繰り上がって昇給したわけだから、皆、リアム様々なのである。


「なんてチョロい」


そうやって、リアムは自分に最適な職場環境を整え、適当に仕事をこなし、近頃では少しずつ心に余裕が出てきている。


そして、人間、いや、妖精でも心とからだに余計な(暇)が出来ると、何やら今まではまったく気にもしなかったことや、どうでも良かったことが、まとめて気になりだすらしい。


今、リアムが気になっていること、トップスリーは

①自分の外見
②シリシアンのヘタレ具合
③自分の寿命

についてだった。

特に③については、シリシアンの母親が城へやって来たとき、クリティカルに飛び込んできた関心事だった。


自分の寿命について?



生まれたら働く、という概念しか持ち合わせていない妖精たちである。

死という概念がない。

逆に、生きる、という生物的本能が物凄く強い。

かといって、労働に喜びを持っているかと言われれば、それはまったくない。

ただ、目の前にやらなければいけない事があるから、そして何より今日を生きるために本能的に働いている、のだろう。

毎日せっせっと働く事で忙しい妖精が、自らの寿命や死について、考えたり、語り合ったりすることなど皆無であった。



シリシアンの母親の名はルルベラ。


彼に似てとても美しいヴァンパイアだ。

顔色は青白く血管が透けて見えるほど。

黒々とした長い髪は緩い巻き毛で、頭の後ろで結い上げられてはいるが、それでも腰の辺りまで届く。


そのルルベラが部屋の隅に立つリアムをいち早く発見し言った。

「あら、随分可愛らしい執事だこと」

続けて

「明日にも死んじゃいそうwww」



***(-_-){ 我、明日死ぬんか?)








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