最悪最凶スキル『デスゲームメーカー』生存確率…

昆布海胆

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第4話 始まり

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『白根優里』
坂上竜一の幼馴染みで小学校中学校と同じ学校に通った。
おさげの髪を高校に入ってからは下ろしている眼鏡の大人しい娘であった。
竜一とは何度か同じクラスになった事があるだけでそれほど二人に接点は無い…
その彼女が鮫島の腰巾着の一人である石崎に連れてこられていた。

「おっ!なんだ前のはもう飽きたのか?」

鈴木が石崎にニヤニヤとした顔で声を掛けた。
それに対して残念そうに石崎が答える。

「ちょっと無茶しちまってな、今頃は入院してるんじゃねーか?」
「だからっていきなり浮気かよ」
「こりゃ裁判沙汰だな」
「「ギャハハハハハハ」」

二人の会話にこれからどんな目に遭わされるのか予想した白根さんは真っ青になって震えているように見えた。

「や、止めろ…」

鮫島に膝蹴りを入れられた腹部が痛むが絞り出すように声を出す竜一。
しかし、それを聞いた鈴木が突然切れだした。

「あぁん?お前、誰に命令してんだごらぁ!」

既に鮫島は俺から離れた場所に居た。
だからこそ口から言葉が出たのかもしれない。
そんな言葉は鈴木を切れさせるのに十分だったらしい。
近寄ってきて前蹴りが顔面に突き刺さる。

「ぐぁ…」

仰向けに鼻血を出しながら倒れる。
普段は顔面には暴行を受けなかったので油断していた。
そんな俺の耳に叫びが飛び込んでくる!

「止めて!坂上君!」

まるで白根さんのその言葉は俺が何かをしようとしているのを止めているみたいだ…
正確には鈴木を止めて次に俺の名を呼んだんだろうなと考えたら面白くなった。
だがそんな考えは直ぐに吹き飛ぶことになる。
白根さんが止めたのは鈴木に振り上げられた金属バットの事であった。

「おらぁ!」

腹部に降り下ろされた金属バットは全てを吐き出させる。
後悔も絶望も思考すらも口から吹き出し頭の中は激痛が支配する。
視界が真っ暗に飛び顔を手で押さえていたせいでモロに金属バットを受けた腹の中身が口から出そうになる。
まるで重症を負った虫のように地面を悶え苦しみ転げ回る。

「げぼぅ…ぶぐぅ…うげぇ…」

全身を支配する耐え難い苦痛に口から漏れるのは今まで出したこともない言葉。
後ろで何人かの言い争いのような物が聞こえるが全く耳に入ってこない。



どれくらい苦しんだのか分からない。
腹部からの痛みは治まることは無い、全身から嫌な汗が吹き出す。
そんな俺を何人かが引きずって何処かへ連れ込んでいく。
入り口の段差の様な感触でそこが鮫島達の溜まり場であるプレハブに連れられたのだと理解した。

「ちっ、ほら看病してやれ」

かろうじでプレハブの足を洗う用の水場に転がされた俺の顔を覗き込む白根さんの顔が見えた。
頬を伝うのは彼女の涙だと理解出来るくらい頭が回り出してきた。

「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」

何故彼女がそれほど謝るのか理解が出来ないが彼女の謝罪の言葉は違和感を覚えた。
そして、それは始まるのであった…

『生存せよ…LIFE1』

それは確かに頭の中に届いた。
坂上の運命を変えるデスゲームが始まる…
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