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第59話 見える者と見えない者
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時は少し巻き戻る…
「おかしいな…」
「やっぱりアンタもそう思うかい?」
「あぁ、これは誘われたかもな」
おばさんとジタンさんが前で話をしている。
私はカインさん、慣れないからやっぱいお兄さんと呼ぼう。
カインさんに手を引かれて道を歩いている。
さっきから黄色い霧のような物が立ち込め獣道を歩き始めているのである。
明らかに道を反れ出したのだが隣町へ行ったことがあるジタンさんが案内しているのだから間違いないだろうと気にしなかったが明らかにおかしい…
すると変な生き物を見かけた。
緑の色をした人形の化け物…
杖を手に冠やボロボロのマントのようなモノを身に付けていた。
そいつは私たちが通り過ぎた後を付けて歩き始めた。
少ししておばさんが下がってきて声を掛けてくる…
「カイン、リリン…絶対に振り返っちゃ駄目よ」
「えっ?おばさんなんで…」
「いいから!」
後ろを歩いているあの化け物の足音と奇妙な呟きみたいなのが聞こえる中、言われた通りお兄さんの手を強く握って振り返らずに歩き続けた。
「おい、俺の後ろに何も居ないよな?」
「何も居ないわよ!気にしないで進みなさい!」
気が付いたらさっきのやつの仲間だろうか、そいつがジタンさんの真横を歩いていた。
明らかにこれはおかしい…私はお兄さんに伝えようとするが…
「お兄さん…」
「心配するな…俺が付いてる…」
お兄さんが微笑みそう言うので私は何も言えずそいつらと一緒に道を歩き続けた。
特に危害を加えてくる様子もないので見た目はあれだが良い生き物なのかもしれない…
「おいおい、本当に在ったぞ…」
前を歩いていたジタンさんが口にしてそれを見詰めていた。
「本当に在ったのか…赫の家」
雷が鳴り雨がポツリと降りだす。
「かくの…いえ?」
「あぁ、リリンも知らなかったか?」
「うん…」
ジタンさんがそう言うのだが私の目にはどう見てもボロ小屋にしか見えなかった。
木で出来た一階しかない小屋なのに何故か3人とも上を見上げてる…
その様子に奇妙な違和感を覚えるが私は考えた…
そう、私は悪魔の子なのだ…
きっとおかしいのは皆じゃなくて私なんだ…
そう考える私の前で在りもしないドアを開けようとジタンさんが手を伸ばしていた。
「この道を進んでも抜けれないんですか?」
「大方の予想通りだと思うがまたここに戻ってくるらしい…試してみるか?」
お兄さんとジタンさんはそんな話をするが、私には小屋の中からこちらを見詰めるあの緑の生き物の視線でそれどころでは無い…
私がそう考えたときにお兄さんとの手が離れたのであった
「おかしいな…」
「やっぱりアンタもそう思うかい?」
「あぁ、これは誘われたかもな」
おばさんとジタンさんが前で話をしている。
私はカインさん、慣れないからやっぱいお兄さんと呼ぼう。
カインさんに手を引かれて道を歩いている。
さっきから黄色い霧のような物が立ち込め獣道を歩き始めているのである。
明らかに道を反れ出したのだが隣町へ行ったことがあるジタンさんが案内しているのだから間違いないだろうと気にしなかったが明らかにおかしい…
すると変な生き物を見かけた。
緑の色をした人形の化け物…
杖を手に冠やボロボロのマントのようなモノを身に付けていた。
そいつは私たちが通り過ぎた後を付けて歩き始めた。
少ししておばさんが下がってきて声を掛けてくる…
「カイン、リリン…絶対に振り返っちゃ駄目よ」
「えっ?おばさんなんで…」
「いいから!」
後ろを歩いているあの化け物の足音と奇妙な呟きみたいなのが聞こえる中、言われた通りお兄さんの手を強く握って振り返らずに歩き続けた。
「おい、俺の後ろに何も居ないよな?」
「何も居ないわよ!気にしないで進みなさい!」
気が付いたらさっきのやつの仲間だろうか、そいつがジタンさんの真横を歩いていた。
明らかにこれはおかしい…私はお兄さんに伝えようとするが…
「お兄さん…」
「心配するな…俺が付いてる…」
お兄さんが微笑みそう言うので私は何も言えずそいつらと一緒に道を歩き続けた。
特に危害を加えてくる様子もないので見た目はあれだが良い生き物なのかもしれない…
「おいおい、本当に在ったぞ…」
前を歩いていたジタンさんが口にしてそれを見詰めていた。
「本当に在ったのか…赫の家」
雷が鳴り雨がポツリと降りだす。
「かくの…いえ?」
「あぁ、リリンも知らなかったか?」
「うん…」
ジタンさんがそう言うのだが私の目にはどう見てもボロ小屋にしか見えなかった。
木で出来た一階しかない小屋なのに何故か3人とも上を見上げてる…
その様子に奇妙な違和感を覚えるが私は考えた…
そう、私は悪魔の子なのだ…
きっとおかしいのは皆じゃなくて私なんだ…
そう考える私の前で在りもしないドアを開けようとジタンさんが手を伸ばしていた。
「この道を進んでも抜けれないんですか?」
「大方の予想通りだと思うがまたここに戻ってくるらしい…試してみるか?」
お兄さんとジタンさんはそんな話をするが、私には小屋の中からこちらを見詰めるあの緑の生き物の視線でそれどころでは無い…
私がそう考えたときにお兄さんとの手が離れたのであった
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