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教会の懺悔室
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ここは私の教会。
私はこの教会で神父をしている。
そんな私は今年で55歳だ。
今朝もいつもの様に我が家を午前5時過ぎには出て教会にやって来ては掃除をして祈りを捧げる。
「おはようございます神父様」
「はい、おはようございます」
毎朝掃除を手伝ってくれる子供達と一緒に朝食を頂く。
教会は寄付金で運営しているのでこの食事も皆さんの善意による物だ。
ありがたく食前の祈りをしっかりして頂く。
「ごちそうさまでした」
「「「ごちそうさまでした」」」
子供達は食事の後片付けをしてから自宅へ帰っていく。
あぁ、今日も良い一日になりそうだ。
そうして私はいつもの懺悔室へ入る。
知らない人も居ると思いますがここは自らの罪を懺悔する部屋。
教会にいらっしゃった方々から僅かな寄付金を受け取って懺悔を聞くわけです。
勿論相手の顔などは絶対に分からないようになっており、私は出来るだけ親切に丁寧に相手の話を聞いて論する。
これを続けてもう30年になるので慣れたモノであった。
「失礼します」
おや、新しい方が来ましたね。
「どうなさいましたか?」
「神父様、私は今日盗みを働いてしまいました。娘が病気でお金が必要だったのです。ですが盗んで売り払ったお金で買ったこの薬を今になって娘に渡しても良いものかと悩みマシて・・・」
「人の命の為に行動したのは立派ですが盗まれた人にとってそれはとても良くない事でしょうね」
「そうなのです。私は凄く反省しています。なので神父様、この薬を受け取っては貰えないでしょうか?」
「私はその薬を受け取れません、形は変わってしまいましたが持ち主に事情を話して返すのをお勧めします」
「それが・・・事情を話しましたら盗んだ家の人から返すのを断られてしまったのです」
「そうですか、それでしたらそのお薬は貴方が娘さんの為に使ってあげて下さい。それが元の持ち主の願いでしょうから」
「分かりました」
こういった相談は本当に毎日の様に来る。
ですが今日の相談はとても素晴らしい話でしたね、世の中まだまだ捨てたものではありません。
今日も教会の戸締りを済ませて私は自宅へ帰ります。
そして、玄関を開けて中を見て唖然としました。
「ど、泥棒?!」
自宅に在った家具等が一切合切無くなっていたのでした・・・
完
私はこの教会で神父をしている。
そんな私は今年で55歳だ。
今朝もいつもの様に我が家を午前5時過ぎには出て教会にやって来ては掃除をして祈りを捧げる。
「おはようございます神父様」
「はい、おはようございます」
毎朝掃除を手伝ってくれる子供達と一緒に朝食を頂く。
教会は寄付金で運営しているのでこの食事も皆さんの善意による物だ。
ありがたく食前の祈りをしっかりして頂く。
「ごちそうさまでした」
「「「ごちそうさまでした」」」
子供達は食事の後片付けをしてから自宅へ帰っていく。
あぁ、今日も良い一日になりそうだ。
そうして私はいつもの懺悔室へ入る。
知らない人も居ると思いますがここは自らの罪を懺悔する部屋。
教会にいらっしゃった方々から僅かな寄付金を受け取って懺悔を聞くわけです。
勿論相手の顔などは絶対に分からないようになっており、私は出来るだけ親切に丁寧に相手の話を聞いて論する。
これを続けてもう30年になるので慣れたモノであった。
「失礼します」
おや、新しい方が来ましたね。
「どうなさいましたか?」
「神父様、私は今日盗みを働いてしまいました。娘が病気でお金が必要だったのです。ですが盗んで売り払ったお金で買ったこの薬を今になって娘に渡しても良いものかと悩みマシて・・・」
「人の命の為に行動したのは立派ですが盗まれた人にとってそれはとても良くない事でしょうね」
「そうなのです。私は凄く反省しています。なので神父様、この薬を受け取っては貰えないでしょうか?」
「私はその薬を受け取れません、形は変わってしまいましたが持ち主に事情を話して返すのをお勧めします」
「それが・・・事情を話しましたら盗んだ家の人から返すのを断られてしまったのです」
「そうですか、それでしたらそのお薬は貴方が娘さんの為に使ってあげて下さい。それが元の持ち主の願いでしょうから」
「分かりました」
こういった相談は本当に毎日の様に来る。
ですが今日の相談はとても素晴らしい話でしたね、世の中まだまだ捨てたものではありません。
今日も教会の戸締りを済ませて私は自宅へ帰ります。
そして、玄関を開けて中を見て唖然としました。
「ど、泥棒?!」
自宅に在った家具等が一切合切無くなっていたのでした・・・
完
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