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第15話 神の力
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空に浮かぶシエルの体から後光が射し光の線が翼の様に見える。
それを見上げるヒロシはクリスの死体を寝かせて立ち上がった。
「さて、オロチの神の降臨にも成功したしここからは交渉だ!」
『なに?何を言っている?我は神なるぞ』
シエルの声がぶれて自我が飲み込まれつつあるのを理解したヒロシは自身の背中に手を入れる。
スルリとそこから出てきたのは金属バットであった。
『愚かな人間よ、多少我の力に抗う事が出来るようだがそこまでだ!』
その瞬間シエルから光の小さな玉が一つ放たれた。
ヒロシはそれを見て直ぐに理解をした。
見た目は小さな光る玉、だがその周囲2メートル程は見えない真空の刃が存在するのだ。
ヒロシはそれを見抜いた上で両腕を広げて立ち続ける。
背後にクリスが倒れているので回避するとその体をズタズタにしてしまうからだ。
「秘奥義・・・僕は死にましぇーん!」
ヒロシは叫んだ。
まるで102回目のプロポーズである。
そして、光の玉はヒロシの前で止まった。
『バ・・・バカな・・・私の力が止められた?』
「一応聞いておこう、今降参するなら絶望を体験しなくてもいいぞ」
『ふ・・・ふざけるなぁー!!!!』
ヒロシの忠告はまるで逆効果で鬼の形相に変化したシエルは両手を広げる。
すると地面が揺れて周囲の瓦礫や岩が空中に持ち上がる。
『物理的に潰れて死ね!』
シエルが手を翳すと浮かんでいた岩や瓦礫が一斉にヒロシに向かって飛んできた。
それを見たヒロシは手にしていた金属バットを右手に持ち構える。
何故かバットを逆に持つ体勢のまま腰を低くしてそれを放つ!
「アバン○トラッシュ!」
金属バットから放たれたのは斬撃ではなく打撃であった。
本来剣を使って放つ技であるアバンス○ラッシュを金属バットで行なったのだ。
そして、その飛ぶ打撃は飛来していた岩や瓦礫を粉々にしながらシエルの方へ飛んでいく!
『甘いわ!』
シエルが指を翳すとそこに光の盾の様な物が発生し飛ぶ打撃と接触した瞬間共に粉々に砕け散った。
ヒロシの必殺技を簡単に防いだ事でシエルは口元を歪めるがヒロシは全くシエルの方を見ていなかった。
「ほらクリスそろそろ起きようぜ」
そう言って羽の様なものを一つ取り出しクリスに与える。
それがヒラリヒラリと死んでいるクリスの胸に乗るとクリスの心臓が再び動き出した。
そう、かの有名なフェニックスの尾であった。
「そして、これだ!たーんとお飲みなさい」
更にヒロシが取り出したのは容器であった。
手書きのラベルで『ひろしスペシャル』と書かれたそれを開き中のカプセル錠剤を倒れているクリスの口へと流し込む。
流し込まれるたびにビクンビクンと体を反応させるクリスの異様な様子にシエルもその様子を伺っていた。
ヒロシが無視をしていたのに怒ろうと思ったのだが突如生き返ったクリスに驚いて怒りを忘れていたのだ。
「ごふ・・・ごは・・・ご・・・ごぼっ・・・」
錠剤を飲み込んだクリスは目をカッと開いて上体を起こした!
そして・・・叫んだ。
「お・・・おおお・・・オクレ兄さん!!!」
『へ・・・変な夢見てるーっ!!』
意味不明な叫びに突っ込みを入れてしまったシエルであるが生き返ったのならもう一度殺せばいいと考え直しヒロシとクリスを見下ろす。
だがまるで今は俺達のターンだと言わんばかりにヒロシは起き上がったクリスにもう一つ大切な物を取り出した。
「さぁ、飲むんだ」
「・・・んぐ・・・んぐ・・・んぐ・・・」
それを飲んだクリスの体に直ぐに変化は現れた。
まるで筋肉が別の生き物に変化しようとするかのように盛り上がりクリスの体をムキムキに変えていく。
そう、ヒロシが飲ませたのはかの有名な『ドーピングコンソメスープ』なのであった!
『愚かな・・・』
そう言ったシエルは地上に降り立った。
それを見たクリスは肥大化した筋肉を大きく動かして歩き出した。
一歩、また一歩と歩くたびにその歩行速度は上がっていく・・・
だがそれはクリスが速度を上げているのではなかった。
『大神(おおみわ)』
それはシエルの体を中心に周囲の全ての物が引き寄せられる技であった。
気付いた時には既に遅くクリスの体は自由が利かなくなりシエルの前に立ち尽くした。
即座にシエルの腕がクリスの腹部へ突き刺さった。
その腹部から腕と共に青白い玉が引き抜かれた。
『儚いものよ』
その青白い玉をシエルは握り潰した!
それと共にクリスの体がきりもみ状態で吹き飛ぶ。
魂の一部を引き抜いて握り潰したのだ。
地面を転がるクリスは既に瀕死となっていた。
「仕方ない、俺がやるかなぁ!」
本来ならこの世界の戦いはこの世界の人間であるクリスに任せるつもりだったのだが予想以上のオロチ神の力にヒロシは行動を起こした。
パチンッ!
『ウッ・・・いまなにをした?』
ヒロシが指をパチンっと鳴らすとシエルは頭を押さえてふら付いた。
それを見てヒロシはちょっとガッカリした表情を見せるが手にしていた金属バットを握り締めてシエルを見詰める。
『そんなもので私を倒すつもりなのか?』
「確かに、今のままじゃ駄目だろうな・・・だったらこうするまでよ!卍解!」
その言葉と共にヒロシの手にしていた金属バットが光り輝き刀の形へと変化していく・・・
それは本当は死神の持つ武器である斬魄刀なのであった。
しかし、ヒロシは刀に変化したその刀を見て無言で頷く。
いつの間にか白黒の死神装束に着替えていたヒロシであったが刀が突如光り輝きだした!
「やっぱ神を相手にするならこれは必需品でしょ?」
そう言ってヒロシの手に在った刀は変化して巨大な動力工具になった。
それのレバーを入れれば物凄い速度で工具の周囲の刃が高速で回転を始めた!
気付けばヒロシの姿はまた変わっており青いツナギの様な物を着ていた。
「さて、もう一度だけ聞く。降参しないのか?」
『わ、私は神なるぞ!』
「分かった。なら容赦しない!」
そう言って何処からか取り出した白い仮面を顔に被せて高速回転する電動工具をシエルに向ける。
これを武器として使うならこれは必需品だろうと言わんばかりにノリノリなヒロシ。
その姿は御存知14日の土曜のあの人であった。
手にしている武器は勿論チェーンソー。
神すらも一撃で殺すことが出来る武器である。
『無駄だ!武器である以上近寄れ無ければ使用できまい!そのままそこで死ね!』
シエルがそう告げると空にオーロラが現れる!
そして、そのオーロラの光がヒロシ達の元へ差し込んだ!
『さぁ、無に帰ろう!』
ヒロシの体もクリスの体もその空から差し込んだ光に包まれた・・・
その体を光そのものが傷つけだす!
この周囲全てが同じように標的となるのだが最初の時点で綺麗に掃除されていた。
逆にこれが逃げる場所を完全になくしていたのだ。
『ほぅ・・・立ち往生か・・・まさしく武士であったな。』
光が収まったその場所に強烈な光が差し込んでヒロシとクリスの体は全身にそれを浴びた。
ヒロシはクリスに止めを刺されないようにその身を挺して全てを受け止めた。
その結果、全身はボロボロとなり手にしていたチェーンソーもいつのまにか停止していた。
しかし、再びシエルの視界がふら付いた。
『まっまたかっ一体何なんだ?』
そう言ったシエルの背後からその声は聞こえた。
「やっぱこれじゃだめかぁ~」
いつの間にかシエルの背後に回りこんでいたヒロシは手にしていたチェーンソーを横へ捨てた。
それに違和感を覚えつつもシエルはヒロシから距離を取る。
「さて、んじゃあソロソロ反撃と行きますかね!」
そして、ヒロシが動き出す!
それを見上げるヒロシはクリスの死体を寝かせて立ち上がった。
「さて、オロチの神の降臨にも成功したしここからは交渉だ!」
『なに?何を言っている?我は神なるぞ』
シエルの声がぶれて自我が飲み込まれつつあるのを理解したヒロシは自身の背中に手を入れる。
スルリとそこから出てきたのは金属バットであった。
『愚かな人間よ、多少我の力に抗う事が出来るようだがそこまでだ!』
その瞬間シエルから光の小さな玉が一つ放たれた。
ヒロシはそれを見て直ぐに理解をした。
見た目は小さな光る玉、だがその周囲2メートル程は見えない真空の刃が存在するのだ。
ヒロシはそれを見抜いた上で両腕を広げて立ち続ける。
背後にクリスが倒れているので回避するとその体をズタズタにしてしまうからだ。
「秘奥義・・・僕は死にましぇーん!」
ヒロシは叫んだ。
まるで102回目のプロポーズである。
そして、光の玉はヒロシの前で止まった。
『バ・・・バカな・・・私の力が止められた?』
「一応聞いておこう、今降参するなら絶望を体験しなくてもいいぞ」
『ふ・・・ふざけるなぁー!!!!』
ヒロシの忠告はまるで逆効果で鬼の形相に変化したシエルは両手を広げる。
すると地面が揺れて周囲の瓦礫や岩が空中に持ち上がる。
『物理的に潰れて死ね!』
シエルが手を翳すと浮かんでいた岩や瓦礫が一斉にヒロシに向かって飛んできた。
それを見たヒロシは手にしていた金属バットを右手に持ち構える。
何故かバットを逆に持つ体勢のまま腰を低くしてそれを放つ!
「アバン○トラッシュ!」
金属バットから放たれたのは斬撃ではなく打撃であった。
本来剣を使って放つ技であるアバンス○ラッシュを金属バットで行なったのだ。
そして、その飛ぶ打撃は飛来していた岩や瓦礫を粉々にしながらシエルの方へ飛んでいく!
『甘いわ!』
シエルが指を翳すとそこに光の盾の様な物が発生し飛ぶ打撃と接触した瞬間共に粉々に砕け散った。
ヒロシの必殺技を簡単に防いだ事でシエルは口元を歪めるがヒロシは全くシエルの方を見ていなかった。
「ほらクリスそろそろ起きようぜ」
そう言って羽の様なものを一つ取り出しクリスに与える。
それがヒラリヒラリと死んでいるクリスの胸に乗るとクリスの心臓が再び動き出した。
そう、かの有名なフェニックスの尾であった。
「そして、これだ!たーんとお飲みなさい」
更にヒロシが取り出したのは容器であった。
手書きのラベルで『ひろしスペシャル』と書かれたそれを開き中のカプセル錠剤を倒れているクリスの口へと流し込む。
流し込まれるたびにビクンビクンと体を反応させるクリスの異様な様子にシエルもその様子を伺っていた。
ヒロシが無視をしていたのに怒ろうと思ったのだが突如生き返ったクリスに驚いて怒りを忘れていたのだ。
「ごふ・・・ごは・・・ご・・・ごぼっ・・・」
錠剤を飲み込んだクリスは目をカッと開いて上体を起こした!
そして・・・叫んだ。
「お・・・おおお・・・オクレ兄さん!!!」
『へ・・・変な夢見てるーっ!!』
意味不明な叫びに突っ込みを入れてしまったシエルであるが生き返ったのならもう一度殺せばいいと考え直しヒロシとクリスを見下ろす。
だがまるで今は俺達のターンだと言わんばかりにヒロシは起き上がったクリスにもう一つ大切な物を取り出した。
「さぁ、飲むんだ」
「・・・んぐ・・・んぐ・・・んぐ・・・」
それを飲んだクリスの体に直ぐに変化は現れた。
まるで筋肉が別の生き物に変化しようとするかのように盛り上がりクリスの体をムキムキに変えていく。
そう、ヒロシが飲ませたのはかの有名な『ドーピングコンソメスープ』なのであった!
『愚かな・・・』
そう言ったシエルは地上に降り立った。
それを見たクリスは肥大化した筋肉を大きく動かして歩き出した。
一歩、また一歩と歩くたびにその歩行速度は上がっていく・・・
だがそれはクリスが速度を上げているのではなかった。
『大神(おおみわ)』
それはシエルの体を中心に周囲の全ての物が引き寄せられる技であった。
気付いた時には既に遅くクリスの体は自由が利かなくなりシエルの前に立ち尽くした。
即座にシエルの腕がクリスの腹部へ突き刺さった。
その腹部から腕と共に青白い玉が引き抜かれた。
『儚いものよ』
その青白い玉をシエルは握り潰した!
それと共にクリスの体がきりもみ状態で吹き飛ぶ。
魂の一部を引き抜いて握り潰したのだ。
地面を転がるクリスは既に瀕死となっていた。
「仕方ない、俺がやるかなぁ!」
本来ならこの世界の戦いはこの世界の人間であるクリスに任せるつもりだったのだが予想以上のオロチ神の力にヒロシは行動を起こした。
パチンッ!
『ウッ・・・いまなにをした?』
ヒロシが指をパチンっと鳴らすとシエルは頭を押さえてふら付いた。
それを見てヒロシはちょっとガッカリした表情を見せるが手にしていた金属バットを握り締めてシエルを見詰める。
『そんなもので私を倒すつもりなのか?』
「確かに、今のままじゃ駄目だろうな・・・だったらこうするまでよ!卍解!」
その言葉と共にヒロシの手にしていた金属バットが光り輝き刀の形へと変化していく・・・
それは本当は死神の持つ武器である斬魄刀なのであった。
しかし、ヒロシは刀に変化したその刀を見て無言で頷く。
いつの間にか白黒の死神装束に着替えていたヒロシであったが刀が突如光り輝きだした!
「やっぱ神を相手にするならこれは必需品でしょ?」
そう言ってヒロシの手に在った刀は変化して巨大な動力工具になった。
それのレバーを入れれば物凄い速度で工具の周囲の刃が高速で回転を始めた!
気付けばヒロシの姿はまた変わっており青いツナギの様な物を着ていた。
「さて、もう一度だけ聞く。降参しないのか?」
『わ、私は神なるぞ!』
「分かった。なら容赦しない!」
そう言って何処からか取り出した白い仮面を顔に被せて高速回転する電動工具をシエルに向ける。
これを武器として使うならこれは必需品だろうと言わんばかりにノリノリなヒロシ。
その姿は御存知14日の土曜のあの人であった。
手にしている武器は勿論チェーンソー。
神すらも一撃で殺すことが出来る武器である。
『無駄だ!武器である以上近寄れ無ければ使用できまい!そのままそこで死ね!』
シエルがそう告げると空にオーロラが現れる!
そして、そのオーロラの光がヒロシ達の元へ差し込んだ!
『さぁ、無に帰ろう!』
ヒロシの体もクリスの体もその空から差し込んだ光に包まれた・・・
その体を光そのものが傷つけだす!
この周囲全てが同じように標的となるのだが最初の時点で綺麗に掃除されていた。
逆にこれが逃げる場所を完全になくしていたのだ。
『ほぅ・・・立ち往生か・・・まさしく武士であったな。』
光が収まったその場所に強烈な光が差し込んでヒロシとクリスの体は全身にそれを浴びた。
ヒロシはクリスに止めを刺されないようにその身を挺して全てを受け止めた。
その結果、全身はボロボロとなり手にしていたチェーンソーもいつのまにか停止していた。
しかし、再びシエルの視界がふら付いた。
『まっまたかっ一体何なんだ?』
そう言ったシエルの背後からその声は聞こえた。
「やっぱこれじゃだめかぁ~」
いつの間にかシエルの背後に回りこんでいたヒロシは手にしていたチェーンソーを横へ捨てた。
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