Silver Week

セリーネス

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Emotional Connection 3

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ルーに手を引かれて脱衣室へ来たけれど「反省してくる」と言ってサラだけを中へ入る様に促したグヴァイは、自室へ向かって行った。
確かに今は一人で湯を浴びたい気分だったので、内心ホッとする。
久志の提案で引き戸に替えて貰った脱衣室の戸を開ければ、そこは明るいミントグリーンの壁紙に白い小さな花が描かれているとても可愛らしい室内と変わっていた。
屋敷内の壁紙や装飾はどれも品が有り好みだったのに、何故か今居る脱衣室と浴室だけは濃い赤色と紫色の壁紙と大き過ぎる鏡が置かれた室内だった。
異様に肉感的で官能的な装飾に仕上げらている様に感じ、サラを含め3人全員即座に改装を依頼した。ただ、内覧した日から引っ越しまでの日が無かったので心配をしていたけれど、無事に済んだ様でホッとする。
……しかし、何故か長椅子や簡易寝台が脱衣室と浴室両方に置かれていて、せっかく可愛くなったのになんともいかがわしい雰囲気を醸し出している。

『内覧で来た時には、こんなの置いて無かったよね……?』

半眼になりながらそれ等を一睨みし、後でルーに置いた理由を聞き出すとしよう。とサラは1人頷いた。
浴室に入ると、先ずは洗い場で蛇口を捻ってシャワーを出す。汗やら何やらで汚れた身体はイルツヴェーグで見つけた香りの良い液体石鹸で洗い、髪も頭をしっかりと洗い流し、大人が4人位は同時に浸かれるのでは?と思える程広い湯船(最早プール!)に一人で入るには少しまだ躊躇い、そっと端に浸かった。
ぬるめの温度が心地良く、ほうっと溜め息を吐いて浴室内に漂う花の良い香りを吸って寛いだ。

………が、直ぐ様サラは1人顔を真っ赤にして浴槽のへりに突っ伏し、身体を小刻みに震わせ出した。

心身共にさっぱりして頭の中が冷静になった所で、ついさっきの出来事が脳内をよぎり、世界の裏側迄掘り下げた穴に飛び込んでしまいたいっ!と身悶えた。
更に久志にした事も鮮明に思い出してしまい、心の中で「うっぎゃぁぁぁぁ~~~!!」と叫び、バッシャン!と大きな水音を立てながら頭ごとお湯の中に身を沈めた。

『まさかっ、引っ越しして直ぐにを使う事になるなんて………っ!』

いくら心底頭に来ていたとは言え、やり過ぎた感が半端ない。この後どんな顔で2人と会えば良いのか判らず、サラは波立った浴槽から流れ出ていくお湯と共に全員記憶喪失になっちゃえば良いのに……。と横向きに体を湯に浮かべながら現実逃避の旅に出た。


 ※※※※-以下サラの脳内現実逃避中回想-※※※※

浴室の余りの広さに『流石元愛人用!?』と内覧の時にドン引きしていたサラだったが、屋敷内を案内してくれた侯爵家の執事曰く、そもそも高位貴族のあるじ用浴室及び浴槽はかなり広く、贅を尽くした造りが当たり前。この屋敷は1人暮らし用なので狭くずいぶんシンプルな作りなのです。と言われた。
『これで狭いの!?……なら、高位貴族様のお宅の風呂はこの屋敷並ぐらいあるって事!?』と思ってしまったサラだった。しかし一瞬目が合った執事から、まるで心が読まれたかの様に「それは無いです」と冷静なツッコミと微笑を食らった。しかも、その微笑がまた妙に残念な子を見る感じが漂っていたので、サラはそっと目を反らした。
何はともあれ、イルツヴェーグの風呂は蛇口から水が出てきて沸かせば何時でも好きな時にお風呂を使える。
しかし、この巨木に住む住人全てに行き渡る程の水は一体どうやって確保しているのだろうか?どう見ても川や地下水を引き上げていない。
サラは疑問をグヴァイへ問うと、サーヴラー王が代々戴冠をする際に水の最高位精霊・ウンディーネと命約を結び、年に一度の水の大祭の際に王自らが祭礼を行い礼を尽くしてウンディーネから恩恵を受け続けて来ているのだと教えてくれた。
更に、樹上の民・エルフの技術で枝毎に上下水道の工事を徹底的に整え決して汚水・汚物で巨木を汚さない様にしている。
その他の数少ない地上にある街や村は、近くの川や地下水を引いて生活をしているのだが、やはり上下水道の設備はきちんと整えられている為に樹上と大差無く暮らしていけているのだそうだ。



 ※※※※※※-回想終わり-※※※※※※


広すぎる湯船がなんだか楽しくなってきて、絶対他人に見せられない状態(仰向け全裸)で軽~く平泳ぎをしながら湯に浮く事数十分。脳内現実逃避も落ち着き『喉が乾いたなぁ……』と思ったサラは、浴槽に手をかけて立ち上がろうとした。

『あ、ヤバ』

しかし一瞬目眩に襲われ、その場でフリーズ。

「うぅ……。ちょっと逆上せたかも」

妙に強く鳴る鼓動を感じながら、目を閉じてゆっくりと深呼吸を数回繰り返し、躓かない程度に目を開けてそろそろと立ち上がり脱衣室へ移動。
そのまま目の端に写った長椅子に倒れ込む様に横になり、バスタオルを適当に背中に掛けて不調が落ち着くのを待った。

『あ~、この長椅子って藤と綿で作られているんだ~。冷たいし手触りが気持ち良い~………』

背もたれや長椅子の足のすべすべつるつるな手触りと、綿で覆われた座面の優しい柔らかさに包まれながら、起き上がって着替えられる様になる迄しばし横になる。
ここに長椅子があって良かった~。と置いたグヴァイの思惑とは違う使い方を先にしたサラであった。


サラが1人湯船の中で漂い浮いている頃、さっとシャワーを済ませたグヴァイは自室で荷解きを始めた。
仕事柄元々私物は少なく、クローゼットにほんの数枚の私服と私服よりも多い隊服の替えや肌着・下着(サラから「お願い履いて!」と懇願されたので最近使用する様になった)を仕舞い、本棚に数十冊の本を置いたらもう片付けは終了してしまった。

『サラは大丈夫かな?』

そっと続き戸を開けて隣室の様子を見れば、まだ風呂から上がっていない様で部屋にはいない。
先程の事もあるし長風呂は少々心配だが、浴室に焚いておいた香の香りで寛ぎ怒りを治めてくれている事を願い、そっとしておく事にした。

『とりあえず今夜から調理が出来る様に台所を片付けるかな』

グヴァイはそう思い、階下へ向かう。2階建てで3人で暮らすには程好い広さと部屋数だが『いつか子供が出来たら手狭になるなぁ』と今日からサラと一緒に居られる喜びでどうしても少々気が早い事まで考えてしまいながら台所へ入った。
見ると、久志が運び込まれていた食器類の箱を開け始めていた。

「早いな。もう自分の部屋の片付けは済んだのか?」

「えぇ。今回俺は殆んど持ってきていませんから。……そう言うグヴァイも早いですね」

久志が一緒に暮らし始めるのは一ヶ月後なので、イルツヴェーグで着る衣類や替えの肌着と下着位しか持って来なかったと言う。

「あぁ、俺は元々私物は少ないんだ。それよりも、身体は大丈夫か?」

キレたサラが魔術で得体の知れない物を出して久志に使ったが、アレはどう見ても男専用の拷問器具の様だった。痛覚は繰り返されれば耐久性が付く場合があるが、快楽は慣れずに中毒に犯されるだけで質が悪い。あんな物をサラは一体いつ得たのか判らないが、絶対に後で回収して廃棄しないとならない。

「えぇ。まぁ、水で冷ましたので大丈夫です。……そもそも怒らせてしまった俺が悪いですから。しかし、まさかアレをサラが持っていてしかも使用するとは思いませんでしたけどね。……まぁ、サラにあっちの知識は皆無でしょうから誰が渡したのか検討はついています。後できっちり報復はしますよ」

久志は黒い笑顔を浮かべて、台所の温度を数度下げた。

「……ヒサシはあの拷問器具が何か知っていたのか!?」

「拷問器具!?………いえ、アレはそんな恐ろしい物ではないですよ。こちらにはああいった物は無いのですか?」

「アレは拷問器具じゃないのか。……ああいった物とは?」

「え~と、つまり………………」

ヒサシは頬と耳を赤く染めながら、少し声のボリュームを下げてサラが持っていた物の説明をしてくれた。

「!? ………日本にはそんな凄い物があるのか!?」

あまりにも衝撃的で、グヴァイは思わず大きな声が出てしまった。

「日本に限らず、世界中にあります。こちらには無いのですか?」

「………男の物を模した奴なら、あるが。女のってのは、俺は知らない。だが、俺が知らないだけでもしかしたら存在するのかも知れない」

正直、俺は今まで騎士とサラ一筋に生きてきたからそっちの知識はかなり乏しい。
俺の拙い手管でサラが感じて喜んでくれる姿は心から嬉しいものだ。

「………顔、にやけてますよ」

「!? す、すまん」

「まあ、俺達にはサラがいますからあんな物は必要無いですからね。絶対に後で没収しましょう。………むしろサラを今まで以上に蕩けさせて俺達だけしか見えない様にしなきゃいけませんね」 

ついさっきサラを本気で怒らせてしまったのに、久志はニヤリと笑い悪い事を考えている。

「………俺は、ヒサシがたまに年下とは思えない時があるぞ」

ヒサシと言う男は、年不相応なとても大人びた思考を持ち、常に人から一歩引いて周りをよく見て行動をしているなとグヴァイは最近気が付いた。

「その言葉、以前サラからも言われたんですが、俺って老けて見えるのですか?」

「いや、言動や考え方が大人びていると思ったんだ」

「あぁ。……まぁ、それは俺が育った環境の所為ですね」

ヒサシの家は、こちらの世界で言う高位貴族の様な家柄で、尚且つ彼は跡取りだ。幼い頃から大人の世界に身を置いてきたのでこんな話し方が身に付いてしまった。と以前笑って話していたのを思い出した。
それだけでは無い雰囲気も時折見せるので、他にも秘密が有りそうだが、グヴァイ自身まだ2人に告げていない秘密が有るので詮索はしないでおこうと思った。

喋りながらも、2人は手を動かしどんどん片付けていく。午前中に届いていた鍋や食器類を久志は次々と箱から出し、グヴァイはそれ等を洗って水切りに置いて風の魔術式で乾かしては棚へ仕舞っていった。
あらかた台所の片付けが済み、そろそろ一度休憩をしようか?と2人で話始めた所でちょうどサラが3階の自室から下りてきた。

「はぁ、やっと部屋が片付いた~。………って、凄い!台所の荷解きが済んでる!!」

性格上人に甘えたりお願いして代わりにやってもらう。と言う発想が無いサラは、自室が片付いたら台所を片付けるつもりだった様だ。
余程嬉しかったのか、2人に抱き付き「凄~い!助かっちゃった~!ありがとー❤」と喜んだ。
2人から離れ、サラはとても嬉しそうに台所の棚や食器棚を開けて見て回った。

「サランシーラ」

久志が真面目な声と真剣な眼差しをサラ向けた。

「!?」

珍しく真名を呼ばれた事に驚いて振り向いたサラの両手を握り締め、久志は深く頭を下げた。

「さっきは本当にごめんっ。……心から愛しているのに、酷い事をした」

ぎゅっと握られた手から久志の心からの反省を感じ取り、サラはホッとした。

「……ひ~君が変態なのは薄々感じていたけど、さっきのは本当に酷いと思ったよ。私もひ~君の事を心から大好きって思うけど、この先もあんな事を私に望むなら私はひ~君とは暮らしていきたくない」

「!!」

サラの言葉にバッと顔を上げ、軽く目を見開くも久志に弁明の余地は無い。だが、離れるなんて無理だ!と思い、ひたすらサラの瞳を見続けた。

「だから、ね?これからはあんな変態はお断りだし、私の同意無しで酷い事はやらないって、約束して?」

「あぁ!もうあんな事はしない!」

久志はそう言うと、急ぎ自室へ戻り紙とボールペンを手に持って戻り、もう二度と同意無しで変態行為はしないと念書を書いてサラに手渡した。
受け取ったサラは心底嬉しそうに微笑み、紙を四つ折りにすると空中に魔方陣を構築した。

「これは?」

「煌夜から教わったんだけど、闇の魔術式で亜空間に物を仕舞っておける魔術なの♪」

私はまだ不馴れだから沢山は入れておけないし、中の整理が出来ないから直ぐに狙った探し物は出て来ないんだけど、絶対に無くしたくない大切な物だけを仕舞う事にしているの。とサラは照れ笑いを見せた。

所謂、四次元○ケットって奴だ。

闇の魔術式は主に空間に干渉するものが多く、この魔方陣も闇の魔術が使える者には重宝されている。とグヴァイが話した。
闇の魔術が扱える久志も覚えられると言うので、今度時間が取れた時にでもグヴァイか煌夜に教えて貰うとしようとおもった。

「……あの。でも、ね。……私もひ~君に謝らなくちゃ。嫌な事をして、ごめんなさい」

念書を亜空間に仕舞いながらサラはちょっと困った顔で微笑み謝った。

「え……?」

嫌な事?サラが、俺に?一体何時そんな事をされたっけ?と久志は心当たりが無くて、頭にクエスチョンマークを浮かべまくり戸惑いを見せた。

「俺、サラに嫌な事された?」

つい口から漏れた疑問に今度はサラが戸惑った。

「え……!?……あの、さっき、その」

どんどん顔が赤くなって行くサラの表情に思い当たり、軽く頷いた。

「あぁ、オナホ使った事?」

「!?」

あっさりとアレの名称を声に出され、サラはトマト並に顔を真っ赤にして絶句した。

「………そんなに顔を真っ赤にするって事は、やっぱりアレはサラが自分で用意した訳じゃないんだね?」

久志は優しい笑顔を見せ、サラの頬を撫でた。
その甘い笑顔に一瞬見惚れてしまいながら、サラはぶんぶんと勢いよく首を縦に振った。

「誰から、貰ったの?」

色気を纏った声で耳元に囁かれては、もう敵わない。本当は「内緒よ♪」と言われていたけれど、正直に話した。

「……あの、蕾紗さんが引っ越し祝いにくれて。その、……もし2人が盛り過ぎて手に負えなくなったら使いなさいって」

「成る程ね……。教えてくれてありがとう❤」

ちゅっとサラの額にキスを落とし、目を合わせた。

「でもさ、俺としてはあんな卑猥物をサラに持っていて欲しく無いんだよね。……俺に預けてくれないかな?」

「ひわっ!?……えっと、もしかして一人の時に使いたい、とか?」

「違っ!サラの中はあんな物よりも何倍も最高に快いから俺には必要無い!サラだけを抱ければ充分なんだ!あんな物は捨てたいんだ!!」

「!? あ、有難うございます……?」

「あ、いや。………うん」

「「……………………」」

蕾紗から中途半端に知識を得てしまった為に、とんちんかんな答えを返したサラ。
そんなサラに久志はうっかり本音をだだ漏らし、言われたサラは照れて思わずお礼を述べ、そして久志もサラに釣られて照れてしまった。

『………うわ~。甘酸っぱ~!』

わざと気配を半分消して2人の仲直りを見守っていたグヴァイだが、普段大人びた久志が素直で可愛いサラの言動に釣られて年相応な素を見せてしまい何とも居たたまれない雰囲気に台所は包まれた。
見ているグヴァイからしたら微笑ましいやら気恥ずかしいやら、何とも言えない気持ちだ。
とは言うものの、何時までもこの状態でいるのは如何なものだろう………?
正直、ちょっと疎外感。

「………え~、ゴホンッ!」

「「!?」」

「……まあ、あれだ。無事仲直り出来たなら、そろそろ昼ご飯を食べに行かないか?」

いい加減この甘酸っぱ過ぎる雰囲気にお腹いっぱいなグヴァイは、苦笑いを浮かべながら2人を現実に引き戻した。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※


洞の商店街へ移動し少し遅い昼食を済ませた後は食料品の買い出しを行った。

「……ん~と、必要な物ってこれで全部かな?…………ぶふっ!」

買い出しリストを手に、サラは2人を見上げた。
ファルリーアパファルにはビニール袋や紙袋等は無く、買った物は持参のマイバッグかお店から貰える木箱等に入れる。
必要な物が沢山ある為、久志とグヴァイが一緒にいてくれてとても助かったサラだが、両手にマイバッグを持つ2人を見て思わず吹き出してしまった。

「「サラ?」」

吹き出して小さく笑い続けるサラに、2人は軽く首を傾げた。

「ご、ごめん………っ。イケメン2人が買い物袋を両手に下げている姿がなんかシュールでっ!」

ラフな服装で洗い髪そのままで特に整えていないのだけれど、それが2人の格好良さを更に引き出していてちらちらと周りから見られている。
だけれど、片腕にマイバッグを通し、もう片方もマイバッグを持って立っている2人の姿は所帯染みていてなんとも言えない。

「俺達をイケメンって言うけどさ、サラの美貌の方が周りからかなり注目されまくられてるって判ってる?」

久志は先程からサラに何とか声を掛けようとしてくる輩から然り気無く遠ざけたり周りから見られない様にその姿を隠していた。

「は?……美貌?」

いやいやいや、こんな小娘に美貌って言葉は不釣り合いでしょう?
そう言う言葉は、先程酒屋さんでグヴァイにめっちゃ秋波送ってきていた赤毛で泣きぼくろが色っぽかったお姉さんに使われるものじゃないかなぁ?

「久志は面白い事を言うよね」

「……相変わらずサラは自分の価値を解っていない」

サラの表情から何を思ったのか正しく読み取ったグヴァイも、くすくすと笑うサラの顔に見惚れてうっかり手に持っていた卵の籠を落としてしまった店主からそっと隠す様に立った。
婚約し今日から一緒暮らすので、もう姿を誤魔化す魔術は掛けていない。その為商店街ではグヴァイの知り合いや酒場で吟われている唄を知っている人々から3人は何度も声を掛けられた。
それだけならまだ良いが、冗談抜きで異世界の姫君と思われているサラに対して良からぬ企てをしている連中もちらほらと見えるので厄介だ。
幸い久志は気付いてくれているのでお互いアイコンタクトでサラを守れているが、肝心のサラ自身が自己評価が低い為警戒心が低い。

「大好きな2人が私を誉めてくれるのは嬉しいけれど、私より美人さんがそこら中に沢山いるから美貌って言葉は私に当てはまらないよ」

そう言いながらにっこりと笑う。
無自覚に極上の笑顔を見せるサラは本当に俺達をどうしたいと言うのだろう?

「……全く。カヤはこれ以上俺達を夢中にさせて一体どうしたいのかな」

「本当に。身内贔屓や惚れた弱味とかで言っている訳じゃないんだよ?何時になったら俺達の言葉を信じてくれるのだろうね」

グヴァイと久志はサラを挟む様に両方からちゅっと口付けをした。
勿論、周りへの牽制である。
そして、買い物へは絶対にサラ一人では行かせない。と男2人はアイコンタクトで誓い合った。
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