Silver Week

セリーネス

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Emotional Connection 5

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手に取ろうと腕を伸ばしたバスタオルの隣に、レースやリボンがふんだんにあしらわれた薄桃色の下着?夜着?が置かれていた。
綺麗に折り畳まれているから判別し難いけれど、生地は透ける素材に見える。

『……コレを着てって意味よね?』

入浴前には同じ場所に薄手だけど初秋向けのクリーム色で長袖のサグを置いていたのに、浴室から出たらコレに変わっている……。

『気配消して侵入して入れ替えるとか忍者かっ!』

半目でそれを睨みつつバスタオルを手に取り、手早く身体を拭き髪の毛は風の魔術式で簡単に水気を飛ばして乾かす。
そのままバスタオルは洗濯カゴへ放り込み、小さく溜め息を吐きつつブツを手に持ち広げる。

「……うっわぁ」

思わず呆れ声が口から漏れた。その形容し難い形と透けヒラふわ具合に、若干口調や意識に彰が現れてしまうのは致し方が無い。
この下着の様な夜着の様な物『もう面倒くさいから下着でいいや』はうっすら向こう側が透けて見える薄い生地で作られている上に、スリップドレスの様な作りなのに太もも所か秘すべき所すら全く守り隠さない程の丈の短さ。
揃いのショーツは股からお尻にあたる後ろ側の部分が異様に細い紐作りで穿いたら絶対桃は丸見えになる。
転移直前直後の一件と先程の夕食時の2人のソワソワ度合いから、今夜はそう言う事を望んでいるだろうとは思ってはいた。

『まだ結婚はしていないけれど、今日から一緒に暮らし始めるから、これってやっぱ初夜になるのかな?』

「後片付けは俺達でやるから、良かったら先にお風呂入って来て良いよ❤️」と言う久志からの言葉の本音を読み取り、感づいたけれど気付いていないふりをして「ありがとう❤️思っていたよりも汗かいちゃったみたいだから、そうさせて貰うね♪」と笑顔で答えて、一足先に2階へ上がった。
自分がラノベの世界の主人公みたいに異世界の住人になる訳だけれど、香油を使って侍女が身体や髪を整えてくれるどこぞのご令嬢やお姫様では無いし、実母&義母'Sからの「香油や化粧水等一切必要無い肌艶年齢!いじるの不可!!」と強く言われたので、とりあえず蕾紗さんからのアドバイスを元に色々買い揃えて持参したティーンズ向け美容セットだけを使って肌の手入れを行った。

『ホント、こんなの何処で買ったのよ……』

そっと下着を身体に当てて鏡に映したけれど、正直これは着るのにかなり勇気が要る。
だからと言って、全裸で2人の前に出るのなんて絶対に無理だし、かといって全裸の上にバスローブを着るとかサラには上級過ぎてそれも無理!
緊張と羞恥心で身体が強ばる中、先ずショーツを穿いた。案の定お尻の部分が丸見えだ……。しかも、生地が薄いから母親譲りの髪色と同じアソコを覆う茂みの色も薄く遺伝の為かあまり生えていないのでこのショーツだともう全て丸見えとなる!

『凄くエッチぃよ~……』

もう何度も2人の恋人に抱かれてきたけれど、こんなにエッチな下着は着けた事は無い。涙眼になりつつも、他に着る物が無いので諦めるしか無い。恐る恐る下着の胸の前のリボンを解いて袖に腕を通す。絹の様な滑らかな肌触りは大変が着心地が好く、半袖の肩口は可愛らしいパフスリーブ作り。前身頃は、胸の部分は透けない生地が使われ刺繍も施されているので隠されているけれど、反ってそれが妙にいやらしい感じを強調している。そして薄桃色のサテン地で作られた幅広のリボンは、胸下部分を左右を結び止めるだけでおへそは丸見えだ。

『~~~~っ!!』

色もデザインも可愛らしくて好みだったりするけれど、改めて下着を着た姿を鏡を通して見てみれば、自分の姿はかなりエロく見えて一瞬で全身が真っ赤に染まり、その場にしゃがみ込んだ。
以前蕾紗から「女の子はこういう所にもお洒落は必要よ♪」と言われて色々なデザインの下着セットを沢山貰ったが、今着ている様な物は初めて見る。
下着にタグが付いていないので、これがファルリーアパファル製なのか地球製なのか解らない。けれど、蕾紗はサラが年相応の下着や衣服の着用を望みアドバイスをくれる人なので、こんな大人びた物をプレゼントするとは考え難い。(ケダモノ'Sを鎮める為にアレな物をプレゼントされた事はすっかり忘れているサラである)
なので、2人の婚約者のどちらかが選んで買ってきたのだろう。
一体どんな顔して選んで買ってきたのか大変気になる。って言うかこう言うのって普通に買える物なのかしら?……等とサラは脱衣室から出る勇気が湧かないばかりに、ついどうでも良い様な事を考え現実逃避を図りぐずぐずとしてしまう。
しかし、いつまでも居たら出てこないサラを心配した婚約者が入って来てしまうだろう。いくら鍵を掛けた戸とは言っても、その鍵自体主寝室のローチェストの上に置かれているのだから場合によっては簡単に開けれる!(そう、この戸には鍵を掛けておいたにも関わらず、サグとエロ下着は入れ替えられていたのだっ!……動揺し過ぎてその重要な点をやはり失念しているサラであった)

『……きっと私に似合うと思ったから、置いたんだよね?』

ケダモノ'Sの教育の賜物かはたまた女子歴の短さ故の心の無垢からか普通なら怒り心頭になりそうな下着を着用してくれちゃう心優しきサラは、いきなり入って来られて見られるよりは自分から見せちゃう方が恥ずかしく無いかも?とやっと決心し1人頷いた。
しかし、ヨロヨロと立ち上がり再度鏡に映る自分を見て、このままの姿で脱衣室を出るのは無理!恥ずかし過ぎる!と思い直し、慌てて棚からバスローブ引っ張り出して羽織り、しっかりと前を併せ腰帯を結び合わせてから主寝室への戸に手を掛けた。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



丁度サラがエロ下着と心の格闘中の頃、寝台そばのソファではルーと久志が向かい合う様に座り、ルーはお酒を久志はタグユ茶烏龍茶を飲んで寛いでいた。
2人は手早く夕食の後片付けを済ませ、更に烏の行水の如き動きでそれぞれの部屋でシャワーを浴びてサラが脱衣室から出て来るのを今か今かと待ち侘びていた。
それも、脱衣室から出て来やすい様にわざわざ室内の少し灯りを落として、だ。(端から見たら完全に獲物を待ち構えるケダモノの気配である)

「サラ、着てくれるかな?」

サラの私服は殆んど母親'Sや義弟に揃えられてしまったし、普段使い用の下着に関しても実姉が用意し更に次々とプレゼントをしまくってくる為に久志が自分好みにサラを着飾るタイミングとチャンスが無かった。なので、イルツヴェーグへ引っ越したらグヴァイを抱き込み『ってか、あの人なら同意してくれるはず!』3人だけの時だけでも自分好みの下着を着用させたいと強く思っていた。
新居が決まってから様々なデザインと色のベビードールや下着を検索しまくり、その中でサラに似合うと思う物を購入し取り寄せまくった。結果、割りと大きな段ボール一箱分にもなってしまったが、一年間着せて楽しむには足りないと正直思っている。
そして今夜、その中でも一番似合う物を置いておいた。但し久志自身の趣味と好みが思いっきり主張した物になってしまったけど。

「……ヒサシ、あんなのを渡してサラは怒らないだろうか?」

少し強目の酒をちびりと口に含みながら、ルーは困り顔で久志を見た。

「あんなのって言うけどさ、グヴァイだってあれを着たサラを見たいと思わない?」

「確かに、見たい、とは思うが……。まだ婚約したばかりで、しかも未成年だぞ?」

ヒサシと2人で応接室を整えていた時に「実はサラには内緒で相談したい事があるんだ。ただ、ここじゃマズイから……」とヒサシから言われてこっそりと2階のヒサシの部屋に付いて行ってみれば、なんとヒサシは自分のクローゼットの奥から箱を取り出し、中から異様に薄い生地を取り出した。「コレを今夜サラに着せたいんだけど、どう思う?」と目の前で広げて見せられた物にグヴァイは正直戸惑った。
これは下着なんだ。と説明されても、あんなに淫猥な物は少なくともグヴァイはイルツヴェーグで見た事が無い。
サラの為に着替えの下着を購入する様になり、付き合い出す前に比べたら女性物に多少は詳しくもなった。
流石に下着に関しては未知の世界に近いので、グヴァイは男性客でも入り易いと言われている店を同僚から教わり入った。しかし店内でまじまじと品定めをするのは気恥ずかしく、初めて入店した際に店員にサラの容姿や好みを伝え選んでもらい購入。その後も何度か利用したが、店側が勧めるままの下着しか買って来なかったので、本当に知らない。
夜の灯りの中で生きる者が似た様な装いをしているのは、……まぁ、見た事はある。だが、あれ等はもっと裾も袖も長くて生地もあんなには透けていなかった。
ただ、自分が通った事があった妓楼は団長や隊長クラスの給料でないと行けないイルツヴェーグ内でも格式が高い方の店で、かなり品格も品質も高く娘達への教育も徹底された所だった。
10年前にサラを見つけてから身体の成長と共に精通もしたが、サラ以外に興味が無い為に大概の生理現象は自慰で済ませていた。騎士になり激しい戦闘等でどうにもならない程の昂りに襲われた場合にのみ妓女の世話になったりもした。だが、鎮められればどんな店でも構わなかったので、先輩に初めて連れて行って貰った店だけを利用していた。

「……そうだけどさ、今からサラには色々慣れて行って貰いたいと思うんだよね♪」

もしかしたら、もっと安く享楽を求めるだけの店の娘とかは着ているのかも知れない。とぼんやり昔の事を思い出していた為、きちんとヒサシの話を聞いてはいないルー。
いずれは俺達2人を同時に相手にするんだし、俺達がサラをあんなにエッチな身体にした訳じゃん?寝台の上でぐらい良いと思わない?とこの時ばかりは年相応(否、むしろ不相応か?)の笑顔を振り撒き熱弁をする。
確かにまだ幼さが残る顔立ちであのベビードールとやらを着たサラはかなり好いかも知れない。等とヒサシの熱意についうっかりグヴァイも頷いていた。


カチャ
カラリ


引き戸が開く音にパッと反応をした2人が顔を向けると、そっと開けた戸の影からおずおずとサラが出て来た。

「……あの、お待たせ致しました」

「ゆっくり入れたかい?シヒールのジュースの用意が出来ている。良かったら湯冷ましに飲むか?」

「……うん」

サラが姿を見せた瞬間に素早くソファから立ち上がったルーは、優しく話し掛けながら手を取り、腰に腕も回して緊張しているサラをそつなくソファへとエスコートをする。

『こう言う所は叶わないなぁ』

久志は、サラが緊張している事は判ったがつい『バスローブ着てきちゃったんだ……』と残念な気持ちの方が先に出て、ルーの様にサラの緊張を解きほぐす行動が直ぐに取れなかった。
常にサラを優先する彼は本当に大人で、自分はまだまだ未熟だなと内心で苦笑した。

「冷たくて美味しい……♪」

「もう一杯飲むか?」

「うん。ありがとう♪」

思っていたよりも喉が渇いていた様で、サラは立て続けに2杯飲んだ。そして喉が潤うと同時に気持ちも落ち着き、チラリと隣のルーと向かい側に座る久志を見る。

「!?」

2人はサラを優しく見つめていた為にバッチリ目が合ってしまった。

「……緊張しているね?」

2人の余りにも甘い笑顔と目が合った事に赤面しパッと目を反らして俯いてしまった。
そんなサラにルーはくすりと笑い、耳に唇を寄せて色を乗せた声で囁き、ふぅっと息を吹き掛けた。

「……やんっ!」

ルーの声と熱い息に身体はビクンッ!と反応し全身が熱くなる。

「……サラ❤️」

真っ赤になって固まっている隙に身体を抱き上げてそのまま膝の上に座らせ、ちゅっと額に口付け微笑む。

「……っ!」

もう自分の顔は緩みまくりかなり締まりがないだろう。だが、愛しい婚約者がこんなにも可愛いのだから仕方がない。

「可愛い❤️」

ルーは再度サラの耳に唇を寄せ囁き、耳朶を軽く噛んだ。

「………あっ」

甘いイタズラに必死に耐えて身悶えるサラの反応を楽しみつつ、膝裏に腕を入れて抱き上げ立ち上がり、寝台にトサリと座らせる。
すかさずルームシューズを脱がして寝台の下へ放り投げ、向かい合う様に腰掛けると手早くサラのバスローブの腰帯を解いて脱がしそれも放り投げた。

思わずゴクリと唾を飲み込む。

恥ずかしそうに肌をほんのりと染めて俯くサラは想像以上の艶かしさで、後ろのヒサシも一瞬息を飲んだ気配を見せた。
「私は母さんのおかげで整った顔立ちかも知れないけれど、美人には入らないよ~」といつも笑ってヒサシや俺からの賛美をやんわりと否定し、自分自身の評価をかなり低く見ている。
だが、ヤフク達や俺の仲間が言う様にどこかの姫君かと思われる程本当にサラは品が有り美しい。
再会したばかりの頃は美少女と言った感じだったが、今は内から光が零れ落ちる様な輝きを放つ美しさを出している。
俺と同じ時にサラに会ったヤフクが、自分ではなく俺の番である事を悔しがっている態度は半分冗談で半分本気なのだろう。

『あ~、ヤベェ暴走しそう……』

改めて、寝台の上に崩した正座の状態でちょこんと座るサラを見る。
やはり美しい。顔も身体も全てが魅力的で、所構わず一つひとつに口付けを落として舐め味わいたい衝動に駈られるのを今まで何度我慢した事だろう?
ナグの下で硬さと重量が増す一方の情欲の塊からは既にタラタラと先走りが溢れ出し、今座っている寝台のシーツに大きなシミを作り出してしまっている。

「……はぁ。可愛い。その姿、ホントエロいしヤバいね」

「……ルーが、コレ用意したの?」

「いいや、ヒサシ。付き合いが長いだけあってサラの魅力の引き出し方を良く解っているよね……。俺は女性物に詳しくないから、少し妬ける。ずっとこの姿のサラを見ていたいぐらいに似合うよ。でも………」

ルーは振り返りチラリと久志を見る。小さく笑う久志が頷くのを確認すると、ルーはサッと右手を上げて糸の魔術式を展開する。
その途端、天涯の柱4本に縛られた二重のカーテンの内薄地の方だけのリボンが一斉に解け、ハラリと覆い世界を遮断する。真っ白なカーテンが2人っきりだけの空間を造り出した。
家具屋での購入時に、この寝台のカーテン地も他の天涯付きの寝台と同様にごく一般的な物が備え付けられていた。
だが、別途料金が発生してしまうがカーテン地は変更可能と判ると、ヒサシはそっととある提案をルーにした。ルーも良案と頷き同意し、薄いカーテン地の方だけを特別な織り方をした物と取り換えた。
それは一見美しく複雑な紋様が織り込まれた様な生地だが、光や風は通しても寝台の中を外から窺い知る事は出来ないし逆に寝台の中からも向こう側は見えない特殊な織地であった。
閉鎖的な空間はサラを閉じ込めて監禁している様な錯覚を覚え背徳感に駆られる。正直良い買い物をした、と内心ほくそ笑んでしまう。
再度ルーが右手を上げると、今度は部屋の灯りが全て落とされ室内が暗転した。
すると、―サラは先程迄の緊張の所為で気付かなかったけれど― テラスへと続く大きな窓のカーテンは閉められていなかった様で、さあっと月明かりが室内を照らし出し、その優しい淡黄蘗色うすきはだいろが寝台の中へも降り注ぎ、向かい合う2人を包み込んだ。

『今夜は満月なのね……』

特殊な織り方をされたカーテンだと聞いていたけれど、射し込む月明かりの強さが寝台の中をずいぶんと明るく照らす状況に2人のシルエットも映し出して向こう側から見えてしまっているのでは!?思えてきてしまう。せっかく弱まった羞恥心がまた強まり、サラは身体が強ばり出してきた。

「俺だけを見て?」

くすりと笑う声と甘いテノールが頭上から聞こえると同時に、優しく顎を捕らえられてついと顔を上に向かされた。
サラの心の中全てを見抜いている様に口許を綻ばせたルーと視線が絡み合うと、顔がゆっくりと近付いてきて口付けられた。そのまま唇の感触や温度を楽しむ様にまれ、口内へと舌が挿れられると、上顎、上下の歯列を丹念に味わわれた。更にルーはサラの舌に何度も吸い付き、己の舌と絡ませくすぐり唾液を飲ませる。ルーの舌は口の中のどこを触れても気持ちが快く、サラは荒くなる呼吸と共に溢れ出る喘ぎを抑えられずにいた。

「ん、ふぁっ……あっ!」

どこを刺激すればサラが感じ羞恥心も理性の箍も弱まるか熟知済みのルーは、抱き締めたままサラの身体を優しく寝台へ倒れ込ませ、そのまま左手をベビードールの下に滑り込ませて左の乳房を揉みし抱く。
先程の口内への甘い刺激に既に頂きは硬く天に向き上がり、指で軽く摘まみ捻られるだけでサラの身体はビクリと反り返り、口から喘ぎ声が零れ落ちる。
そんな様子のサラから一旦口付けを止めて囲う様に組伏せ、ルーはじっとサラを見下ろす。

「………?」

突然何もして来なくなったルーに戸惑いと不安気な色を覗かせるサラだが、視線が重なると途端に頬を染め目を反らす。サラの変わらない初さについまた口許が綻んでしまう。
ルー達によって淫らになりやすい身体に育てられていると言うのに、未だにその事に気付かず抱かれる度に痴態を曝してしまう私って淫乱なのかも!と悩み恥ずかしがっている。
きっと今も同じ様な事を思ってしまい、真っ赤になった顔を両腕で隠し、快楽で火照り出した身体の熱に戸惑い小さく震えているのだろう。

『その姿すらめちゃくちゃこっちを煽って誘っているって自覚無いんだよなぁ……』

普段の全裸よりも透けていても一枚着用しているだけでどうしてこうも扇情的で淫猥になるのだろう?
そして先程からショーツの役割等皆無と化した異様な程布面積小さい布切れの奥からは蜜と色香が洪水の様に漏れ、その甘い匂いに酩酊しそうだった。

「……サラ、……サランシーラ。……こっちを向いて?今夜はサラをずっと見つめていたいんだ」

ちゅっとこめかみや頬に口付け、右手で髪を撫でてこちらを見る様に優しく誘う。

「……はい」

恥ずかしそうにゆっくりと顔を覆う腕をほどき、その可愛らしい顔を見せてくれた。

「ふふっ、ありがとう、サラ❤️……今日から一緒に暮らしだせる事が俺は本当に嬉しいし幸せだよ❤️」

唇へ口付けながらサラの口の中で「心から愛している」と呟き、そのまま小さく柔らかなサラの舌を絡め取る。
再び快楽に捕らわれ吐息に熱が籠り出したサラの舌を存分に堪能してから唇を離し、顔中に口付けをし両の耳を舐め耳朶に軽く歯を当てる。

「あん!」

「好いね♪その声。ホント堪らないよ❤️」

右手を下へずらしショーツに触れれば、そこは大洪水を起こしお尻の下のシーツもグショグショだった。
感じやすく濡れやすい身体に仕込んだだけはある。
びちょびちょな下着の位置を指で横へずらし、止めどなく溢れ出る蜜を舐めとる。蜜壺へ己の剛直を深く沈め激しく責め立て、理性を失い淫らになるサラも好きだが、許されるならばこの泉をずっと舐めしゃぶり続け味わっていたい程この蜜は甘露である。何度も舌を出し入れては蜜を掻き出してすすり、時折蜜壺の上に可愛らしい主張を見せる赤い宝石へちゅうっと吸い付いてはサラの身体に疼き与えて仰け反らせる。最高の眺めだ。

「にゃうっ!」

夢中になり過ぎてつい少し強くそして長くちゅうっと尖りに吸い付いた瞬間、サラは子猫の様な啼き声を上げて身体を大きく震わせた。
可愛すぎる啼き声に顔を上げて様子を見れば、はぁ、はぁ、と荒く肩で呼吸を繰り返し身体は汗でしっとりと濡れている。
どうやら軽くイってしまった様だ。

「大丈夫か?」

達してしまった時に溢れ出た涙を舌で舐め取り、瞼や頬へ口付けを落とす。
幾分か呼吸が調ってきたサラが小さく笑って頷く。
その表情から達し過ぎてしまってはいないと解り、ルーは弛緩してきた蜜壺へ指を一気に2本挿入した。

「………あぁっ!」

バラバラに動かしてまた気持ち快さを高め様と思っていたら、中は熱く指を奥へ飲み込もうと蠢きキツく絞めてくる。身体が足りない快楽を求めている様だ。

「指じゃ、足りない?」

体を起こして、わざとぐいっと指を奥へ突っ込んだがサラは喘ぐだけでよがらない。やはり最奥への抉りが欲しく疼いている。

「もう、欲しくなっちゃった?」

己の左腕で体を支えながらサラを見下ろし、目を合わせたまま指で中の感じる所を擦りながら問えば、サラは小さくよがりながら頷く。

「何が欲しい?」

「……っ、あっ!……る、ルー、のが……っ」

「俺の?……俺の何が欲しいの?」

「あっ、あっ!……お願いっ!挿れて、下、さいっ!……や、あっ!ダメっ!そこっ、気持ち快すぎちゃう~~っ!」

言わせているのに俺は指をわざと意地悪く動かし、快楽を与え続ける。サラは忠実にお願いを言おうとするが、叶わず背を大きく仰け反らせびくびくと身体を痙れんさせまたイッてしまう。

「今夜はずいぶんとイきやすいね♪……一体どうしたのかな?」

抗う様があまりにも可愛いので、ついちょっと意地悪をしてしまった。お詫びにこれ以上の意地悪は止めて直ぐに愛してあげよう♪と思い甘い口付けを唇へ落とす。
ちゅっ、ちゅっと口付けを繰り返し、漸く弛緩してきた膣から指を優しく抜き去り、サラの両の脚を広げ素早く己の身体を割り入れる。

「サラ、挿れるよ?」

未だに先走りを溢す剛直を陰唇に当てれば、そこはまだ小さく痙れんし震えている。しかし膣は、陰茎から今直ぐにも精液を絞り出させ咥え込みたいと先を少し挿れただけで、奥へ奥へといざなう。
ゆっくり挿入する方が耐えられなくなる快さを与えてくる絞めつけに、ルーは眉間にシワを寄せグッと一気に最奥へ突き挿れた。
最奥の子宮の入り口を抉じ開ける勢いでグリッと中を擦り回し、腰をギリギリまで引き強く深く穿つ。それを何度も繰り返し、サラをよがらせ昂らせ何も考えられない様にしていく。
快楽に溺れ理性を失うサラからはより色香が立ち上ぼり、無意識から伸ばされた両の腕をルーの首に巻き付け縋る様に乱れ狂う。その姿は何度見ても堪らない。だからこそ自分はイかずサラだけをイかせ、突き挿れ続けては更に自分を求めさせる様に攻めてしまう。
サラがイク度に最高の絞めつけを与えてくるので、一緒に達し注ぎ入れてしまいたい誘惑に駆られる。だが、今夜はサラのイキ顔と痴態を目に焼き付けたいと思い奥歯を噛み締めて耐える。
一度も中から抜かず、体位を変えてはサラだけをイかせ続ける事3度、サラを対面に抱える様に座らせ下から穿つ。イかされ過ぎて身体に一切の力が入らなくなったサラは、ルーの太く長い陰茎を子宮の中まで受け入れ快楽に沈む。

「ぁっ!~~~~っっ!!」

子宮を抉じ開けたルーの陰茎は痛みよりも気持ち快さが勝り、今夜一番の強い快楽がサラを襲う。
喉が枯れてもう掠れた声しか出せないが、身体が弾ける様に達する。

「くぅっ!……あぁ~っ!!」

ガクガクと震える様に達したサラと同じタイミングで漸くルーも己の猛りを解放し、子宮へ全てを注ぎ込んだ。
特別な夜だからわざと無理矢理我慢していた訳だが、最後の方は膨張し過ぎた息子からは苦痛が起きていた。
達した瞬間は恍惚となる程の快感を得たが、もう2度とやるまいと狂った様に吐精続けている息子へそっと謝った。
冷静になった頭でサラを見れば、ルーが注ぎ込む熱い迸りに快感を受けながらもイキ過ぎて疲れ果て、今にも深い眠りへと行ってしまいそうである。
挿れたままで優しくサラの身体を横たえ、子宮内の精液をいつもとは違う闇の魔術式を使い精液全てを消し去った。

『次を待つヒサシに悪いからな』

透き通る様な白い肌は、何度も達した事で桃色に染まり美しく濃艶すぎる。
目が離せなくてまた下半身へ血流が集まり出して来てしまうが、さすがにこれ以上ヒサシを待たせて我慢させるのは酷だろうとルーは小さく苦笑し、火と水の魔術式を展開してサラと自分の身体を素早く清めた。
そしてもう半分寝ているサラに深く口付け、少しだけ癒しの魔術を注ぎ込んだ。

「サラ、まだ寝ちゃ駄目だよ?」

「……ルー?」

いつもなら情事の後はそのまま眠りに就かせてくれるのに、軽く癒しを施されて軽く疲れと眠気を消され意識を戻させられてしまった。

「……今夜は俺達2人でゆっくりとサラの全てを味わって愛してあげたいから、まだ寝ちゃ駄目❤️」

まだ半覚醒中のサラを起こす為に、より感じてしまう左の耳穴に舌を入れ、中を舐め上げ、甘く囁く。

「やんっ!……え?……2人、で……?」

先程あれだけルーから快楽を与えられて身体中が身悶えたのに、癒しの効果でまた身体は気持ち快さに飢え出し耳への快感を拾っては喘ぎ声が零れ出す。
サラの思考は鈍り、余計な事を考えられ無くなってきてしまった。

「あぁ、そうだよ❤️」

そう言いながら久志が薄地のカーテンを捲り、するりと寝台へ上がって来た。

「これからはずっと俺達2人でサラを愛して可愛がってあげるからね♪」

久志は右足の甲を優しく持ち上げ、ちゅっとキスを落とし、親指から順に口に含みねっとりと舌で舐めしゃぶる。

「あっ……!……そっ、んな所、汚、ないっよ……!」

「サラに汚ない所なんて無いよ❤️」

足首、ふくらはぎ、膝裏、と徐々に徐々にゆっくり上に移動しながら久志は脚を舐めて行く。

「あぁ、そうだな♪」

ルーは久志の舌に翻弄され乱れて行くサラを愛し気に見つめながら、沢山の枕とクッションを背に当てヘッドボードに寄りかかり、サラの身体を自分に凭れ掛からせた。
久志は左脚への愛撫も丁寧に行い、小さく達するサラの陰唇からトロリと零れ出る蜜を舐めすする。

「………あ!やぁっ……!」

「ホント良い香りだよね♪」

蜜の匂いを鼻と舌で味わい陰核にキスを落とし、執拗にその場所を舐めしゃぶる。
久志の舌と指がサラを翻弄し嬌声以外の言葉等紡げず、何度も簡単に高みへと昇らされ背を弓の様に仰け反らされた。

「……はぁ、本当にサラは綺麗だね。だけど、こんな姿は絶対にグヴァイと俺以外には見せちゃ駄目だよ?」

陰核に吸い付きながら目線だけを上げてサラにそう言えば、両の胸を揉みし抱き時折頂きをつねられて疼きと痺れを与えるルーに喘いでいた。

「サラ、俺も見て?」

久志は体を起こしてサラの身体を跨ぎ見下ろす。視線を絡ませると、サラの情欲を煽る様に蜜で濡れた指と唇を丁寧に舐め取りながら蕩ける様な笑みを浮かべる。

「!?」

久志の艶を含んだ笑み等初めて見たサラは、瞬間的に魅せられ下半身がきゅんっと痺れ頬を染めた。
狙い通りの反応を見せるサラへ満足気に頷いた久志は、横にずれてサラの身体を四つん這いに返した。

「さあ、俺のもたっぷり咥え込ませてあげるからね❤️」

久志はサラのショーツを脱がして脚から抜き取り、陰茎を最奥へと挿入し強く抽挿をし出した。

「あ!……あっ!」

主寝室中に響く卑猥な腰使いの音と膣壁から溢れ出す蜜音みつおとそして穿つ度にサラが上げる喘ぎ声は、久志を強く夢中にさせ陰茎を一際太さと硬さを増しさせた。
先程のルーとの情交で未だに体内で強い快感が残り燻っていた所為か、サラは膣の中全てを抉る久志の剛直がその燻りに火を点け脳内が焼き切れる様な快感に襲われた。

「あっ!……やぁっ!そんなに激しく突いちゃダメぇ~っ!気持ち快すぎちゃうっ!おかしくなっちゃう~っ!!!!」

叫び声を上げながら達したサラの膣の絞め付けはキツく、昼間に一度無理矢理我慢をした久志にはルーの様には堪え切れず、そのまま腰を強く押し付けて中へ吐き出した。

『~~~っ!』

気持ち快すぎて声にならない呻き声を上げながらビクビクと膣の中で震え続け、何度も何度も吐精を繰り返す。
漸く吐精が終わり、落ち着いたのでお腹に手を回して浄化の魔術式を展開しそっと膣から抜き出した。

「……今夜はもう無理ですね。……お風呂の用意をしてきますね」

「あぁ、ありがとう。よろしく頼む」

達した瞬間に力が抜けてしまったサラの身体をずっと抱き締める様に支えていたルーは、久志が落ち着きそばを離れたタイミングで優しく自分の中に抱きかかえ、ぎゅっと身体を抱き締めた。
腕の中にすっぽりと収まる愛しい婚約者は今は夢の中に旅立っている。
可愛らしい顔中に口付けを落とし、もう一度抱き締める。

『やっと……だ』

振り返ればあっという間の10年だったのかも知れないが、長かった。
番だと解らない程幼い時に出逢い、本能から欲した為に襲い、そして別れた。
時間で言えば本当に僅かな会遇だったにも関わらず、あの日から決して忘れる事が出来ず、然りとて再び逢いに行く術等無い為に言い様の無い焦燥感だけに襲われて気が狂ってしまいそうだった。
だが、狂う暇が有るならばもう一度逢いたいと強く想い、必死に渡る術を学び身に付けた。
普通なら絶対に子供の力だけで渡る事など不可能だ。それを流れる血が可能にし、番と出逢わせ耐えさせ再会を果たさせた。
全くもってはた迷惑極まりない血だが、出逢わなければ良かったなんて一度も思った事は無い。
まだ本当の意味で番えてはいないが、もう悪夢に惑わされうなされる事は無いだろう。

「あぁ、だけど。手に入ってしまうと欲は深まるってのは本当だな……。あと3年が今は待ち遠しいよ。サラ❤️」

先ずは陛下とヤフク、そして団長と隊長へ正式に婚約をした旨を伝え、野次馬で噂好きな貴族達からの夜会への出席を如何に躱すか策を高じないとならない。
そもそも自分は騎士だが一介の平民だ。貴族との付き合い等しなくて良いのに、副隊長と言う肩書きと隊長の所為で城での晩餐会や夜会へ何度か命令で出席をさせられて貴族の中で顔が知られてしまった。
しかもヤフクの所為で自分達は有名な存在になってしまっている。
絶対になんかしらの理由を付けて招待状が来るだろう。
だが、サラとヒサシは本当に貴族とは関係が無い。
騎士団員だけの晩餐会や夜会へは出席して欲しいが、そこはきちんと2人と話し合ってから決めよう。

「あぁ、貴族達との付き合いは今まで何度も隊長の代わりをしてあげたのだから、今後は隊長自身に行って貰えば良いか……♪」

もし今サラが起きていたら、確実に怯え震え上がる声音を出し極悪非道な笑顔なルーである。
しかも、風呂の用意が整ったと呼びに来た久志が黒い気配を纏うルーを瞬時に感じ取り、そっと己の気配を消してルーが落ち着くのを待っていた事は勿論気付いている。
久志になら、己の本性をバラしても構わないと思っているので、サラが知らない所で少しずつ出して行くか♪とほくそ笑んだ。
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