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ファオフィス4
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「畏まりました。では、失礼致します」
深く頭を下げた侍従は、そう言うとサッと立ち去って行った。
「ごめんね、ヤフク……」
静かに閉まるドアを見ながら、僕は落ち込んでいた。
諸外国からの使者との謁見が長引いてしまい、国王陛下方はそのままその後に続く会議や政務に入る事となった。その為、ヤフクと僕に会う時間を夜に変更する、と。それを先程の国王付き侍従が伝えに来て、ヤフクが了解していた訳だけれど……。
僕が寝てしまっていなかったら、王宮に到着して直ぐにヤフクはご両親と久しぶりの再会を喜んでいたはずなのに……。そう思ってしまった僕は、申し訳なさと悔やみから顔を上げられなかった。
「よし!今からここと王宮内を案内してやるから喜べ♪」
突然、ヤフクはウキウキしながらソファから立ち上がった。
「……え?」
その嬉し気な声に、僕は思わず顔を上げてヤフクを見つめる。
「なんだ?俺が怒るとでも思ったのか?」
僕の沈んだ心を見たヤフクは、ニヤリと笑う。
「怒る。……と言うか、夜まで会えなくて残念に思っているんじゃないかと、思って……」
「無いな!」
ヤフクはキッパリはっきりと、とても良い笑顔で言い切った。
「………は?」
「言ってなかったかも知れないが、俺はソイルヴェイユへ入学するまで父上達の宮で共に暮らしていたんだ」
「……うん?」
主旨が良く解らないけれど、話し出したヤフクの話に僕は黙って耳を傾ける。
「俺は部屋も階も別々だが、食事やお茶の時間は時折両親と共にしていたんだ……。だがまあ、普段それぞれ政務や公務が忙しい為、それ程2人が共に揃って俺と食事等しないのだが、あの2人自身は政務や公務の合間に一緒にいられる時間を作っていた。そして、息子が目の前に居ようが関係無く2人だけの世界に入って、とにかくイチャイチャしているんだ……。ぶっちゃけ、もうそれが本当にうっとおしくてな」
「ヤフグリッド様、ぶっちゃけ過ぎです」
苦虫を噛み潰した様な顔をしながら話すヤフクに、ヤームさんは小さな声で嗜める。でも、ヤームさんの顔も苦笑い。……そんなに両陛下のイチャつきって凄いのかな?
「……すまん。つい本心が駄々漏れた。まあそんな訳で、俺が居ても居なくても関係無い2人から早く離れたくて、俺自身としては早く父上達の宮を出たかったんだ。………あぁ、両親が俺の事を愛していないとかそんな阿呆な事は思っていないからな。俺は2人をきちんと愛しているし、2人から愛されているのは判っているから安心しろ」
ヤフクの話し振りに、僕の表情が少し雲ってしまったのを見た彼は明るく補足する。
詰まる所、良い歳をした(と言うけれど、両陛下は共にまだ28)両親のラブラブっぷりを目の前で見せられるのは本当に嫌だったのだそうだ。そして、どのタイミングで謁見しに行ってもヤフクと僕しか居ない(ヤームさんや他にも近衛兵もいるらしいけれど)プライベートな場では直ぐに甘過ぎる空気に包まれる2人なので、別段ヤフクはご両親に直ぐに会えなくても全く気にならないし平気なのだそうだ。むしろ、今回その空間に自分1人で居なくて済むので僕が一緒で良かった!と大変有り難がられてしまった。
「なんか、ヤフクも大変なんだね」
そう、つい苦笑しながら僕は呟く。
「………まあな」
僕に話していて、ふと両陛下のイチャつき振りが脳内に思い浮かんでしまったのか、ヤフクは遠い目をして深い溜め息を吐く。
「その内、俺にまた弟妹が増えるんじゃないか?」
2人いる側妃の間にも1人ずつ子がいるし、国王はきちんと全員を大切に想っているけれど、ヤフク曰く側妃は国王にとって王妃を取り合う恋敵の様な存在なのだそうだ。
「まあ、俺の両親の馴れ初めやら側妃様方との関係なんて俺にとってもお前にとってもかなりどうでも良い事だから話さなくても良いよな?」
「うん。もし言われても、僕には全てが別世界過ぎて直ぐに忘れちゃいそうだから良いよ」
姉さんや姉さんの友達とかなら喜んで聞きたがるだろうけれど、正直僕は興味が無い。
「ふふっ♪お前のそう言う所良いよな♪……さて、王宮内の散歩に行こうか!」
「うん。お願いします」
王宮に到着しても控えていた侍従に抱き上げられても目を覚まさなかった僕は、まだ一歩も今居る部屋から出ていない。今なら容易く迷子になれる状態だ。
「ここは月宮と呼ばれている俺の住まいだ」
陽宮(南側)は国王陛下並びに王妃が住まう処。
月宮(東側)は第一王子又は第一王女の住まい。
星宮(西側)は側妃殿下方の住まい。
光宮(北側)は第二以降の王子や王女(側妃方の子はまた別に宮が有る)の住まいとなる。
月宮は屋上庭園付きの2階建てで、4ヵ所有る王家のプライベートエリアの一角。
プライベートエリアなんて呼ばれているけれど、流石王宮。僕が知っている2階建ての広さでは無い。
ヤフクの私室を真ん中に、左側が僕が使わせてもらっている客室。右側はヤームさんの私室。
だけど、その1部屋の広さは有り得ない程広いし、そもそも寝室、居間、衣装部屋、そしてお手洗いと洗面脱衣室に浴室の4つで1人用の部屋なのだ。
しかもヤフクの私室は、1部屋の広さが僕が使わせて頂いている客室よりも一回りも広く、お手洗いなんて実家の僕の部屋よりも広い。
2階エリアだけでもう腰が抜けそうなのに、大人が4~5人は横に並んで歩ける程の広さが有る階段(しかも吹き抜け!)を降りれば、1階はヤフクの侍女と侍従(常に2人ずつ控えている)、それに近衛兵(2人)の為の控え室(交代制なので、彼等の私室は別に有る)と食堂に調理場等が有った。勿論ヤフク専用の料理人(交代制で4人抱えている)がいる訳で、彼等の部屋も有る。
それに、今はヤフクしか使っていないけれど中庭を挟んで1階に有る渡り廊下の先には第一王女の為の部屋も有る造りとなっている。そちらも2階建てで、1階の食堂が無い(それはこちらと共有)だけで部屋数も広さも同じものなのだそうだ。
「じゃあ、ヤフクと同腹の妹がいたらここに一緒に暮らすんだ」
「あぁ。とは言っても8歳になってからだがな」
王子及び王女は、世間一般の子等と同様に初等学舎を卒業する年齢までは子供と見なされるので、親と共に生活をする。
なので、ヤフクも8歳を迎えると同時にここ月宮に移ったのだそうだけど、直ぐ様ソイルヴェイユへ入学をしたのでヤフク自身ほぼ初めて月宮で過ごすのだそうだ。
「だから、今の所俺の部屋って感じはしないな。まあ、卒業して王位を継ぐ迄はここで暮らすからその内慣れて愛着の一つや二つ沸くだろう。それに近くに家庭教師が居ないから、物凄く羽を伸ばせるのが実に良いしな!」
王子及び王女は、1才の誕生日を迎えて直ぐ王族として必要な様々な事を学び始める為、学舎には通わず専属の家庭教師が付くのだとヤフクは話す。
「1才から……」
やはり、王族と言うのは僕の様な一般庶民とは違う生き方なんだ。と改めて実感する。
月宮内の案内の後、庶民の僕がヤフクと友達で良いのか?王宮に滞在して良いのか?とても不敬だと思われているのでは?と不安でドキドキしながら、王宮内の図書室や近衛兵の詰所や訓練所を案内して貰った。
図書室は、図書館と呼んだ方が良いのではないかと思う程広かった。
官僚や文官等が執務を行う棟と王家のプライベートエリアとをそれぞれ渡り廊下で繋がれた4階建てで、下1・2階は吹き抜け作りで主に政務に必要とする資料の為の書籍が殆んど。3・4階は様々な書籍が収められている。
そこは本の量が膨大だとと思っていたけれど、王立図書館の半分も無いとヤフクは言う。(王立図書館は、王宮から少し離れた場所に建っている)
「お前をここに置いていったら、間違いなく死ぬまで出て来ないだろうな……」
余りにも僕が目を輝かせて本棚を見つめているものだから、ヤフクがそう呟き「絶対に1人で来るなよ!」と釘を刺されてしまった。
まあ、確かに寮の図書室とは比べ物にならない程の書棚はまるで迷路みたいだ。僕みたいな子供が入り込んだら、意図も簡単に迷子になって出られなくなってしまうかも知れない。
僕は素直に頷く。
「うん。わかった」
次に案内をして貰った近衛兵の詰所と訓練所は、ラグリーサで見た騎士達の駐屯所と良く似ていた。
近衛兵は王宮内及び王族を警護し、騎士は国を警護する者達だから基本的に訓練や組織の在り方は似ているとヤフクが教えてくれる。
中には貴族の者もいるけれど、基本的に近衛兵も騎士も実力主義で構成されているので、身分は関係無いのだそうだ。
そう言われて、僕は振り返り僕等の後ろに控えて一緒に付いて来てくれている近衛兵の2人を見る。
2人共、僕と目が合うとにっこりと優しい笑顔を浮かべてどちらも伯爵家の出身だと教えてくれた。まだ数時間しか一緒に居ないけれど、決して僕に対して嫌な顔もしないし、丁寧な言葉使いと態度で接してくれる。
「騎士に叙任されるのもかなり狭き門だが、近衛兵になるのはもっと大変なんだ」
訓練中の近衛兵達を見ながら、ヤフクは簡単に説明してくれた。
近衛兵に選ばれるには、最低5年以上(特例も有る)の騎士経験を経てから本人からの移動の希望を含め、所属する隊の隊長からの推薦も必要となる。推薦してもらえたとしても、かなり厳しい身辺調査や近衛隊長との面談を重ねて本人の人となりを徹底的に調べ上げた上で問題が無ければ半年間の仮叙任(と言う名の研修兼監視)を経て漸く就任出来るもの。だからこそ、近衛兵になると言う事はかなり誉れ高き名誉な事で、僕がヤフクの友達だからとか関係無くどんな身分でも王宮に招かれた者は全て賓客として接するのだそうだ。
「そもそも、一部の王庭及び王城は一般解放されているが、ここに入れる者は害無き者のみ。近衛達からすれば、警護するに値するのさ♪」
だから、お前はソイルヴェイユにいる時みたいに普通にして過ごしてくれれば良いんだよ♪とヤフクは笑って言う。……そうは言っても、漸くそのソイルヴェイユでの生活や人付き合い(右も左も貴族ばかり!)に慣れてきた僕には、侍女や侍従に世話を焼かれる事や後ろに控えて常に共に行動をする近衛兵達が居る状態に普段通りでいられる訳が無い!
ぐるっと王宮の一部分だけ案内してもらっただけで、普段の行動距離からしたらたいした事は無いはずなのに、色々慣れなさ過ぎる事ばかりに戸惑い恐縮してしまい僕はかなり疲れてしまった。
(そんな僕の謙虚な態度は、見守る周りの侍女達や侍従達から「可愛い過ぎっ!」と思われ、皆が悶えてしまっているなんて知る由も無かった……)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
王宮から月宮に戻り、ヤフクに食堂や調理場を案内して貰っていると、彼付きの侍従から食事を取る時間帯について教えてもらった。
大体寮の食事の時間帯と同じだと判り、明日からの剣の鍛練もいつも通りに行えるのだと僕は安心出来て嬉しかった。
「今日はとりあえずここの雰囲気とか色々と簡単に慣れてもらいたいから、明日詳しく話し合おうな♪」
詳しくは教えてもらっていないけれど、過ごす間に何をしようかヤフクは色々と考えてくれている様だ。
月宮内の案内も終わり、そのままヤフクの私室へ入ってお茶を飲んでいると、ヤフクから「晩餐は、父上達がおられる陽宮で取るだろうけど、正餐ではないから安心しろ♪」と言われ、僕は心底驚き危うく持っていたカップを落としそうになる。
確かに、侍従からの伝言で両陛下との謁見に指定された時間は丁度晩餐の時間帯だったけれど、庶民の僕が両陛下やヤフクと一緒に食事をする事なんて無いだろう。恐らく謁見が済んだら僕だけ月宮に戻って夕食を取れば良いのだろう。と僕は思っていたからだ。
「……え!?それって、僕もって事?」
「そうだが?」
「……なんで?」
「なんで?って?」
僕の質問の意味が解らないヤフクが質問で返す。
「だって、僕が一緒に食事をしたら失礼になっちゃうじゃん」
「は?……なんだ、その発想?」
ヤフクは飲みかけていたカップをソーサーに置き、眉間に深くシワを寄せながら僕を見つめた。
「えっと、その………」
なんだかヤフクの背から漂う空気が怖かったけれど、僕は先程思った事を素直に伝える。
「……………………………」
「…………………」
ヤフクは、僕の言葉を聞いた後暫く無言となる。彼の背中から溢れ出る気配が怖くて、自ずと僕も口を閉ざす。
「………成る程」
およそ数10分は続いた沈黙の後、右の眉を一度だけピクリと上下させたヤフクは一言だけ呟く。そして、そのまま物凄く睨みつけられてしまった。
「…あの、その、ごめんなさい」
その迫力が恐ろしくて、僕は訳も判らず思わず謝る。
「……この俺が、自身で望んで招いた友人を、放って親子水入らずをする程薄情者だと思われていたとはなぁ……?」
一言、一言、区切りながらゆっくりと喋るヤフクの額には青筋が立っている……。
怖い!滅茶苦茶怖いっ!!
「そう言う風には思っていないですっ!」
「しかも?俺は、階級で人と付き合う様な奴と思われていたのか……」
僕の言葉は届かず、更にヤフクはボソリと呟く。
室温がどんどん下がって行く気がするっ!ってか絶対気のせいじゃないっ!!
「違いますっ!ヤフクがそんな人だなんて全く思っていません!」
「当ったり前だぁっ!!……俺は、誰に対しても礼節をわきまえ、日々勉学の努力も惜しまず常に様々な事を頑張るお前を自慢の友人だと思っているっ!そんな自慢の友人を両親に紹介したいと思って今回招いたのに、その自慢の友人は気を抜くと敬語を使い俺と距離を置こうとしている!……とんだ侮辱だっ!」
「…………っ!」
ヤフクに怒鳴られ、僕はハッとなった。
「確かに、ここに勤めている者の多くは貴族だ。そして皆年上なので、彼等に敬語を使うのは解る。お前のそう言う態度を皆も大変好ましく思っている。だが、俺とお前は同じ歳でソイルヴェイユに通う同級生で友人だろう?………王宮内で王子の俺に砕けた態度は不敬ではないか?と心配になる思いも解る。そしてもしかしたら、この先立場上友人と名乗り合えなくなるかも知れないが、今はまだ只のヤフクでグヴァイだ。……どうか、線を引かないでくれ」
僕は、意図して無かったとは言え、ヤフクを差別してしまっていた。
今にも泣き出してしまいそうな表情のヤフクに、心から申し訳ないと思い謝る。
「………ごめんなさい」
とても気まずい空気になってしまい、どうしたら良いのか解らず困っていると、ヤフクの後ろに控えていたヤームさんが優しく声を掛けてくれた。
「……ヤフグリッド様、お2人共まだ知り合って3ヶ月半程です。それこそ、貴方様がまだ馴染み無いこの月宮で将来過ごされて慣れていきます様に、お2人も徐々に真の友人同士となっていけるのではないでしょうか?」
「………そうだな。確かに、グヴァイの今までと俺の今までの生活は全てが違うな。いきなり俺に合わせろだなんて無茶苦茶だったな。……悪かった」
「ううん。僕こそ、ごめん」
ヤームさんの言葉に、僕等はお互いに頭を下げ合い、笑い合った。寮や学舎にいる時よりも心が砕けて通じ合えた気がした僕達だった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
その後迎えた晩餐は、とても緊張したけれど想像以上に気さくで優しい両陛下と話しながらの和やかな時間となり、その時にヤフクが国王陛下へ言ってくれた言葉は、生涯僕の宝物となった。
「――――そうか。周りから甘やかされていた様に思えたお前にも良い友が出来たのだな」
「はい。私は、自分自身よりも周りを大切に思う彼から沢山の事を学ばせてもらっています。この先も彼に恥ずかしくない友人で有りたいです」
「うむ。良い心がけだ。決して今言った言葉を忘れるでないぞ」
温かく柔らかな笑顔を浮かべながら、現王・ワイスハウク様は腕を伸ばしてヤフクの頭を撫でる。
「はいっ!」
大きな手が優しくヤフクの頭を撫でれば、彼はとても嬉し気に笑う。心から父王が好きなんだな、と良く判り、なんだか僕まで嬉しくなった。
「……グヴァイラヤー君」
「!? は、はいっ!」
ヤフクの頭に手を置いたまま、ワイスハウク様は僕の方へ顔を向けると、にっこりと笑い軽く頭を下げる。
「息子と友人になってくれて有難う」
「!?」
王様が頭を下げた~っ!!
突然の事に僕は慌てふためき、立ち上がる。
「そ、そんなっ!恐れ多いですっ。ぼっ、僕の方こそ、ヤフグリッド様と友人になれて、とても嬉しく思っています!」
音がしそうな程の勢いで僕も頭を下げながら言葉を紡ぐ。だけど、緊張し過ぎて言葉を噛んでしまったっ!
恥ずかし過ぎて僕は顔が熱くなる。絶対に今僕の顔は真っ赤だ……。
「ふふふっ。そんなに緊張しないで♪この場には私達しかいないのよ」
優しくて見目麗し過ぎる両陛下に、僕は終始顔が赤かったと思う。
そして、ヤフクの僕を見る目が生暖かい保護者の様な目付きだったのが正直痛かった…………。
(両陛下並びにその場に控えていた侍女及び侍従達と近衛兵達が、揃って赤面して震えている僕を見て「この見た目で女の子じゃないなんてっ!なんか色々勿体無いっ!」と全員が内心ツッコミを入れていた事にヤームだけが気付きやはり心の中で苦笑を浮かべていたのだった)
深く頭を下げた侍従は、そう言うとサッと立ち去って行った。
「ごめんね、ヤフク……」
静かに閉まるドアを見ながら、僕は落ち込んでいた。
諸外国からの使者との謁見が長引いてしまい、国王陛下方はそのままその後に続く会議や政務に入る事となった。その為、ヤフクと僕に会う時間を夜に変更する、と。それを先程の国王付き侍従が伝えに来て、ヤフクが了解していた訳だけれど……。
僕が寝てしまっていなかったら、王宮に到着して直ぐにヤフクはご両親と久しぶりの再会を喜んでいたはずなのに……。そう思ってしまった僕は、申し訳なさと悔やみから顔を上げられなかった。
「よし!今からここと王宮内を案内してやるから喜べ♪」
突然、ヤフクはウキウキしながらソファから立ち上がった。
「……え?」
その嬉し気な声に、僕は思わず顔を上げてヤフクを見つめる。
「なんだ?俺が怒るとでも思ったのか?」
僕の沈んだ心を見たヤフクは、ニヤリと笑う。
「怒る。……と言うか、夜まで会えなくて残念に思っているんじゃないかと、思って……」
「無いな!」
ヤフクはキッパリはっきりと、とても良い笑顔で言い切った。
「………は?」
「言ってなかったかも知れないが、俺はソイルヴェイユへ入学するまで父上達の宮で共に暮らしていたんだ」
「……うん?」
主旨が良く解らないけれど、話し出したヤフクの話に僕は黙って耳を傾ける。
「俺は部屋も階も別々だが、食事やお茶の時間は時折両親と共にしていたんだ……。だがまあ、普段それぞれ政務や公務が忙しい為、それ程2人が共に揃って俺と食事等しないのだが、あの2人自身は政務や公務の合間に一緒にいられる時間を作っていた。そして、息子が目の前に居ようが関係無く2人だけの世界に入って、とにかくイチャイチャしているんだ……。ぶっちゃけ、もうそれが本当にうっとおしくてな」
「ヤフグリッド様、ぶっちゃけ過ぎです」
苦虫を噛み潰した様な顔をしながら話すヤフクに、ヤームさんは小さな声で嗜める。でも、ヤームさんの顔も苦笑い。……そんなに両陛下のイチャつきって凄いのかな?
「……すまん。つい本心が駄々漏れた。まあそんな訳で、俺が居ても居なくても関係無い2人から早く離れたくて、俺自身としては早く父上達の宮を出たかったんだ。………あぁ、両親が俺の事を愛していないとかそんな阿呆な事は思っていないからな。俺は2人をきちんと愛しているし、2人から愛されているのは判っているから安心しろ」
ヤフクの話し振りに、僕の表情が少し雲ってしまったのを見た彼は明るく補足する。
詰まる所、良い歳をした(と言うけれど、両陛下は共にまだ28)両親のラブラブっぷりを目の前で見せられるのは本当に嫌だったのだそうだ。そして、どのタイミングで謁見しに行ってもヤフクと僕しか居ない(ヤームさんや他にも近衛兵もいるらしいけれど)プライベートな場では直ぐに甘過ぎる空気に包まれる2人なので、別段ヤフクはご両親に直ぐに会えなくても全く気にならないし平気なのだそうだ。むしろ、今回その空間に自分1人で居なくて済むので僕が一緒で良かった!と大変有り難がられてしまった。
「なんか、ヤフクも大変なんだね」
そう、つい苦笑しながら僕は呟く。
「………まあな」
僕に話していて、ふと両陛下のイチャつき振りが脳内に思い浮かんでしまったのか、ヤフクは遠い目をして深い溜め息を吐く。
「その内、俺にまた弟妹が増えるんじゃないか?」
2人いる側妃の間にも1人ずつ子がいるし、国王はきちんと全員を大切に想っているけれど、ヤフク曰く側妃は国王にとって王妃を取り合う恋敵の様な存在なのだそうだ。
「まあ、俺の両親の馴れ初めやら側妃様方との関係なんて俺にとってもお前にとってもかなりどうでも良い事だから話さなくても良いよな?」
「うん。もし言われても、僕には全てが別世界過ぎて直ぐに忘れちゃいそうだから良いよ」
姉さんや姉さんの友達とかなら喜んで聞きたがるだろうけれど、正直僕は興味が無い。
「ふふっ♪お前のそう言う所良いよな♪……さて、王宮内の散歩に行こうか!」
「うん。お願いします」
王宮に到着しても控えていた侍従に抱き上げられても目を覚まさなかった僕は、まだ一歩も今居る部屋から出ていない。今なら容易く迷子になれる状態だ。
「ここは月宮と呼ばれている俺の住まいだ」
陽宮(南側)は国王陛下並びに王妃が住まう処。
月宮(東側)は第一王子又は第一王女の住まい。
星宮(西側)は側妃殿下方の住まい。
光宮(北側)は第二以降の王子や王女(側妃方の子はまた別に宮が有る)の住まいとなる。
月宮は屋上庭園付きの2階建てで、4ヵ所有る王家のプライベートエリアの一角。
プライベートエリアなんて呼ばれているけれど、流石王宮。僕が知っている2階建ての広さでは無い。
ヤフクの私室を真ん中に、左側が僕が使わせてもらっている客室。右側はヤームさんの私室。
だけど、その1部屋の広さは有り得ない程広いし、そもそも寝室、居間、衣装部屋、そしてお手洗いと洗面脱衣室に浴室の4つで1人用の部屋なのだ。
しかもヤフクの私室は、1部屋の広さが僕が使わせて頂いている客室よりも一回りも広く、お手洗いなんて実家の僕の部屋よりも広い。
2階エリアだけでもう腰が抜けそうなのに、大人が4~5人は横に並んで歩ける程の広さが有る階段(しかも吹き抜け!)を降りれば、1階はヤフクの侍女と侍従(常に2人ずつ控えている)、それに近衛兵(2人)の為の控え室(交代制なので、彼等の私室は別に有る)と食堂に調理場等が有った。勿論ヤフク専用の料理人(交代制で4人抱えている)がいる訳で、彼等の部屋も有る。
それに、今はヤフクしか使っていないけれど中庭を挟んで1階に有る渡り廊下の先には第一王女の為の部屋も有る造りとなっている。そちらも2階建てで、1階の食堂が無い(それはこちらと共有)だけで部屋数も広さも同じものなのだそうだ。
「じゃあ、ヤフクと同腹の妹がいたらここに一緒に暮らすんだ」
「あぁ。とは言っても8歳になってからだがな」
王子及び王女は、世間一般の子等と同様に初等学舎を卒業する年齢までは子供と見なされるので、親と共に生活をする。
なので、ヤフクも8歳を迎えると同時にここ月宮に移ったのだそうだけど、直ぐ様ソイルヴェイユへ入学をしたのでヤフク自身ほぼ初めて月宮で過ごすのだそうだ。
「だから、今の所俺の部屋って感じはしないな。まあ、卒業して王位を継ぐ迄はここで暮らすからその内慣れて愛着の一つや二つ沸くだろう。それに近くに家庭教師が居ないから、物凄く羽を伸ばせるのが実に良いしな!」
王子及び王女は、1才の誕生日を迎えて直ぐ王族として必要な様々な事を学び始める為、学舎には通わず専属の家庭教師が付くのだとヤフクは話す。
「1才から……」
やはり、王族と言うのは僕の様な一般庶民とは違う生き方なんだ。と改めて実感する。
月宮内の案内の後、庶民の僕がヤフクと友達で良いのか?王宮に滞在して良いのか?とても不敬だと思われているのでは?と不安でドキドキしながら、王宮内の図書室や近衛兵の詰所や訓練所を案内して貰った。
図書室は、図書館と呼んだ方が良いのではないかと思う程広かった。
官僚や文官等が執務を行う棟と王家のプライベートエリアとをそれぞれ渡り廊下で繋がれた4階建てで、下1・2階は吹き抜け作りで主に政務に必要とする資料の為の書籍が殆んど。3・4階は様々な書籍が収められている。
そこは本の量が膨大だとと思っていたけれど、王立図書館の半分も無いとヤフクは言う。(王立図書館は、王宮から少し離れた場所に建っている)
「お前をここに置いていったら、間違いなく死ぬまで出て来ないだろうな……」
余りにも僕が目を輝かせて本棚を見つめているものだから、ヤフクがそう呟き「絶対に1人で来るなよ!」と釘を刺されてしまった。
まあ、確かに寮の図書室とは比べ物にならない程の書棚はまるで迷路みたいだ。僕みたいな子供が入り込んだら、意図も簡単に迷子になって出られなくなってしまうかも知れない。
僕は素直に頷く。
「うん。わかった」
次に案内をして貰った近衛兵の詰所と訓練所は、ラグリーサで見た騎士達の駐屯所と良く似ていた。
近衛兵は王宮内及び王族を警護し、騎士は国を警護する者達だから基本的に訓練や組織の在り方は似ているとヤフクが教えてくれる。
中には貴族の者もいるけれど、基本的に近衛兵も騎士も実力主義で構成されているので、身分は関係無いのだそうだ。
そう言われて、僕は振り返り僕等の後ろに控えて一緒に付いて来てくれている近衛兵の2人を見る。
2人共、僕と目が合うとにっこりと優しい笑顔を浮かべてどちらも伯爵家の出身だと教えてくれた。まだ数時間しか一緒に居ないけれど、決して僕に対して嫌な顔もしないし、丁寧な言葉使いと態度で接してくれる。
「騎士に叙任されるのもかなり狭き門だが、近衛兵になるのはもっと大変なんだ」
訓練中の近衛兵達を見ながら、ヤフクは簡単に説明してくれた。
近衛兵に選ばれるには、最低5年以上(特例も有る)の騎士経験を経てから本人からの移動の希望を含め、所属する隊の隊長からの推薦も必要となる。推薦してもらえたとしても、かなり厳しい身辺調査や近衛隊長との面談を重ねて本人の人となりを徹底的に調べ上げた上で問題が無ければ半年間の仮叙任(と言う名の研修兼監視)を経て漸く就任出来るもの。だからこそ、近衛兵になると言う事はかなり誉れ高き名誉な事で、僕がヤフクの友達だからとか関係無くどんな身分でも王宮に招かれた者は全て賓客として接するのだそうだ。
「そもそも、一部の王庭及び王城は一般解放されているが、ここに入れる者は害無き者のみ。近衛達からすれば、警護するに値するのさ♪」
だから、お前はソイルヴェイユにいる時みたいに普通にして過ごしてくれれば良いんだよ♪とヤフクは笑って言う。……そうは言っても、漸くそのソイルヴェイユでの生活や人付き合い(右も左も貴族ばかり!)に慣れてきた僕には、侍女や侍従に世話を焼かれる事や後ろに控えて常に共に行動をする近衛兵達が居る状態に普段通りでいられる訳が無い!
ぐるっと王宮の一部分だけ案内してもらっただけで、普段の行動距離からしたらたいした事は無いはずなのに、色々慣れなさ過ぎる事ばかりに戸惑い恐縮してしまい僕はかなり疲れてしまった。
(そんな僕の謙虚な態度は、見守る周りの侍女達や侍従達から「可愛い過ぎっ!」と思われ、皆が悶えてしまっているなんて知る由も無かった……)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
王宮から月宮に戻り、ヤフクに食堂や調理場を案内して貰っていると、彼付きの侍従から食事を取る時間帯について教えてもらった。
大体寮の食事の時間帯と同じだと判り、明日からの剣の鍛練もいつも通りに行えるのだと僕は安心出来て嬉しかった。
「今日はとりあえずここの雰囲気とか色々と簡単に慣れてもらいたいから、明日詳しく話し合おうな♪」
詳しくは教えてもらっていないけれど、過ごす間に何をしようかヤフクは色々と考えてくれている様だ。
月宮内の案内も終わり、そのままヤフクの私室へ入ってお茶を飲んでいると、ヤフクから「晩餐は、父上達がおられる陽宮で取るだろうけど、正餐ではないから安心しろ♪」と言われ、僕は心底驚き危うく持っていたカップを落としそうになる。
確かに、侍従からの伝言で両陛下との謁見に指定された時間は丁度晩餐の時間帯だったけれど、庶民の僕が両陛下やヤフクと一緒に食事をする事なんて無いだろう。恐らく謁見が済んだら僕だけ月宮に戻って夕食を取れば良いのだろう。と僕は思っていたからだ。
「……え!?それって、僕もって事?」
「そうだが?」
「……なんで?」
「なんで?って?」
僕の質問の意味が解らないヤフクが質問で返す。
「だって、僕が一緒に食事をしたら失礼になっちゃうじゃん」
「は?……なんだ、その発想?」
ヤフクは飲みかけていたカップをソーサーに置き、眉間に深くシワを寄せながら僕を見つめた。
「えっと、その………」
なんだかヤフクの背から漂う空気が怖かったけれど、僕は先程思った事を素直に伝える。
「……………………………」
「…………………」
ヤフクは、僕の言葉を聞いた後暫く無言となる。彼の背中から溢れ出る気配が怖くて、自ずと僕も口を閉ざす。
「………成る程」
およそ数10分は続いた沈黙の後、右の眉を一度だけピクリと上下させたヤフクは一言だけ呟く。そして、そのまま物凄く睨みつけられてしまった。
「…あの、その、ごめんなさい」
その迫力が恐ろしくて、僕は訳も判らず思わず謝る。
「……この俺が、自身で望んで招いた友人を、放って親子水入らずをする程薄情者だと思われていたとはなぁ……?」
一言、一言、区切りながらゆっくりと喋るヤフクの額には青筋が立っている……。
怖い!滅茶苦茶怖いっ!!
「そう言う風には思っていないですっ!」
「しかも?俺は、階級で人と付き合う様な奴と思われていたのか……」
僕の言葉は届かず、更にヤフクはボソリと呟く。
室温がどんどん下がって行く気がするっ!ってか絶対気のせいじゃないっ!!
「違いますっ!ヤフクがそんな人だなんて全く思っていません!」
「当ったり前だぁっ!!……俺は、誰に対しても礼節をわきまえ、日々勉学の努力も惜しまず常に様々な事を頑張るお前を自慢の友人だと思っているっ!そんな自慢の友人を両親に紹介したいと思って今回招いたのに、その自慢の友人は気を抜くと敬語を使い俺と距離を置こうとしている!……とんだ侮辱だっ!」
「…………っ!」
ヤフクに怒鳴られ、僕はハッとなった。
「確かに、ここに勤めている者の多くは貴族だ。そして皆年上なので、彼等に敬語を使うのは解る。お前のそう言う態度を皆も大変好ましく思っている。だが、俺とお前は同じ歳でソイルヴェイユに通う同級生で友人だろう?………王宮内で王子の俺に砕けた態度は不敬ではないか?と心配になる思いも解る。そしてもしかしたら、この先立場上友人と名乗り合えなくなるかも知れないが、今はまだ只のヤフクでグヴァイだ。……どうか、線を引かないでくれ」
僕は、意図して無かったとは言え、ヤフクを差別してしまっていた。
今にも泣き出してしまいそうな表情のヤフクに、心から申し訳ないと思い謝る。
「………ごめんなさい」
とても気まずい空気になってしまい、どうしたら良いのか解らず困っていると、ヤフクの後ろに控えていたヤームさんが優しく声を掛けてくれた。
「……ヤフグリッド様、お2人共まだ知り合って3ヶ月半程です。それこそ、貴方様がまだ馴染み無いこの月宮で将来過ごされて慣れていきます様に、お2人も徐々に真の友人同士となっていけるのではないでしょうか?」
「………そうだな。確かに、グヴァイの今までと俺の今までの生活は全てが違うな。いきなり俺に合わせろだなんて無茶苦茶だったな。……悪かった」
「ううん。僕こそ、ごめん」
ヤームさんの言葉に、僕等はお互いに頭を下げ合い、笑い合った。寮や学舎にいる時よりも心が砕けて通じ合えた気がした僕達だった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
その後迎えた晩餐は、とても緊張したけれど想像以上に気さくで優しい両陛下と話しながらの和やかな時間となり、その時にヤフクが国王陛下へ言ってくれた言葉は、生涯僕の宝物となった。
「――――そうか。周りから甘やかされていた様に思えたお前にも良い友が出来たのだな」
「はい。私は、自分自身よりも周りを大切に思う彼から沢山の事を学ばせてもらっています。この先も彼に恥ずかしくない友人で有りたいです」
「うむ。良い心がけだ。決して今言った言葉を忘れるでないぞ」
温かく柔らかな笑顔を浮かべながら、現王・ワイスハウク様は腕を伸ばしてヤフクの頭を撫でる。
「はいっ!」
大きな手が優しくヤフクの頭を撫でれば、彼はとても嬉し気に笑う。心から父王が好きなんだな、と良く判り、なんだか僕まで嬉しくなった。
「……グヴァイラヤー君」
「!? は、はいっ!」
ヤフクの頭に手を置いたまま、ワイスハウク様は僕の方へ顔を向けると、にっこりと笑い軽く頭を下げる。
「息子と友人になってくれて有難う」
「!?」
王様が頭を下げた~っ!!
突然の事に僕は慌てふためき、立ち上がる。
「そ、そんなっ!恐れ多いですっ。ぼっ、僕の方こそ、ヤフグリッド様と友人になれて、とても嬉しく思っています!」
音がしそうな程の勢いで僕も頭を下げながら言葉を紡ぐ。だけど、緊張し過ぎて言葉を噛んでしまったっ!
恥ずかし過ぎて僕は顔が熱くなる。絶対に今僕の顔は真っ赤だ……。
「ふふふっ。そんなに緊張しないで♪この場には私達しかいないのよ」
優しくて見目麗し過ぎる両陛下に、僕は終始顔が赤かったと思う。
そして、ヤフクの僕を見る目が生暖かい保護者の様な目付きだったのが正直痛かった…………。
(両陛下並びにその場に控えていた侍女及び侍従達と近衛兵達が、揃って赤面して震えている僕を見て「この見た目で女の子じゃないなんてっ!なんか色々勿体無いっ!」と全員が内心ツッコミを入れていた事にヤームだけが気付きやはり心の中で苦笑を浮かべていたのだった)
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