Summer Vacation

セリーネス

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命動6

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空が夕暮れ色に染まる頃に王都に戻ってきた。
騎士詰所前の広場でルーに降ろしてもらい『またベンチで待っていたら良いのかな?』と思っていたら、1人の騎士が詰所から出てきてルーに近付き手綱を受け取った。

「やあ、お帰り。グヴァイラヤー♪…飴の効果はどうだった?」

「ナウバ。……お前、ずっと下に居たのか?」

「まさか♪先程来たんだよ」

ルーの不機嫌ぷりと騎士との会話の雰囲気から、ルーに飴を食べさせたのが彼なのだろうと思えた。
そんなルーとは反対に楽しそうな彼は、背はルーより低いけどかなり筋肉質でがっしりした体型に見える。出発前にルーを囲んでいた騎士達もみんな背も体型もルーより一回りは大きい人達ばかりだった事を思い出した。
前にルーが自分は細い方だって言っていたけど、たしかにこうやって見比べるとルーは細く見える。

『……でも、抱き締めてくれた時とか寝台の中で見るルーの身体って凄くたくましいし体力なんて無尽蔵なのかと思う程あるよね。さっきも馬を走らせたまま片腕で私の身体を支えて、ずっと激しく挿れっぱなしだったのに全然疲れていないみたいだし……』

私はうっかりさっきのルーとの行為を思い出してしまい、下半身に甘い刺激が走り下着が濡れてしまった。その感触で全身が一気に熱くなり顔が赤くなったのが判った。
ハッとして慌てて回りを見ると、ルーと騎士がこちらを見て対象的な表情を浮かべていた。

ルーも少し顔を赤らめ困り顔、対して騎士はニヤニヤと笑顔を浮かべ、ルーの脇腹を小突いていた。

「エッロっ!…お前の番、めちゃくちゃ可愛いな♪」

ルーはサッと私に近付き、騎士から隠す様に腕の中に囲い込んで抱き締めた。そしてジロッと騎士を睨んだルーは追い払う様にシッシッと手を振った。

「さっさと馬を戻して来い」

「了~解♪」

騎士は「じゃあ、また明後日な~!」とこちらに背を向けたまま手を上げて木戸の先に消えて行った。

「……待たせて悪かった。行こうか?」

「う、うん」

やっぱりルーの身体って細身に見えてかなり筋肉質だ。こうやって抱き締められるとそれが実感されて、余計にドキドキしてしまう。

「……何を思い出しちゃったのかな?」

私の腰に腕を回したままルーは広場の端まで来て私を抱き上げると、下から私の赤い顔を覗き込んだ。
まさか、ルーの裸を思い出して1人ドキドキしていました。なんて言える訳もなく、私はルーから視線を外し横を向いた。

「…ナイショ、です」

「ふ~ん?……でも、さっきは俺との馬上での事を思い出しちゃっていたよね?」

ルーは唇を耳に寄せ、わざと低くて甘い声を出し耳たぶを甘く噛んで私の下半身に痺れを走らせた。

「んっ!」

「思い出しちゃった瞬間のサラの顔ってば一瞬だったけど、めちゃくちゃエロい顔をしていてあいつにもろバレだったよ?」

あんまりそそるから回りに誰もいなかったら、速攻サラに挿れてもっとエロい顔をさせたかった♪とそう言って更に私の顔を赤くさせると、ルーは楽しげに笑った。

「…ルーの意地悪!」

クスクス笑いながら、ルーは私に優しく口付け背中の羽を広げるとふわりと飛び上がった。

「この少し上の幹の中に大きな商店街があるんだ。今夜と明日の朝ご飯の材料をそこで買って行こう♪」

この時間帯は下から風が上がるから上に向かって飛びやすいんだよ♪と話してくれながらルーは真っ直ぐ上昇した。
少し昇り、巨木の丁度真ん中辺りにとてつもなく大きな洞があった。沢山の人が様々な物を持って出入りしているので、どうやらそこが商店街の入り口の様だった。出入り口当たる場所には太い足場が組まれ、一度に何千人と立てそうな程広い木製の広場が設けられていた。入り口の高さも見上げる程高く、左右に取り付けられた重厚な扉は閉められる事はあるのだろうか?と思ってしまう程巨大だった。
ルーに手を引かれ中に入ってみると、予想以上にかなり天井が高く、奥も相当深かい様で全く終わりが見えなかった。

「凄い!なんて広いの!?どうやって造ったの!?」

「否、ここは元から洞で竜の棲みかだったらしいよ」

サーヴラーの先祖がこの巨木に街を作ろうと越してきた時に洞に1匹の老竜が先住していたそうだ。先祖達は老竜からこの巨木で共に暮らす了承をもらい、邪魔にならない天辺に近い枝に街を造り生活をしていたのだそうだ。

「老竜は竜人族とは違うの?」

「いや、同じだよ。ただ、高齢過ぎてもう人型にはなれなかったんだ」

先祖達は縁者がいない老竜と家族の様に過ごし、老竜が最期を迎える際にこの洞を譲り受けたのだそうだ。

「竜は最期を迎える時自分が生まれ育った場所へ還り眠りに付くんだそうだよ」

2人で手を繋いで商店街を進む。左右にずらりとお店が建ち並んでいて、入り口付近は小物やアクセサリー類のお店にイルツヴェーグを訪れた観光客向けのお土産屋さんが多かった。更に進むと食材を扱うお店や惣菜店等が増えてきて、夕食の買い出しの時間帯の為買い物をする人々で商店街は混んでいた。
しかしそもそも洞の中が広すぎるので人にぶつかる心配が無く歩きやすかった。
建物はどれも木造で、洞と一体化していて違和感が無く素敵な雰囲気に包まれていた。お店は全部間口が少し狭くて、縦に細長い3階建て。1階が店舗で上が住居スペースの様だ。
それにしても洞の中とは思えない程明るい。
天井の明るさ具合からルーの部屋にあったのと同じ光源が使われている様子。

「ねぇ、前から気になっていたんだけど。ルーの部屋の灯りって光源はどうなっているの?」

「あぁ、寝室の?」

「うん。ロウソクや油ランプを使っていないのに天井や部屋が明るいから不思議だったの」

「あれは改良された光ゴケなんだ。空気と空気中の湿気だけで生きているんだ」

ドワーフが持っていた光ゴケをエルフが改良し、灯りの強さの調節は自分の僅かな魔力か魔石を使えば済み、夏と冬の半月の間だけ来る乾季の時だけ水分を気を付ければ良いので、ファルリーアパファル中が購入し重宝しているのだそうだ。

ルーに連れられてあちこちのお店を見て回り、私は見た事も無い食材ばかりに目を奪われて内心興奮しまくりだった。そんな中、慣れたルーはぱっぱと必要な食材を決めては購入し、時には値切りもするのでまるで主婦の様だった。

「…何で笑ってんの?」

お店のオバチャン相手にかなり上手く値切る姿が面白くて、私はついつい笑ってしまった。
そんな私を見て、笑われている理由に見当が付いたのかルーは苦笑いを見せた。

「ルーに凄く親近感が湧いて楽しい♪」

「値切る姿が?」

「うん!なんか、一般人っぽい♪」

私の中の騎士は貴族とかの出で侍従や侍女にお世話されているイメージだった。と話すと、勿論中にはそう言った騎士もいるが、多くはお給料を貰って働く労働者と同じなので日々節約が欠かせないんだよ、と冗談交じりで話すルー。

「イメージ壊しちゃった?」

「全然♪金銭感覚がきちんとある人で良かったなぁって思ってる」

明日の朝食べるパンも購入し終えたので、家に帰ろうか♪とルーに言われたが、かなり奥まで進んだので入り口が遥か彼方向こうに見える。正直、あの入り口まで戻らないとならないのかと思うと気が重くなる。
そんな私の表情を見たルーに何を思ったのか読まれ、クスッと笑われた。

「脚、疲れちゃったから戻るの嫌だなぁって思っているでしょう?」

「…うん」

「大丈夫♪そこの昇降機を使えば家まで直ぐ帰れるよ」

私の頭をヨシヨシと頭を撫で、ルーは目と鼻の先に見える人混みを指差した。
近付くと、昇降機は何台も設置されていて15階毎に乗る昇降機が分かれた作りになっていると教えてくれた。
ルーの様にかなり上階に住む人は騎士や貴族等住む人が限られているので、乗る昇降機も殆んど人が並んでいなくて待たずに直ぐに乗れた。向こうの世界の高速エレベーターの様な速さは無いけど、透明の昇降機が幹の中を優しい光ゴケの灯りと共に昇っていく感じは幻想的で素敵だった。
昇る距離が長いこの昇降機には向かい合う様にベンチが設置されていて幸い空いていたので、2人で並んで座った。

「この昇降機ってどうやって作られたの?」

「この巨木の根が水を吸い上げる為の穴を利用しているんだ」

土から水や栄養素を吸い上げる為に木の内部には無数の穴が縦に開いている。
その中には使われなくなって只の空洞と化してしまうものもある。そのまま放っておくとその空洞から劣化して巨木が傷んでしまうので、適度な水分と栄養を纏わせたこの昇降機を動かして劣化を遅らせているのだそうだ。

「只の昇降機じゃないんだ!」

「うん、ノームとエルフが考案して作ってくれた物なんだ。だから乗り心地もかなり快適でホント賢者と呼ばれる種族って凄いって思うよ」

リン!と鈴の音色が昇降機に響いた。

「…あぁ、着いたよ」

昇降機を降りると、もう目の前にはルーの家が見えた。

「ただいま~!」

私は便利な昇降機のおかげで元気を取り戻し、ルーが開けてくれた扉をくぐり元気よく言うと、ルーは目を細めとても嬉しそうに笑って口付けを落とした。

「お帰り❤なんか、本当に一緒に暮らしているみたいで嬉しくなっちゃったよ♪」

ルーの反応に照れながらそのまま一緒にキッチンまで荷物を運び込むと、ルーはまたダイニングから椅子を持ってきて私をキッチンの端に座らせたのだった。

「少しなら手伝えると思うのですが?」

「今日は簡単な物しか作らないから♪」

あっという間に用意出来ちゃうけど、この前みたいに私には側に居て欲しいのだそうだ。
手伝えないのは残念だけど、私もルーが料理を作る姿を見るのは好きなので、喜んで側にいる事にした。
手際の良いルーは30分程で料理を作り終え、後は少し煮込めば完成♪と笑った。
今夜はルーの故郷の煮込み料理なんだそうだ。

「…サラ、一緒にお風呂に入らないか?」

明日には帰ってしまう私と片時も離れたくないから今夜だけは隅々までルーが私を洗いたい。と言われてしまった。

「ご飯前に変な事しない?」

「しない」

「……エッチな事しない?」

あまりにも即答だったので、何だか信用出来なくて言い方を変えて聞き直すと…。ルーは一瞬考え込み「…しない」と自信無さげに答えた。

……する気だったんだ。

「もし約束破ったら今夜はルーとエッチしないからね」

「くっ…解った」

再度約束を交わし、浴室に入った。
ルーは、時折苦し気な吐息を吐きながら「耐えろ…。夕食まで耐えろ俺」と自分に懸命に言い聞かせながら私の身体や髪を洗ってくれた。
我慢させ過ぎ?とちょっとだけ可哀想になり、お礼に私もルーを洗ってあげようとしたら「今サラのその柔らかな手に触れられたら理性がぶっ飛んでしまうから遠慮しておく!」と固辞されてしまった。

「そんなに必死に我慢しないとならないなら、一緒にお風呂に入らなかった方が良かったんじゃない?」

「否!情けないかも知れないけど、それでも一緒に入りたかったんだ!」

私よりも身体の大きなルーがちっちゃく震えて堪えている姿は、なんか私がルーを虐めている気分になって複雑だった。先に私は湯船に浸かり、何とか洗い終わったルーも湯船に浸かって2人で程好く温まった所であがる事にした。
……背中に当たりまくっていた硬い棒はとりあえずそっと放っておく事にしたけど。

ルーの故郷の味は、少し辛味が利いたブイヤーベースに似ていた。
色々な野菜と魚介類を煮込んでいて大変美味しくて、私はお代わりをした。
どうやらルーはしっかり食べる女性が好みらしく、私が美味しそうに食べる姿を本当に嬉しそうに見つめていた。

食後はまた2人並んでシンクに立ち、使った食器を洗って片付けた。そして、ルーは2つのマグカップにお茶を淹れると片手でその2つを持ち、反対側の手は私の手を引いて寝室へ移動した。
ナイトテーブルにマグカップとタオルを置き、ルーは私を抱き寄せて深く口付けを交わした。
舌を絡め取られ吸われ私の身体は段々力が入らなくなってきた。ルーはそんな私を支えながら背中に回した手でワンピースのボタンを外していった。
息継ぐ間もなく私は全てを脱がされ、ルーに優しく寝台に寝かされた。
ルーも直ぐに全てを脱ぎ、私の上に覆い被さった。

「サラ、愛している」

そう言うと、ルーはまた深く口付けを落とし、舌で私の口内を丹念に味わうようになぞった。そして、両手は両の胸を揉み指で乳首を捏ねて私の下半身を痺れさせた。
唇を塞がれているので、喘ぎ声は全てルーに飲み込まれてしまうが、それが余計に身体を疼かせ脚の間に愛液が溢れてしまっていた。
溢れ過ぎる愛液がお尻まで零れ、とうとうシーツまで濡らし始め私は脚を擦り合わせた。
すると、ルーは右手を脚の間に滑り込ませびしょびしょになってしまっている割れ目を弄り始めたのだった。

「…あっ!」

「口付けと胸を触られただけで、こんなに濡らしちゃうなんて本当にサラは感度が良いね」

くちゅくちゅと音を立てながら指はクリトリスを捏ねて私を喘がせ続けた。

「ルー…、お願い、挿れてぇ……!」

執拗に胸をしゃぶられ指はクリトリスのみ弄るので、膣がハクハクと口を動かしては痙攣しルーのモノが欲しくて堪らなくなった。

「もう挿れて欲しくなっちゃったの?」

ルーは艶っぽい笑みを浮かべ、私の頬に口付けを落とした。そして、私の両脚を大きく開き陰茎を膣に宛がいわざとゆっくりと挿入してきたのだった。
いつもの様に一気に来ないので、膣がルーの陰茎を早く飲み込みたくて吸い上げる様に力を込めた。しかし、そんな誘惑にもルーは耐えてゆっくりゆっくり腰を押し進めた。

「サラを味わいたいんだ」

いつもは快楽を求め直ぐに貫いてしまうが、今夜はそんな雄の本能を封じて全身で私を味わうのだそうだ。

「あぁっ……サラの身体に溺れたくなるっ」

だけど、そんな事をしたらまた私を抱き潰してしまうのでルーはゆっくりと腰を動かし抽挿を開始した。

「あ!ん!あん!」

ゆっくりだからこそ、ルーの陰茎が膣壁をねっとりと愛撫し、奥に届いた瞬間の一瞬だけ与えられる快楽に身体は悶えた。

「……もっと、激しくして欲しい?」

左の耳に熱い吐息と共に囁かれ、私はキュッとお腹に力を入れてルーを求めた。
するとルーは背中に腕を回し入れ、私を抱き起こすとルーはそのまま後ろに倒れ、私はルーの上に跨がされた。
ルーが軽く腰を揺らすだけで奥を抉り、私は嬌声をあげた。

「あんっ!ダメぇ!深くて奥がグリグリ擦られちゃう!抜いてぇ!」

「は……っ!サラの中が俺を離さないでもっともっとって締め付けるじゃねぇか!」

下からガンガン腰をぶつけられ、その都度奧の感度は増して私はギュウッと膣を締め付けイってしまった。

「んんっ!ダメ!あん!気持ち好すぎだよ~!」

私がイった瞬間にルーはすかさず起き上がり、挿れたまま私の身体うつ伏せに返すと、腰を高く持ち上げ強く押し付ける様に抽挿を開始した。

「あぁん!イっちゃったばかりはダメ~!」

ぐちゅん、ぐちゅんと音を立て、擦り付けて中をかき混ぜる様に腰を動かす為に私は続け様にまたイってしまい、もう何も考えられず絶え間なく襲う快感に呑まれていった。

「くっ、あぁっ!」

ルーも喘ぎ声をあげ腰を何度も強くぶつけ熱い精液を私に注ぎ込んだ。
陰茎の震えが収まると、ルーは浄化の魔術を施しズルリと膣から抜いた。
そして照れた表情を浮かべたルーは、タオルで私の身体を拭い身体に全く力が入らない私にサグを着せてくれた。
自分もナグを着込むと、隣に横になり私に腕枕をして抱き締めてくれた。

「愛している」

「うん…、私もルーが好き」

ルーからの口付けと伝わってくるルーの身体の熱に私はゆっくりと意識を手放した。
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