知らされた真実〜それぞれの選択〜

maruko

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ユースティオ編

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※途中殺○の描写があります
苦手な方はご自衛ください
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「庭師の息子って言っても庭師さんはそこには居なかったんだ。名前だけ貸してもらってる状態で僕の他にも多くはなかったけどもっと小さい子もいたんだよ。カールトン公爵様は、どうやら僕みたいな訳有の子供を秘密裏にかくまっていたみたいなんだ。僕もお屋敷で下働きでもさせられるかと思ったけど、そんな事はなくて、ただお手伝い程度の仕事はしたよ。その中で興味のあるものを選べばいいって教わった。あとは後々一人でも生活出来るようにって住み込みのメイドさんたちにも色々と教わっていたんだ。ただナーチェ様のお側に行っては駄目だと言われてたから、ナーチェ様と僕は直接話したことはないんだよ」

「そうか、俺がラオスに会ったから母上にバレたんだな」

「兄様が気にすることではないよ。父様も言っていたけど全部父様が悪いんだってさ。まぁ僕もそう思う、それに僕は兄様がいたからあの公爵家でも楽しい思い出が今でも残っているからね」

そう言ってラオスがポケットから取り出して見せたのは、あの馬の描かれたブローチだった。

「これ、俺が墓前に置いてきた⋯ずっと持っていてくれたのか」

「うん、直ぐには行けなかったけどこっそり自分のお墓に行った時に見つけて。それからずっと御守なんだ」

「そうか」

思わずユースティオはあの時の気持ちが蘇り涙が溢れてきた。
目元を腕で隠して零れないように押さえた。

「これからが重要なんだけど、ある日公爵様とナーチェ様がお二人揃って出かけた日があって、暫く帰ってこないって聞いていたんだけど4日位して公爵様が男の人を連れて帰ってきたんだ。メイドが本邸の執事って言ってた」

(オルト)は帰ってくるなり使用人を全員集めて食事会をすると言い出した。日頃の感謝の気持ちだと言われて皆喜んで席に着く。ただ使用人が少ないといっても全員は入れずにラオスのような子供達は別室に連れて行かれた。
そこで食事を提供されたのだが、一口口に入れてラオスはそれが直ぐに毒だと分かった、彼には耐性が付いていたからだ。
その場にいた5人の子供のうち二人は既に飲み込んでしまって間に合わなかったが、女の子二人は直ぐに吐き出した。
公爵と執事しか来てなかったから子供だけの部屋には見張りも立てていなかった為、生き残った3人は食べたフリをする為に残りを捨てた。
隣では息絶えた子供もいて、ラオスは怖くて体中が震えていたけれど、我慢して残った女の子達とともに死んだふりをした。

「その後、抱えられて、大きな穴に投げ入れられた。薄目を開けたら死体だらけだったよ。思わず声が出そうだったけど我慢してたら上から土をかけられたんだ」

「土?埋められたのか!」

ユースティオにラオスは頷いた。

「僕は一緒に投げ入れられた時小さな女の子を抱きかかえてその子の口には土が入らないようにしていたんだ。苦しくて本当に死にそうだったんだけど我慢して我慢して、そうしたら隣からトントンって合図をされたから思い切って動いてみたら、幸いな事に僕達は一番上にいたみたいでさ。何とか穴から出て、急いで穴を埋めてそこから逃げたんだ」

あまりの事にユースティオは言葉もなかった。
運命に翻弄されるラオスが、それを事も無げに普通に話している事に胸がつまされていた。



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本日は3話更新します
よろしくお願いします🙇‍♀

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