40 / 59
39 王家の秘密
しおりを挟む
「お前の仕出かしたことは今のアルマンの背中でわかったのではないか?」
「も、申し訳「儂には謝らんで良い」」
ルイスのすかさずの謝罪を国王は遮った。
その言い方は国王というよりも、父に近かったようにルイスは思えた。
「おぉこちらへ、レイオニーと言ったか」
宰相がレイオニーを下ろすと彼はトコトコと歩いて⋯ポリント辺境伯の膝に乗ろうと頑張り始めた。レイオニーを抱こうと両の手を広げて待っていた国王は、肩透かしを喰らってその手は宙に浮いた。
「おやおや、子供は善人を見分けると言いますからねぇ」
「辺境伯!」
ポリント辺境伯の言葉を宰相が咎めるも、彼はどこ吹く風で、嬉しそうにレイオニーを膝に乗せた。そして彼の茶色の髪を愛おしそうに撫でながら呟く。
「ただ髪の色が違うだけ、それだけで手放した貴方の罪が、現れたのではないですか?」
「くっ!」
国王は辺境伯の言葉に唇を噛んだ。
マッケンロウ王家に伝承される“力”がある事は、一部の高位貴族の間では知る事だった。
王家の力を知る者はいるが、他家の力を王家が知るのは少なくない。
何故ならその力を知られてマーロウ公爵家は王家に、その力を利用されているからだ。
力を知られれば『王家の犬』になる。
それを良しとしない貴族達は、各々の秘密を代々隠しとおすのだ。
その中でも力が分散するのがポリント辺境伯家だが、今この同じ場にいても国王はそれを知らない。
そして王家の力は何故か一人のみが受け継いでいる。現国王にもルイスにもフォスティーヌにも現れなかった。
だが一人現れたものがいた。
それが前コート伯爵、レイオニーの父であった。
そしてレイオニーもその片鱗が見えるとポリント辺境伯は、国王に奏上しにこの場へとやってきたのだった。
◇◇◇
辺境伯がレイオニーの力に気付いたのは偶然だった。
それは代々ポリント家に伝わる力を、自分たちが体感していたから、気付けたのだと思った。
そうでなければアレッ?見間違い?
と思ったかもしれない。
マリエルが取り調べの最中に、その事に対して口を噤んでいたのは、やはり母だからかもしれないが、そもそも悪事に幼い子どもを利用した点でアウトだ。
王家に泥を塗りたいと遺言されていたとしても、子は関係ないだろう。
まぁそもそもが、国王の失態なのだから、親が子供の責任を取って、孫を護ってもらわないとな、そう結論付けたポリント辺境伯は、国王に交渉しにやって来た。
ポリント辺境伯は、レイオニーを辺境伯家に預ける事を要求した。
ポリント辺境伯家に伝わる力は、直系の子には体のどこかしらに異常に発達した所が見られることだ。だが中には力が出なかった者もいる。それでも代々の当主は子を捨てたりなどしない。
王家の力は、体が周りに溶け込む事とその血を飲ませることで相手を服従させる物だった。
それはとても危険な力で、だから王家だともいえる力だった。
だが、それを発現させる者は、時代とともに減少されていった物と近年の王家は考えていた。
特に現国王はその力を持たない。
だからなのか、誤った見方をしてしまった。
金髪碧眼、それが血を濃く受け継ぐ者と、憶測で伝承されている事を重要視した。
自分が勝手に見初めて手を付けた貴族の娘が産んだ子を、自身の子だとは認めず生家に返した。
ただ髪が茶色だった。
それが手放した理由だった。
「も、申し訳「儂には謝らんで良い」」
ルイスのすかさずの謝罪を国王は遮った。
その言い方は国王というよりも、父に近かったようにルイスは思えた。
「おぉこちらへ、レイオニーと言ったか」
宰相がレイオニーを下ろすと彼はトコトコと歩いて⋯ポリント辺境伯の膝に乗ろうと頑張り始めた。レイオニーを抱こうと両の手を広げて待っていた国王は、肩透かしを喰らってその手は宙に浮いた。
「おやおや、子供は善人を見分けると言いますからねぇ」
「辺境伯!」
ポリント辺境伯の言葉を宰相が咎めるも、彼はどこ吹く風で、嬉しそうにレイオニーを膝に乗せた。そして彼の茶色の髪を愛おしそうに撫でながら呟く。
「ただ髪の色が違うだけ、それだけで手放した貴方の罪が、現れたのではないですか?」
「くっ!」
国王は辺境伯の言葉に唇を噛んだ。
マッケンロウ王家に伝承される“力”がある事は、一部の高位貴族の間では知る事だった。
王家の力を知る者はいるが、他家の力を王家が知るのは少なくない。
何故ならその力を知られてマーロウ公爵家は王家に、その力を利用されているからだ。
力を知られれば『王家の犬』になる。
それを良しとしない貴族達は、各々の秘密を代々隠しとおすのだ。
その中でも力が分散するのがポリント辺境伯家だが、今この同じ場にいても国王はそれを知らない。
そして王家の力は何故か一人のみが受け継いでいる。現国王にもルイスにもフォスティーヌにも現れなかった。
だが一人現れたものがいた。
それが前コート伯爵、レイオニーの父であった。
そしてレイオニーもその片鱗が見えるとポリント辺境伯は、国王に奏上しにこの場へとやってきたのだった。
◇◇◇
辺境伯がレイオニーの力に気付いたのは偶然だった。
それは代々ポリント家に伝わる力を、自分たちが体感していたから、気付けたのだと思った。
そうでなければアレッ?見間違い?
と思ったかもしれない。
マリエルが取り調べの最中に、その事に対して口を噤んでいたのは、やはり母だからかもしれないが、そもそも悪事に幼い子どもを利用した点でアウトだ。
王家に泥を塗りたいと遺言されていたとしても、子は関係ないだろう。
まぁそもそもが、国王の失態なのだから、親が子供の責任を取って、孫を護ってもらわないとな、そう結論付けたポリント辺境伯は、国王に交渉しにやって来た。
ポリント辺境伯は、レイオニーを辺境伯家に預ける事を要求した。
ポリント辺境伯家に伝わる力は、直系の子には体のどこかしらに異常に発達した所が見られることだ。だが中には力が出なかった者もいる。それでも代々の当主は子を捨てたりなどしない。
王家の力は、体が周りに溶け込む事とその血を飲ませることで相手を服従させる物だった。
それはとても危険な力で、だから王家だともいえる力だった。
だが、それを発現させる者は、時代とともに減少されていった物と近年の王家は考えていた。
特に現国王はその力を持たない。
だからなのか、誤った見方をしてしまった。
金髪碧眼、それが血を濃く受け継ぐ者と、憶測で伝承されている事を重要視した。
自分が勝手に見初めて手を付けた貴族の娘が産んだ子を、自身の子だとは認めず生家に返した。
ただ髪が茶色だった。
それが手放した理由だった。
174
あなたにおすすめの小説
【完結】旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました
よどら文鳥
恋愛
ルーンブレイス国の国家予算に匹敵するほどの資産を持つハイマーネ家のソフィア令嬢は、サーヴィン=アウトロ男爵と恋愛結婚をした。
ソフィアは幸せな人生を送っていけると思っていたのだが、とある日サーヴィンの不倫行為が発覚した。それも一度や二度ではなかった。
ソフィアの気持ちは既に冷めていたため離婚を切り出すも、サーヴィンは立場を理由に認めようとしない。
更にサーヴィンは第二夫妻候補としてラランカという愛人を連れてくる。
再度離婚を申し立てようとするが、ソフィアの財閥と金だけを理由にして一向に離婚を認めようとしなかった。
ソフィアは家から飛び出しピンチになるが、救世主が現れる。
後に全ての成り行きを話し、ロミオ=ルーンブレイス第一王子を味方につけ、更にソフィアの父をも味方につけた。
ソフィアが想定していなかったほどの制裁が始まる。
【完結】旦那に愛人がいると知ってから
よどら文鳥
恋愛
私(ジュリアーナ)は旦那のことをヒーローだと思っている。だからこそどんなに性格が変わってしまっても、いつの日か優しかった旦那に戻ることを願って今もなお愛している。
だが、私の気持ちなどお構いなく、旦那からの容赦ない暴言は絶えない。当然だが、私のことを愛してはくれていないのだろう。
それでも好きでいられる思い出があったから耐えてきた。
だが、偶然にも旦那が他の女と腕を組んでいる姿を目撃してしまった。
「……あの女、誰……!?」
この事件がきっかけで、私の大事にしていた思い出までもが崩れていく。
だが、今までの苦しい日々から解放される試練でもあった。
※前半が暗すぎるので、明るくなってくるところまで一気に更新しました。
冷たい王妃の生活
柴田はつみ
恋愛
大国セイラン王国と公爵領ファルネーゼ家の同盟のため、21歳の令嬢リディアは冷徹と噂される若き国王アレクシスと政略結婚する。
三年間、王妃として宮廷に仕えるも、愛されている実感は一度もなかった。
王の傍らには、いつも美貌の女魔導師ミレーネの姿があり、宮廷中では「王の愛妾」と囁かれていた。
孤独と誤解に耐え切れなくなったリディアは、ついに離縁を願い出る。
「わかった」――王は一言だけ告げ、三年の婚姻生活はあっけなく幕を閉じた。
自由の身となったリディアは、旅先で騎士や魔導師と交流し、少しずつ自分の世界を広げていくが、心の奥底で忘れられないのは初恋の相手であるアレクシス。
やがて王都で再会した二人は、宮廷の陰謀と誤解に再び翻弄される。
嫉妬、すれ違い、噂――三年越しの愛は果たして誓いとなるのか。
彼女の離縁とその波紋
豆狸
恋愛
夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
報われない恋の行方〜いつかあなたは私だけを見てくれますか〜
矢野りと
恋愛
『少しだけ私に時間をくれないだろうか……』
彼はいつだって誠実な婚約者だった。
嘘はつかず私に自分の気持ちを打ち明け、学園にいる間だけ想い人のこともその目に映したいと告げた。
『想いを告げることはしない。ただ見ていたいんだ。どうか、許して欲しい』
『……分かりました、ロイド様』
私は彼に恋をしていた。だから、嫌われたくなくて……それを許した。
結婚後、彼は約束通りその瞳に私だけを映してくれ嬉しかった。彼は誠実な夫となり、私は幸せな妻になれた。
なのに、ある日――彼の瞳に映るのはまた二人になっていた……。
※この作品の設定は架空のものです。
※お話の内容があわないは時はそっと閉じてくださいませ。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
あなたの愛が正しいわ
来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~
夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。
一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。
「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる