公爵夫人マーシェのお悩み

maruko

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39 王家の秘密

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「お前の仕出かしたことは今のアルマンの背中でわかったのではないか?」

「も、申し訳「儂には謝らんで良い」」

 ルイスのすかさずの謝罪を国王は遮った。
 その言い方は国王というよりも、父に近かったようにルイスは思えた。

「おぉこちらへ、レイオニーと言ったか」

 宰相がレイオニーを下ろすと彼はトコトコと歩いて⋯ポリント辺境伯の膝に乗ろうと頑張り始めた。レイオニーを抱こうと両の手を広げて待っていた国王は、肩透かしを喰らってその手は宙に浮いた。

「おやおや、子供は善人を見分けると言いますからねぇ」

「辺境伯!」

 ポリント辺境伯の言葉を宰相が咎めるも、彼はどこ吹く風で、嬉しそうにレイオニーを膝に乗せた。そして彼の茶色の髪を愛おしそうに撫でながら呟く。

「ただ髪の色が違うだけ、それだけで手放した貴方の罪が、現れたのではないですか?」

「くっ!」

 国王は辺境伯の言葉に唇を噛んだ。

 マッケンロウ王家に伝承される“力”がある事は、一部の高位貴族の間では知る事だった。

 王家の力を知る者はいるが、他家の力を王家が知るのは少なくない。
 何故ならその力を知られてマーロウ公爵家は王家に、その力を利用されているからだ。
 力を知られれば『王家の犬』になる。

 それを良しとしない貴族達は、各々の秘密を代々隠しとおすのだ。

 その中でも力が分散するのがポリント辺境伯家だが、今この同じ場にいても国王はを知らない。

 そして王家の力は何故か一人のみが受け継いでいる。現国王にもルイスにもフォスティーヌにも現れなかった。

 だが一人現れたものがいた。
 それが前コート伯爵、レイオニーの父であった。
 そしてレイオニーもその片鱗が見えるとポリント辺境伯は、国王に奏上しにこの場へとやってきたのだった。


 ◇◇◇


 辺境伯がレイオニーの力に気付いたのは偶然だった。
 それは代々ポリント家に伝わる力を、自分たちが体感していたから、気付けたのだと思った。

 そうでなければアレッ?見間違い?
 と思ったかもしれない。

 マリエルが取り調べの最中に、その事に対して口を噤んでいたのは、やはり母だからかもしれないが、そもそも悪事に幼い子どもを利用した点でアウトだ。
 王家に泥を塗りたいと遺言されていたとしても、子は関係ないだろう。

 まぁそもそもが、国王の失態なのだから、子供の責任を取って、を護ってもらわないとな、そう結論付けたポリント辺境伯は、国王に交渉しにやって来た。

 ポリント辺境伯は、レイオニーを辺境伯家に預ける事を要求した。

 ポリント辺境伯家に伝わる力は、直系の子には体のどこかしらに異常に発達した所が見られることだ。だが中には力が出なかった者もいる。それでも代々の当主は子を捨てたりなどしない。

 王家の力は、体が周りに溶け込む事とその血を飲ませることで相手を服従させる物だった。

 それはとても危険な力で、だから王家だともいえる力だった。

 だが、それを発現させる者は、時代とともに減少されていった物と近年の王家は考えていた。

 特に現国王はその力を持たない。

 だからなのか、誤った見方をしてしまった。

 金髪碧眼、それが血を濃く受け継ぐ者と、憶測で伝承されている事を重要視した。

 自分が勝手に見初めて手を付けた貴族の娘が産んだ子を、自身の子だとは認めず生家に返した。

ただ髪が茶色だった。
それが手放した理由だった。




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