悲劇の令嬢の逆襲〜旦那様契約結婚の延長は致しません〜

maruko

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呪い返しの真相

突然のお兄様の訪問に私は頭が真っ白になっていました。
立ち尽くす私に呑気な兄が話しかけます。

「おーいミランダ~久しぶり~面白い事になってるんだって?」

ハテ?面白い事とは?
我に返って訪いを労って取り敢えずそのまま応接室に案内した。

「お兄様改めてお久しぶりです」

「あぁ何も聞かされてなかったからな、二人は腰を抜かしてたぞ」

対面のソファで足を組み踏ん反り返ってお兄様が言い放つ。
面目ない、二人とは両親のことだろう。

「最初からか?」

「⋯⋯」

「ちゃんとお前の口から説明を聞きたい」

観念した私はあのカフェでの遣り取りやこの国に来る事になった顛末などを全て洗いざらい兄に話した。

黙って聞いていたお兄様に私はもう一つ言いたいことがある。

「お兄様、一つお伺いしたい事があるのですが⋯」

寧ろこの事が一番気になっていた。

「お兄様がおそらく14歳か15歳頃に纏わりついたり辟易していたご令嬢などはいらっしゃいませんか?」

「何だそれは!」

「私は呪われているそうですの」

「「は?」」

これには同席していたセルトも兄と同じく聞き返してきた。

「こちらにきてマリリンさんというお婆様と知り合ったの、その方は魔導具にも精通されていてとても魔力量がある方でしたのよ」

そしてマリリンさんに聞かされた呪返しの話しをした。

「これか!」

お兄様はブレスレットを私に見せてくれた。

「それは?」

「お前覚えていないのか?」

私はそのブレスレットをじっと見た。
そして遥か昔の記憶を掘り起こす、そのブレスレットは一日だけ王太子妃教育をお休みする事ができた日に侍女と気晴らしで行った、市井で買ったものだった。
最初は婚約者の王太子様に贈るつもりだったけど兄が一緒に街歩きがしたかったと言ったので、兄にプレゼントしたものだった。
ただのお守りだったはずだけど⋯。

「おそらくこれでその呪いとやらを跳ね返したんだろう、でも力が弱かったんだろうな、なんせ市井で売っていたのだろう?」

「えぇお守りって聞いて購入したの」

愕然としました、結局呪い返しも私のプレゼントだなんて!
呆然としている私を他所に兄は自分の記憶を辿っていたようです。

「あの頃は、人生で一番鬱陶しい時期だったからなぁ心当たりが多すぎる」

すっとぼけてる兄は私の気持ちなどどうでもいいのでしょうか?
誰からかけられたかの特定が出来ればその人に返す事が出来るのに。

恨みがましい目で見つめていると

「もう少し考えるからちょっと待て!それよりもお前の離婚が先だろう」

そうでした。
問題は呪いだけではなかった。
肝心なのは離婚です!
サッサと離婚しないとこのままではズルズルとサミュエルに利用されてしまいます。

「お父様達は何て仰ってましたか?」

「まさか呪いとか思ってなかったからな、自分達に力が無いばっかりにお前に無理をさせたと嘆いていたぞ、最初から話してくれれば良いものを⋯⋯でもあの頃はそれしかないと思ったんだろう?」

突然の優しい言葉に兄にも妹を慮る気持ちがあったのだと発見いたしました。
ちょっとほっこりします。

「セルトが話してくれたの?」

「ん~口止めと行動の制限はお願いしたけどカイセル殿には一年前には話していた。勝手なことしてごめん」

「ええっ!」

何と!セルトは前もって兄には打ち明けていてくれたようです。
今回の延長の事がなければ家族に話すのは離婚してからだと思っていた私は吃驚しました。

「まぁ話してくれてたおかげで直ぐに此方にも来られたからな。それでどうするつもりだ」

「勿論延長なんて愚の骨頂ですわ、認められません。そもそも最初の婚約時から馬鹿にされていたのです、もうよろしいでしょう。全て公にしようと思います」

「それがいい、此方の国の事は心配するな。王家にも大きな貸しがあるしな。2つも」

「お兄様⋯⋯」

「失言だったか?だがあの件でこの事が起こったのだ、王家にも協力してもらおう。あと教会に白い結婚の審議を申し込んでくれ。此方の国でも大丈夫だがセイシャル王国の方が信憑性が増すだろう。一度帰れるか?父上と母上も心配してるから顔見せだけでも帰ってきてほしいんだが」

「お兄様、私は離婚後もここで暮らしたいのです、お父様とお母様は認めて下さいますでしょうか?それがなければ帰るのが不安なのです」

「それは私に任せておけ、さきに帰って話しておくから。転移の魔導具を使えば直ぐだ」

転移の魔導具などとんでもなく値段が高いのに、いとも簡単に使えると口にするなんてスチュート伯爵家実家は大丈夫なのかしら?

不思議に思っていると

「ギルドには常備してあるからそこから行き来すればいい」

セルトが言いました。

なるほどお兄様セルトに魔導具を貰ったのね。
兄の強かさを実感してしまいました。





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