悲劇の令嬢の逆襲〜旦那様契約結婚の延長は致しません〜

maruko

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お馬鹿さん

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「セルトごめんなさい、転移の魔導具なんて⋯そんな高価な物を⋯」

「いいんだ。ミランダその代わりしっかり離婚してくれよ」

私の境遇に甚く同情してくれた優しいセルトはこんなにも協力して、そして力強い言葉をくれます。
ますます離婚に向けて頑張ろうと思いました。

「ありがとうセルト!そんなに励ましてもらうんだから私頑張るわ!」

そうしてその日の夕食は兄も一緒に囲んでとても楽しく過ごせました。
そうそう兄の目を見たマリリンさんは呪いの相手が特定できそうだと言いました。
何と!お相手の方は4回も今までに兄に呪詛というよりまじないをかけているそうです。

そのまじないの内容はおそらく兄の心を射止めるもの。

兄にかけた女難というまじないはそのかけた人以外を好きになると災いが起こるというものみたい。
それは回り回って私にかかったのだけど、その為に変に曲解してかかっているとマリリンさんは言います。

かけた人はなかなか思うように行かず(そりゃそうです私にかかってるんだもの)何度もかけているのだとか⋯⋯。

今思ったのはまさか今回の妊娠って⋯。

でもマリリンさんは首を横に振りました。
良かった今回のは関係ない模様、それなら憎きあいつらは潰しても後ろめたく思う必要はないですね。

あっ!でもお腹の子には罪はないのに⋯。

その夜、その事を考えていたら寝付けなくなりました。

サミュエルやその恋人のエミリーナには恨みはあるけど子供にはまったくない。
普通に離婚するなら影響ないけれど(庶子になるくらい?)私がしようとしてるのはほぼ断罪だ。

下手したら放逐もあり得るものだけど⋯⋯。
⋯でも親子三人でなんとかするでしょう。

結局そう強く無理やり思って掛布を頭から被って寝ました。


昨夜のうちに兄は母国セイシャルへと帰った模様、素早い。

私は取り敢えず兄が両親に話しを通してくれてる間にノーマン王国こちらでも教会に行って白い結婚の証明書を貰うことにした。
何枚もらってもどちらも証拠になるから心強いと思ったの。

なのに⋯⋯何故この人朝っぱらから来るのかなぁ


「ミランダ様今日こそは良い返事を貰えると思います」

自信満々のロットはエントランスで高らかに話しだした。
何故エントランスなのかというと態々応接室へ案内したくなかったから、この人にお茶など出したくないわ。
うちのお茶はセルトが持ってきてくれるいい茶葉を使ってるのよ。

「何?」

「これでどうでしょうか」

ロットは私がお金で言う事を聞かない事にやっと気付いたようだ。
でもこれは何だろう?
彼に渡されたのはポーションだった。

「これは数年前から扱われている高級なポーションなんですよ、滅多に手に入らないのでサミュエル様でさえ一月に一本しか飲めないのです。それぐらい高額なポーションなんですよ。これを5持ってきました、どうですか?貴重なポーションですよ」

この人スチュート伯爵家うちの実家の家業も把握していなかったのかしら?
それとも興味がなかったのか、こんな間抜けな従者を側に置いてるなんて、サミュエルはほんとにおバカね。いやロットがお馬鹿だから雇い主はアホかしら?
そのポーションどう見てもよね。

私は執事兼護衛のトールに目配せをした。
暫くすると彼は箱詰めにした大量のポーションを持ってきた。
それに気付いたロットは口をだらしなく開けて⋯顎外れたの?

「それ私が作ってるのよ」

ロットにトドメを刺すと彼はサァーっと血の気が引いていった。

「ミランダ様が⋯⋯作った?」

「えぇ子供の頃から作れるわよ、うちの家業を知らないの?」

「⋯⋯薬師と聞いていますが⋯ポーションも作っていたのですか?」

この人本当に馬鹿だったのね。
じゃあポーションは誰が作ったと思っていたのかしら?

「てっきり教会が⋯」

あぁこれは教会の詐欺行為に当たる物だと思うわ。
全体でやってるものではないけれど聞いたことがあった。
うちの家門で作ったポーションを教会に卸しているのだけど、一部の司祭や助祭が教会で作っているとか嘯いて売ったりしているみたい。

馬鹿だから騙されてるのね。




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