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守ろう!
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セルトが出ていったあと、ノーマン王と王妃様は途端に様子が変わった。
変わらないのはマリリンさんだけだったけど、二人の様子が変わってもマリリンさんは驚かなかった。
こうなるってわかってた様だ。
「ミランダ嬢と呼ばせてもらうが良いか?今の所、家名は呼ばない方がいいと思ったがどうだ」
「ご配慮感謝します」
「ミランダ嬢はアルの事では驚かせたのではなくて?ごめんなさいね」
「いえ、滅相もございません」
ノーマン王と王妃様の私を気遣う言葉が身に染みる。
「言い辛い事かも知れぬが此度の事、詳しく話して貰っても良いか?ノーマン王国の影も流石に他国の公爵家の会議室までは覗けなかった」
セルトに影が付いているのは彼の素性が解った時点で把握はしていた。
セルトが他国なのにリンデン公爵家をあんなに調べられた事も合点がいったもの。
それを持ってしてもあの会議室の話しの内容は解らなかったという事が、そこにセイシャル王国の影の存在が見えた。
私は会議室での出来事を全て話した。
両陛下はそれ迄の私の生い立ちは既にご存知であるように見えたので、その点は話す必要はなかった。
何故なら先程セルトが言っていた推論をノーマン王も同じように話たからだ。
「貴方の能力はノーマン王家でも注目はしていたの」
王妃様は私に微笑みながら話す。
やっぱり可憐だ。
「お嬢ちゃんが楽しそうに作るこのポーションは皆の役に立ってるからねぇ、まさかご両親の配慮を無茶苦茶にしてしまうとは思わなかったよ。でも親ならそう思って当然なのにこちらも配慮すべきだったよねぇ」
マリリンさんは申し訳なさそうに言った。
でもそれは先程言ったように私は全く気にしない、だけど両親からしたら苦労が水の泡だったろう。
でも⋯⋯。
「でもマリリンさん!セイシャル王国の王家は私を取り込もうとしていたんです。ですから誰に嫁いでも私はセイシャルでは利用されていたと思います。両親の心痛は如何ばかりかと思うけれど、結局はセイシャルの王妃様に目を付けられた事が、あの時点でもう既に私を取り込む計画は始まっていたのですから」
「王家が利用しようと思っていたってミランダ嬢は考えるんだね」
ノーマン王に聞かれて私は頷いた。
「はい、もし純粋に私の力を役立てるつもりなら私や両親に正直に話して欲しかった。婚姻という形で縛るのではなく。世の中に役立てたいからと言って下されば幾らでも協力はしました。今もその気持ちは変わらない。だけどそうせずにリンデン公爵を使って離婚の妨害までするなんて」
「そうまでしてミランダ嬢を離したくなかったのだな」
「そうかもしれませんが私の気持ちが全然違いますから、あんなアホアホに一生を捧げるなんて無理ですわ!⋯⋯あっ!失礼しました」
私のサミュエルへの悪態に両陛下は笑いながら首を縦に振っていた。
そうよね、誰が見ても聞いてもサミュエルはアホアホだわ。
「さて、話しを聞いたからにはミランダ嬢、こちらも黙ってるわけにも行かない。君のご両親の意図に反して私達も君の力は求めてしまうが、それでも良いのか?」
「それは、この国のお役に立てるのでしょうか?」
「役に立つのは、この国限定ではないがノーマンには利益にもなるからな」
そう明け透けに話してくださるノーマン王に私は好感が持てた、王族に対して不敬かもしれないけれどセルトの父親という点でもプラスではある。
だって私はセルトの役にも立ちたい、それが結果的に皆の役に立つならこの国に懸けてみようと思った。
「私は構いません」
「酷使などしないわ、それは神かけて誓うわ。それにそんなことしたらアルに怒られてしまうもの。その点は心配しないで。ご両親にも説明しなければね」
王妃様は相変わらずの可憐なお声で私を安心させるように話してくれる。
あぁ耳に心地よい言葉は胸にも染みてくる。
「それにしてもアルセルトは遅いな、今日はあちらで話し込むかも知れぬ。ミランダ嬢もマリリンさんもここでは自分の家だと思って寛いでくれ、アルセルトは帰ってきたらこちらでも会議を行うから。君をノーマン王国の名にかけて守ろう!」
「ごゆっくりしてね」
両陛下はそう言って部屋を後にした。
二人が居なくなるとマリリンさんがシワシワの手で私の背中を撫でてくれる。
「あの坊は昔っから情に熱いし、仕事はできるから安心していいよ」
坊って、マリリンさんあの威厳の塊な方は一国の王ですのよ。
まぁ私もだいぶ第一印象とは掛け離れましたけど。
それから私とマリリンさんは王宮の豪華な部屋で、本当に自分の家のように寛いで過ごした。
--------------------
昨日は更新できなくてごめんなさい🙏
本日は昨日の分も含めて2話更新しています。
“最新話を読む”をご利用されていらっしゃる方はご確認よろしくお願いします🙇♀
変わらないのはマリリンさんだけだったけど、二人の様子が変わってもマリリンさんは驚かなかった。
こうなるってわかってた様だ。
「ミランダ嬢と呼ばせてもらうが良いか?今の所、家名は呼ばない方がいいと思ったがどうだ」
「ご配慮感謝します」
「ミランダ嬢はアルの事では驚かせたのではなくて?ごめんなさいね」
「いえ、滅相もございません」
ノーマン王と王妃様の私を気遣う言葉が身に染みる。
「言い辛い事かも知れぬが此度の事、詳しく話して貰っても良いか?ノーマン王国の影も流石に他国の公爵家の会議室までは覗けなかった」
セルトに影が付いているのは彼の素性が解った時点で把握はしていた。
セルトが他国なのにリンデン公爵家をあんなに調べられた事も合点がいったもの。
それを持ってしてもあの会議室の話しの内容は解らなかったという事が、そこにセイシャル王国の影の存在が見えた。
私は会議室での出来事を全て話した。
両陛下はそれ迄の私の生い立ちは既にご存知であるように見えたので、その点は話す必要はなかった。
何故なら先程セルトが言っていた推論をノーマン王も同じように話たからだ。
「貴方の能力はノーマン王家でも注目はしていたの」
王妃様は私に微笑みながら話す。
やっぱり可憐だ。
「お嬢ちゃんが楽しそうに作るこのポーションは皆の役に立ってるからねぇ、まさかご両親の配慮を無茶苦茶にしてしまうとは思わなかったよ。でも親ならそう思って当然なのにこちらも配慮すべきだったよねぇ」
マリリンさんは申し訳なさそうに言った。
でもそれは先程言ったように私は全く気にしない、だけど両親からしたら苦労が水の泡だったろう。
でも⋯⋯。
「でもマリリンさん!セイシャル王国の王家は私を取り込もうとしていたんです。ですから誰に嫁いでも私はセイシャルでは利用されていたと思います。両親の心痛は如何ばかりかと思うけれど、結局はセイシャルの王妃様に目を付けられた事が、あの時点でもう既に私を取り込む計画は始まっていたのですから」
「王家が利用しようと思っていたってミランダ嬢は考えるんだね」
ノーマン王に聞かれて私は頷いた。
「はい、もし純粋に私の力を役立てるつもりなら私や両親に正直に話して欲しかった。婚姻という形で縛るのではなく。世の中に役立てたいからと言って下されば幾らでも協力はしました。今もその気持ちは変わらない。だけどそうせずにリンデン公爵を使って離婚の妨害までするなんて」
「そうまでしてミランダ嬢を離したくなかったのだな」
「そうかもしれませんが私の気持ちが全然違いますから、あんなアホアホに一生を捧げるなんて無理ですわ!⋯⋯あっ!失礼しました」
私のサミュエルへの悪態に両陛下は笑いながら首を縦に振っていた。
そうよね、誰が見ても聞いてもサミュエルはアホアホだわ。
「さて、話しを聞いたからにはミランダ嬢、こちらも黙ってるわけにも行かない。君のご両親の意図に反して私達も君の力は求めてしまうが、それでも良いのか?」
「それは、この国のお役に立てるのでしょうか?」
「役に立つのは、この国限定ではないがノーマンには利益にもなるからな」
そう明け透けに話してくださるノーマン王に私は好感が持てた、王族に対して不敬かもしれないけれどセルトの父親という点でもプラスではある。
だって私はセルトの役にも立ちたい、それが結果的に皆の役に立つならこの国に懸けてみようと思った。
「私は構いません」
「酷使などしないわ、それは神かけて誓うわ。それにそんなことしたらアルに怒られてしまうもの。その点は心配しないで。ご両親にも説明しなければね」
王妃様は相変わらずの可憐なお声で私を安心させるように話してくれる。
あぁ耳に心地よい言葉は胸にも染みてくる。
「それにしてもアルセルトは遅いな、今日はあちらで話し込むかも知れぬ。ミランダ嬢もマリリンさんもここでは自分の家だと思って寛いでくれ、アルセルトは帰ってきたらこちらでも会議を行うから。君をノーマン王国の名にかけて守ろう!」
「ごゆっくりしてね」
両陛下はそう言って部屋を後にした。
二人が居なくなるとマリリンさんがシワシワの手で私の背中を撫でてくれる。
「あの坊は昔っから情に熱いし、仕事はできるから安心していいよ」
坊って、マリリンさんあの威厳の塊な方は一国の王ですのよ。
まぁ私もだいぶ第一印象とは掛け離れましたけど。
それから私とマリリンさんは王宮の豪華な部屋で、本当に自分の家のように寛いで過ごした。
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昨日は更新できなくてごめんなさい🙏
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