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最終話
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私の目の前に今嘗ての婚約者が優雅にお茶を嗜んでいます。
身を細めフワッと微笑むその目は嘗て幼心にもときめいた瞳です。
セルトと会う迄、私の唯一のキラキラした思い出。
セイシャル王国の王太子、あと一ヶ月ほどで王位を継承する予定の超多忙なはずの彼が何故こんなところまで訪っているのでしょうか。
訪問の先触れはセイシャル王国の宰相からで、用件はスチュート家門の事件の動機と顛末を、スチュート子爵を交えて説明したいとの事でした。
その為、承諾の返事をして本日は朝からお父様もコルベールに来てくださっていたのだけど、転移で現れたのはまさかの王太子だったのです。
それにしても王太子様が私に微笑むたびに横でグルルと唸る声が聞こえるほどにセルトが今にも噛み付きそうです。
そんなセルトを私はテーブルの下で彼の手にそっと手を重ねて心の中でどうどうと諌めていました。
「久しいねミランダ。あの時は碌に話も出来ずに別れてしまった。詫びさえも君の顔を見て言うことが叶わなくて。ずっと凝りになっていたんだ」
そう言って頭を下げて謝罪する王太子様に私は「もう昔のことです」というのが精一杯で改めて謝罪を受け入れました。
肩の荷が降りたと微笑むその目は昔の様に安心感を周りに与えてくれる様に何時までも優しく、私の初恋はやっと昇華したのだと感じたのです。
これもセルトのおかげかもしれないわ、彼が私を愛してくれたから、遅ればせながらの王太子の謝罪を素直に受ける事が出来ました。
少し前までの私ならかなり捻くれていたかもしれない。
セルトありがとう、心の中で感謝いたします。
「君に謝りたくて使者に頼んで変わってもらったんだ。謝罪を受け入れてくれて感謝する。それでスチュート伯爵家の薬草園の件なのだが⋯⋯」
セイシャル王国のスチュート伯爵家は今は分家が引き継いでくれています。
引き継いでくれたばかりの事件できっと大変だったろうと思うと申し訳なく感じました。
ロットの動機は⋯正直聞いても良くわかりません。
何がどうなってその動機が薬草園を荒らす事に繋がるのかがさっぱり。
きっと彼の思考ではそれが当たり前なのでしょうか?
主がアホの元侍従はおバカだったと証明されたような物ですね。
サミュエルからエミリーナを奪った(?)ロットだったけれどそれは一方通行の愛でした。
それはそうです、エミリーナはサミュエルにも本気ではなかったのですから、贅沢出来ればそれで良しの彼女は男爵家の領地でも好き勝手に贅沢三昧だったと人伝に聞きました。
そして、どこで嗅ぎつけたのか⋯私とサミュエルの離婚を聞きつけてまたまたサミュエルに近付こうと男爵領を抜け出して、そのまま行方不明になったのだとか。
お金が尽きて愛想を尽かされてもエミリーナを探す為に王都を目指していたロットが、偶々なのかスチュート伯爵領を通った時に「これも全て私のせい」とばかりに薬草園を荒らそうとしたというのが動機?だそうです。
とっても突っ込みどころの満載なお話に思わず私は口を開けたまま呆けてしまって、セルトにやんわりと背中をトンと叩かれました。
「あの⋯それはまた、なんと言っていいのか」
「あぁミランダ⋯⋯嬢、皆君と同じような反応だ、気にせずとも良い」
私の名前を昔の様に呼ぼうとしてセルトに睨まれた王太子様は“嬢”をとってつけた様に加えながら仰いました。
ロットは今後、遥か南に位置している鉱山島へ行かされるそうです。
そこで5年の刑を恩赦無しで全うすることが決まったと聞かされました、励んでくださいませ。
「王になったらもう他国の君とも会う事は叶わなくなるな。ミランダ⋯嬢、幸せになって欲しい。私では出来なかったけれど、彼ならきっと大丈夫だ」
王太子様は最後にその言葉を私に下さって帰られました。
◇◇◇
私とセルトが結婚してもうすぐ7年です。
可愛い子供達に囲まれて楽しく過ごしていた頃にその報告は上がってきました。
セルトは婚姻と同時に子爵を賜ったけれど現状維持を望む彼のたっての希望で領地は賜らずそのままコルベール領のギルド長として生活する事になりました。
ユランでの穏やかな日々、私はとても幸せに暮らしていたのですが、それは大陸の東から音なく静かにノーマン王国へもやってきました。
災いは忘れた頃にやってくるとは東の国の言葉だったかもしれません。
ですが私達は万全の対策を昂じていたのでノーマン王国での患者数はたった一人だけで済みました。
隣国での流行り病の情報を得て、お父様と私は急いで薬を開発したからです。
予言されていた流行り病がどんな病かわからなかったので前もって薬は作れなかったけれど、使えそうな薬草はいつでもストックを満タンにしていたので、薬草不足などということは1ミリも起こらず事なきを得たのです。
我が国で流行り病を食い止めましたので、セイシャル国に流行り病が侵攻する事はありませんでした。
元王妃様、貴方の不安は杞憂に終わりました、でも貴方がいなければきっとずっと悲惨な未来だったのだと思います。
私はかなり覚悟していたけれどあっという間の解決で些か拍子抜けしたのは、不謹慎なので内緒にしておこうと思います。
この先の未来は知りません。
ですが、彼女が危惧した未来は訪れませんでした。
もしも今後何か困難な事が起きたとしてもきっと私は大丈夫だと思います。
だって私にはセルトがいます、子どもたちがいます。
幸せな未来がきっときっとこれからも続くと信じています。
悲劇の令嬢は運命に勝ったのだから。
end
✎ ------------------------
本作はこれにて完結致します☺
長くお付き合い頂いた読者の皆様に感謝とお詫びを⋯。
途中更新が途絶えたことをこの場をお借りしてお詫び申し上げます🙇♀
色々と迷走しましたが皆様のイイね♡エール📣等の応援のおかげで無事完結まで辿り着きました
本当にありがとうございます
(♥︎︎ᴗ͈ˬᴗ͈)
妄想畑が相も変わらず飽和状態でアイデアだけがわんさか湧き上がり収集が付かなくなっております😱
その為、メモだけ残した物をいつの間にか作品にくっつけてアレレ状態⋯ごめんなさい泣き言です🙏
今後の投稿は一旦今連載しております作品を終わらせてから次を投稿していきます😊
泣き言ばっかりのmarukoですがこれからも皆様の寛容なお気持ちで見捨てずにお付き合い頂けますと幸いです🦭
こんなmarukoと作品を愛でてくださる皆様に感謝の気持ちを込めて
( ˶˘ ³˘˶)ちゅ♡届きますように
身を細めフワッと微笑むその目は嘗て幼心にもときめいた瞳です。
セルトと会う迄、私の唯一のキラキラした思い出。
セイシャル王国の王太子、あと一ヶ月ほどで王位を継承する予定の超多忙なはずの彼が何故こんなところまで訪っているのでしょうか。
訪問の先触れはセイシャル王国の宰相からで、用件はスチュート家門の事件の動機と顛末を、スチュート子爵を交えて説明したいとの事でした。
その為、承諾の返事をして本日は朝からお父様もコルベールに来てくださっていたのだけど、転移で現れたのはまさかの王太子だったのです。
それにしても王太子様が私に微笑むたびに横でグルルと唸る声が聞こえるほどにセルトが今にも噛み付きそうです。
そんなセルトを私はテーブルの下で彼の手にそっと手を重ねて心の中でどうどうと諌めていました。
「久しいねミランダ。あの時は碌に話も出来ずに別れてしまった。詫びさえも君の顔を見て言うことが叶わなくて。ずっと凝りになっていたんだ」
そう言って頭を下げて謝罪する王太子様に私は「もう昔のことです」というのが精一杯で改めて謝罪を受け入れました。
肩の荷が降りたと微笑むその目は昔の様に安心感を周りに与えてくれる様に何時までも優しく、私の初恋はやっと昇華したのだと感じたのです。
これもセルトのおかげかもしれないわ、彼が私を愛してくれたから、遅ればせながらの王太子の謝罪を素直に受ける事が出来ました。
少し前までの私ならかなり捻くれていたかもしれない。
セルトありがとう、心の中で感謝いたします。
「君に謝りたくて使者に頼んで変わってもらったんだ。謝罪を受け入れてくれて感謝する。それでスチュート伯爵家の薬草園の件なのだが⋯⋯」
セイシャル王国のスチュート伯爵家は今は分家が引き継いでくれています。
引き継いでくれたばかりの事件できっと大変だったろうと思うと申し訳なく感じました。
ロットの動機は⋯正直聞いても良くわかりません。
何がどうなってその動機が薬草園を荒らす事に繋がるのかがさっぱり。
きっと彼の思考ではそれが当たり前なのでしょうか?
主がアホの元侍従はおバカだったと証明されたような物ですね。
サミュエルからエミリーナを奪った(?)ロットだったけれどそれは一方通行の愛でした。
それはそうです、エミリーナはサミュエルにも本気ではなかったのですから、贅沢出来ればそれで良しの彼女は男爵家の領地でも好き勝手に贅沢三昧だったと人伝に聞きました。
そして、どこで嗅ぎつけたのか⋯私とサミュエルの離婚を聞きつけてまたまたサミュエルに近付こうと男爵領を抜け出して、そのまま行方不明になったのだとか。
お金が尽きて愛想を尽かされてもエミリーナを探す為に王都を目指していたロットが、偶々なのかスチュート伯爵領を通った時に「これも全て私のせい」とばかりに薬草園を荒らそうとしたというのが動機?だそうです。
とっても突っ込みどころの満載なお話に思わず私は口を開けたまま呆けてしまって、セルトにやんわりと背中をトンと叩かれました。
「あの⋯それはまた、なんと言っていいのか」
「あぁミランダ⋯⋯嬢、皆君と同じような反応だ、気にせずとも良い」
私の名前を昔の様に呼ぼうとしてセルトに睨まれた王太子様は“嬢”をとってつけた様に加えながら仰いました。
ロットは今後、遥か南に位置している鉱山島へ行かされるそうです。
そこで5年の刑を恩赦無しで全うすることが決まったと聞かされました、励んでくださいませ。
「王になったらもう他国の君とも会う事は叶わなくなるな。ミランダ⋯嬢、幸せになって欲しい。私では出来なかったけれど、彼ならきっと大丈夫だ」
王太子様は最後にその言葉を私に下さって帰られました。
◇◇◇
私とセルトが結婚してもうすぐ7年です。
可愛い子供達に囲まれて楽しく過ごしていた頃にその報告は上がってきました。
セルトは婚姻と同時に子爵を賜ったけれど現状維持を望む彼のたっての希望で領地は賜らずそのままコルベール領のギルド長として生活する事になりました。
ユランでの穏やかな日々、私はとても幸せに暮らしていたのですが、それは大陸の東から音なく静かにノーマン王国へもやってきました。
災いは忘れた頃にやってくるとは東の国の言葉だったかもしれません。
ですが私達は万全の対策を昂じていたのでノーマン王国での患者数はたった一人だけで済みました。
隣国での流行り病の情報を得て、お父様と私は急いで薬を開発したからです。
予言されていた流行り病がどんな病かわからなかったので前もって薬は作れなかったけれど、使えそうな薬草はいつでもストックを満タンにしていたので、薬草不足などということは1ミリも起こらず事なきを得たのです。
我が国で流行り病を食い止めましたので、セイシャル国に流行り病が侵攻する事はありませんでした。
元王妃様、貴方の不安は杞憂に終わりました、でも貴方がいなければきっとずっと悲惨な未来だったのだと思います。
私はかなり覚悟していたけれどあっという間の解決で些か拍子抜けしたのは、不謹慎なので内緒にしておこうと思います。
この先の未来は知りません。
ですが、彼女が危惧した未来は訪れませんでした。
もしも今後何か困難な事が起きたとしてもきっと私は大丈夫だと思います。
だって私にはセルトがいます、子どもたちがいます。
幸せな未来がきっときっとこれからも続くと信じています。
悲劇の令嬢は運命に勝ったのだから。
end
✎ ------------------------
本作はこれにて完結致します☺
長くお付き合い頂いた読者の皆様に感謝とお詫びを⋯。
途中更新が途絶えたことをこの場をお借りしてお詫び申し上げます🙇♀
色々と迷走しましたが皆様のイイね♡エール📣等の応援のおかげで無事完結まで辿り着きました
本当にありがとうございます
(♥︎︎ᴗ͈ˬᴗ͈)
妄想畑が相も変わらず飽和状態でアイデアだけがわんさか湧き上がり収集が付かなくなっております😱
その為、メモだけ残した物をいつの間にか作品にくっつけてアレレ状態⋯ごめんなさい泣き言です🙏
今後の投稿は一旦今連載しております作品を終わらせてから次を投稿していきます😊
泣き言ばっかりのmarukoですがこれからも皆様の寛容なお気持ちで見捨てずにお付き合い頂けますと幸いです🦭
こんなmarukoと作品を愛でてくださる皆様に感謝の気持ちを込めて
( ˶˘ ³˘˶)ちゅ♡届きますように
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