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夕食のメニューは、オリビアの好物ばかりだった。
子羊の頰肉のシチュー
なかなか手に入らない海老の丸焼き
じゃがいものコーンポタージュ
生ハムとリンゴとルッコラのサラダ
はちみつとレモンのゼリーは、オリビアが幼少期から好んでいるゼリーだ。
他でも口にするけれど、カントリーハウスのシェフは一味違う。久しぶりに食べるそれに彼の思いやりを感じられた。
夕食前に侍女から、デザートにこれを出してもいいか尋ねられた。
これは結婚してからもマリウスと食していたから、きっとオリビアの心を慮ってくれたのだと思った。
マリウスがレモンの酸っぱさを苦手としていたから、結婚後は少しレモンが抑えめの味だった。
その味に三年で慣らされていたけれど、今日出されたのは結婚前のレシピだと思った。
シェフの気遣いにオリビアは感謝した。新たに出発するオリビアをゼリー一つで背中を押してくれた気がした。
チラッと母を見ると、彼女のゼリーはコーヒーゼリーだ。
今日は親子ともデザートは好物で締めた。
夕食後は、執務室で話をしようと言われたオリビアは、いよいよ何かの問題を聞かされるのだと理解した。
「アンヌは同席したほうがいいかしら?」
オリビアが聞くとリーシャは「そうね、もう知ってるかもしれないけれど」そんなふうに言った。
不思議な返事だと思ったが、後ろに控える侍女に部屋で休んでるアンヌを執務室に呼ぶように伝えた。
執務室に呼ばれて来たアンヌの顔色は、とても悪かった。
その事にオリビアは驚く。
数時間前はそんな顔色ではなかった、旅の疲れがここに来て出たのだろうか?そう思い声をかけた。
「アンヌ!貴方酷い(顔色)わ。医者を呼びましょう」
オリビアがニコルに目配せしたのだが、彼は反応しなかった。
部屋にいるのはニコル、リーシャ、アンヌ、そしてタウンハウスからリーシャとともにやって来たリバーだった。
その誰もがオリビアの言葉に動かなかった。
そしてふとオリビアは不思議に思った。
「リバーが来ているのにマイナは来なかったの?」
その疑問が口をついて出た。
いつもなら何かあった時、リバーよりも侍女長のマイナの方が動いていた。リバーが来ないことがあってもマイナは常にいたはずだった。
そこに違和感をオリビアは感じた。
「オリビア、話を始めるわね。アンヌ大丈夫よね?」
「はい、リーシャ様。先程聞いてしまって動揺しておりました。申しわけありません」
「貴方が謝る必要はないわ」
母とアンヌの会話のやり取りを、オリビアは聞きながら、マイナが何かをしたのだろうかと悪い予感がした。
そしてその後の話で、その予感が当たってしまったオリビアは、目の前が真っ暗になるほど驚愕した。
「マイナが叔父様の?」
「えぇ、愛人になってたの」
オリビアは、あまりのことに言葉を失った。
「あの子は私を妬んでいたそうよ」
「えっ?!」
マイナはリーシャがメロウ伯爵家から輿入れする際に、付いてきた侍女だった。
長年リーシャに献身的に仕えていたはずの侍女が、ユリウスの件でリーシャが実家に帰る時にも、オリビアの今後が大変だろうとリーテンベルクに残ってくれた。
クッキーの件を勘違いしていたオリビアは、彼女が長く仕えていた事もあって、彼女の献身に感謝の意味も込めて侍女長に抜擢したのだ。
信じていた物が足元から崩れ落ちる感覚、マリウスの時に感じた事をまたもやオリビアは感じた。
「そんな、そんな事って!」
そしてふと義祖父の言葉を思い出す。
“あの子には何にも教えてはいない”
あの言葉は、この事を示唆していたのだと分かった。
子羊の頰肉のシチュー
なかなか手に入らない海老の丸焼き
じゃがいものコーンポタージュ
生ハムとリンゴとルッコラのサラダ
はちみつとレモンのゼリーは、オリビアが幼少期から好んでいるゼリーだ。
他でも口にするけれど、カントリーハウスのシェフは一味違う。久しぶりに食べるそれに彼の思いやりを感じられた。
夕食前に侍女から、デザートにこれを出してもいいか尋ねられた。
これは結婚してからもマリウスと食していたから、きっとオリビアの心を慮ってくれたのだと思った。
マリウスがレモンの酸っぱさを苦手としていたから、結婚後は少しレモンが抑えめの味だった。
その味に三年で慣らされていたけれど、今日出されたのは結婚前のレシピだと思った。
シェフの気遣いにオリビアは感謝した。新たに出発するオリビアをゼリー一つで背中を押してくれた気がした。
チラッと母を見ると、彼女のゼリーはコーヒーゼリーだ。
今日は親子ともデザートは好物で締めた。
夕食後は、執務室で話をしようと言われたオリビアは、いよいよ何かの問題を聞かされるのだと理解した。
「アンヌは同席したほうがいいかしら?」
オリビアが聞くとリーシャは「そうね、もう知ってるかもしれないけれど」そんなふうに言った。
不思議な返事だと思ったが、後ろに控える侍女に部屋で休んでるアンヌを執務室に呼ぶように伝えた。
執務室に呼ばれて来たアンヌの顔色は、とても悪かった。
その事にオリビアは驚く。
数時間前はそんな顔色ではなかった、旅の疲れがここに来て出たのだろうか?そう思い声をかけた。
「アンヌ!貴方酷い(顔色)わ。医者を呼びましょう」
オリビアがニコルに目配せしたのだが、彼は反応しなかった。
部屋にいるのはニコル、リーシャ、アンヌ、そしてタウンハウスからリーシャとともにやって来たリバーだった。
その誰もがオリビアの言葉に動かなかった。
そしてふとオリビアは不思議に思った。
「リバーが来ているのにマイナは来なかったの?」
その疑問が口をついて出た。
いつもなら何かあった時、リバーよりも侍女長のマイナの方が動いていた。リバーが来ないことがあってもマイナは常にいたはずだった。
そこに違和感をオリビアは感じた。
「オリビア、話を始めるわね。アンヌ大丈夫よね?」
「はい、リーシャ様。先程聞いてしまって動揺しておりました。申しわけありません」
「貴方が謝る必要はないわ」
母とアンヌの会話のやり取りを、オリビアは聞きながら、マイナが何かをしたのだろうかと悪い予感がした。
そしてその後の話で、その予感が当たってしまったオリビアは、目の前が真っ暗になるほど驚愕した。
「マイナが叔父様の?」
「えぇ、愛人になってたの」
オリビアは、あまりのことに言葉を失った。
「あの子は私を妬んでいたそうよ」
「えっ?!」
マイナはリーシャがメロウ伯爵家から輿入れする際に、付いてきた侍女だった。
長年リーシャに献身的に仕えていたはずの侍女が、ユリウスの件でリーシャが実家に帰る時にも、オリビアの今後が大変だろうとリーテンベルクに残ってくれた。
クッキーの件を勘違いしていたオリビアは、彼女が長く仕えていた事もあって、彼女の献身に感謝の意味も込めて侍女長に抜擢したのだ。
信じていた物が足元から崩れ落ちる感覚、マリウスの時に感じた事をまたもやオリビアは感じた。
「そんな、そんな事って!」
そしてふと義祖父の言葉を思い出す。
“あの子には何にも教えてはいない”
あの言葉は、この事を示唆していたのだと分かった。
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