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第三章 長い眠りのその後で
それぞれの愛と罪と罰
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サンディル様がお帰りになって公爵邸も少し変わりました。
残念だったけどダルトンはサンディル様の侍従に戻ってしまったの。
でもダルトンの為にはその方がいいのかもね。
未練がましくちょっとだけ引き止めたらダルトンに「私はまだ死にたくありません」って言われたのだけど、まさかサンディル様、ダルトンにまでヤキモチ妬いてないわよね?
陛下とエンヌ様は玉座を王太子様たちに譲る決心をされたみたい。
今回の事で運命を変えられてしまった方々の救済にあたるそうです。
調べて解ったのはミント伯爵は自分が王座に着くために色々と画策していたのだけど、反対派の末端貴族や平民の人達を自分の目の届く所へ拉致監禁して、騙して奴隷契約を結ばせ虐げていた。
その数はあとからあとから出てきておそらく千単位の方々の人生が台無しになってしまっていたの。
エンヌ様は泣いていたわ。
もっと早くに気づいていたら、こんな事にはなってなかったのにと悔やんでも悔やみきれないと仰って。
生命を落とした方も中にはいるので王家の失態は免れない。
でも悪いのは陛下たちでは無いのに、と思う私も居るの。
だけどサンディル様は王家の失態は王家が取らなければならないから、誰かが責任を取らないといけない、だからしょうがないと仰いました。
2代前でも始まりは王家だからと言ってたけど王族の責任はそれだけ重いものなんだと、やっぱりサンディル様の曾祖母様ではあるけどこの方が一番悪いのではなくて?
でも私はこの方の立場にないからなんとも言えないのだわ、だけど人を殺めるのは違うと思うのよね、ましてや権力を使ってだなんて。
元凶の前ミント伯爵は毒杯。
ミント伯爵の息子達は父や伯母の事は全く知らなかった事も判明したのだけれど、そのままというわけにはいかなくて男爵家まで降格。
元アッパール夫人とその長女のコーディは処刑。
スノーは国家転覆の事までは知らされてなかったので恩赦なしの修道院送致が決まりました。
『高い』の中で姉の取り調べを聞いていて驚愕のあまり失神していたわ。
その時にお義父様からスダンの事やご自身のお兄様の事などを詳しく聞かされて真実を知ると、人が変わったようになったの。
修道院へ行く前の日に私へ面会要請があって赴くと静かに謝罪されました。
私も謝罪は受け入れたけれど許すかどうかは今後の彼女次第です。
恩赦無しなので一生を修道院で過ごすことになるけれど許した時に差し入れでもしようかと思います。
元サイフェル侯爵の娘でティーナ様の義妹のマリーナはこの国に潜伏していた所を捕らえられました。
マッケナン王国が失くなった事も知らず執拗くメリルに近づこうとしていた所を、バスティナ伯爵に気づかれて漸く捕まったの。
勿論この方も処刑。
キャンベラの誘拐に加担した侍女も処刑。
元サイフェル侯爵は、なんと潜伏していたマッケナン王国が近隣諸国の連合軍に囲まれた時に王族と一緒にいた所を捕らえられ、国境に遺体を吊るされるというマッケナン王家と同じ処遇で処刑されました。
そんなに大物でもないけれど、この方にはティーナ様の無念を聞かせたかった、そして少しでも反省させたかったけれどマリーナが全く反省しなかったから無理かな。
陛下の【夢見】で国家転覆という計画は破綻したけれどもあまりにも犠牲が多かった。
お義父様とお義母様は今後は陛下やエンヌ様と同じく救済に全力を注ぐそうです。
皆でミラー侯爵領にあるジョイ様たちのお墓に行きました。
そこの一画はダンテ商会が土地ごと買取って毎日支店の方が花を供えてくれていました。
前商会長の遺言だったそうです。
メリルとラデイール様は静かに祈りを捧げています。
二人は今どのような思いで祈っているのかしら?
キャンベラはミラー侯爵夫妻に挨拶のお手紙だけ送ったそうです。
自分の父と母はスパナートの祖父母だからと⋯⋯。
ただもし時間が経過して会いたいと思ってくれたら是非お目通り願いたいと書いてあったそうです。
クラリスに教えてもらいました。
キャンベラは私に会いに来てくれた時、最初の方はツンツンしててレイニー公爵に促されて謝罪してくれたけれど、キャンベラの真実を知ったらキャンベラは謝罪する必要あるのかしら?と思ったのでその旨伝えると「ありがとう」と言ってくれました。
アンディーにも謝罪に行ったそうですけどいつものように「お前を愛する事はない」と言われたそうで⋯⋯。
今度アンディーにはシャレにならないから止めるように言っておきますとアンディーに代わって謝罪しました。
私の謝罪を聞いたキャンベラは笑ってというか爆笑してたのだけど帰り際にシャボン玉を見せてくれと懇願されたので、見せてあげると「あの頃、自分は病気だと思ってて苦しかった、でもこれを見てる時は幸せな気持になってたわ。アディルありがとう」と言ってくれました。
今回の事は人を愛する事から始まったのに⋯愛することが罪な事もあるのかしら?
私にはまだわからない。
そしてそれぞれの罪と罰。
自己愛が強い方は言語道断だけれども誰かを愛した為に罪を犯す、ティーナ様のように我が子を置き去りにしてしまうという罪。
ジョイ様を愛していたからメリルを愛せなかった、それはメリルに対しては罪なのよね。
人を愛する事はまだまだ私には難しいのかもしれないけれど、サンディル様が好きだなというこの想いはいつか愛に代わるのかしら?
昼下がり私の庭でのお茶会
クラリスとタリーを招待しました。
婚約を真剣に考え始めた二人から相談を受けたのだけど私にはサンディル様が初恋で参考意見は皆無。
それでも愛については考えてしまうと話すと
『人の愛と罪と罰』
人生の永遠のテーマだわと、したり顔のクラリスが呟いたので私達も頷きました。
残念だったけどダルトンはサンディル様の侍従に戻ってしまったの。
でもダルトンの為にはその方がいいのかもね。
未練がましくちょっとだけ引き止めたらダルトンに「私はまだ死にたくありません」って言われたのだけど、まさかサンディル様、ダルトンにまでヤキモチ妬いてないわよね?
陛下とエンヌ様は玉座を王太子様たちに譲る決心をされたみたい。
今回の事で運命を変えられてしまった方々の救済にあたるそうです。
調べて解ったのはミント伯爵は自分が王座に着くために色々と画策していたのだけど、反対派の末端貴族や平民の人達を自分の目の届く所へ拉致監禁して、騙して奴隷契約を結ばせ虐げていた。
その数はあとからあとから出てきておそらく千単位の方々の人生が台無しになってしまっていたの。
エンヌ様は泣いていたわ。
もっと早くに気づいていたら、こんな事にはなってなかったのにと悔やんでも悔やみきれないと仰って。
生命を落とした方も中にはいるので王家の失態は免れない。
でも悪いのは陛下たちでは無いのに、と思う私も居るの。
だけどサンディル様は王家の失態は王家が取らなければならないから、誰かが責任を取らないといけない、だからしょうがないと仰いました。
2代前でも始まりは王家だからと言ってたけど王族の責任はそれだけ重いものなんだと、やっぱりサンディル様の曾祖母様ではあるけどこの方が一番悪いのではなくて?
でも私はこの方の立場にないからなんとも言えないのだわ、だけど人を殺めるのは違うと思うのよね、ましてや権力を使ってだなんて。
元凶の前ミント伯爵は毒杯。
ミント伯爵の息子達は父や伯母の事は全く知らなかった事も判明したのだけれど、そのままというわけにはいかなくて男爵家まで降格。
元アッパール夫人とその長女のコーディは処刑。
スノーは国家転覆の事までは知らされてなかったので恩赦なしの修道院送致が決まりました。
『高い』の中で姉の取り調べを聞いていて驚愕のあまり失神していたわ。
その時にお義父様からスダンの事やご自身のお兄様の事などを詳しく聞かされて真実を知ると、人が変わったようになったの。
修道院へ行く前の日に私へ面会要請があって赴くと静かに謝罪されました。
私も謝罪は受け入れたけれど許すかどうかは今後の彼女次第です。
恩赦無しなので一生を修道院で過ごすことになるけれど許した時に差し入れでもしようかと思います。
元サイフェル侯爵の娘でティーナ様の義妹のマリーナはこの国に潜伏していた所を捕らえられました。
マッケナン王国が失くなった事も知らず執拗くメリルに近づこうとしていた所を、バスティナ伯爵に気づかれて漸く捕まったの。
勿論この方も処刑。
キャンベラの誘拐に加担した侍女も処刑。
元サイフェル侯爵は、なんと潜伏していたマッケナン王国が近隣諸国の連合軍に囲まれた時に王族と一緒にいた所を捕らえられ、国境に遺体を吊るされるというマッケナン王家と同じ処遇で処刑されました。
そんなに大物でもないけれど、この方にはティーナ様の無念を聞かせたかった、そして少しでも反省させたかったけれどマリーナが全く反省しなかったから無理かな。
陛下の【夢見】で国家転覆という計画は破綻したけれどもあまりにも犠牲が多かった。
お義父様とお義母様は今後は陛下やエンヌ様と同じく救済に全力を注ぐそうです。
皆でミラー侯爵領にあるジョイ様たちのお墓に行きました。
そこの一画はダンテ商会が土地ごと買取って毎日支店の方が花を供えてくれていました。
前商会長の遺言だったそうです。
メリルとラデイール様は静かに祈りを捧げています。
二人は今どのような思いで祈っているのかしら?
キャンベラはミラー侯爵夫妻に挨拶のお手紙だけ送ったそうです。
自分の父と母はスパナートの祖父母だからと⋯⋯。
ただもし時間が経過して会いたいと思ってくれたら是非お目通り願いたいと書いてあったそうです。
クラリスに教えてもらいました。
キャンベラは私に会いに来てくれた時、最初の方はツンツンしててレイニー公爵に促されて謝罪してくれたけれど、キャンベラの真実を知ったらキャンベラは謝罪する必要あるのかしら?と思ったのでその旨伝えると「ありがとう」と言ってくれました。
アンディーにも謝罪に行ったそうですけどいつものように「お前を愛する事はない」と言われたそうで⋯⋯。
今度アンディーにはシャレにならないから止めるように言っておきますとアンディーに代わって謝罪しました。
私の謝罪を聞いたキャンベラは笑ってというか爆笑してたのだけど帰り際にシャボン玉を見せてくれと懇願されたので、見せてあげると「あの頃、自分は病気だと思ってて苦しかった、でもこれを見てる時は幸せな気持になってたわ。アディルありがとう」と言ってくれました。
今回の事は人を愛する事から始まったのに⋯愛することが罪な事もあるのかしら?
私にはまだわからない。
そしてそれぞれの罪と罰。
自己愛が強い方は言語道断だけれども誰かを愛した為に罪を犯す、ティーナ様のように我が子を置き去りにしてしまうという罪。
ジョイ様を愛していたからメリルを愛せなかった、それはメリルに対しては罪なのよね。
人を愛する事はまだまだ私には難しいのかもしれないけれど、サンディル様が好きだなというこの想いはいつか愛に代わるのかしら?
昼下がり私の庭でのお茶会
クラリスとタリーを招待しました。
婚約を真剣に考え始めた二人から相談を受けたのだけど私にはサンディル様が初恋で参考意見は皆無。
それでも愛については考えてしまうと話すと
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人生の永遠のテーマだわと、したり顔のクラリスが呟いたので私達も頷きました。
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