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それぞれの気持ち
カイル・ドーバリー①
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俺は正式な騎士になってから4年目で騎士爵と新たな姓を賜った。
努力したかいがあり、誇らしい気持ちとこれで彼女に結婚を申し込めると意気揚々としていた。
俺が彼女を初めて見かけたのは騎士団の近くにある公園のベンチだった。
丁度昼時だったからだろう膝にはサンドイッチを広げていた。
だけど彼女は口元にサンドイッチを持っていった手もそのままに一点を見つめていた。
気になって視線の先を見ると公園の噴水で遊ぶ親子がいた。
それから気になって昼の休憩のときはその公園に行くようになった。
彼女は親子連れをよく観察していた、なんとなくその気持ちが俺にはわかった。
俺はある貴族の庶子だった。
父親は俺を引き取らなかったが、父親の兄という人が頻繁に家には来ていた。
伯父は来るたびに俺にお土産を持ってきてくれて、そして剣術も教えてくれた。
伯父は独身なんだそうだ、だからかもしれないが俺を自分の子のように可愛がってくれた。
許されるなら父と呼びたいと何度も思った。
だがいつも会うのは家の周辺だけで、出歩くことはなかった。
大人になったらわかったが伯父も母も独身だ。
外聞を憚ってのことだったのだろう。
俺も子供の頃は親子で出かけて遊びたかったと今も無性にそう思うことがある。
自覚をしてないかもしれないが彼女もそんな気持ちを持っているのではないかと思って見ていた。
そんなある日、一人の男の子が彼女の側で彼女と同じように親子連れを見て、涙を流しているのに遭遇した。
その子に彼女は言っていた。
「貴方も親がいないの?」
頷く男の子
「そう、でもいないものはしょうがないのよ、無い物ねだりをしても掌にポーンと出るわけではないわ」
「おねえさんも居ないの?」
「⋯そうね居たような居ないような⋯かな」
「何故あそこを見ていたの?」
男の子は自分と同じように彼女も親子連れを見ていたと気付いていたようだ。
「あの子供の方の顔を想像で自分の顔に変えちゃうの」
「?」
「変えてからね、さぁ今日はどこへ行こうかしら?今夜のおかずは何かしら?とかあの親に心の中で話しかけるの、そうしたら自分も親子で話している気になるのよ」
「寂しくならない?」
「勿論寂しいわよ、でも想像したあとに我に返るでしょう、そうしたらハイ現実~って言って開き直るの、惨めでしょう。でもそれが現実だもの、自分を省みるのに丁度いいと思ってやってるの、別に貴方にお薦めするつもりはないわよ、人の心は人それぞれだもの。でもいない者に夢を見てはいけないわ。これはアドバイスね」
そう言ってサンドイッチを男の子にあげて彼女はその場を離れた。
“人の心は人それぞれ”彼女の言葉が俺にはストンと落ちて、その時に俺は彼女の事が好きなんだと思った。
きっと最初に見かけた時に一目惚れしていたんだろうと思う。
でもリサーチすると彼女は子爵家の子女だった。
平民との結婚など親が許すわけがない、だから最低でも騎士爵を賜ってから彼女に会いに行こうと決めていた。
それまで結婚しないでくれと祈りながら。
努力したかいがあり、誇らしい気持ちとこれで彼女に結婚を申し込めると意気揚々としていた。
俺が彼女を初めて見かけたのは騎士団の近くにある公園のベンチだった。
丁度昼時だったからだろう膝にはサンドイッチを広げていた。
だけど彼女は口元にサンドイッチを持っていった手もそのままに一点を見つめていた。
気になって視線の先を見ると公園の噴水で遊ぶ親子がいた。
それから気になって昼の休憩のときはその公園に行くようになった。
彼女は親子連れをよく観察していた、なんとなくその気持ちが俺にはわかった。
俺はある貴族の庶子だった。
父親は俺を引き取らなかったが、父親の兄という人が頻繁に家には来ていた。
伯父は来るたびに俺にお土産を持ってきてくれて、そして剣術も教えてくれた。
伯父は独身なんだそうだ、だからかもしれないが俺を自分の子のように可愛がってくれた。
許されるなら父と呼びたいと何度も思った。
だがいつも会うのは家の周辺だけで、出歩くことはなかった。
大人になったらわかったが伯父も母も独身だ。
外聞を憚ってのことだったのだろう。
俺も子供の頃は親子で出かけて遊びたかったと今も無性にそう思うことがある。
自覚をしてないかもしれないが彼女もそんな気持ちを持っているのではないかと思って見ていた。
そんなある日、一人の男の子が彼女の側で彼女と同じように親子連れを見て、涙を流しているのに遭遇した。
その子に彼女は言っていた。
「貴方も親がいないの?」
頷く男の子
「そう、でもいないものはしょうがないのよ、無い物ねだりをしても掌にポーンと出るわけではないわ」
「おねえさんも居ないの?」
「⋯そうね居たような居ないような⋯かな」
「何故あそこを見ていたの?」
男の子は自分と同じように彼女も親子連れを見ていたと気付いていたようだ。
「あの子供の方の顔を想像で自分の顔に変えちゃうの」
「?」
「変えてからね、さぁ今日はどこへ行こうかしら?今夜のおかずは何かしら?とかあの親に心の中で話しかけるの、そうしたら自分も親子で話している気になるのよ」
「寂しくならない?」
「勿論寂しいわよ、でも想像したあとに我に返るでしょう、そうしたらハイ現実~って言って開き直るの、惨めでしょう。でもそれが現実だもの、自分を省みるのに丁度いいと思ってやってるの、別に貴方にお薦めするつもりはないわよ、人の心は人それぞれだもの。でもいない者に夢を見てはいけないわ。これはアドバイスね」
そう言ってサンドイッチを男の子にあげて彼女はその場を離れた。
“人の心は人それぞれ”彼女の言葉が俺にはストンと落ちて、その時に俺は彼女の事が好きなんだと思った。
きっと最初に見かけた時に一目惚れしていたんだろうと思う。
でもリサーチすると彼女は子爵家の子女だった。
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それまで結婚しないでくれと祈りながら。
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