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再婚への道
辺境からの手紙
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母が領地で父と二人で余生を過ごし始めてもうすぐ一年が経つ。
二人は穏やかに過ごしていると手紙が来た。
母の体は父と二人で暮らし始めてから小康を保っている様で姉と私も安堵している。
もうすぐロイドは5歳の誕生日を迎えようとしていた。
それに合わせたように私に一通の手紙が届いた。
レイチェル・エジェット
カイルのお母様、嘗ての私の義母からだった。
あれからもカイルは月に一度は必ずメーチェ領に来ていた。
ロイドが益々カイルに似てきているのでこの辺りでも親子というのは一目瞭然で、私達の関係も周りから見れば異様に見えるらしく私はカイルの愛人のように思われているようだ。
ただ私が領主と親類だから私に対して表立って口に出す者はいない。
この愛人云々も私が近所で偶々耳にしたから知ってるだけだ。
この噂で私は参ってる。
私だけなら放って置くがロイドの耳には絶対に入れたくない。
だが、私とカイルの関係はあれから何も進展していない。
全くというわけではないがカイルがこちらに来た時に偶にデートをするくらいだ。
私が迷っているだけなのだが、まだ決心がつかない。
たった一つの事だけなのだ。
私がカイルを信じることができるか、それだけだ。
表立って元夫婦だと吹聴して回るわけにも行かず、噂がロイドの耳に入らないように神経を尖らせている。
そんな日々の中その手紙は届いた。
カイルと結婚していたあの時に一度だけ元義母から手紙を貰ったことがあった。
それ以来の手紙だ。
以前の手紙はカイルが戦の為に辺境へ旅立った後、私を気遣って励ましの言葉を認めてくれていた。
今回の手紙の内容の見当が全くつかず直ぐには読めなかった。
「ははうえきょうじをおそわった~」
ロイドは最近とても熱心に勉強している。
字もそうだが簡単な計算なども頑張っている、まだまだだいぶ間違えてはいるが、ディールドの真似をしているのだろう。
今日教わった字を一生懸命書く姿が可愛い、可愛すぎて頭を撫でると邪魔だというように頭を振る。
反抗期だろうか?母は少し寂しい。
ロイドが書いている横で私は元義母の手紙を読むことにした。
少し長い手紙を読み終えて目を瞑って考えていると、ロイドが私の肩を叩いて「なぁに」と聞いた。
「ロイドのお祖母様からのお手紙よ」
するとロイドは仕舞ってあった母の手紙を持ってきた。
「ぼくにはないのぉ?」
「これはお父様の方のお祖母様よ」
私の言葉足らずでロイドは勘違いをしてしまった。
ただ父方の祖母だと言ってもロイドには解らなかったようだ。
当たり前だ、話した事がなかったのだから。
「ちちうえのおばあさま?」
「父上のお母様ね」
「いるのぉ?」
「そうよ、ちゃんといらっしゃるわ」
「ふうん、どこにぃ?」
「ここからだいぶ遠いわね、王都、父上の所に行くよりちょっと遠いかもしれないわ」
「ふうん」
それだけ言うとロイドはそれ以上は聞いて来なかった。
正直に言うと助かった、元義母とは親しくなる前に離婚したので私もよく知らないからだ。
元義母からの手紙には、息子の事で迷惑をかけたと私への謝罪とロイドの誕生日に会わせてもらえないかという内容だった。
どうしよう
元義母もロイドに会いたい⋯はずだ。
全く考えることのなかった自分は、思いやりという物を持ち合わせていないのか、やはり何処かポンコツなのだろうか?
義兄の言葉が蘇る。
やっぱりここは⋯⋯姉に相談しよう。
二人は穏やかに過ごしていると手紙が来た。
母の体は父と二人で暮らし始めてから小康を保っている様で姉と私も安堵している。
もうすぐロイドは5歳の誕生日を迎えようとしていた。
それに合わせたように私に一通の手紙が届いた。
レイチェル・エジェット
カイルのお母様、嘗ての私の義母からだった。
あれからもカイルは月に一度は必ずメーチェ領に来ていた。
ロイドが益々カイルに似てきているのでこの辺りでも親子というのは一目瞭然で、私達の関係も周りから見れば異様に見えるらしく私はカイルの愛人のように思われているようだ。
ただ私が領主と親類だから私に対して表立って口に出す者はいない。
この愛人云々も私が近所で偶々耳にしたから知ってるだけだ。
この噂で私は参ってる。
私だけなら放って置くがロイドの耳には絶対に入れたくない。
だが、私とカイルの関係はあれから何も進展していない。
全くというわけではないがカイルがこちらに来た時に偶にデートをするくらいだ。
私が迷っているだけなのだが、まだ決心がつかない。
たった一つの事だけなのだ。
私がカイルを信じることができるか、それだけだ。
表立って元夫婦だと吹聴して回るわけにも行かず、噂がロイドの耳に入らないように神経を尖らせている。
そんな日々の中その手紙は届いた。
カイルと結婚していたあの時に一度だけ元義母から手紙を貰ったことがあった。
それ以来の手紙だ。
以前の手紙はカイルが戦の為に辺境へ旅立った後、私を気遣って励ましの言葉を認めてくれていた。
今回の手紙の内容の見当が全くつかず直ぐには読めなかった。
「ははうえきょうじをおそわった~」
ロイドは最近とても熱心に勉強している。
字もそうだが簡単な計算なども頑張っている、まだまだだいぶ間違えてはいるが、ディールドの真似をしているのだろう。
今日教わった字を一生懸命書く姿が可愛い、可愛すぎて頭を撫でると邪魔だというように頭を振る。
反抗期だろうか?母は少し寂しい。
ロイドが書いている横で私は元義母の手紙を読むことにした。
少し長い手紙を読み終えて目を瞑って考えていると、ロイドが私の肩を叩いて「なぁに」と聞いた。
「ロイドのお祖母様からのお手紙よ」
するとロイドは仕舞ってあった母の手紙を持ってきた。
「ぼくにはないのぉ?」
「これはお父様の方のお祖母様よ」
私の言葉足らずでロイドは勘違いをしてしまった。
ただ父方の祖母だと言ってもロイドには解らなかったようだ。
当たり前だ、話した事がなかったのだから。
「ちちうえのおばあさま?」
「父上のお母様ね」
「いるのぉ?」
「そうよ、ちゃんといらっしゃるわ」
「ふうん、どこにぃ?」
「ここからだいぶ遠いわね、王都、父上の所に行くよりちょっと遠いかもしれないわ」
「ふうん」
それだけ言うとロイドはそれ以上は聞いて来なかった。
正直に言うと助かった、元義母とは親しくなる前に離婚したので私もよく知らないからだ。
元義母からの手紙には、息子の事で迷惑をかけたと私への謝罪とロイドの誕生日に会わせてもらえないかという内容だった。
どうしよう
元義母もロイドに会いたい⋯はずだ。
全く考えることのなかった自分は、思いやりという物を持ち合わせていないのか、やはり何処かポンコツなのだろうか?
義兄の言葉が蘇る。
やっぱりここは⋯⋯姉に相談しよう。
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