眠れる森の聖女

maruko

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第二章 アルディオ・シュトラウゼ

術なし

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「この侯爵家以上の家との婚姻って有るのは何ですか?」

「⋯⋯⋯そのままだ」

私の詰問にライアスは肩を窄めながら答えた。
すると私の父であるシュトラウゼ公爵が、その紙を手に取った。

「エチェルド伯爵の娘と高位貴族の婚姻⋯ですか。違えたら魔獣を国のあちこちに放つ⋯と脅されたということですね」

陛下とライアスが頷いていた。
私は王妃様に目を向けた。
王妃様はこの話の最中ずっと震えているけれど何か可怪しい。
そう思って見つめていたら私の視線に気付いた陛下が謎を解いてくれた。

「これを見てくれ」

陛下が差し出したのは一冊の手帳だった、中には色々と書かれていて日誌?いや日記の様に思えた。
パラパラと捲る父の横でそれを覗いていたら、陛下が父から取り上げて或るページを開いた。

「ここだ、これをライアスは知っていたんだ」

そこに書かれていたのは【聖女は存在するだけで災いを全て取り除く】とあった。

「ライアスはこれを知っていた、だから大丈夫だと思った」

「それで?」

父の圧が凄い、私にまでビリビリと伝わる。

「だが、少し不安でもあった。私はこの件で王妃とともに密かに隣国に行った。だが結果は聖女が居ても魔獣は消えなかった」

「聖女とは王妃様ですね。それは無理でしょう」

父は鼻で笑っている。

「なっ!何故だ!」

陛下の怒鳴り声に父は平然と

「王妃様はからですよ。結界抜けてませんよね?おそらくそこに書かれている聖女というのは眠りの森の結界を抜ける者の事でしょう。陛下もそう思っていたでしょう?だから試しに隣国にまで足を運んだ、違いますか?そして結果、現状この国にその魔獣とやらを排除する術は無いと判断した」

父の言葉に王家の面々は顔面蒼白になった。

「さて、それで何故我がシュトラウゼ公爵家に白羽の矢が立ったのでしょうか?手っ取り早く聖女として王妃にしてしまえば宜しいのでは?」

「⋯⋯私ではあいつの勢いに太刀打ちできぬ」

陛下は悔しそうに唇をワナワナと震わせながら父に言った。

「何度も暗殺するために影を送った、だが一人も帰って来ぬ上に更に脅された。そして奴は王家には興味がないと抜かした」

「?⋯⋯⋯⋯狙いは国か!」

陛下が頷いたが、私は少し戸惑った。
国が狙いなら王家に食い込んだ方がいいのではないだろうか?
それはライアスも同じだったようで二人で目を合わせた。

「アルディオそろそろこの国の仕組みを教えておこう、王太子様もいいですね」

父の言葉に私達は頷いた。





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