違うようで似ている二人。

文月雨野

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3.消身病。

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ここでもう少し僕の病気について話そうと思う。
『消身病』。前に話したように、身体が消えていくのだが、その時に消える部位が痛むという症状がある。まるで、見せつけるようだ。そして、僕が発症したのは2ヶ月前。朝、起きた時に全身が痺れ、歩くこともままならなかった。それで病院に行って診断されたのが『消身病』だった。この病気の人は5ヶ月しか生きれない。だから僕はあと3ヶ月しか生きれない。それに伴って身体も半分くらいが消えてきた。幸い、何故か服で隠れるところや、人には見えにくいとこが消えているので、露見していることはなくはないが、やはり、痛い。それでも学校に行けているのは、通院している病院で、処方されている薬だ。この薬は薄くなる時の痛みを消してくれる鎮痛薬だ。でも、進行するに連れ、効果も薄くなり、完全に消えるときにはもう、全く薬は効かない。もっと、易しくしてほしい。どうして、そんな辛い思いをしないといけないのか。どうして遺体すら残らないのだろう。無慈悲だよな。でも、隣の席の雪女も同じ思いをしているのか。いっそ彼女に打ち明けてみようか。でも、今はそんな事は考えないでいよう。こんな事考えると、ますます自分が嫌になる。こんな無慈悲な、病気を患った自分が。
「ねえ、あなたも消身病だよね?だから、私から1つお願いがあるの。ね、明木洸君_

私と契約してくれない?」

_同じ病気の人間として、と彼女は落ち着いた声で、無表情で、そんな事を言った。
ただし、1つ言っておこう。
僕の病気は家族しか知らない。
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