枯れない花

南都

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第二章 「主人公」と「憧れ」

第五話

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「れっきとした犯罪者じゃないか」

「それがどうしましたか。それにここはもう、フォーチュンのメンバーに囲まれている」

 成木は質問には答えていない。一方で知りたくもない事実ばかり明るみしてくれる。いや、それが知らされるだけ、俺からすればありがたいものだ。

 それにしても、能力よりも武器の方が脅威であるという話、それは事実だ。

 例えば『光線』よりも『拳銃』の方がよほど恐ろしい。
 仮に昨日の女性が、光線でなく拳銃を構えていたのならば、おそらく俺は抵抗して重傷を負っていたのだろう。開花前の能力よりも、科学の力の方がよほど恐ろしい。

 しかしだ、しかしどうしてこう、俺は酷な未来にさらされる? 世界は俺に一体何をさせたいのだ。
 これではただただ苦しませたいだけだ。

「俺は日常まで侵害される立場なんだな。もう取り返しもつきやしない、もはや居場所さえも危険にさらされるのだから。ああ、しかしけれど、こんな日常ならば壊れてしまってもいいのかもしれないな」

「それならばこちらに来ると?」

 少し成木の口元が緩んだ。勧誘がうまくいった、脅しが効いたとでもいうように。しかし違う、ケースバイケースだ。

「……待遇はどうだ?」

「衣食住保障。限定されますが、人間関係は保てます。下手に動かないように動きは制限され、厳重な監視体制、しかし安全ではあります。当然に仕事はしてもらいますが、まぁ時給千円のコンビニ店員などには推薦できます」

「労働以外での収入は?」

「そんなもの、ありませんよ」

「なるほど……死んでもごめんじゃないか」

 あまりにも馬鹿げているだろう。失うものばかり、それに対して与えられるものがあまりにも少ない。
 それともそれが俺の世界としては当然だというのか? 「この現世はお前の贖罪の場だ」といわれても、きっと俺は納得するだろう。

「あなたのせいで俺の能力は失われた! おかげさまで能力者探しも難航している! ネットを漁る、それで探すのは手間だっ。分かるかッ!?」

 成木が声を荒げる。荒げたいのはこちら側だ。
 罪に問われる謂れはない、むしろどれほど不条理な人生を送っていると思っているのだ。
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