枯れない花

南都

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第二章 「主人公」と「憧れ」

第十七話

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「あんたの相手は私よッ!」

 叫んだ和乃。モノクロームが開花前であることを知って、勝てる試合だと踏んだか。
 一対一、こちらからしても好都合な条件。もとより分担して戦えたらと考えていた。モノクロームの相手は和乃。そして俺の相手は……。

「鼓だ」

 氷塊が消えた先、そこに立つ一人の男。こちらをじっと見る男。

「始めよう」

 そう口が動いた。そしてその直後、鼓はこちらに駆けてくる。
 巨大な西洋剣、それを地面に擦らせつつこちらへと地面を強く蹴る。その鼓に俺は銃口を向けた。引き金に指をかけ、マガジンを左手で抑え、狙うのは鼓の足。

 当たる、狙える。不思議と銃の使い方がわかる。深く呼吸をすれば狙いもうまく定まる。

 響く銃声、牽制の一発。

 鼓は剣を振るい、その弾丸を弾く。やはりこの剣は外見に反し軽いようだ。

 それでも、二発目はどうだ?

 狙いをさだめて放った二発目。それを鼓は剣を盾にするように防ぐ。幅のある剣を体の正面に持ってきて、致命傷を避けるようにしているようだ。
 しかし今回は防ぎきれていない。剣に当たり銃弾は逸れたが、その弾は太ももを掠めている。

 鼓の未来視には限界がある。

 未来視の間隔は三秒か? 少なくとも二弾続けて未来視で回避することはできていない。

 冷静に次弾を撃つ。それは容易く弾かれる。その目には水色の光。未来視が発動している証だ。

「そしてこの弾は……未来視できない」

 狙うのは足じゃない、肩だ。鼓は先ほど剣を盾にした時、足の方を重点的に護っていた。それならば……肩を狙う。
 その巨大な剣、いくら軽かろうと片腕で振るえるだろうか?
 距離からしても放つことができるのは残り一弾だ。これを当てる。

 剣に隠れ切っていない左肩、狙いを定めて撃ちだした銃弾。

「うっ……!」

 漏れた声。確かに貫通した銃弾、鼓の左鎖骨の上部を打ち抜いている。

 それでも、鼓の勢いは止まっていない。減速こそしたが、動きは止まることなどない。ついにはその剣を振るうために、右手に力が込められている。

 アドレナリンでも出ていて、痛みが抑えられているのだろう。
 それでも、未来視された状態で攻められてはいけない、直感がそう言っている。避ける動作を未来視されたのならば、その避けた先に剣が振るわれる。回避が出来ない斬撃など、敗北が決定的になるだけだ。

 もう一弾、手早く発砲する。それを鼓が弾けば、俺はあえて鼓の懐に潜り込むように正面へと突き進んだ。
 衝突した体と体。勢いに乗っている鼓と接触すれば、体が後方に仰け反る。それでも、これで勝負を決さなくてはならない。
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