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第四章 「戦闘」と「曼殊沙華」
第十八話
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「何で……」
モノクロームも目を見開いただろう。警戒すべき相手を俺たちは間違えていたのだ。
状況を理解するより前に、栖は淡々と話を進めていった。
彼女は俺たちに状況を掴ませるつもりなどなかった。むしろ俺たちの理解をうやむやにするように、手早く全てを進めていったのだ。
俺たちは惨劇の傍観者でしかない。理解できぬまま、ただ繰り広げられる悲劇を見る観客。
「あーあ、もう演技疲れちゃった。だってそうよ、無理だもん。こんなきれいな容姿になったって、『佳穂、佳穂』ってさ。何? 何なの? そう思えば佳穂も能力者になっちゃって。寝首を掻かれる前に始末するしかないじゃない」
「モノクロームっ!」
「分かっていますよッ!」
心なしか怒りが籠った声、ここまで攻撃的な声を耳にしたことなどなかった。いつも余裕を見せていたモノクローム、彼女が怒りに震えている。
「ねぇ、私が無能力者だと思った?」
にやりと歯を見せた栖、同時に後方から発砲音が夜空に響く。
モノクロームの腕を掠めた銃弾、発砲したのは他でもない暎だった。
先ほどまで戦意を喪失していたはず、しかし彼はモノクロームに真っすぐ銃口を向けている。
「俺じゃない……俺の意思ではないんだ……」
栖と呼ばれる女……人間を操っている。しかしおかしい、この女に『花の入れ墨』はないはずだ。何故能力が使える?
その答えは今も銃を構え続ける男にあった。
この男性、能力は変身だった。女性はそれを利用している。
栖は暎を操り、『変身』で自分の姿を変えている。花の入れ墨も容姿を変える時に書き消していたようだ。
暎の能力が変身。そんな彼を栖が能力で操っているということか。
むごくややこしいことをしてくれる。
モノクロームが顔をゆがめ、使っていた隔離が解ける。それを絶好の機会と捉えてか、繰り返し発砲させられる暎。その銃弾を見逃すわけにはいかない。
「くそっ! 能力者は軽々しく人に発砲するっ!」
手首に着けたアクセサリーから、モノクロームを囲うように『障壁』を発生させる。
弾かれる銃弾。それでも栖は怯むことはない。それどころか悪びれもせず、俺たちへと背を向けその地を蹴る。
「逃げましょう、暎?」
「俺は……俺は……ッ!」
「うーん、身体だけ操るのはダメか」
言葉では抵抗しようとも、暎も栖と共に駐車場の外へと駆け出している。
この様子、操る範囲は自在だ。心から操ることもできれば、身体だけ操ることもできる。ろくでもない能力を与えられたものだ、栖という女は。
「先に佳穂さんを治療します! シオンは二人をッ!」
「分かりましたっ! 必ずその子を助けてください!」
「ええっ! おそらく人を操作できる範囲は短いっ! 射程から外れて戦闘をっ! あなたが操られたら私、戦えませんからッ!」
「そこは遠慮せず戦ってくださいッ! 俺のためにもっ!」
手持ちのアクセサリーは浮遊、障壁、機械生成の三つだった。
十分だろう、栖を追い詰めるには。
モノクロームも目を見開いただろう。警戒すべき相手を俺たちは間違えていたのだ。
状況を理解するより前に、栖は淡々と話を進めていった。
彼女は俺たちに状況を掴ませるつもりなどなかった。むしろ俺たちの理解をうやむやにするように、手早く全てを進めていったのだ。
俺たちは惨劇の傍観者でしかない。理解できぬまま、ただ繰り広げられる悲劇を見る観客。
「あーあ、もう演技疲れちゃった。だってそうよ、無理だもん。こんなきれいな容姿になったって、『佳穂、佳穂』ってさ。何? 何なの? そう思えば佳穂も能力者になっちゃって。寝首を掻かれる前に始末するしかないじゃない」
「モノクロームっ!」
「分かっていますよッ!」
心なしか怒りが籠った声、ここまで攻撃的な声を耳にしたことなどなかった。いつも余裕を見せていたモノクローム、彼女が怒りに震えている。
「ねぇ、私が無能力者だと思った?」
にやりと歯を見せた栖、同時に後方から発砲音が夜空に響く。
モノクロームの腕を掠めた銃弾、発砲したのは他でもない暎だった。
先ほどまで戦意を喪失していたはず、しかし彼はモノクロームに真っすぐ銃口を向けている。
「俺じゃない……俺の意思ではないんだ……」
栖と呼ばれる女……人間を操っている。しかしおかしい、この女に『花の入れ墨』はないはずだ。何故能力が使える?
その答えは今も銃を構え続ける男にあった。
この男性、能力は変身だった。女性はそれを利用している。
栖は暎を操り、『変身』で自分の姿を変えている。花の入れ墨も容姿を変える時に書き消していたようだ。
暎の能力が変身。そんな彼を栖が能力で操っているということか。
むごくややこしいことをしてくれる。
モノクロームが顔をゆがめ、使っていた隔離が解ける。それを絶好の機会と捉えてか、繰り返し発砲させられる暎。その銃弾を見逃すわけにはいかない。
「くそっ! 能力者は軽々しく人に発砲するっ!」
手首に着けたアクセサリーから、モノクロームを囲うように『障壁』を発生させる。
弾かれる銃弾。それでも栖は怯むことはない。それどころか悪びれもせず、俺たちへと背を向けその地を蹴る。
「逃げましょう、暎?」
「俺は……俺は……ッ!」
「うーん、身体だけ操るのはダメか」
言葉では抵抗しようとも、暎も栖と共に駐車場の外へと駆け出している。
この様子、操る範囲は自在だ。心から操ることもできれば、身体だけ操ることもできる。ろくでもない能力を与えられたものだ、栖という女は。
「先に佳穂さんを治療します! シオンは二人をッ!」
「分かりましたっ! 必ずその子を助けてください!」
「ええっ! おそらく人を操作できる範囲は短いっ! 射程から外れて戦闘をっ! あなたが操られたら私、戦えませんからッ!」
「そこは遠慮せず戦ってくださいッ! 俺のためにもっ!」
手持ちのアクセサリーは浮遊、障壁、機械生成の三つだった。
十分だろう、栖を追い詰めるには。
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