聖女(仮)になりまひた

Miki

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召喚されたようです

光に包まれて

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「ただいま」

 自分の声だけが響くワンルーム。昨日、久しぶりに片付けたので、小綺麗になっている。書類が何枚も入ったカバンを、玄関の隅に置いた。

「長所の一つも言えないなんて…駄目だな私」

 着ているリクルートスーツを見ながら、先程の就職面接のことを思い出す。
 今日は始めて面接に参加した。あんなに何度も練習をしたはずなのに、言いたいことの半分も言えなかった。

 ただ問題はそこだけではない。

『私の名前は小林サクです!本日はよろしくお願いしまひゅ!!』

 盛大に言葉を噛んでしまったのだ。3人並んだ面接官の震える肩と、笑いを堪える表情を、今でも鮮明に思い出せる。

「あぁー!!無理無理無理無理 本当無理」

 駄目だわ。このままでは、私の心のダメージが大きすぎる。

 お気に入りのシングルベットに倒れ込み、枕元のデジタル時計を確認する。現在午後7時だ。

「よし、寝よう」

 外でご飯は済ませたし、風呂は明日の朝にでも入ればいいでしょ。今は現実を見たくないわ!

 そのまま私は早々に意識を手放した。

 あぁ、寝るのはとても良いわね。
 ほらほら、こんなにも気持ちがいい。

 温かい光に包まれ、さらに幸せな気持ちになった。

 こんな夢がずっと続けばいいな、と思いながら、私はソレに身を委ねた。
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