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・いざ森乃家!
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「ほんとーーーーに、ごめん、穂香ちゃんっ!!!」
森乃家のリビングで、森乃のおじさんは思いっきり頭を下げていた。
私とお父さんは、お土産のプリンを手にカチーンと固まる。
「ほんと、酔っ払いって最悪よね。なんでもかんでもべらべらしゃべって。ほのちゃん本当にごめんね」
おばさんにも頭を下げられる。
「えっ??えっ??おじさん、おばさん、何で謝ってるんですか??頭上げてくださいよーっ!」
森乃さんからお父さんに来ていたメールで、家に誘われたとしか聞いていなかったから、いきなりの謝罪に驚く。
何を謝られているんだろう??
「父さん、おじさんが南極に行くかもってベラベラ喋ったんだろ?最悪だよな。記憶残っている系酔っ払い。」
話しながら、タンタンと階段を降りつつ話すのは、ひー君だ。
ひー君、昨日全然話してくれなかったのに、今日は随分饒舌だ。というか毒舌?
「わー、ひー君昨日振り。って違うっ!!そんなの気にしないで下さいよーー!!
一番悪いのは酔っぱらって自分で帰れなくなったお父さんじゃないですかっ!!
それに、私、教えてもらえてよかったって思ってるんですから!!」
「えっ??どういうこと??」
「それが……」
お父さんは昨日と今日の出来事を森乃さん達に説明する。
私が私立黒白星学園のエンタメ科に特待生として誘われていて、諸費用が全額免除で寮生活ができること。
だから、南極に行くとしても、私は一人で生活しなくてもよさそうなこと。
南極に行こうかと思うこと。
「……そう、だったのね。ほのちゃん、ほのちゃんはそれで大丈夫なの?」
森乃のおばさんは真剣に私に向かって聞いてくる。
ここが私の一世一代の芝居の打ちどころだ。
そうじゃなきゃ、お父さんが悪者になっちゃう!
「大丈夫ですっ!!というか、私が私立黒白星学園に入りたいんです!!
学校見学に行ったんですけど、これが凄くてっ!!
寮なんか、ホテルみたいで豪華だし、シャワーもキッチンスペースもあるんですよ!
学校の設備だって最新鋭で、Ttube映えすること間違いなしです!!
馬がいたり、窯があったり、トレーニングルームがあったり、なんか設備がとにかくすごくてっ!
それに、私が入学したら、李衣菜ちゃんっていう親友も一緒に入学する予定なんです!」
一生懸命話過ぎたのか、あまり本当に行きたがっているように見えなかったのか、森乃のおじさん、おばさんは納得していなさそうな顔をしている。
「そ、それに何より、白黒星学園には芸能科があるんですっ!!
私、FIZZERってグループの樹林棋王君っていう子のファンで、実は、樹林君、そこの生徒なんです!!
実は私、Ttubeで樹林君のファングッズを作っていて、それをTtubeにあげてるくらいのファンなんです!!
これ、私のTtubeですっ!!」
私は自分の携帯電話でTtubeの画面を開く。
これで、私はFIZZERの熱狂的なファンに見えるはず。
「ほのちゃんTtubeやってるの知っているわよ。よっちゃんに聞いてたから!本もほら、買っちゃったもん!!でもすごわね!!憧れの人と同じ学校に通えちゃうかもしれないってこと!?それは、楽しみかもね!!」
「ほのちゃんすごいなーー!!推し活して本を出すだけじゃなく、本人の通う学校にまで通えるとか。持ってんなーー!!」
森乃のおばさんは、本棚から私の本を持ってきて、おじさんは私の携帯電話を覗いている。
っよ、よかった!!
これで、私が凄い黒白星学園に行きたいように見えるはず。
やっててよかったTtube!!
「……私立黒白星学園ってこれ?」
ひー君は、私にひー君の携帯電話を見せてくる。
画面には黒白星学園の学校ホームページ。
私が案内してもらったピカピカの校舎が映っている。
「うん。ここ。ほら、すっごい豪華でしょ??」
私はへらっとひー君に笑いかける。
「……ここ、本当に行きたいの?」
「うん、私、中学校受験予定もなかったしさ、タダでこんな豪華な学校に通えるなんてラッキーじゃん?それに、ごはんも提携しているホテルのシェフが作るから、すっごい美味しいんだよ。この間見学に行ったときは、ケーキごちそうになったんだけど、これがもう、美味しくてっ!!」
ケーキが美味しかったのは本当だ。
この部分は力説できる。
お願いだ、ひー君も、騙されてくれっ!!
「……料理が旨いのはいいな。」
ひー君がふっと笑った。
ひー君は身体が大きくなったし、昔よりも男の子っぽくなった。
だから、実は今まで、ひー君っぽく見えないって思ってたんだけど、その笑顔は昔のままでなんだか安心した。
「でしょ?あ、これ、お土産のプリン!まだひー君今でもプリン好き??」
「ーーーーーうん、好き」
「よかったー、はい、これどうぞっ!!」
私はプリンをひー君に手渡した。
森乃家のリビングで、森乃のおじさんは思いっきり頭を下げていた。
私とお父さんは、お土産のプリンを手にカチーンと固まる。
「ほんと、酔っ払いって最悪よね。なんでもかんでもべらべらしゃべって。ほのちゃん本当にごめんね」
おばさんにも頭を下げられる。
「えっ??えっ??おじさん、おばさん、何で謝ってるんですか??頭上げてくださいよーっ!」
森乃さんからお父さんに来ていたメールで、家に誘われたとしか聞いていなかったから、いきなりの謝罪に驚く。
何を謝られているんだろう??
「父さん、おじさんが南極に行くかもってベラベラ喋ったんだろ?最悪だよな。記憶残っている系酔っ払い。」
話しながら、タンタンと階段を降りつつ話すのは、ひー君だ。
ひー君、昨日全然話してくれなかったのに、今日は随分饒舌だ。というか毒舌?
「わー、ひー君昨日振り。って違うっ!!そんなの気にしないで下さいよーー!!
一番悪いのは酔っぱらって自分で帰れなくなったお父さんじゃないですかっ!!
それに、私、教えてもらえてよかったって思ってるんですから!!」
「えっ??どういうこと??」
「それが……」
お父さんは昨日と今日の出来事を森乃さん達に説明する。
私が私立黒白星学園のエンタメ科に特待生として誘われていて、諸費用が全額免除で寮生活ができること。
だから、南極に行くとしても、私は一人で生活しなくてもよさそうなこと。
南極に行こうかと思うこと。
「……そう、だったのね。ほのちゃん、ほのちゃんはそれで大丈夫なの?」
森乃のおばさんは真剣に私に向かって聞いてくる。
ここが私の一世一代の芝居の打ちどころだ。
そうじゃなきゃ、お父さんが悪者になっちゃう!
「大丈夫ですっ!!というか、私が私立黒白星学園に入りたいんです!!
学校見学に行ったんですけど、これが凄くてっ!!
寮なんか、ホテルみたいで豪華だし、シャワーもキッチンスペースもあるんですよ!
学校の設備だって最新鋭で、Ttube映えすること間違いなしです!!
馬がいたり、窯があったり、トレーニングルームがあったり、なんか設備がとにかくすごくてっ!
それに、私が入学したら、李衣菜ちゃんっていう親友も一緒に入学する予定なんです!」
一生懸命話過ぎたのか、あまり本当に行きたがっているように見えなかったのか、森乃のおじさん、おばさんは納得していなさそうな顔をしている。
「そ、それに何より、白黒星学園には芸能科があるんですっ!!
私、FIZZERってグループの樹林棋王君っていう子のファンで、実は、樹林君、そこの生徒なんです!!
実は私、Ttubeで樹林君のファングッズを作っていて、それをTtubeにあげてるくらいのファンなんです!!
これ、私のTtubeですっ!!」
私は自分の携帯電話でTtubeの画面を開く。
これで、私はFIZZERの熱狂的なファンに見えるはず。
「ほのちゃんTtubeやってるの知っているわよ。よっちゃんに聞いてたから!本もほら、買っちゃったもん!!でもすごわね!!憧れの人と同じ学校に通えちゃうかもしれないってこと!?それは、楽しみかもね!!」
「ほのちゃんすごいなーー!!推し活して本を出すだけじゃなく、本人の通う学校にまで通えるとか。持ってんなーー!!」
森乃のおばさんは、本棚から私の本を持ってきて、おじさんは私の携帯電話を覗いている。
っよ、よかった!!
これで、私が凄い黒白星学園に行きたいように見えるはず。
やっててよかったTtube!!
「……私立黒白星学園ってこれ?」
ひー君は、私にひー君の携帯電話を見せてくる。
画面には黒白星学園の学校ホームページ。
私が案内してもらったピカピカの校舎が映っている。
「うん。ここ。ほら、すっごい豪華でしょ??」
私はへらっとひー君に笑いかける。
「……ここ、本当に行きたいの?」
「うん、私、中学校受験予定もなかったしさ、タダでこんな豪華な学校に通えるなんてラッキーじゃん?それに、ごはんも提携しているホテルのシェフが作るから、すっごい美味しいんだよ。この間見学に行ったときは、ケーキごちそうになったんだけど、これがもう、美味しくてっ!!」
ケーキが美味しかったのは本当だ。
この部分は力説できる。
お願いだ、ひー君も、騙されてくれっ!!
「……料理が旨いのはいいな。」
ひー君がふっと笑った。
ひー君は身体が大きくなったし、昔よりも男の子っぽくなった。
だから、実は今まで、ひー君っぽく見えないって思ってたんだけど、その笑顔は昔のままでなんだか安心した。
「でしょ?あ、これ、お土産のプリン!まだひー君今でもプリン好き??」
「ーーーーーうん、好き」
「よかったー、はい、これどうぞっ!!」
私はプリンをひー君に手渡した。
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