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英雄と親友と令嬢と
破邪ノ英雄、下界に降りる
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以前の時代での暦、<戦歴>は、現在の暦では<神歴>と記されている。
その時代に住まう全ての人々が、現在の人々にとって有り得ない位の力を有しているからだ。
それこそ、一般兵1人に対して、近衛騎士が100人は必要とされるほどに、だ。何故、此処まで具体的に数える事が出来るのか、というと、それは一度、その時代の兵士と戦いが起きたからだ。
現在の暦、<聖歴>において、たった一度だけ、大きな戦いが起きた。
「古代戦争」と呼ばれるその戦争は、神歴の時代の一般兵士が突如として現れ、人々を襲ったのだ。
その数、100という以前では少なすぎる程であったが、この時代においては災害ものだ。
各地で激しい戦いが起こり、国1つと街4つを犠牲にして、その数を減らした。
残った最後の兵士はそれでも暴れ続け、その兵士に対して、100の近衛騎士を行使したのだ。それでも、生き延びた近衛騎士は数名に過ぎなかった。
________________________________
パタン。
本を閉じる音が、静かな部屋に響いた。
「やっぱり、勇者様に頼るしか無いのかしら……………フィーリアッ」
翡翠の色をした髪を煌かせて、その女性は頬を伝う涙を拭っていた。
夜空に輝く月は、そんな彼女を見て、ただ輝くだけだ。
ただ、その輝きが、何時もより、嬉しそうに感じられるのは、何故なのだろうか。
◆◇◆◇◆
城へと駆け抜けた俺は、すぐさま宝物庫へと向かった。幾つもの扉を越え、角を曲がった先に、黒く重々しい扉が鎮座している。
その鍵を開ける手間すら面倒で、駆けながら右腕を引き絞った。
「ハァッ!!!」
短い気合の声と同時に右腕を前方に突き出す。その先が、扉と触れた瞬間。
激しい音と煙が舞い上がり、視界を塞いだ。
_無手7階級単発技<ウェーブナックル>
大きく穴の開いた扉を通り抜けて、その先にある幾つかの道具を収納した。
無魔法による、異空間に物を移動させたのだ。これで、荷物が格段に減らすことが出来る。輝く剣も、黄金の果物も、神の鎧も、全てが異空間に収納されていく。
見渡す限りの物を収納した俺は、そのまま天空城から飛び出し、浮遊島を駆け抜けた。
(全配下に通達!今より100年の間、下界への進軍を禁止する!!この浮遊島、しいては天空城の防衛を任せる!だが、何よりも自分の命を大事にしてくれよ!?俺の力の一部はお前達が担っているんだからな!)
なるべく広範囲に伝わるように声を響かせ、そのまま浮遊島の端まで走り抜けた。
視界が晴れ渡り、青空が見えると同時に、前方の地面は跡形も無く消える。
身に纏った黒のロングコートを風に揺らしながら、地を全力で蹴った。風が心地良い勢いで感じられ、その後一瞬で猛烈な壁となって叩きつけられる。
「我願うは大いなる障壁!全てを防ぎ、流す盾をわが身に!『防壁プロテクション』!!」
落下を始めるからだの前に透明な板が出現し、ほとんどの空気圧が失せた。
眼下を見下ろすと、丁度雲に突っ込む形となり、視界が奪われた。
「にしても、何故力が衰えるような現象が発生したんだ?なによりも、俺の加護を与えられたあいつ等が半減させられるような魔法は、存在しなかったはずだ」
そう呟きながら考える俺は、気配察知に懐かしい反応が侵入してきたことに気付いた。
「レーーーーーーイーーーーーーーー!!!!!!」
「ん?シュンか!!」
遠方から聞こえた声に振り向くと、そこには親友である<シュン>の姿があった。
彼は、東にある小さな島国からやってきた人間で、転移してきたらしい。シュンと出会ったのは戦争の中で、意気投合した俺達は親友となっていた。
お気に入りの神竜から造った大剣<バハムート>を背に掲げ、大好きだという『妖精の羽』によって飛行している。髪と目が黒という、ニホンの特徴らしい姿をしている。
「どうしたんだ?下界で勇者をしていると聞いたぞ?以前のシュンは、勇者じゃなくて英雄に成りたいと言っていいたはずだが?」
「ああ!それは、レイが英雄になったから、俺は勇者になろう!って考えたんだよ!だって、レイはチートを貰った俺よりもチートなんだから!」
この、チートという言葉はレイが良く使うのだが、どういう意味が含まれているのだろうか?
以前から聞こうとは思っているのだが、どうにも面倒な予感がしている。
まあ、とりあえずはシュンと現状を確認することにして、俺達は空中に浮遊した。
その時代に住まう全ての人々が、現在の人々にとって有り得ない位の力を有しているからだ。
それこそ、一般兵1人に対して、近衛騎士が100人は必要とされるほどに、だ。何故、此処まで具体的に数える事が出来るのか、というと、それは一度、その時代の兵士と戦いが起きたからだ。
現在の暦、<聖歴>において、たった一度だけ、大きな戦いが起きた。
「古代戦争」と呼ばれるその戦争は、神歴の時代の一般兵士が突如として現れ、人々を襲ったのだ。
その数、100という以前では少なすぎる程であったが、この時代においては災害ものだ。
各地で激しい戦いが起こり、国1つと街4つを犠牲にして、その数を減らした。
残った最後の兵士はそれでも暴れ続け、その兵士に対して、100の近衛騎士を行使したのだ。それでも、生き延びた近衛騎士は数名に過ぎなかった。
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パタン。
本を閉じる音が、静かな部屋に響いた。
「やっぱり、勇者様に頼るしか無いのかしら……………フィーリアッ」
翡翠の色をした髪を煌かせて、その女性は頬を伝う涙を拭っていた。
夜空に輝く月は、そんな彼女を見て、ただ輝くだけだ。
ただ、その輝きが、何時もより、嬉しそうに感じられるのは、何故なのだろうか。
◆◇◆◇◆
城へと駆け抜けた俺は、すぐさま宝物庫へと向かった。幾つもの扉を越え、角を曲がった先に、黒く重々しい扉が鎮座している。
その鍵を開ける手間すら面倒で、駆けながら右腕を引き絞った。
「ハァッ!!!」
短い気合の声と同時に右腕を前方に突き出す。その先が、扉と触れた瞬間。
激しい音と煙が舞い上がり、視界を塞いだ。
_無手7階級単発技<ウェーブナックル>
大きく穴の開いた扉を通り抜けて、その先にある幾つかの道具を収納した。
無魔法による、異空間に物を移動させたのだ。これで、荷物が格段に減らすことが出来る。輝く剣も、黄金の果物も、神の鎧も、全てが異空間に収納されていく。
見渡す限りの物を収納した俺は、そのまま天空城から飛び出し、浮遊島を駆け抜けた。
(全配下に通達!今より100年の間、下界への進軍を禁止する!!この浮遊島、しいては天空城の防衛を任せる!だが、何よりも自分の命を大事にしてくれよ!?俺の力の一部はお前達が担っているんだからな!)
なるべく広範囲に伝わるように声を響かせ、そのまま浮遊島の端まで走り抜けた。
視界が晴れ渡り、青空が見えると同時に、前方の地面は跡形も無く消える。
身に纏った黒のロングコートを風に揺らしながら、地を全力で蹴った。風が心地良い勢いで感じられ、その後一瞬で猛烈な壁となって叩きつけられる。
「我願うは大いなる障壁!全てを防ぎ、流す盾をわが身に!『防壁プロテクション』!!」
落下を始めるからだの前に透明な板が出現し、ほとんどの空気圧が失せた。
眼下を見下ろすと、丁度雲に突っ込む形となり、視界が奪われた。
「にしても、何故力が衰えるような現象が発生したんだ?なによりも、俺の加護を与えられたあいつ等が半減させられるような魔法は、存在しなかったはずだ」
そう呟きながら考える俺は、気配察知に懐かしい反応が侵入してきたことに気付いた。
「レーーーーーーイーーーーーーーー!!!!!!」
「ん?シュンか!!」
遠方から聞こえた声に振り向くと、そこには親友である<シュン>の姿があった。
彼は、東にある小さな島国からやってきた人間で、転移してきたらしい。シュンと出会ったのは戦争の中で、意気投合した俺達は親友となっていた。
お気に入りの神竜から造った大剣<バハムート>を背に掲げ、大好きだという『妖精の羽』によって飛行している。髪と目が黒という、ニホンの特徴らしい姿をしている。
「どうしたんだ?下界で勇者をしていると聞いたぞ?以前のシュンは、勇者じゃなくて英雄に成りたいと言っていいたはずだが?」
「ああ!それは、レイが英雄になったから、俺は勇者になろう!って考えたんだよ!だって、レイはチートを貰った俺よりもチートなんだから!」
この、チートという言葉はレイが良く使うのだが、どういう意味が含まれているのだろうか?
以前から聞こうとは思っているのだが、どうにも面倒な予感がしている。
まあ、とりあえずはシュンと現状を確認することにして、俺達は空中に浮遊した。
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