ちゃらんぽらんの空自生活

まめ

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怖かった初任地

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初めて部隊へ配属された日は今でも覚えている



ワイは新隊員課程、専門員課程の後航空機整備員として三沢の門をくぐった

苦楽を共にした同期に別れを告げ、緊張と不安で胸一杯の中電車に揺られる
気分は戦地に送られる兵士の様
到着する頃には明るかった空も既に真っ暗
当時クソガキだったワイにとって、それだけでも不安を駆り立てる要因だった



幸か不幸か無事三沢駅に到着
迎えに来てくれた先輩はチンピラみたいな強面の小林さん(仮名)
バリバリに仕事してゴリゴリに規則の際を攻める人
そんな人がワイにとって初めての先輩であった
メンタルは既に半壊状態

横に乗せられ会話をしている内に、気がつけば基地はすぐそこ
心の中で外の世界に別れを告げ気合いを入れて門をくぐる
しばらくすると、これから住まう隊舎に到着した




自分の名前を見つけ部屋の前で立ち止まる
どうやって部屋に入ったらいいんだろ??????
素朴な疑問がワイを苦しめる
とりあえず教育隊の入室要領で部屋の扉を開けた

部屋には先ほどの小林さんと上裸で足組んでテレビを見ている人の2人
何故上裸??と思う隙もなく、上裸先輩から一言

声が小さくて何言ってるか分からん、やり直し

崩れたメンタルの破片が涙となって目に溜まる
声が枯れるくらい大きな声で入隊期別等の自己紹介を行い、深々と頭を下げた

顔を上げると上裸先輩は慌てた様子でいた
ワイは泣いてしまっていたらしい
そのワイの横でケラケラ笑う小林さん
悪は小林さんであったのだ

許すまじ小林


最悪の出だしにはなったが小林さん離席後、上裸先輩から隊舎内や明日の日程等の説明を受けた
ようやく一通りの説明と荷物の展開を終え消灯

これから始まる空自生活に不安を抱き、目を瞑るワイ
脳裏に浮かぶ家族と同期の顔を懐かしみながら眠りに落ちていくのであった


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