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第二章 英雄の力
2—4 ルナの目的。どうしても、あそこを見てしまいます
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本来、魔術研究員であるルナは、コルネリア帝国にある帝都で魔術の研究をしていたんです。だけど、ルナは訳があって、アヴァルの街にある宿屋を拠点に魔術研究を行っています。
え!? 研究員にしては、幼く見えるですって? もう、失礼しますね!
確かに、ルナは見た目通り、十三歳です。
あれ? どこからか『十三歳にも、見えない』と、聞こえたのは、気のせいでしょうか?
けれども、これでも魔術研究員なんですよ。幼い頃から、苦労して魔術の勉強した結果、ルナは最年少で魔術研究員になれたんです。
あっ! ルナっていうのは、ルナのことです。ルナは名前です。
……ところで、さっきから、ルナは誰に訴えているんでしょうか? どこからか、『ルナって、誰?』と言う声が聞こえたから、説明しましたが、その声自体、気のせいだったのでしょうか?
そんな、ルナですが、現在は全く素性の知らないお二方を思わず助けてしまったんです。助けたと言うよりかは、宿まで案内をしただけです。お二方の腕を引っ張っりながら、引きずってはいますけど。
これは、もうルナの癖みたいなものなんです。というよりかは、病気でしょうか?
え? 人を引きずりながら引っ張て行くことですか? 違いますよ! そっちではありません!
ルナの癖と言うべきものは、いかにも困っていそうな人を見ると、ほっと置けないことです!
とは言え、この二人からは困ったような顔はしていないんです。悩みがなさそうな、のほほーんとした顔ならしているのです。
だから、心配なんです。このお二方は、今にでも人に騙されやすそうな感じがします。特に、この国の貴族達は悪質な方々が多いですから、本当にそういう人達に目を付けられたら大変なのです。
それにしても、二人共、体と服がかなり汚れています。もう、何日も体を洗っていないことが、一目見ればわかります。普通に考えれば、旅の道中で、遭難したのではないかと思います。
あの報告を聞くまでは。
ルナが引っ張って連れて行っている二人の内、一人はあの伝説の女将軍のような容姿をした、蒼い髪と瞳をしたお胸が大きい女性。
もう一人は、頭にスカーフを巻いていて、そこから出ている長い緑色の髪を三つ編みで纏めた小柄な少女。だけど、小柄の割にはお胸が大きいんです。
この二人を見ていたら、思わずため息を付きました。
だって、このお二人さん。お胸が大き過ぎるんですよ。
もう何回か、「お胸が大きいなあ」と思ってしまいましたよ。
なんで、こんなにお胸が大きいのでしょうか? 帝都でも、こんなに大きい人いないですよ。全くいないわけではないですが、お二方以上に大きい人は見たことないです。特に、蒼い髪と瞳を持つ女性の方です。
はぁ~。羨ましいです。こんなに大きくはならなくっていいから、ルナも魅力的な体に育ちたいです。
は! 話を逸らしてしまいました。お胸に、ついては置いておきましょう。
ルナの悪い癖で、つい助けてしまいましたお二方ですが、もしかして、厄介事に巻き込まれていないですよね?
改めて考えると、このお二方。なんか、妙な感じがします。
一人の女性は改めて見ると、お胸が大……じゃなくって。すごく美人さんです。蒼い髪に蒼い瞳といった、まるで伝説の女将軍のような見た目の人なんて、いるんですね。髪と瞳のどっちかが、蒼色の人はいます。だけど、この人の蒼色は綺麗な蒼色をしています。男の人じゃなくっても、思わず見とれてしまいます。
……あ! 憧れるって意味です。
ルナが気になることは、その、伝説の女将軍のような女性は、魔道具を装備していないのに、魔力を感じるんです。勇能力の持ち主かな? でも、魔力の流れは、この人自身から、感じるわけではないんです。
興味深い。……研究者としての好奇心が疼きます。さっきから、誰に向かって、訴えているんでしょうか?
そして、もう一人の小柄な少女です。若干ですけど、身長はルナが勝っています。勝っては、いるんですけど、この子は、やっぱりお胸が大きんです。背はルナよりも、低いのに、なんでこんなにお胸が大きいんでしょうか? 背を犠牲に胸が育ったんでしょうか?
また、お胸の話になってしまいました。
この子の、身に着けている腕輪型の魔道具に付いている魔石からでも、とても強い魔力を感じるんです。だけど、この子自身から、かなり強い魔力が漏れているんです。この子も、勇能力の持ち主? だったら、魔道具を装備する必要なんてないはずです。
本当、考えれば、考えるほど、謎ですね。このお二人さんは。
ルナの兄、アルヴスはコルネリア帝国の八騎将の一人、シグマ様の右腕。ルナと同じ魔術関連を研究する魔術研究員でもあります。そんな兄から数日前に、ライム村に向かった、兄様の部下さんから伝書鳥を使った報告書が届いきました。
現在、ヴァルダンがコルネリア帝国に侵入し、国内にある村を襲っているんです。
ライム村。隠れ里と言われるぐらい、深い森にある村。この村にもヴァルダンの襲撃の被害にあったのです。討伐隊が到着した頃に、殆どの村人が殺されていました。
だけど、おかしなことがあったんです。
報告書によると、村には多くの墓が立っていて、ご丁寧に『ヴァルダン兵』と書かれた墓もあったようなんです。罰当たりですが、掘り返してみると確かにヴァルダン兵だったそうです。
ルナの感が当たっていれば……いいえ、あれはコルネリア軍の正規兵でも苦戦を敷いられたらしいんです。現に、勇能力を持っていたコルネリア兵が苦戦したと報告に記されていました。
それに墓には、『魔物っぽい姿になったヴァルダン兵』と書かれた墓もあったようなんです。掘り返しみたら、魔物死骸だったと報告がありました。もし、墓に書かれていたことが本当なら、ヴァルダン兵の誰かが魔物化したことになります。そうなると、その魔物になったヴァルダン兵を倒した人がいるってことですよね?
これはルナの憶測ですが、ヴァルダン兵を倒したのは、あのお二方の可能性が高いのです。
ライム村から、このアヴァルの街まで、迷わず寄り道せずに歩いていたら五日間は掛かります。今のところ、襲撃の当事者として、当てはまるのはあのお二人なんです。
これはチャンスです。彼女達自身、話してくれるかは、わからないですけど、うまく情報を聞き出せられるかもしれません。
ここで、ルナが頑張らないと! 兄様を今以上に無茶をさせないため。
兄様が探している、お父様の死に関わった、奴らの繋がる手がかりを。
え!? 研究員にしては、幼く見えるですって? もう、失礼しますね!
確かに、ルナは見た目通り、十三歳です。
あれ? どこからか『十三歳にも、見えない』と、聞こえたのは、気のせいでしょうか?
けれども、これでも魔術研究員なんですよ。幼い頃から、苦労して魔術の勉強した結果、ルナは最年少で魔術研究員になれたんです。
あっ! ルナっていうのは、ルナのことです。ルナは名前です。
……ところで、さっきから、ルナは誰に訴えているんでしょうか? どこからか、『ルナって、誰?』と言う声が聞こえたから、説明しましたが、その声自体、気のせいだったのでしょうか?
そんな、ルナですが、現在は全く素性の知らないお二方を思わず助けてしまったんです。助けたと言うよりかは、宿まで案内をしただけです。お二方の腕を引っ張っりながら、引きずってはいますけど。
これは、もうルナの癖みたいなものなんです。というよりかは、病気でしょうか?
え? 人を引きずりながら引っ張て行くことですか? 違いますよ! そっちではありません!
ルナの癖と言うべきものは、いかにも困っていそうな人を見ると、ほっと置けないことです!
とは言え、この二人からは困ったような顔はしていないんです。悩みがなさそうな、のほほーんとした顔ならしているのです。
だから、心配なんです。このお二方は、今にでも人に騙されやすそうな感じがします。特に、この国の貴族達は悪質な方々が多いですから、本当にそういう人達に目を付けられたら大変なのです。
それにしても、二人共、体と服がかなり汚れています。もう、何日も体を洗っていないことが、一目見ればわかります。普通に考えれば、旅の道中で、遭難したのではないかと思います。
あの報告を聞くまでは。
ルナが引っ張って連れて行っている二人の内、一人はあの伝説の女将軍のような容姿をした、蒼い髪と瞳をしたお胸が大きい女性。
もう一人は、頭にスカーフを巻いていて、そこから出ている長い緑色の髪を三つ編みで纏めた小柄な少女。だけど、小柄の割にはお胸が大きいんです。
この二人を見ていたら、思わずため息を付きました。
だって、このお二人さん。お胸が大き過ぎるんですよ。
もう何回か、「お胸が大きいなあ」と思ってしまいましたよ。
なんで、こんなにお胸が大きいのでしょうか? 帝都でも、こんなに大きい人いないですよ。全くいないわけではないですが、お二方以上に大きい人は見たことないです。特に、蒼い髪と瞳を持つ女性の方です。
はぁ~。羨ましいです。こんなに大きくはならなくっていいから、ルナも魅力的な体に育ちたいです。
は! 話を逸らしてしまいました。お胸に、ついては置いておきましょう。
ルナの悪い癖で、つい助けてしまいましたお二方ですが、もしかして、厄介事に巻き込まれていないですよね?
改めて考えると、このお二方。なんか、妙な感じがします。
一人の女性は改めて見ると、お胸が大……じゃなくって。すごく美人さんです。蒼い髪に蒼い瞳といった、まるで伝説の女将軍のような見た目の人なんて、いるんですね。髪と瞳のどっちかが、蒼色の人はいます。だけど、この人の蒼色は綺麗な蒼色をしています。男の人じゃなくっても、思わず見とれてしまいます。
……あ! 憧れるって意味です。
ルナが気になることは、その、伝説の女将軍のような女性は、魔道具を装備していないのに、魔力を感じるんです。勇能力の持ち主かな? でも、魔力の流れは、この人自身から、感じるわけではないんです。
興味深い。……研究者としての好奇心が疼きます。さっきから、誰に向かって、訴えているんでしょうか?
そして、もう一人の小柄な少女です。若干ですけど、身長はルナが勝っています。勝っては、いるんですけど、この子は、やっぱりお胸が大きんです。背はルナよりも、低いのに、なんでこんなにお胸が大きいんでしょうか? 背を犠牲に胸が育ったんでしょうか?
また、お胸の話になってしまいました。
この子の、身に着けている腕輪型の魔道具に付いている魔石からでも、とても強い魔力を感じるんです。だけど、この子自身から、かなり強い魔力が漏れているんです。この子も、勇能力の持ち主? だったら、魔道具を装備する必要なんてないはずです。
本当、考えれば、考えるほど、謎ですね。このお二人さんは。
ルナの兄、アルヴスはコルネリア帝国の八騎将の一人、シグマ様の右腕。ルナと同じ魔術関連を研究する魔術研究員でもあります。そんな兄から数日前に、ライム村に向かった、兄様の部下さんから伝書鳥を使った報告書が届いきました。
現在、ヴァルダンがコルネリア帝国に侵入し、国内にある村を襲っているんです。
ライム村。隠れ里と言われるぐらい、深い森にある村。この村にもヴァルダンの襲撃の被害にあったのです。討伐隊が到着した頃に、殆どの村人が殺されていました。
だけど、おかしなことがあったんです。
報告書によると、村には多くの墓が立っていて、ご丁寧に『ヴァルダン兵』と書かれた墓もあったようなんです。罰当たりですが、掘り返してみると確かにヴァルダン兵だったそうです。
ルナの感が当たっていれば……いいえ、あれはコルネリア軍の正規兵でも苦戦を敷いられたらしいんです。現に、勇能力を持っていたコルネリア兵が苦戦したと報告に記されていました。
それに墓には、『魔物っぽい姿になったヴァルダン兵』と書かれた墓もあったようなんです。掘り返しみたら、魔物死骸だったと報告がありました。もし、墓に書かれていたことが本当なら、ヴァルダン兵の誰かが魔物化したことになります。そうなると、その魔物になったヴァルダン兵を倒した人がいるってことですよね?
これはルナの憶測ですが、ヴァルダン兵を倒したのは、あのお二方の可能性が高いのです。
ライム村から、このアヴァルの街まで、迷わず寄り道せずに歩いていたら五日間は掛かります。今のところ、襲撃の当事者として、当てはまるのはあのお二人なんです。
これはチャンスです。彼女達自身、話してくれるかは、わからないですけど、うまく情報を聞き出せられるかもしれません。
ここで、ルナが頑張らないと! 兄様を今以上に無茶をさせないため。
兄様が探している、お父様の死に関わった、奴らの繋がる手がかりを。
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