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8話 冒険者ギルド

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 僕たちは門番に住民カードを見せて、街の中に入る。

「規模がデケェ街だな~。こんな街が何か所もあるのか?」
「他の街はこれより小さいと思うが。ここの街はちょっと規模がデカいな」
「他の街はこれより規模が小さいのか。っうし、先ずは魔物の解体をやろうぜ。ずっとあのままだとキモチワルィぜ・・・」

「なら冒険者ギルドに行きましょう。あそこならタダ解体場所を提供してくれます。それに買取もやってもらえます」
「冒険者ギルドか。確か登録をすると依頼を受けて達成した後に、報酬を貰えるんだっけ? 実力があれば楽なもんだな」
「それは実力がある者が言う台詞だ。最初は誰だって実力があるわけじゃないし、お前みたいに誰かに鍛えられて、強くなる奴はそうないだろう」

「そうだな。とりあえず行こうぜ」

 僕たちは人に聞きながら冒険者ギルドに向かう。冒険者ギルドに着いたら中に入る。入った後はベラが前に出て先に進み、その後をついて行く。着いたら扉の上の方に『解体室』と書いてある。ギルド職員に許可を貰って、解体室に入る。

「・・・思ったが、自分たちは冒険者ギルトに加入した方がいいのでは? バルマミオン王国の領土内なら、住民カードを見せればいいが。それ以外の所では通用しないだろ」
「言われてみればそうだな。なら最初っから冒険者カード? ギルドカード? を作ればよかったんじゃね?」
「いえ冒険者カードを作るには、住民カードが必要になります。冒険者カードを作るのも身分が分かってないと、作らせてもらえません」

「なるほど。じゃあ早速作ってくるか」
「私は常に持っているので、私はここで魔物の解体をします。お2人が持っている魔物を、置いていってください」
「ワリィ助かる」

「すまない。すぐに戻ってくる」

 僕とシルビアはそれぞれアイテムボックスと空間に入っている、魔物を作業台の上に置いて僕とシルビアは解体室から出る。そのまま受付の所に行って、ギルド職員に「冒険者ギルドに加入したい」と言うと、すぐに書類と羽ペンを出してくれて、必要な所に記入する。書き終わったら書類をギルド職員に渡すと、今度は「確認のために住民カードを見せてほしい」と言われて。僕たちは住民カードを見せる。確認が出来たら住民カードはしまう。ギルド職員はカードと針を出してくる。そのカードに「血を一滴垂らしてください」と言われ、僕たちは針を使って血をカードに一滴垂らす。カードと針は回収され、代わりに違うものを渡される。

「冒険者カードは出来るのに時間がかかるので、このカードをお持ちしてください。このカードか光ったら、もう一度ここにきてください」
「分かりました」

 僕たちは受付から離れて、解体室に行く。

「タクヤ。フルネームで書いては無いだろうな?」
「書いてねぇよ。書いたら面倒になるだろ。お前も書いてねぇだろうな?」
「自分は平民だから、名字など無いな」

「あっそう。ってきり貴族かと思ったぜ」
「嬉しい勘違いだな。そんなに貴族っぽく見えたか?」
「髪が綺麗だったからな。普通の庶民はそこまで綺麗じゃないんだろ?」

「貴様は何処を見ている?」
「髪だから見るのは仕方がねぇだろ」

 僕たちは解体室に着いて中に入ると、ベラの周りに冒険者らしき人物が倒れている。

「・・・何があった?」
「ナンパですね。何度も断ったのですが、聞いてくれないので。このようなやり方で黙らせました」
「憐れとは思えないな。っと自分たちも解体をやらないとな」

 僕とシルビアは作業台の周りについて、魔物を解体をしていく。解体をしているとカードが光る。僕とシルビアはベラに浄化魔法で綺麗にしてもらい、カードを持って解体室から出て受付に行く。受付に着いたらギルド職員にカードを返却して、ギルド職員から違うカードを貰う。

「今渡したものが冒険者カードになります。このまま冒険者ギルドの説明を、させていただきます」

 僕たちは冒険者ギルドの説明を受けて、終わったら解体室に戻る。戻ったら残りの魔物を解体をする。解体が終わり。手元に残す物と売る物に分けて、解体室から出て素材を買い取ってくれる受付の方に行く。

「すみません。魔物の素材を買い取ってほしいのですが」
「分かりました。では今カゴを出すので、その中に入れてください」

 ギルド職員は、カウンターの下から大きなカゴを出す。ベラは空間からさっき解体した魔物の素材を出して、カゴの中に入れていく。カゴの中に入れていくと、カゴは満タンになる。

「まだ素材はあるのですが、出してもよろしいでしょうか?」
「えぇっと・・・。もしかてここまで来るのに、かなり魔物を狩りましたか?」
「はい」

「しょ、少々お待ちしてください・・・」

 ギルド職員は他の職員を呼んで、カゴを持ち上げて何処かに行く。新しいカゴが出てきて、ベラはそのまま中に入れていく。

「これで終わりです」
「分かりました。ではこちらのカードをお持ちしてください。カードが光ったら、もう一度こちらにいらしてください」
「はい」

 ベラはカードを受け取って、僕たちは受付から離れる。

「さてどうすっか」
「情報でも集めるか。確か掲示板の方に、各地からの情報が載っているだろ」
「んな事言ってたな。じゃあ見て見っか」

 僕たちは掲示板の方に行って、何か情報がないかを見る。

「―――特にそれらしい情報がねぇな。あるしたら、魔国の軍備拡張ぐらいだな」
「これでも大きな情報だろ! 魔王軍は日々軍備拡張をしているのだぞ。何故そこまで驚かない!?」
「あ? 軍備拡張ぐらい何処の国だってやるだろ。一々そのくらいで驚くかっての」

「魔王軍が強くなれば、そのまま進行してくるかも入れないんだぞ! 現に魔王軍によって村や街が占領されたんだぞ!!」
「本当にそこは占領されたのかよ? 本当に占領されてるなら、今頃騎士団が取り返しに行ってるだろ」
「そうだが・・・。上の人たちは準備中だと・・・」

「その上の奴らが本当に準備してるか、分からねぇだろ。とにかく今言い争っても仕方がねぇ。確か道中に魔王軍に占領された村があるんだろ。そこに行って、助けが必要なら助ければいいだろ」
「あ、あぁそうだな・・・」
「っうし。じゃあちょっと聞き込みもするか。別れて聞き込みをするぞ」

 僕たちは別れて、聞き込みを始める。
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