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15話 襲撃

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 レクドってやつが去った後、孤児院にいる子供たちと遊んだり、ご飯食べたりして。僕たちは客間に行って中に入る。ベラはシルビアを正座をさせる。

「勝手に決めてすまないと思っている・・・」
「本当です。何故勝手に決めたのですか?」
「いや。あぁ言う奴は後で部下を引き連れて、この孤児院に襲撃をするだろうと思ってな。だからここに泊って、そいつらを捕まえようとな」

「そうですか。ですが。必ずしもここが襲撃されるわけでは、ありませんよね? 今日襲撃をしないで、明日明後日襲撃される可能性がありますよね」
「た、確かにそうだが」

「それに今日襲撃されなかったら、明日明後日もここに泊る気ですか?」
「い、いや・・・。泊まる気は・・・ない・・・ぞ・・・」
「・・・まぁ、もう決まってしまったので。これ以上は言いませんが。次からちゃんと相談してから、言ってください」

「はい・・・」
「―――あー。話が終わったか?」
「はい」

「っうし。なら寝るベッドだがよぉ。一応ベッドは3つあるが、男の僕がここで寝るのはよろしくねぇから。ナタネリーさんから許可を貰って、僕はソファで寝るよ」
「いえ。タクヤさんは、左のベッドに寝るか右のベッドで寝ればいいかと。真ん中は私が寝れば済む話なので」
「いや駄目だろ。男の僕と一緒の部屋で寝るのは、キモチワリィだろ」

「別に気持ち悪いとは思いませんが。シルビアさんは・・・。まぁ大丈夫でしょう」
「自分だけ扱いが雑な気がするが。タクヤがあぁ言っているんだ。タクヤの気持ちを優先したらどうだ?」
「シルビアさん。彼は勇者ですよ。その勇者をソファに寝かせるのは何事ですか? それともシルビアさんは、遠回しにタクヤさんと一緒の部屋にいたくないと。ならシルビアさんがソファに寝ればいいのでは? そうすれば解決なのでは?」

「いやいや違うぞ。ただ本当にタクヤの気持ちを優先してるんだ。タクヤはベッドで寝たいところを遠慮して、この部屋から出てソファで寝ると。言っているんだ」
「タクヤさんと一緒の部屋で寝るのは、嫌ではないと?」
「あぁ。仮に嫌だったら、今頃旅何てしてないだろ。命令をされても行かないぞ」

「あ? てっきりかなり嫌いと思っていたが」
「無論嫌いだ。だが殺した方では無いぞ」
「っだそうです。タクヤさんは、寝ている私たちを襲いますか?」

「まず人として、んなことしねぇよ」
「なら特に問題は無いですね。では寝ますよ」
「ちょ、おい!」

 ベラは真ん中のベッドに入って寝る。

「もう諦めろ。自分たちに気を使ってくれるのは、有難いが。あそこまで言われたら、もう諦めるしかないぞ・・・。実際、一緒の部屋なら特に問題は無い」
「・・・今なら部屋から出れるな」

 僕がそう言うと、ベラは起きて僕を見る。

「諦めろ。自分はもう寝る」

 シルビアはベラがいる左側のベッドに寝る。僕は部屋から出るのを諦めて、ベラがいる右側のベッドで寝る。

 真夜中。

「――――――ッチ。あのアマめ・・・。変な事言い出しやがって。何が白金貨10枚だ。そんな大金払えるか!」
「それで盗みに行くってか? あの孤児院に、その3人が泊っていたらどうする?」
「ハッ! どうせ正義感があり過ぎる冒険者だろ。そんなに強いはずが無い。仮に強くても戦う必要は無い。権利書さえ盗れれば良い」

「この5人でか? 少なくないか?」
「大勢で行ったらバレるだろ。ほらサッサと行くぞ」

 5人の賊は孤児院に向かう。そのころ孤児院の客間では。

「まだ少し遠いですが、5人くらいこっちに来ますね」

 マジかよ・・・。何か人が近づいてくるとは思ったが、マジでこっちに来るのか。

「自分の考えは正しかったな。起きれて良かった・・・」
「そうだな。お前があんな事を言っておきながら、いざ襲撃されたときに起きてなかったら。呆れるぜ・・・」
「ちゃ、ちゃんと起きたからいいだろ! それより早く倒しに行くぞ。分かっていると思うが、殺すなよ」

「任せろ。手加減は得意だ」
「同じく」

 僕たちは部屋から出る。ベラはナタネリーさんの方に行く。僕とシルビアは、賊が入って来そうなところに行く。

「あ? 4人しかいねぇな。1人はベラの方に行ったか」
「問題は無いだろ。相手が1人なら勝てるだろ」
「だな」

「こ、こいつら。オレたちを無視して話してやがる・・・」
「寧ろチャンスだろ! やっちま―――」

 僕は喋っている奴の所まですぐに行って、みぞおちを殴る。

「おっせーよ。これじゃあすぐに死ぬぜ。・・・って気絶してやがる。鍛えたりねぇじゃねぇのか?」
「嘘だろ!? 何て速さだ!?」
「テメェもおっせーよっ!」

 もう1人のみぞおちを殴って、その場で跪かせる。一応顎に蹴りを入れとく。

「後はシルビアだな」

 僕はシルビアを見る。シルビアは1人を気絶させている。

「次は貴様だ!」
「く、来るなっ!」
「なっ!?」

 賊の1人は魔法を使って、シルビアに当てる。魔法はシルビアに当たったが、特に何もダメージが無い。

「・・・・・・?」
「ま、間違えて・・・。ち、違う魔法をつかちゃった・・・」
「ふざけるなっ!」

 シルビアは鞘て賊1人を殴る。

「おい無事か? 何処か変な所はねぇか?」
「平気だ。特に身体の変化は無い。何だったんだあの魔法は?」
「知らねぇな。とりあえず、コイツらが逃げねぇように。縄で縛っておこうぜ」

 シルビアは空間から縄を出す。僕は2本受け取って、賊の2人を縛る。シルビアが残りの2人の賊を、縛り終わったら。引きずってナタネリーさんの方に向かった、ベラの方に行く。部屋にドア前に着いたら、ノックして中に入る。

「そっちも片付いてるか」
「はい。1人しか来なかったので、すぐに終わりました」
「ちくしょう・・・」

「自業自得だな。ナタネリー。コイツらを衛兵に引き渡しても、問題はないか?」
「問題は無いです。衛兵に引き渡してください」
「分かった。引き渡しは明日だな。今日はもう寝る」

「なら僕はコイツらを見張っておくか。おいテメェ。逃げだそうとしたら、どうなるか分かってるだろうな?」
「ハイハイハイ! 解ってます! だから殺さないでくださいぃぃぃぃぃ!」
「声がデケェ。子供が起きたらどうする」

「防音結界を張ってあるので、大丈夫ですよ」
「・・・いつの間にか張ってあったのか。じゃあコイツらをリビングの方に、引きずっていくぜ」

 縄を持って、5人の賊を引きずってリビングに行く。着いたら見張りを始める。
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