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56話 手先が器用
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1週間後。僕たちは山に着く。
「山に着いたな。この山を登るのか」
「さてどうやって行くか。歩いて登るか飛んで登るのか」
「楽なのは飛んで行く方だけど、ここを飛んで行くのがちょっと大変じゃない? て言うか、何かかなり自然じゃ無いよね。誰か弄ったように思えるんだけど」
「確かにな。人工山か? いや聞いた事ねぇな」
「何故か通る道が整備されてますね。このくらいの広さなら馬車1台は入れますね。これは意図的でしょうか? それとも自然的にこうなったのでしょうか?」
「分からないな。取り合ずちょっと飛んでみようぜ。俺が確かめる」
ベラは付与魔法でアルセルに浮遊魔法を付与する。アルセルは飛んで、先に進もうとすると何かぶつかる。アルセルはこっちに戻って来る。
「いってぇ・・・。何か見えない壁にぶつかったぞ」
「対策されているな。これはもう意図的にやっているな」
「そうなるとドラゴンの仕業か。これは確実に戦う事になるかもなぁ・・・」
「何て面倒なドラゴンだ。実は戦う為に一度整備したのか? ドラゴンが? 手先が器用過ぎるな・・・」
「手先が器用ってレベルじゃないよね。ドラゴンって普通は大きいよね」
「大きいですね。手先が器用なのはちょっと羨ましですね」
「アディシアも充分器用だと思うが。進もうか」
僕たちは歩き出し山を登る。
「この山を登るのはいいが、魔物も出てくるよな」
「出てくるだろうな。出てこない方が可笑しいだろ」
「普通は出てこねぇものなんだがな。出てくるとしたら、どんな魔物?」
「山なのでベアーが出てくると思いますよ。他はバットとかリザードとすかね。後はスケルトンやスライムと言った、見た事がある魔物ですね」
「熊か・・・。どうせここの熊も普通の熊じゃねぇだろ。僕が知っている熊よりもデケェ上に、気性が激しいだろうなぁ」
「それはもう個体によると思うが。まぁ大体は遭ったら襲ってくるな」
「やっぱり気性が激しいじゃねぇか。それにリザードだっけ? 確かトカゲだったな・・・。僕が知っているトカゲよりデケェだろうな」
「まだリザードの方がマシですよ。見てもまだ襲って来ませんからね。こっちが襲ったら話は別ですが」
「大人しい方か。・・・リザードの肉ってうめぇのか?」
「食べた事無いですね」
「自分も無いな」
「俺達もないな。流石にリザードは食べる気はしないな」
「何か食えそうな気がするが。特に腹の部分が。あそこの肉は柔らかけぇだろ」
「うん。普通は食べようとしないから。何で食べる方向で話をするの?」
「だって食えそうな気がしたから。トカゲだって食えるし」
「ほんっとタクヤの食文化はどうなってるんだ? そこまでして食おうとするか?」
「仕方ねぇだろ。約1ヶ月森で過ごした事があるから、ついつい食えるんじゃねぇ? って思うんだよ」
「・・・その森の中で何を食べていたのですか?」
「こっちで言うと。スネークだろリザードだろ、後は魚に食べられるキノコだな」
「リザードを食べるんだ・・・。でもそっちのリザードは小さいんでしょ」
「デケェリザードもいるが、基本的に小さいな。だが数さぇあれば、かなり腹の足しになるぜ」
「度胸があり過ぎる・・・。追い込まれるとそこまで食べる事になるのか?」
「だな。なぁに大体は火を通せば食える。毒があるものは取り除けばいい。そうすれば大体は食える」
「可笑しい。何かタクヤが住んでる所だけ、何か可笑しくない?」
「可笑しくはねぇ・・・」
僕はふと思い出す。日本では普通に食うが、他の国では食わねぇところがある。だが逆に日本が食べねぇものがあれば、他の国が食う事がある。
「・・・・・・どっちも同じだな」
「え、同じなの!?」
「恐ろしいな。いつかとんでもないものを、食べようとするなよ?」
「善処するぜ」
「頼むから言い切ってくれ・・・」
僕たちは先に進む。特に曲がったりしない。何故なら道が1本しかない。
「完全に山頂行だな。まぁ山だからこんな感じなのか?」
「こんな感じでしょ。それにしても魔物が出てこないね」
「ドラゴンが住み着いてるから、魔物が寄り付かないんじゃないか? いたとしてもドラゴンの餌だろ」
「ドラゴンの餌か。これは楽に進めるか?」
「多分ですが。そう言うと楽に進めた試しが無いのですが」
「なかったっけ? 楽に進めたような・・・」
「意外と進めてねぇよ。何だかんだで面倒が続いたからなぁ・・・」
「大雨とか盗賊とか魔物とかだったな。これは普通にある事だと思うが」
「これが普通なんだよなぁ・・・。僕の普通は全然違うぜ・・・」
「いい加減慣れろ」
「・・・思ったのですが。野営はどうしますか? 流石にこの一本道で野営をする訳にはいきませんよ」
「何処かに休める場所があればいいが、んなもんねぇよな」
「あったらドラゴンの器用が凄すぎるよ」
「いやドラゴンがやったんじゃなく、他の奴にやらせたかもな。例えば魔族とか」
「可能性あるな。そうすればドラゴンと無駄な争いが無くなる訳だ。ドラゴンが整備した訳ではなく、魔族が整備をしたなら納得がいく」
「何でこんな事をしたんだが。もう何だっていいや」
僕たちは今日進めるだけ進む。
「山に着いたな。この山を登るのか」
「さてどうやって行くか。歩いて登るか飛んで登るのか」
「楽なのは飛んで行く方だけど、ここを飛んで行くのがちょっと大変じゃない? て言うか、何かかなり自然じゃ無いよね。誰か弄ったように思えるんだけど」
「確かにな。人工山か? いや聞いた事ねぇな」
「何故か通る道が整備されてますね。このくらいの広さなら馬車1台は入れますね。これは意図的でしょうか? それとも自然的にこうなったのでしょうか?」
「分からないな。取り合ずちょっと飛んでみようぜ。俺が確かめる」
ベラは付与魔法でアルセルに浮遊魔法を付与する。アルセルは飛んで、先に進もうとすると何かぶつかる。アルセルはこっちに戻って来る。
「いってぇ・・・。何か見えない壁にぶつかったぞ」
「対策されているな。これはもう意図的にやっているな」
「そうなるとドラゴンの仕業か。これは確実に戦う事になるかもなぁ・・・」
「何て面倒なドラゴンだ。実は戦う為に一度整備したのか? ドラゴンが? 手先が器用過ぎるな・・・」
「手先が器用ってレベルじゃないよね。ドラゴンって普通は大きいよね」
「大きいですね。手先が器用なのはちょっと羨ましですね」
「アディシアも充分器用だと思うが。進もうか」
僕たちは歩き出し山を登る。
「この山を登るのはいいが、魔物も出てくるよな」
「出てくるだろうな。出てこない方が可笑しいだろ」
「普通は出てこねぇものなんだがな。出てくるとしたら、どんな魔物?」
「山なのでベアーが出てくると思いますよ。他はバットとかリザードとすかね。後はスケルトンやスライムと言った、見た事がある魔物ですね」
「熊か・・・。どうせここの熊も普通の熊じゃねぇだろ。僕が知っている熊よりもデケェ上に、気性が激しいだろうなぁ」
「それはもう個体によると思うが。まぁ大体は遭ったら襲ってくるな」
「やっぱり気性が激しいじゃねぇか。それにリザードだっけ? 確かトカゲだったな・・・。僕が知っているトカゲよりデケェだろうな」
「まだリザードの方がマシですよ。見てもまだ襲って来ませんからね。こっちが襲ったら話は別ですが」
「大人しい方か。・・・リザードの肉ってうめぇのか?」
「食べた事無いですね」
「自分も無いな」
「俺達もないな。流石にリザードは食べる気はしないな」
「何か食えそうな気がするが。特に腹の部分が。あそこの肉は柔らかけぇだろ」
「うん。普通は食べようとしないから。何で食べる方向で話をするの?」
「だって食えそうな気がしたから。トカゲだって食えるし」
「ほんっとタクヤの食文化はどうなってるんだ? そこまでして食おうとするか?」
「仕方ねぇだろ。約1ヶ月森で過ごした事があるから、ついつい食えるんじゃねぇ? って思うんだよ」
「・・・その森の中で何を食べていたのですか?」
「こっちで言うと。スネークだろリザードだろ、後は魚に食べられるキノコだな」
「リザードを食べるんだ・・・。でもそっちのリザードは小さいんでしょ」
「デケェリザードもいるが、基本的に小さいな。だが数さぇあれば、かなり腹の足しになるぜ」
「度胸があり過ぎる・・・。追い込まれるとそこまで食べる事になるのか?」
「だな。なぁに大体は火を通せば食える。毒があるものは取り除けばいい。そうすれば大体は食える」
「可笑しい。何かタクヤが住んでる所だけ、何か可笑しくない?」
「可笑しくはねぇ・・・」
僕はふと思い出す。日本では普通に食うが、他の国では食わねぇところがある。だが逆に日本が食べねぇものがあれば、他の国が食う事がある。
「・・・・・・どっちも同じだな」
「え、同じなの!?」
「恐ろしいな。いつかとんでもないものを、食べようとするなよ?」
「善処するぜ」
「頼むから言い切ってくれ・・・」
僕たちは先に進む。特に曲がったりしない。何故なら道が1本しかない。
「完全に山頂行だな。まぁ山だからこんな感じなのか?」
「こんな感じでしょ。それにしても魔物が出てこないね」
「ドラゴンが住み着いてるから、魔物が寄り付かないんじゃないか? いたとしてもドラゴンの餌だろ」
「ドラゴンの餌か。これは楽に進めるか?」
「多分ですが。そう言うと楽に進めた試しが無いのですが」
「なかったっけ? 楽に進めたような・・・」
「意外と進めてねぇよ。何だかんだで面倒が続いたからなぁ・・・」
「大雨とか盗賊とか魔物とかだったな。これは普通にある事だと思うが」
「これが普通なんだよなぁ・・・。僕の普通は全然違うぜ・・・」
「いい加減慣れろ」
「・・・思ったのですが。野営はどうしますか? 流石にこの一本道で野営をする訳にはいきませんよ」
「何処かに休める場所があればいいが、んなもんねぇよな」
「あったらドラゴンの器用が凄すぎるよ」
「いやドラゴンがやったんじゃなく、他の奴にやらせたかもな。例えば魔族とか」
「可能性あるな。そうすればドラゴンと無駄な争いが無くなる訳だ。ドラゴンが整備した訳ではなく、魔族が整備をしたなら納得がいく」
「何でこんな事をしたんだが。もう何だっていいや」
僕たちは今日進めるだけ進む。
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