1 / 167
序章
始まり
しおりを挟む
どこかの誰かに見られているような奇妙な感覚。
そんな気配を感じた呉成・大和は空を仰ぎ見る。
「…?どうかしましたかぁご主人?」
視線を外した大和に彼の従者チェルシーは首を傾げる。
「ああちょいと……気のせいかな?」
喉元で言葉を止める大和。
少し言いたい衝動はあったのはあったが、自分でも手に余る感覚。他人に話してわからない人数を増やすのはどうだろうと思ったが故である。
ましては現状を鑑みれば尚更である。
「もぅご主人ったら…その空気を読まない。というよりはあえて読もうともしないところ…馬鹿なのか大物なのか、わからないですねぇ」
「ちなみにチェルシーはどっちだと思う?」
「ノーコメントですよぅご主人……それよりもそろそろぉ…」
「おうそうだな」
話題を胸にしまい。現状を見る大和。
現状。
時刻は草木も眠る深夜。
舞台は洋上を航行する某国の最新鋭原子力空母。その甲板上…。
そこで大和とチェルシーは大勢の兵士に無数の銃口を突き付けられていた。
「俺達がここに侵入してわずか数分。そんだけの間にこんだけきっちりと守りを固めるたァ…中々に優秀なことじゃねーの…」
「暢気すぎるのも考え物ですよぅご主人」
頭を掻きながら他人事のように言った大和に少し困った顔をするチェルシー。
包囲網は大勢の歩兵の他、重機関銃が備え付けられたジープ、更には対地ミサイルを備え付けた攻撃用ヘリコプターがホバリングをしている。
そんな状況でも緊張感が皆無な大和とチェルシー。
そんな二人に兵士達の後ろにいた男が叫ぶ。
「何話し合っているんだッ貴様等ッ!とっとと手を頭の上に置けッ!でないと頭を吹き飛ばす!!」
礼服のようなきっちりとした軍服に身を包む男。全体を指揮するような位置にいる事から、おそらく船を預かっている将校・士官クラスの者だと察することが出来る。
「統率が行き届いた兵士達の動き、中々の練度だな……」
「聞こえていないのかッ!?いいから頭に手を置いて……」
「聞こえているぜ大将ッ!流石、世界を仕切る立場にある某国の精鋭ッ!尊敬するよッ!」
「そんな軽口はいいッ!いいから早く頭に手を……」
「なあ大将!そんなアンタにちょいと聞きたいことがあるんだッ!!」
「喋るなッ!いいからさっさと投降……」
「大将。アンタは【星】を見たことがあるかい?」
「は…星……?」
言葉をかぶせてまで、そんな事を尋ねた大和に思わず間の抜けた反応をする将校。
だがそれも一瞬、怒りに顔を紅潮させる。
「何を訳の分からないことを言っているんだッ!星なんぞ今この状況でも見えるだろうッ!!」
「そういう反応かァ……」
「ですねぇ…」
夜空を指さし叫んだ将校に予想通りの反応だった大和とチェルシーは思わず笑みを浮かべた。
「最後の警告だッ!!今すぐ頭の上に手を置いて一歩も動くなッ!動いたらその身体が穴あきチーズになることを覚悟しておけッ!!」
「覚悟?…そんなモノは「おんぎゃあ」と生まれた時からとっくに済ませているぜ。んなことよりもアンタ等は俺にこれからされることに関しての覚悟はOK?」
「…ッツ!撃ち殺せ!!」
余裕の崩さない大和の態度に堪忍袋の緒が切れた将校。
手を振り下ろすと兵士達の銃火器は一斉に火を噴いた。
まるでがむしゃらに叩いたドラムのような爆音と共に爆音と共に大和に向かって一斉に殺到する弾丸。
常人なら当たれば四肢は捥げ、臓物は引き千切られ、脳漿は花火の様に爆ぜる事必然な一撃。
それを大和は腕の一振りで事も無げに打ち払った。
「なっ!!?」
続く頭部への弾丸も最小の動作で躱し、飽和する胴体への銃弾は拳や五指で弾丸を弾きビリヤードの様に弾き逸らさせる。
攻撃ヘリからの対地ミサイルは信管部分を避ける様に蹴り飛ばし近くの海面へと叩き落とす。
大和はほぼ一歩も動くことなく対応したのである。
「ありえない……っ!!?」
あまりにも現実離れした光景に絶句する将校。兵士達も思わず引き金から指を放す。
「終わりかい?…なら次はこっちの番だなッ!」
スッと重心を落とす大和。
瞬間、その場から姿が掻き消える。
同時に爆発と旋風が巻き起こり兵士達が吹き飛んだ。
「なっ!!?」
ぼとぼとと雨の様に降って来る兵士に困惑する将校。その間にも2度3度と爆発が起こり、その度に兵士達が吹き飛ぶ。
装甲車も巻き込まれフロントガラスや装甲をひしゃげて数回転して横転する。
まるで極最小の災害のような異様な現象。だが、兵士達は皆直感で理解する。
これは目の前にいた青年が引き起こしたものだという事を…。
吹き飛ばされる数秒前、さらに理解する。
彼が自分達を吹き飛ばすのに何の道具も使わず、自らの四肢のみで行っているという事を…。
まるでカラテや功夫。何らかの武術や体術のような洗練された動きで打撃を撃ち込んでいく大和。
力任せではない。軽く触れているようにしか見えないのに手品か魔法の様に人が宙を舞い。合金製の装甲をひしゃげさせる。
「野郎ォ!!」
再度大和に照準を合わせる攻撃ヘリ。だが、トリガーを引く直前に砲弾の様に蹴り飛ばされた装甲車によって撃ち落される。
パイロットだけは大和によって救助された。
木の葉のように次々と吹き飛ばされていく兵士達。
走馬灯かはたまた現実逃避か……。スローモーションになった視界の中、大和の方を見る。
そして息を呑んだ……。
血風と人、銃弾と金属片の舞う中。さながら演武の様に流麗に動き続ける大和。
少々感傷的仰々しく詩的だと思わざるを得ないが…。
その動きはまるで喝采と紙吹雪舞う中、楽しく踊っているかのように見えた。
一名、また一名と吹き飛ばされていった兵士達。
あっという間に残っているのは将校だけになった。
「クソったれ!!」
苦虫を噛み潰したかのような表情でホルスターから拳銃を抜き大和に発砲した将校。
大和は指で挟むようにして難なく受け止める。
止めた銃弾を捨てて大和は将校に歩み寄った。
「さて…後は大将のみだけれど…なんで王将であるアンタを残したか…理由はお分かり?」
「わかるか糞ッ!」
「そんな言葉吐かんで下さいよぅ。こちらとしてはちょいとお願いしたいだけなのに…悲しくなるぜ」
「……何をさせるつもりだ?」
「至って単純な事ですよ。時に大将…こういう船って轟沈した時用の非難する為の船ってあるんじゃあないです?」
「ああ、あるが……」
「そいつに乗ってここから降りて欲しいなって、皆さん、全員で」
「な?…何だとォオ!」
大和も申し出に将校は思わず絶叫する。
「そ、そのような事…認められるわけないだろう!!」
誇りある我が祖国が巨額の資金資金を投じて建造したこの最新鋭の原子力空母。
それをこんな奇妙で得体の知れない二人組に乗っ取られるという事態。面子が潰れるなんて小さなことではない。
乗組員全てが末代まで石を投げつけられる程の醜態である。
当然拒否した将校。大和は少し困った顔をする。
「認める認めないの話じゃあないと思うんだけれどな大将。こういう言い方はあんまり好きじゃあないんだが…アンタを含めアンタら部下全員の命。今俺が握っているようなもんですよ…ヘリコのパイロットだってそうだ。あのまま見殺しにしても良かったんだぜ…」
「くっ…!」
唇を噛む将校。大和の言っていることが誇張でもないれっきとした事実だという事が理解できる。
その気になれば目の前の青年は此処にいる全員を容易く殺し、この船を乗っ取るという事も可能だという事を…。
「さあどうする大将?…降りるか?降ろされるか?」
「………………」
答えない。否、答えられない将校。現実と責任の狭間で葛藤しているようであった。
「………仕方ねぇ」
その光景に見かねた大和。
そうぼやくと倒れている兵士の一人に近づきあるものを抜き取る。
あるもの…それは複数の手榴弾が括られたベルトである。
その中の一つのピンとレバーを躊躇いも無く外す大和。
そのまま包み込むようにしてベルトを抱きかかえた。
「……ッ!?何をッ!!?」
ありえない行為に思わずそう漏らす将校。
止めようと手を伸ばしたが、その手は空しく秀榴弾は耳をつんざく様な爆音をまき散らしながら炸裂した。
辺りに立ち込める煙。
複数の破片手榴弾のゼロ距離での爆発、まともに受けたらひき肉じゃあ済まない状況。
だが大和は衣服が汚れているだけで無事。
それどころか全くの無傷であった。
「なん…ッツ!?」
「ゲッホゲッホ…見たかい大将。俺には鉄砲も爆弾もこの通りだ」
「…………化物…」
笑みを浮かべた大和にそう呟いた将校。こんな存在と相対した後悔と自分の不運を呪うしか出来なかった。
「ああ、そう思ってもらっても構わんぜ、実際アンタ等一般人にゃあそう見えるだろうし…」
肯定しつつ近づいて将校が手にしている拳銃を優しく抜き取った大和。慣れたような鮮やかな手つきで分解すると部品と弾薬を地に撒いた。
「でもさ大将、だからこそ…そんな化物に船を盗られたのなら…仕方が無いって思うんじゃあねぇか?」
ばら撒かれた拳銃の部品を虚ろな目で見る将校。大和の言葉を反芻したその瞬間、自らの心が完全に折れたのを感じた。
「そいじゃあ大将…もう一度だけ言うぜ。降りるか?降ろされるか?」
もうどうでもよくなってしまった将校。俯いたまま無言で頷いた。
「よっし、ならこの件はもう終了…財布とか家の鍵とかは忘れんなよ~」
あっさりと将校に背を向けた大和。手をヒラヒラ振りつつ船内へ向かうために背を向ける。
「お…おい!待ってくれ!?」
「ん?どしたい大将?」
大和を呼び止めた将校。大和は顔だけを向ける。
「貴様等は……いいや、君達は一体何者なんだ?」
「俺達は【星】。手前らしく生きて手前らしく死ぬ、度し難い馬鹿野郎共だよ」
「そいじゃ」と再び背を向けた大和。
「【星】…」
ぽつりと呟く将校。
短く簡単な一つの単語。だが将校はその言葉で子供の頃に故郷の老人より聞かされた昔話を思い出した。
【星】。それは人類を超えた元人類の超人達。
人類の裏に現れた無双の存在。
その拳は山河を変え、その脚は千里を容易く駆ける。異形の技術や能力すらも操る者もいる。
彼らは英雄として、守護者として、または悪党や破壊者として人類と常に寄り添っていたと言われた。
はぐれ者で嫌われ者の老人であった。だが、彼の語る【星】の英雄譚だけは多くのモノが心を躍らせた。
「そうか……あの話は本当だったのだな……」
化物でなく人類を文字通り超えた超人。それならば仕様がない。
諦めにも似た清々しい表情で将校は彼らの後ろ姿を見続けた。
「しかしご主人、お優しかったですねぇ…」
「どうした突然?」
兵士達が全て下船し誰も居なくなった空母。
その船内を歩く大和とチェルシー。
「いえいえ、兵隊さんを一人も殺さないどころか、必要以上痛めつけず五体満足の状態で降ろすなんて…いくら彼ら人類用の火器に耐えれる【星】の肉体とはいえ、相手はこちらを殺す事に容赦が無かった人達ですよぉ」
「何だそんな事か……余計な殺生は飯が不味くなるからな」
「日々訓練で鍛え上げた彼らを余計呼ばわりとは…流石はご主人と言えばよろしいですかねぇ…もしくはお人好しかぁ、あの将校さんも精神的なケアまでしていましたものねぇ」
「ありゃあ、ああした方が手っ取り早いと思ったからな…別に変な意味じゃあ無いぞっ!勘違いしないでよねっ!!」
「今のは昨今のツンデレですかぁ?」
「気づいた。ちょっと意識したからな」
「ご主人みたいな男性では気持ち悪さしか残らないですけれどねぇ」
「うっせ」
小悪魔のような笑みを浮かべるチェルシーに大和は少し恥ずかしそうな表情で返す。
「ではではぁ~…ご主人の貴重なツンデレ(失笑)映像も見れましたしぃ、目的を果たしましょかぁ」
「ああ俺の素晴らしいお人好しさのおかげでな…ちゃちゃと終わらせて帰んぞ」
そう言って大きく伸びをしながら艦内の廊下を歩く大和とチェルシー。目的の為、部屋の一つ一つをくまなく見ていく。
「ご主人…もしもですがぁこの船の中に人が残っていたらどうしますぅ?不意を突いてご主人を殺すようあの将校さんに命じられた者とかぁ」
「完全にわからされた彼がそんなことするなんざ考えにくいが…まあそん時ゃそん時だよ…おっ!」
とそこで水密扉とは明らかに違う扉が現れる。
荘厳であり明らかに場違いなほどの豪華さ。
十中八九この場所だと確信する大和。中へと入る。
部屋の中、そこは様々な美術品が鎮座した部屋であった。
「スッゲ…まるで国の傲慢の歴史を見ているみてーだ…」
大きく開けた空間。その中にある様々な木像や石像、宝石で彩られた金属器が並ぶ光景に思わず呟く大和。
まるで博物館のような部屋の奥へと進む。
「しかしぃ、どうしてこんな物がこんな軍艦に積まれているんでしょうかねぇ?」
「さぁな…安全にこいつらを別の場所に運びたかったのか?偽装してこの船に保管していたのか?どちらにしても俺達のような連中に見つかった時点で意味が無いだろうがな」
ガラスケースの上を指で走らせながらずんずんと部屋の奥に進んでいく大和とチェルシー。
そして部屋の奥、そこにはある物体があった。
部屋の一角を独占し、分厚いガラスケースと各種センサーに厳重に守られたソレは手のひらほどの大きさの漆黒の立方体である。
正直ここまでで見た美術品とはひときわ異なるモノ。
だがそれこそが大和達がここに来た目的のモノであった。
「チェルシー」
「はぁい」
大和の言葉に恭しくお辞儀をして応じるチェルシー。
レースのあしらわれた純白の布をロングスカートから取り出す。
そしてそれぞれをガラスケースと自身の掌に被せる。
「ワン・ツゥ…スリー」
そう言って指を鳴らし布を取るチェルシー。
すると彼女の掌には漆黒の立方体。ガラスケースには色を揃えることでお馴染みの立方体パズルが収められていた。
「ささっご主人。どうぞお納めくださいましぃ」
「ご苦労、相変わらずスゴイなお前の手品は…どうやっているんだ?」
「タネを考えるのが手品の楽しみですよぅ…しかしお褒めに預かり恐悦至極ですぅ」
大和の言葉にチェルシーは再び恭しくお辞儀をした。
「しっかし、一つ目をここで手に出来るとはな…もう少し別かと思ったんだけれどな」
「そうですねぇ…ここは運命であったと思いこんでおきましょう」
「他の連中も狙ってはいただろうが…俺達の方が一段上手だったみてーだな」
言いつつ立方体を手で弄ぶ大和。
順調ゆえに贋作とも疑ったが、立方体から溢れるエネルギーによりこれは本物だと確信した。
「そいじゃ、目的のモノも手に入れたし、そろそろお暇しますかねぇ」
「この船はどうしますご主人?ついでに貰っておきますかぁ?」
「何処に置くんだよこんなデカブツ…」
「それもそうですよねぇ、ではここに流しておきますぅ?」
「それもそれで国際問題になりそうだ、イヤだぜこんなことで面倒なことになったら…」
「ではどのように?……あぁ」
とそこで大和の意図を察するチェルシー。
主の手助けの為に、この船から出る為の手品の準備にとりかかる。
「おそらくコイツは秘密裏に航行しているだろうからな」
スッと重心を落とす大和。拳を振り上げる。
「こうしたら大ぴらに騒げないだろう…なぁ!!」
言葉と共に拳を一気に振り下ろした。
これが開幕。
【星】と呼ばれる。手前勝手な超人共のバカ騒ぎ。
手前勝手な個人的大巨編
これはその一人。『龍王』呉成・大和のお話だ。
この物語が一夜の慰みになれれば嬉しい。万々歳だ。
ただもう少―し欲言えば、良きにしても悪しきにしても諸兄らの心に残れば幸いである。
そんな気配を感じた呉成・大和は空を仰ぎ見る。
「…?どうかしましたかぁご主人?」
視線を外した大和に彼の従者チェルシーは首を傾げる。
「ああちょいと……気のせいかな?」
喉元で言葉を止める大和。
少し言いたい衝動はあったのはあったが、自分でも手に余る感覚。他人に話してわからない人数を増やすのはどうだろうと思ったが故である。
ましては現状を鑑みれば尚更である。
「もぅご主人ったら…その空気を読まない。というよりはあえて読もうともしないところ…馬鹿なのか大物なのか、わからないですねぇ」
「ちなみにチェルシーはどっちだと思う?」
「ノーコメントですよぅご主人……それよりもそろそろぉ…」
「おうそうだな」
話題を胸にしまい。現状を見る大和。
現状。
時刻は草木も眠る深夜。
舞台は洋上を航行する某国の最新鋭原子力空母。その甲板上…。
そこで大和とチェルシーは大勢の兵士に無数の銃口を突き付けられていた。
「俺達がここに侵入してわずか数分。そんだけの間にこんだけきっちりと守りを固めるたァ…中々に優秀なことじゃねーの…」
「暢気すぎるのも考え物ですよぅご主人」
頭を掻きながら他人事のように言った大和に少し困った顔をするチェルシー。
包囲網は大勢の歩兵の他、重機関銃が備え付けられたジープ、更には対地ミサイルを備え付けた攻撃用ヘリコプターがホバリングをしている。
そんな状況でも緊張感が皆無な大和とチェルシー。
そんな二人に兵士達の後ろにいた男が叫ぶ。
「何話し合っているんだッ貴様等ッ!とっとと手を頭の上に置けッ!でないと頭を吹き飛ばす!!」
礼服のようなきっちりとした軍服に身を包む男。全体を指揮するような位置にいる事から、おそらく船を預かっている将校・士官クラスの者だと察することが出来る。
「統率が行き届いた兵士達の動き、中々の練度だな……」
「聞こえていないのかッ!?いいから頭に手を置いて……」
「聞こえているぜ大将ッ!流石、世界を仕切る立場にある某国の精鋭ッ!尊敬するよッ!」
「そんな軽口はいいッ!いいから早く頭に手を……」
「なあ大将!そんなアンタにちょいと聞きたいことがあるんだッ!!」
「喋るなッ!いいからさっさと投降……」
「大将。アンタは【星】を見たことがあるかい?」
「は…星……?」
言葉をかぶせてまで、そんな事を尋ねた大和に思わず間の抜けた反応をする将校。
だがそれも一瞬、怒りに顔を紅潮させる。
「何を訳の分からないことを言っているんだッ!星なんぞ今この状況でも見えるだろうッ!!」
「そういう反応かァ……」
「ですねぇ…」
夜空を指さし叫んだ将校に予想通りの反応だった大和とチェルシーは思わず笑みを浮かべた。
「最後の警告だッ!!今すぐ頭の上に手を置いて一歩も動くなッ!動いたらその身体が穴あきチーズになることを覚悟しておけッ!!」
「覚悟?…そんなモノは「おんぎゃあ」と生まれた時からとっくに済ませているぜ。んなことよりもアンタ等は俺にこれからされることに関しての覚悟はOK?」
「…ッツ!撃ち殺せ!!」
余裕の崩さない大和の態度に堪忍袋の緒が切れた将校。
手を振り下ろすと兵士達の銃火器は一斉に火を噴いた。
まるでがむしゃらに叩いたドラムのような爆音と共に爆音と共に大和に向かって一斉に殺到する弾丸。
常人なら当たれば四肢は捥げ、臓物は引き千切られ、脳漿は花火の様に爆ぜる事必然な一撃。
それを大和は腕の一振りで事も無げに打ち払った。
「なっ!!?」
続く頭部への弾丸も最小の動作で躱し、飽和する胴体への銃弾は拳や五指で弾丸を弾きビリヤードの様に弾き逸らさせる。
攻撃ヘリからの対地ミサイルは信管部分を避ける様に蹴り飛ばし近くの海面へと叩き落とす。
大和はほぼ一歩も動くことなく対応したのである。
「ありえない……っ!!?」
あまりにも現実離れした光景に絶句する将校。兵士達も思わず引き金から指を放す。
「終わりかい?…なら次はこっちの番だなッ!」
スッと重心を落とす大和。
瞬間、その場から姿が掻き消える。
同時に爆発と旋風が巻き起こり兵士達が吹き飛んだ。
「なっ!!?」
ぼとぼとと雨の様に降って来る兵士に困惑する将校。その間にも2度3度と爆発が起こり、その度に兵士達が吹き飛ぶ。
装甲車も巻き込まれフロントガラスや装甲をひしゃげて数回転して横転する。
まるで極最小の災害のような異様な現象。だが、兵士達は皆直感で理解する。
これは目の前にいた青年が引き起こしたものだという事を…。
吹き飛ばされる数秒前、さらに理解する。
彼が自分達を吹き飛ばすのに何の道具も使わず、自らの四肢のみで行っているという事を…。
まるでカラテや功夫。何らかの武術や体術のような洗練された動きで打撃を撃ち込んでいく大和。
力任せではない。軽く触れているようにしか見えないのに手品か魔法の様に人が宙を舞い。合金製の装甲をひしゃげさせる。
「野郎ォ!!」
再度大和に照準を合わせる攻撃ヘリ。だが、トリガーを引く直前に砲弾の様に蹴り飛ばされた装甲車によって撃ち落される。
パイロットだけは大和によって救助された。
木の葉のように次々と吹き飛ばされていく兵士達。
走馬灯かはたまた現実逃避か……。スローモーションになった視界の中、大和の方を見る。
そして息を呑んだ……。
血風と人、銃弾と金属片の舞う中。さながら演武の様に流麗に動き続ける大和。
少々感傷的仰々しく詩的だと思わざるを得ないが…。
その動きはまるで喝采と紙吹雪舞う中、楽しく踊っているかのように見えた。
一名、また一名と吹き飛ばされていった兵士達。
あっという間に残っているのは将校だけになった。
「クソったれ!!」
苦虫を噛み潰したかのような表情でホルスターから拳銃を抜き大和に発砲した将校。
大和は指で挟むようにして難なく受け止める。
止めた銃弾を捨てて大和は将校に歩み寄った。
「さて…後は大将のみだけれど…なんで王将であるアンタを残したか…理由はお分かり?」
「わかるか糞ッ!」
「そんな言葉吐かんで下さいよぅ。こちらとしてはちょいとお願いしたいだけなのに…悲しくなるぜ」
「……何をさせるつもりだ?」
「至って単純な事ですよ。時に大将…こういう船って轟沈した時用の非難する為の船ってあるんじゃあないです?」
「ああ、あるが……」
「そいつに乗ってここから降りて欲しいなって、皆さん、全員で」
「な?…何だとォオ!」
大和も申し出に将校は思わず絶叫する。
「そ、そのような事…認められるわけないだろう!!」
誇りある我が祖国が巨額の資金資金を投じて建造したこの最新鋭の原子力空母。
それをこんな奇妙で得体の知れない二人組に乗っ取られるという事態。面子が潰れるなんて小さなことではない。
乗組員全てが末代まで石を投げつけられる程の醜態である。
当然拒否した将校。大和は少し困った顔をする。
「認める認めないの話じゃあないと思うんだけれどな大将。こういう言い方はあんまり好きじゃあないんだが…アンタを含めアンタら部下全員の命。今俺が握っているようなもんですよ…ヘリコのパイロットだってそうだ。あのまま見殺しにしても良かったんだぜ…」
「くっ…!」
唇を噛む将校。大和の言っていることが誇張でもないれっきとした事実だという事が理解できる。
その気になれば目の前の青年は此処にいる全員を容易く殺し、この船を乗っ取るという事も可能だという事を…。
「さあどうする大将?…降りるか?降ろされるか?」
「………………」
答えない。否、答えられない将校。現実と責任の狭間で葛藤しているようであった。
「………仕方ねぇ」
その光景に見かねた大和。
そうぼやくと倒れている兵士の一人に近づきあるものを抜き取る。
あるもの…それは複数の手榴弾が括られたベルトである。
その中の一つのピンとレバーを躊躇いも無く外す大和。
そのまま包み込むようにしてベルトを抱きかかえた。
「……ッ!?何をッ!!?」
ありえない行為に思わずそう漏らす将校。
止めようと手を伸ばしたが、その手は空しく秀榴弾は耳をつんざく様な爆音をまき散らしながら炸裂した。
辺りに立ち込める煙。
複数の破片手榴弾のゼロ距離での爆発、まともに受けたらひき肉じゃあ済まない状況。
だが大和は衣服が汚れているだけで無事。
それどころか全くの無傷であった。
「なん…ッツ!?」
「ゲッホゲッホ…見たかい大将。俺には鉄砲も爆弾もこの通りだ」
「…………化物…」
笑みを浮かべた大和にそう呟いた将校。こんな存在と相対した後悔と自分の不運を呪うしか出来なかった。
「ああ、そう思ってもらっても構わんぜ、実際アンタ等一般人にゃあそう見えるだろうし…」
肯定しつつ近づいて将校が手にしている拳銃を優しく抜き取った大和。慣れたような鮮やかな手つきで分解すると部品と弾薬を地に撒いた。
「でもさ大将、だからこそ…そんな化物に船を盗られたのなら…仕方が無いって思うんじゃあねぇか?」
ばら撒かれた拳銃の部品を虚ろな目で見る将校。大和の言葉を反芻したその瞬間、自らの心が完全に折れたのを感じた。
「そいじゃあ大将…もう一度だけ言うぜ。降りるか?降ろされるか?」
もうどうでもよくなってしまった将校。俯いたまま無言で頷いた。
「よっし、ならこの件はもう終了…財布とか家の鍵とかは忘れんなよ~」
あっさりと将校に背を向けた大和。手をヒラヒラ振りつつ船内へ向かうために背を向ける。
「お…おい!待ってくれ!?」
「ん?どしたい大将?」
大和を呼び止めた将校。大和は顔だけを向ける。
「貴様等は……いいや、君達は一体何者なんだ?」
「俺達は【星】。手前らしく生きて手前らしく死ぬ、度し難い馬鹿野郎共だよ」
「そいじゃ」と再び背を向けた大和。
「【星】…」
ぽつりと呟く将校。
短く簡単な一つの単語。だが将校はその言葉で子供の頃に故郷の老人より聞かされた昔話を思い出した。
【星】。それは人類を超えた元人類の超人達。
人類の裏に現れた無双の存在。
その拳は山河を変え、その脚は千里を容易く駆ける。異形の技術や能力すらも操る者もいる。
彼らは英雄として、守護者として、または悪党や破壊者として人類と常に寄り添っていたと言われた。
はぐれ者で嫌われ者の老人であった。だが、彼の語る【星】の英雄譚だけは多くのモノが心を躍らせた。
「そうか……あの話は本当だったのだな……」
化物でなく人類を文字通り超えた超人。それならば仕様がない。
諦めにも似た清々しい表情で将校は彼らの後ろ姿を見続けた。
「しかしご主人、お優しかったですねぇ…」
「どうした突然?」
兵士達が全て下船し誰も居なくなった空母。
その船内を歩く大和とチェルシー。
「いえいえ、兵隊さんを一人も殺さないどころか、必要以上痛めつけず五体満足の状態で降ろすなんて…いくら彼ら人類用の火器に耐えれる【星】の肉体とはいえ、相手はこちらを殺す事に容赦が無かった人達ですよぉ」
「何だそんな事か……余計な殺生は飯が不味くなるからな」
「日々訓練で鍛え上げた彼らを余計呼ばわりとは…流石はご主人と言えばよろしいですかねぇ…もしくはお人好しかぁ、あの将校さんも精神的なケアまでしていましたものねぇ」
「ありゃあ、ああした方が手っ取り早いと思ったからな…別に変な意味じゃあ無いぞっ!勘違いしないでよねっ!!」
「今のは昨今のツンデレですかぁ?」
「気づいた。ちょっと意識したからな」
「ご主人みたいな男性では気持ち悪さしか残らないですけれどねぇ」
「うっせ」
小悪魔のような笑みを浮かべるチェルシーに大和は少し恥ずかしそうな表情で返す。
「ではではぁ~…ご主人の貴重なツンデレ(失笑)映像も見れましたしぃ、目的を果たしましょかぁ」
「ああ俺の素晴らしいお人好しさのおかげでな…ちゃちゃと終わらせて帰んぞ」
そう言って大きく伸びをしながら艦内の廊下を歩く大和とチェルシー。目的の為、部屋の一つ一つをくまなく見ていく。
「ご主人…もしもですがぁこの船の中に人が残っていたらどうしますぅ?不意を突いてご主人を殺すようあの将校さんに命じられた者とかぁ」
「完全にわからされた彼がそんなことするなんざ考えにくいが…まあそん時ゃそん時だよ…おっ!」
とそこで水密扉とは明らかに違う扉が現れる。
荘厳であり明らかに場違いなほどの豪華さ。
十中八九この場所だと確信する大和。中へと入る。
部屋の中、そこは様々な美術品が鎮座した部屋であった。
「スッゲ…まるで国の傲慢の歴史を見ているみてーだ…」
大きく開けた空間。その中にある様々な木像や石像、宝石で彩られた金属器が並ぶ光景に思わず呟く大和。
まるで博物館のような部屋の奥へと進む。
「しかしぃ、どうしてこんな物がこんな軍艦に積まれているんでしょうかねぇ?」
「さぁな…安全にこいつらを別の場所に運びたかったのか?偽装してこの船に保管していたのか?どちらにしても俺達のような連中に見つかった時点で意味が無いだろうがな」
ガラスケースの上を指で走らせながらずんずんと部屋の奥に進んでいく大和とチェルシー。
そして部屋の奥、そこにはある物体があった。
部屋の一角を独占し、分厚いガラスケースと各種センサーに厳重に守られたソレは手のひらほどの大きさの漆黒の立方体である。
正直ここまでで見た美術品とはひときわ異なるモノ。
だがそれこそが大和達がここに来た目的のモノであった。
「チェルシー」
「はぁい」
大和の言葉に恭しくお辞儀をして応じるチェルシー。
レースのあしらわれた純白の布をロングスカートから取り出す。
そしてそれぞれをガラスケースと自身の掌に被せる。
「ワン・ツゥ…スリー」
そう言って指を鳴らし布を取るチェルシー。
すると彼女の掌には漆黒の立方体。ガラスケースには色を揃えることでお馴染みの立方体パズルが収められていた。
「ささっご主人。どうぞお納めくださいましぃ」
「ご苦労、相変わらずスゴイなお前の手品は…どうやっているんだ?」
「タネを考えるのが手品の楽しみですよぅ…しかしお褒めに預かり恐悦至極ですぅ」
大和の言葉にチェルシーは再び恭しくお辞儀をした。
「しっかし、一つ目をここで手に出来るとはな…もう少し別かと思ったんだけれどな」
「そうですねぇ…ここは運命であったと思いこんでおきましょう」
「他の連中も狙ってはいただろうが…俺達の方が一段上手だったみてーだな」
言いつつ立方体を手で弄ぶ大和。
順調ゆえに贋作とも疑ったが、立方体から溢れるエネルギーによりこれは本物だと確信した。
「そいじゃ、目的のモノも手に入れたし、そろそろお暇しますかねぇ」
「この船はどうしますご主人?ついでに貰っておきますかぁ?」
「何処に置くんだよこんなデカブツ…」
「それもそうですよねぇ、ではここに流しておきますぅ?」
「それもそれで国際問題になりそうだ、イヤだぜこんなことで面倒なことになったら…」
「ではどのように?……あぁ」
とそこで大和の意図を察するチェルシー。
主の手助けの為に、この船から出る為の手品の準備にとりかかる。
「おそらくコイツは秘密裏に航行しているだろうからな」
スッと重心を落とす大和。拳を振り上げる。
「こうしたら大ぴらに騒げないだろう…なぁ!!」
言葉と共に拳を一気に振り下ろした。
これが開幕。
【星】と呼ばれる。手前勝手な超人共のバカ騒ぎ。
手前勝手な個人的大巨編
これはその一人。『龍王』呉成・大和のお話だ。
この物語が一夜の慰みになれれば嬉しい。万々歳だ。
ただもう少―し欲言えば、良きにしても悪しきにしても諸兄らの心に残れば幸いである。
0
あなたにおすすめの小説
女神の白刃
玉椿 沢
ファンタジー
どこかの世界の、いつかの時代。
その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。
女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。
剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。
大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。
魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。
*表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
現代ダンジョン奮闘記
だっち
ファンタジー
15年前に突如としてダンジョンが登場した現代の地球。
誰が何のために。
未だに解明されていないが、モンスターが落とす魔石はすべてのエネルギー源を代替できる物質だった。
しかも、ダンジョンでは痛みがあるが死なない。
金も稼げる危険な遊び場。それが一般市民が持っているダンジョンの認識だ。
そんな世界でバイトの代わりに何となくダンジョンに潜る一人の少年。
探索者人口4億人と言われているこの時代で、何を成していくのか。
少年の物語が始まる。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~
あきくん☆ひろくん
ファンタジー
仕事を失い、居場所をなくした青年。
彼に仕えるのは――世界を救った英雄たちだった。
剣も魔法も得意ではない主人公は、
最強のメイドたちに守られながら生きている。
だが彼自身は、
「守られるだけの存在」でいることを良しとしなかった。
自分にできることは何か。
この世界で、どう生きていくべきか。
最強の力を持つ者たちと、
何者でもない一人の青年。
その主従関係は、やがて世界の歪みと過去へと繋がっていく。
本作は、
圧倒的な安心感のある日常パートと、
必要なときには本格的に描かれる戦い、
そして「守られる側の成長」を軸にした
完結済み長編ファンタジーです。
シリーズ作品の一編ですが、本作単体でもお楽しみいただけます。
最後まで安心して、一気読みしていただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる