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第三話 第一章
第一節
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「おはようございますチェルシー」
「おはようございますぅ睦美様。いつも通り早いですねぇ」
『創世神』【領域】内の食堂。
いつも通りの時間に起床し身支度を整えた睦美が向かうといつも通り朝食の準備を行っているチェルシーの姿があった。
きちんと髪をとかし、しわ一つないメイド服に身に着けている。身支度の後大いに腕を振るった朝食の姿を見ると朝の起床時間の早さは想像に難くない。
よく考えると眠った姿を睦美は見たことが無かった。先週催された宴も夜更け近くまで行われていたのに睦美が寝て起きたら【領域】内はキレイに整えられていた。その手腕に睦美は大いに驚いたのを覚えている。
覚えているのと同時に、こんな有能な従者が何故あんなチャランポランに仕えているのが非常に勿体ない。
(まあ見方を変えればチャランポランだからこそ…仕えがいがあるのか?それとも有能だからあんなチャランポランでも大丈夫なのか?……ふむ……)
前者と後者。個人的にはどちらも該当するでしょうね…と思いながら思考を打ち切る睦美。
とそこでチャランポランで思い出した。
「ところでいつもよりも静かですね…いつもならこの時間には騒々しくなり始めるはずなのですが……」
ここ最近の騒動から疲れが溜まっているのか…と無いなと断じながらもそんな思考をする。
「ああ~ご主人と門司様ならちょっと修行に向かいましたよぉ~」
「なんと、あの二人が修行……今日審判の日でも起こるのでしょうか?」
「エイプリル様とミコ様もそれぞれ付いて修行に行きましたしぃ。今現在この【領域】には睦美様と晴菜様と私しかいませんねぇ」
「おはよ~…」
驚愕する睦美の後ろいつも通りに起きて来た晴菜の間の伸びた声が聞こえた。
「だらっしゃあぁああい!」
叫び声と共に拳を上空に向かって撃ち出す大和。
撃ち出された拳の拳圧により先程まで打たれていた滝は真っ二つに割れた。
「す、スゴイです師匠!滝が逆流する瞬間なんて初めて見ましたっ!」
「だろ?なんせ俺も初めてだからなぁ。漫画で見て「一度はやってみっか」と思って今回の準備運動でやってみたけれど…案外できるもんだなコレ」
目を輝かせているエイプリルにそう返ししつつ滝から上がる大和。濡れた衣服を大雑把に搾り上げた。
「んで準備運動は終わり…次はメインってな」
そう言って先の戦いで考案した新技『龍式炎龍』の構えを取る大和。細胞一つ一つ、血流一流れまで身体操作に意識を研ぎ澄ませる。
すぐに両腕が紅く輝き始め炎が立ち上り始めた。
「わぁ、それが師匠の新技『龍式炎龍』ですか!?」
「うっし、だいぶコツは掴んで来たぞ……あとは持続力」
そう言って演舞の様に『龍桜』の動きを一通り行う大和。一通りの型を問題なく行えるかを測る。
「スゴイかっこいいです師匠ッ!渦巻く炎が師匠を包みまるで炎の装束を纏っているかのようですッ!!」
「豪華だろ?単純威力も上がっているんだぜ……あっ……」
気が少し抜けた部分が生まれてしまったのか、型の終盤で『龍式炎龍』は解けてしまった。
輝きが消えうせた両腕からはプスプスと煙が立ち上った。
「ただ問題は持久力何だよなぁ…単純威力は上がっているんだけどよ、一瞬でも気を緩ますとコレだ…」
それがネックであった。気を緩ますと言葉には出したがそれだけではない。
どうも根本部分でこの技は長く続けることが難しいようである。
【星】の超人的な身体と『龍桜』の身体操作で明らかに異常な身体能力を発揮している以上それは仕方がないモノなのかもしれないが…。
(まあそれが理解るだけでまあ良しだ。こだわって持久力の上限を伸ばす事じゃなくて別部分を上げる事にこだわったら良いからな……)
「とそんな事より、エイプリルは朝早くに本当に付き合わなくても良かったんだぜ?師匠って呼ばれてもそこまでは体育会系じゃあねぇからな」
「うぃ、お気遣いありがとう御座います。師匠に付いて行きたいのもありましたが…少々師匠に見て頂きたいものが御座いまして…」
「俺に?」
「うぃ。私も師匠に倣い新技を考案致しましてその品評をば是非…」
「新技ッ!?マジかよエイプリル!?」
「うぃ」
「見せて見せて!」
「では…」
そう言って杖を構えたエイプリル。同時に能力である『死せる忠臣の影』である狗が現れる。
「『形象変化 大拳』」
言葉と共に発せられる狗の咆哮。銃士の影たちが幾重にも現れ始める。
そこまではこれまで通り……。
だが次からが異なった。
互いに繋ぎ合い折り重なり合う銃士達。重なり合い混ざり合い。やがて境界がなくなり一つの巨大な塊となっていく。
そうして影達は巨人のような大きな腕を一本作り上げた。
「おおッ!?」
「どうですか?これが私が考案した『死せる忠臣の影』の新技体系『形象変化』です」
「一つにして別のモノを作り上げたのか!?」
「うぃ。手数や物量が多い私の能力ですが…どうも単純火力は低いのでそれを補うために考えていたんです…そしてこれが一つの答えです」
杖を振るうエイプリル。すると大腕は動き出すと崖の一部を殴りつける。
岩肌が剥き出した崖は容易く崩れ、その一部の大岩が大和達の元に降ってくる。
家屋数件分程度の巨岩。直撃すればミンチになりかねない代物。
だが大腕は容易く受け止めた。
「すげぇ!?良いじゃあねぇのッ!」
「まだ技の出は遅いので実戦で使うのは難しいですがこんな感じです。まだ改良が必要ですね」
「いやいや立派なもんだぜコイツぁ…能力が分かってまだ半年にも満ちていないのにここまで応用できる程に研ぎ澄ませているタァな…」
『けっ、当然だぜお師匠様よ…なんたってコイツは……うげッ!?』
感心する大和。狗が何か言おうとしていたが、大腕が抑えつけるような形で遮った。
「師匠のご教授の賜物ですよぉ。私は只々師に恵まれただけというか…」
「そんなわけあるかぃ……でもこの調子なら『演目』まで至るのも早そうだな。そしてゆくゆくは【銘付き】の誕生だ。スゴイぜエイプリル」
「そ…そうでしょうかねぇ……えへへへ……」
絶賛しながら頭を撫でる大和。エイプリルは嬉しそうに頬を緩ませた。
「んじゃ!我が可愛い愛弟子が頑張っていることだし!おいちゃんも頑張らないとなぁ!」
「うぃ!私ももっと強く!!」
とそこで同時に腹の音が鳴った。
「……………………………」
「…………………取り敢えず腹ごしらえしてからにすっか…チェルシーから弁当も貰ったし…」
「…………うぃ」
「しまらないなぁ…」と思いながら大和は顔を赤くしたエイプリルと共に食事の準備をした。
「おはようございますぅ睦美様。いつも通り早いですねぇ」
『創世神』【領域】内の食堂。
いつも通りの時間に起床し身支度を整えた睦美が向かうといつも通り朝食の準備を行っているチェルシーの姿があった。
きちんと髪をとかし、しわ一つないメイド服に身に着けている。身支度の後大いに腕を振るった朝食の姿を見ると朝の起床時間の早さは想像に難くない。
よく考えると眠った姿を睦美は見たことが無かった。先週催された宴も夜更け近くまで行われていたのに睦美が寝て起きたら【領域】内はキレイに整えられていた。その手腕に睦美は大いに驚いたのを覚えている。
覚えているのと同時に、こんな有能な従者が何故あんなチャランポランに仕えているのが非常に勿体ない。
(まあ見方を変えればチャランポランだからこそ…仕えがいがあるのか?それとも有能だからあんなチャランポランでも大丈夫なのか?……ふむ……)
前者と後者。個人的にはどちらも該当するでしょうね…と思いながら思考を打ち切る睦美。
とそこでチャランポランで思い出した。
「ところでいつもよりも静かですね…いつもならこの時間には騒々しくなり始めるはずなのですが……」
ここ最近の騒動から疲れが溜まっているのか…と無いなと断じながらもそんな思考をする。
「ああ~ご主人と門司様ならちょっと修行に向かいましたよぉ~」
「なんと、あの二人が修行……今日審判の日でも起こるのでしょうか?」
「エイプリル様とミコ様もそれぞれ付いて修行に行きましたしぃ。今現在この【領域】には睦美様と晴菜様と私しかいませんねぇ」
「おはよ~…」
驚愕する睦美の後ろいつも通りに起きて来た晴菜の間の伸びた声が聞こえた。
「だらっしゃあぁああい!」
叫び声と共に拳を上空に向かって撃ち出す大和。
撃ち出された拳の拳圧により先程まで打たれていた滝は真っ二つに割れた。
「す、スゴイです師匠!滝が逆流する瞬間なんて初めて見ましたっ!」
「だろ?なんせ俺も初めてだからなぁ。漫画で見て「一度はやってみっか」と思って今回の準備運動でやってみたけれど…案外できるもんだなコレ」
目を輝かせているエイプリルにそう返ししつつ滝から上がる大和。濡れた衣服を大雑把に搾り上げた。
「んで準備運動は終わり…次はメインってな」
そう言って先の戦いで考案した新技『龍式炎龍』の構えを取る大和。細胞一つ一つ、血流一流れまで身体操作に意識を研ぎ澄ませる。
すぐに両腕が紅く輝き始め炎が立ち上り始めた。
「わぁ、それが師匠の新技『龍式炎龍』ですか!?」
「うっし、だいぶコツは掴んで来たぞ……あとは持続力」
そう言って演舞の様に『龍桜』の動きを一通り行う大和。一通りの型を問題なく行えるかを測る。
「スゴイかっこいいです師匠ッ!渦巻く炎が師匠を包みまるで炎の装束を纏っているかのようですッ!!」
「豪華だろ?単純威力も上がっているんだぜ……あっ……」
気が少し抜けた部分が生まれてしまったのか、型の終盤で『龍式炎龍』は解けてしまった。
輝きが消えうせた両腕からはプスプスと煙が立ち上った。
「ただ問題は持久力何だよなぁ…単純威力は上がっているんだけどよ、一瞬でも気を緩ますとコレだ…」
それがネックであった。気を緩ますと言葉には出したがそれだけではない。
どうも根本部分でこの技は長く続けることが難しいようである。
【星】の超人的な身体と『龍桜』の身体操作で明らかに異常な身体能力を発揮している以上それは仕方がないモノなのかもしれないが…。
(まあそれが理解るだけでまあ良しだ。こだわって持久力の上限を伸ばす事じゃなくて別部分を上げる事にこだわったら良いからな……)
「とそんな事より、エイプリルは朝早くに本当に付き合わなくても良かったんだぜ?師匠って呼ばれてもそこまでは体育会系じゃあねぇからな」
「うぃ、お気遣いありがとう御座います。師匠に付いて行きたいのもありましたが…少々師匠に見て頂きたいものが御座いまして…」
「俺に?」
「うぃ。私も師匠に倣い新技を考案致しましてその品評をば是非…」
「新技ッ!?マジかよエイプリル!?」
「うぃ」
「見せて見せて!」
「では…」
そう言って杖を構えたエイプリル。同時に能力である『死せる忠臣の影』である狗が現れる。
「『形象変化 大拳』」
言葉と共に発せられる狗の咆哮。銃士の影たちが幾重にも現れ始める。
そこまではこれまで通り……。
だが次からが異なった。
互いに繋ぎ合い折り重なり合う銃士達。重なり合い混ざり合い。やがて境界がなくなり一つの巨大な塊となっていく。
そうして影達は巨人のような大きな腕を一本作り上げた。
「おおッ!?」
「どうですか?これが私が考案した『死せる忠臣の影』の新技体系『形象変化』です」
「一つにして別のモノを作り上げたのか!?」
「うぃ。手数や物量が多い私の能力ですが…どうも単純火力は低いのでそれを補うために考えていたんです…そしてこれが一つの答えです」
杖を振るうエイプリル。すると大腕は動き出すと崖の一部を殴りつける。
岩肌が剥き出した崖は容易く崩れ、その一部の大岩が大和達の元に降ってくる。
家屋数件分程度の巨岩。直撃すればミンチになりかねない代物。
だが大腕は容易く受け止めた。
「すげぇ!?良いじゃあねぇのッ!」
「まだ技の出は遅いので実戦で使うのは難しいですがこんな感じです。まだ改良が必要ですね」
「いやいや立派なもんだぜコイツぁ…能力が分かってまだ半年にも満ちていないのにここまで応用できる程に研ぎ澄ませているタァな…」
『けっ、当然だぜお師匠様よ…なんたってコイツは……うげッ!?』
感心する大和。狗が何か言おうとしていたが、大腕が抑えつけるような形で遮った。
「師匠のご教授の賜物ですよぉ。私は只々師に恵まれただけというか…」
「そんなわけあるかぃ……でもこの調子なら『演目』まで至るのも早そうだな。そしてゆくゆくは【銘付き】の誕生だ。スゴイぜエイプリル」
「そ…そうでしょうかねぇ……えへへへ……」
絶賛しながら頭を撫でる大和。エイプリルは嬉しそうに頬を緩ませた。
「んじゃ!我が可愛い愛弟子が頑張っていることだし!おいちゃんも頑張らないとなぁ!」
「うぃ!私ももっと強く!!」
とそこで同時に腹の音が鳴った。
「……………………………」
「…………………取り敢えず腹ごしらえしてからにすっか…チェルシーから弁当も貰ったし…」
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