19 / 24
19 恋人の年の瀬
しおりを挟む
クリスマスイブの前の日から藤也さんは仕事で忙しくなった。テレビではクリスマスイブは恋人と過ごすものだって言っていたけど、忙しい藤也さんに我が儘は言えない。代わりに十時過ぎに帰ってきた藤也さんと小さなケーキを食べた。
「明日はクリスマスパーティするからな」
寝る前にそう言われて、思わず首に抱きついた。
翌日、約束どおり藤也さんとパーティをした。これがパーティかはわからなかったけど、骨が付いているお肉と綺麗なケーキを一緒に食べた。
「仕事、大丈夫なの?」
「今日帰れなかったら引退するぞって脅したからな」
藤也さんは笑っているけど、もしかして高宮さんは怒っているかもしれない。そう思ったらちょっと怖くなったけど、藤也さんと一緒に過ごせるのが嬉しくてニヤニヤしてしまう。
「俺、シュワシュワしたの初めて飲んだ」
この飲み物も藤也さんが買ってきてくれたものだ。もしかしてお酒なんだろうか。たぶんそうだ。だって、テレビで見たとおりフワフワする。
「おれ、お酒、初めて飲んだ」
「いや、ただの炭酸飲料だぞ?」
「お酒ってすごいなぁ」
「酒は二十歳になってからしか飲ませねぇ……って、おい、まさか炭酸で酔っ払ったのか?」
「あはは、なんだか楽しくなってきた」
前に見たドラマで、お酒を飲んだ人が楽しそうにしていたのが不思議だった。でも、いまならよくわかる。お酒ってこんなにワクワクするんだ。それにフワフワしてドキドキして、何もかもが楽しくなる。
「ったく、思い込みもここまでくりゃあ立派な特技だな。これじゃ、ノンアルコールでも酔っ払いそうな気がしてきた」
藤也さんが何か言っているような気がするけど、フワフワしていた俺はよくわからないまま「あはは」って笑った。そうして気がついたら朝になっていた。窓の外が明るいのを見て、時計を見て、しょんぼりした。
「なんだ、そんなに俺のザーメンほしかったのか?」
「……っ」
お仕置きのとき、クリスマスにザーメンをくれるって藤也さんが言っていた。もちろんそれもほしかったけど、それだけじゃない。せっかくプレゼントの服を買ってもらったのに、結局着ることができなかった。
「サンタのコスプレなら、来年すればいいだろ?」
「……でも、せっかくボスに買ってもらったのに」
「藤生のことなんか気にすんな。ったく、ろくでもねぇこと仕込みやがって」
「……スカートのサンタクロース、嫌いだった?」
「好きか嫌いかで言えば好きだな。それを着たおまえにエロいことをするって考えるだけで楽しい」
「じゃあ、」
「来年のお楽しみだって考えりゃいい」
「そう、かな」
「これからずっと一緒なんだ、気にすることはねぇよ」
そうだ、俺は死ぬまで藤也さんのものだからずっと一緒にいられる。じゃあ来年のクリスマスも一緒にいられるってことだ。そう思ったら嬉しくて口がニヤニヤした。
「あ、」
自分のことばっかりで、すっかり忘れていた。慌てて部屋に行って、クローゼットからサンタクロースの服を入れた袋を取り出す。
「……あった」
両手に載るくらいの大きさの箱を持って、藤也さんのところに戻った。
「あの、これ」
「なんだ?」
「ボスが、プレゼントだって」
「……藤生が?」
なんだか嫌そうな顔をしている。プレゼントって、もしかしてクリスマスの日にあげないとダメだったんだろうか。
「クリスマスプレゼントだって、俺、預かってたんだけど、あの、忘れてて、」
藤也さんは黙ったまま受け取って、綺麗な包み紙をビリビリに破った。
(……ハンドクリーム?)
中身は透明は箱に入ったチューブだった。それが二本入っている。
「……藤生のやろう」
藤也さんの顔が怖くなった。怖い顔だけど、ちょっとだけ笑ってるみたいに見える。
「藤也さん?」
「ベッドの脇の棚に置いておけ」
そう言ってプレゼントの箱を渡された。チューブの箱には英語で、らぶ何とかって書いてある。
「今日から泊まりがけの仕事になる」
「え?」
藤也さんの声に、慌てて顔を上げた。
「代わりに正月休みは完璧にもぎ取った。帰ってくるのは三十日だが、遅くなるかもしれねぇから先に寝ておけ」
「……うん」
「おーおー、一丁前に寂しそうな顔しやがって」
だって、今日は二十六日だ。ってことは四日間も会えないことになる。仕事だからしょうがないってわかっているけど、やっぱり寂しい。
「飯は冷蔵庫と冷凍庫に入れてある。書いてある日付の順に温めて食べろ。絶対に抜くなよ? 三十一日にひん剥いて確かめるからな」
「ひんむくって」
「もし痩せてたら……そうだなぁ。俺のザーメンはお預けだ」
「や、やだ」
そんな意地悪は嫌だって慌てて藤也さんの腕を掴んだ。そうしたら「意味わかってんのか?」ってニヤニヤ笑われた。
もちろんちゃんとわかっている。俺のお腹の中に藤也さんのザーメンを出してもらうってことだ。
「いい子でいろよ?」
「……うん」
頭をポンって撫でて、真っ黒なコートを着た藤也さんが仕事に行ってしまった。
それからの俺は、毎日ちょっとだけぼんやりする時間が増えた。掃除も洗濯もしているけど、英語の勉強はいつもより短くなった。代わりに藤也さんの写真を見る時間が長くなった。そんなふうに毎日が過ぎて、やっと三十日になった。
「何時に帰って来るのかなぁ」
夜遅くなるっていうのは何時くらいだろう。先に寝ておけって言ったってことは、十二時くらいだろうか。
本当は帰ってくるまで待っていたいけど、寝てろって言われたから寝ないといけない。いい子でいろって言われたから、いい子でいないといけない。
「じゃないと、藤也さんに嫌われるかもしれない」
藤也さんに嫌われないように掃除と洗濯を頑張ってやった。時間は減ったけど英会話も毎日聞いた。あんまりお腹は空かなかったけど食べないとダメだからちゃんと食べた。
「これが最後の夜ご飯だ」
これを食べたら藤也さんが帰って来る。
ご飯を食べてから食器を洗って、お風呂に入った。歯磨きをして、トイレに行って、それから藤也さんのベッドの端っこに潜り込む。薄暗い部屋でも、時計の針と数字が光っているから時間が見えた。
「十一時半、」
もう帰って来るかな。まだ帰って来ないかな。もう一度、時計を見る。
「十一時四十分、」
ベッドの中でゴロンと反対側を向く。しばらくして、またゴロン。ゴロン、ゴロン。何回かゴロンってしていたら、ようやく眠くなってきた。
「相変わらず子どもみてぇな寝相だな」
藤也さんの声がする。夢か、それとも本当に帰ってきたんだろうか。
「これだけでかいベッドなのに、なんで端っこで丸くなって寝るかなぁ」
だって、丸くなったら怖くなくなるんだ。大雨の日も、ご飯がないときも、電気がつかなくなったときも、丸くなって寝たら怖くなかった。お母さんがいなくなったときも、丸くなって寝たから怖くなくなった。
「泣くな。もうおまえは一人じゃない」
本当に? もう、一人じゃない?
「これからずっと俺が側にいる」
もう、一人で待ってなくてもいいってこと? もう、置いていかれたりしないってこと?
「準備はできた。おまえはもう一人じゃない」
おでこにチュッてキスされた。
(……そっか、俺、一人じゃないんだ)
暗くて狭い部屋で待っていなくてもいいんだ。もう置いていかれたりしないんだ。
ほっぺたにキスされて、鼻にもキスされてホッとした。だって、藤也さんは俺に嘘をつかない。だから、俺はもう一人じゃない。藤也さんの側にいられる。ずっと一緒にいられる。
そう思ったらほっぺたがふにゃってして、口にもキスをされた。チュッチュッて、口がくっつくだけのキス。口の中を舐め回すキスも好きだけど、チュッてするだけのキスも好きだ。
「知ってるよ」
そっか。藤也さんって、やっぱりなんでも知っている。すごいなぁ。すごくて、かっこよくて、大好き。
「そりゃどうも」
藤也さんが笑った気がした。
嬉しいなぁって思っていたら、体がふわって浮いた。浮いたままギュッて抱きしめられている気がする。ゆらゆら揺れている気がしたけど、俺はそのまま眠ってしまった。
「明日はクリスマスパーティするからな」
寝る前にそう言われて、思わず首に抱きついた。
翌日、約束どおり藤也さんとパーティをした。これがパーティかはわからなかったけど、骨が付いているお肉と綺麗なケーキを一緒に食べた。
「仕事、大丈夫なの?」
「今日帰れなかったら引退するぞって脅したからな」
藤也さんは笑っているけど、もしかして高宮さんは怒っているかもしれない。そう思ったらちょっと怖くなったけど、藤也さんと一緒に過ごせるのが嬉しくてニヤニヤしてしまう。
「俺、シュワシュワしたの初めて飲んだ」
この飲み物も藤也さんが買ってきてくれたものだ。もしかしてお酒なんだろうか。たぶんそうだ。だって、テレビで見たとおりフワフワする。
「おれ、お酒、初めて飲んだ」
「いや、ただの炭酸飲料だぞ?」
「お酒ってすごいなぁ」
「酒は二十歳になってからしか飲ませねぇ……って、おい、まさか炭酸で酔っ払ったのか?」
「あはは、なんだか楽しくなってきた」
前に見たドラマで、お酒を飲んだ人が楽しそうにしていたのが不思議だった。でも、いまならよくわかる。お酒ってこんなにワクワクするんだ。それにフワフワしてドキドキして、何もかもが楽しくなる。
「ったく、思い込みもここまでくりゃあ立派な特技だな。これじゃ、ノンアルコールでも酔っ払いそうな気がしてきた」
藤也さんが何か言っているような気がするけど、フワフワしていた俺はよくわからないまま「あはは」って笑った。そうして気がついたら朝になっていた。窓の外が明るいのを見て、時計を見て、しょんぼりした。
「なんだ、そんなに俺のザーメンほしかったのか?」
「……っ」
お仕置きのとき、クリスマスにザーメンをくれるって藤也さんが言っていた。もちろんそれもほしかったけど、それだけじゃない。せっかくプレゼントの服を買ってもらったのに、結局着ることができなかった。
「サンタのコスプレなら、来年すればいいだろ?」
「……でも、せっかくボスに買ってもらったのに」
「藤生のことなんか気にすんな。ったく、ろくでもねぇこと仕込みやがって」
「……スカートのサンタクロース、嫌いだった?」
「好きか嫌いかで言えば好きだな。それを着たおまえにエロいことをするって考えるだけで楽しい」
「じゃあ、」
「来年のお楽しみだって考えりゃいい」
「そう、かな」
「これからずっと一緒なんだ、気にすることはねぇよ」
そうだ、俺は死ぬまで藤也さんのものだからずっと一緒にいられる。じゃあ来年のクリスマスも一緒にいられるってことだ。そう思ったら嬉しくて口がニヤニヤした。
「あ、」
自分のことばっかりで、すっかり忘れていた。慌てて部屋に行って、クローゼットからサンタクロースの服を入れた袋を取り出す。
「……あった」
両手に載るくらいの大きさの箱を持って、藤也さんのところに戻った。
「あの、これ」
「なんだ?」
「ボスが、プレゼントだって」
「……藤生が?」
なんだか嫌そうな顔をしている。プレゼントって、もしかしてクリスマスの日にあげないとダメだったんだろうか。
「クリスマスプレゼントだって、俺、預かってたんだけど、あの、忘れてて、」
藤也さんは黙ったまま受け取って、綺麗な包み紙をビリビリに破った。
(……ハンドクリーム?)
中身は透明は箱に入ったチューブだった。それが二本入っている。
「……藤生のやろう」
藤也さんの顔が怖くなった。怖い顔だけど、ちょっとだけ笑ってるみたいに見える。
「藤也さん?」
「ベッドの脇の棚に置いておけ」
そう言ってプレゼントの箱を渡された。チューブの箱には英語で、らぶ何とかって書いてある。
「今日から泊まりがけの仕事になる」
「え?」
藤也さんの声に、慌てて顔を上げた。
「代わりに正月休みは完璧にもぎ取った。帰ってくるのは三十日だが、遅くなるかもしれねぇから先に寝ておけ」
「……うん」
「おーおー、一丁前に寂しそうな顔しやがって」
だって、今日は二十六日だ。ってことは四日間も会えないことになる。仕事だからしょうがないってわかっているけど、やっぱり寂しい。
「飯は冷蔵庫と冷凍庫に入れてある。書いてある日付の順に温めて食べろ。絶対に抜くなよ? 三十一日にひん剥いて確かめるからな」
「ひんむくって」
「もし痩せてたら……そうだなぁ。俺のザーメンはお預けだ」
「や、やだ」
そんな意地悪は嫌だって慌てて藤也さんの腕を掴んだ。そうしたら「意味わかってんのか?」ってニヤニヤ笑われた。
もちろんちゃんとわかっている。俺のお腹の中に藤也さんのザーメンを出してもらうってことだ。
「いい子でいろよ?」
「……うん」
頭をポンって撫でて、真っ黒なコートを着た藤也さんが仕事に行ってしまった。
それからの俺は、毎日ちょっとだけぼんやりする時間が増えた。掃除も洗濯もしているけど、英語の勉強はいつもより短くなった。代わりに藤也さんの写真を見る時間が長くなった。そんなふうに毎日が過ぎて、やっと三十日になった。
「何時に帰って来るのかなぁ」
夜遅くなるっていうのは何時くらいだろう。先に寝ておけって言ったってことは、十二時くらいだろうか。
本当は帰ってくるまで待っていたいけど、寝てろって言われたから寝ないといけない。いい子でいろって言われたから、いい子でいないといけない。
「じゃないと、藤也さんに嫌われるかもしれない」
藤也さんに嫌われないように掃除と洗濯を頑張ってやった。時間は減ったけど英会話も毎日聞いた。あんまりお腹は空かなかったけど食べないとダメだからちゃんと食べた。
「これが最後の夜ご飯だ」
これを食べたら藤也さんが帰って来る。
ご飯を食べてから食器を洗って、お風呂に入った。歯磨きをして、トイレに行って、それから藤也さんのベッドの端っこに潜り込む。薄暗い部屋でも、時計の針と数字が光っているから時間が見えた。
「十一時半、」
もう帰って来るかな。まだ帰って来ないかな。もう一度、時計を見る。
「十一時四十分、」
ベッドの中でゴロンと反対側を向く。しばらくして、またゴロン。ゴロン、ゴロン。何回かゴロンってしていたら、ようやく眠くなってきた。
「相変わらず子どもみてぇな寝相だな」
藤也さんの声がする。夢か、それとも本当に帰ってきたんだろうか。
「これだけでかいベッドなのに、なんで端っこで丸くなって寝るかなぁ」
だって、丸くなったら怖くなくなるんだ。大雨の日も、ご飯がないときも、電気がつかなくなったときも、丸くなって寝たら怖くなかった。お母さんがいなくなったときも、丸くなって寝たから怖くなくなった。
「泣くな。もうおまえは一人じゃない」
本当に? もう、一人じゃない?
「これからずっと俺が側にいる」
もう、一人で待ってなくてもいいってこと? もう、置いていかれたりしないってこと?
「準備はできた。おまえはもう一人じゃない」
おでこにチュッてキスされた。
(……そっか、俺、一人じゃないんだ)
暗くて狭い部屋で待っていなくてもいいんだ。もう置いていかれたりしないんだ。
ほっぺたにキスされて、鼻にもキスされてホッとした。だって、藤也さんは俺に嘘をつかない。だから、俺はもう一人じゃない。藤也さんの側にいられる。ずっと一緒にいられる。
そう思ったらほっぺたがふにゃってして、口にもキスをされた。チュッチュッて、口がくっつくだけのキス。口の中を舐め回すキスも好きだけど、チュッてするだけのキスも好きだ。
「知ってるよ」
そっか。藤也さんって、やっぱりなんでも知っている。すごいなぁ。すごくて、かっこよくて、大好き。
「そりゃどうも」
藤也さんが笑った気がした。
嬉しいなぁって思っていたら、体がふわって浮いた。浮いたままギュッて抱きしめられている気がする。ゆらゆら揺れている気がしたけど、俺はそのまま眠ってしまった。
50
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
異世界に勇者として召喚された俺、ラスボスの魔王に敗北したら城に囚われ執着と独占欲まみれの甘い生活が始まりました
水凪しおん
BL
ごく普通の日本人だった俺、ハルキは、事故であっけなく死んだ――と思ったら、剣と魔法の異世界で『勇者』として目覚めた。
世界の命運を背負い、魔王討伐へと向かった俺を待っていたのは、圧倒的な力を持つ美しき魔王ゼノン。
「見つけた、俺の運命」
敗北した俺に彼が告げたのは、死の宣告ではなく、甘い所有宣言だった。
冷徹なはずの魔王は、俺を城に囚え、身も心も蕩けるほどに溺愛し始める。
食事も、着替えも、眠る時でさえ彼の腕の中。
その執着と独占欲に戸惑いながらも、時折見せる彼の孤独な瞳に、俺の心は抗いがたく惹かれていく。
敵同士から始まる、歪で甘い主従関係。
世界を敵に回しても手に入れたい、唯一の愛の物語。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる