1 / 9
熟した蕾の花嫁1
しおりを挟む
大陸の東側を支配する帝国には、世界一美しい“Ω宮”と呼ばれる建物がある。大陸のあちこちから献上されたΩが住むこの場所は三つの区域にわかれていた。
一つは、皇帝のお渡りがないΩたちが住む“蕾宮”。まだ発情を迎えていない若年のΩや、皇帝のお渡りを受けていない手つかずのΩたちが住んでいる。
一つは、一度でも皇帝のお渡りを受けたΩたちが住む“開花宮”。形としては妃の地位にあるΩが住まう場所だったが、そのまま皇帝のお渡りがなくなるΩも住んでいた。
そして最後の一つが“大輪宮”。皇帝のお渡りを受けたのち、とくによい香りを放つΩのみが住むことを許されている場所で、別名“寵妃の宮”と呼ばれている。
黒髪黒目のΩが多いなか、蕾宮には金髪緑眼のΩがいた。しかも男性体で年もそこそこ重ねている。元は異国で剣を振るっていたからか、ほかのΩに比べると体格もよく男らしい雰囲気を残していた。
「キーシュ様、これはどちらに運べばいいの?」
「あぁ、壺は重いからわたしが運ぶよ。きみはあちらの掛け軸を運んでくれるかな」
「はぁい」
明るい返事にキーシュの緑眼が優しく微笑む。華奢な腕で掛け軸を抱えているのはひと月ほど前に蕾宮にやって来たΩで、帝国の北の端に住む北方民族の娘だ。帝国への恭順を示すために差し出された献上品だと言われている。
(あのように若い娘がなぁ)
小さくため息をついたキーシュは、娘が運ぼうとしていた壺を抱えて蕾宮の空き部屋へと持っていく。
本来は侍女たちの仕事であるが、手持ち無沙汰が性に合わないキーシュは率先して蕾宮での仕事をこなしていた。そんなキーシュに侍女たちは尊敬と憧れに似た感情を抱き、同じように若年のΩたちもキーシュを慕っている。
「あぁ、掛け軸はそこに置いておいて。さぁ、荷物運びはこれで終わりだ。きみは奥でお菓子でももらってきなさい」
「はぁい」
先ほどより明るい返事にキーシュの顔がほころんだ。少女にいつ皇帝のお渡りがあるかはわからないが、それまでは蕾宮で健やかに過ごしてほしい。そうした環境を整えるのも最年長となった自分の役目だとキーシュは考えていた。
(さて、新しいΩはどんなお方だろうか)
間もなく新しいΩが蕾宮にやって来る。今度は南の島からの献上品だと聞いた。年は二十の手前で、すでに発情を迎えているらしい。
(ということは、早くにお渡りがあるかもしれないのか)
掛け軸を運んだ少女よりも先に開花宮へ行くことになるかもしれない。自分はまた見送る側になるのだろうと思うと多少複雑な気持ちになる。それでも帝国で初めて住む部屋がここになるのだから、心安らかに過ごせる環境を整えてやりたい。
(掛け軸に壺に……そうだ、花も飾っておくか)
たしか南のほうの花が温室で咲き始めた頃だ。それを飾れば少しは癒やされるのではないだろうか。そう考えたキーシュは蕾宮の東側にある温室へと向かった。
思ったとおり、温室には色鮮やかな花々が咲き誇っていた。その中でもとくに香りがよいものを選び、咲き始めと蕾のものを選んでいく。一輪が大きいからか、十数本選んだところで両手に抱えるほどの花束になった。
(このくらいで十分か)
花束を抱えながら温室を出たところで「温室から花の女神が出てきたのかと思いました」という声が聞こえてきた。すっかり馴染みになった声にキーシュが小さなため息をつく。
「どうしてきみはこうも頻繁にΩ宮に潜り込むのかな」
「やだなぁ、ちゃんと許可証はもらってますよ? ほら」
そう言って男が差し出した紙には、Ω宮を管理する高級官吏の印が押されている。
「高級官吏の息子だから持っているだけだろう? いくら地位が高いといっても、きみはαだ。こう何度もΩ宮に入っていては、いずれ皇帝陛下に咎められてしまうよ」
「それで罰を受けるのはきみだ」とたしなめるキーシュに、黒髪黒目の男はにっこり微笑みかけた。
「大丈夫ですよ、俺はそんなヘマはしませんから。それにΩ宮全体が後宮ってわけじゃありませんからね。ぶっちゃけて言うなら、大輪宮にさえ行かなければ陛下からお咎めを受けることもありません」
「それはそうかもしれないけど……」
公ではα禁制、男子禁制と言われているΩ宮だが、実際に皇帝の後宮と呼ばれているのは大輪宮と呼ばれる区域だけだ。そしてそのことはαもΩも知っている。
「蕾宮は高貴なαがΩを見つける場所」と揶揄されることもあるくらいで、許可証さえ手にできれば中に入ることができた。さすがに開花宮はそうもいかないが、皇帝からの下賜という形で有力貴族や帝室のαに引き取られるΩもいる。だからといってαが堂々と蕾宮に入ってよいわけではない。
「蕾宮のΩを娶りたいのなら、手順に従ってもらわないと困る」
「あはは、キーシュさんったら蕾宮の監督官吏みたいなこと言っちゃって」
「そういうわけじゃないけど……」
「わかってますよ。キーシュさんは真面目な人ですからね。そういうキーシュさん、俺は好きですけど」
好きという言葉にキーシュの肩がわずかに反応した。もし花を抱えていなければ動揺する姿を見られたかもしれないと唇をキュッと引き締める。
「そういう冗談はよくない」
「冗談じゃないんだけどなぁ」
「それなら、なおのことよくない。それに僕は三十になったΩだ。皇帝のお渡りも望めない年齢だ。そんな僕に、まだ二十二歳の若いきみがこうも頻繁に会いに来ていては、よい縁談が来なくなるだろう?」
キーシュは十七のときにΩ宮に来た。祖国は帝国よりずっと西にある国で、没落貴族の最後の跡取りとして生を受けた。ところが十七歳を前にΩだと判明し、家を継ぐことができなくなってしまった。祖国ではΩは跡取りとして認められていないからだ。
キーシュは家がなくなったあとの家族の生活のことを考え、東の帝国に身売りすることにした。金髪のΩは東での価値が高く、しかも没落したとはいえ貴族の身でもある。皇帝への献上品として価値があると踏んでのことだった。そうして高値を提示した商人から帝国の下級貴族へ引き渡され、十七歳を迎えた直後に蕾宮へと入った。
(最初の頃は、いつお渡りがあるのか戦々恐々としていたっけ)
それも半年、一年と時間が経つにつれて消えていった。
「おそらく自分に皇帝のお渡りはない」
そう思ったのは十八歳を前にしたときだった。たしかに金髪は珍しいが、もともと西の人間は東の人間に比べて大きく育つ。遅くにΩだと判明したキーシュは同年代のΩに比べ体が大きいため皇帝のお気に召さなかったのだろう。
それから十三年、キーシュのもとに皇帝がやって来ることは一度もなかった。ほかのαに求められることもなく、こうして蕾宮の最年長として新米Ωたちの世話を焼く日々を送っている。
「僕のことまで心配してくれるんですか? キーシュさんは優しいなぁ」
「そういうことじゃないだろう」
「そういうことですよ。僕みたいなαの心配までしてくれるなんて、そんなキーシュさんも好きです」
今度は胸の奥がズキッとした。こんなふうに自分に好意を寄せてくれるαもいるのだと思うと、わずかに体が熱くなる。軽い発情しか経験したことがないキーシュも、このときばかりは自分もΩなのだと実感させられた。
(それでも、彼のためにはならない)
こんな行き遅れのようなΩに関わっていてはよくない噂が流れる。いくら高級官吏の息子だとしても、噂で身を滅ぼすこともあるだろう。
「あまりΩ宮に来ないほうがいい。これはきみのためでもあるし、蕾宮の最年長としてもきちんと言わせてもらうよ」
少し厳しいことを口にしたキーシュに黒目が小さく笑った。
「その花、持ちますね」
両手いっぱいに抱えていた花をすべて奪われてしまった。行き場をなくした手を一度ぐっと握り、隣に立つ男を横目でちらりと見る。キーシュはΩにしては大きいほうだが、やはりαよりは小柄だ。頭半分大きい体にほんの少し胸がざわつく。
「これ、新しく来るΩのための花でしょう? やっぱりキーシュさんは優しいなぁ。そういうところも好きですよ」
「シュクラ」
「ありがとう」とは言えず、代わりに咎めるように名を呼んだ。本当は「僕も優しいきみが好きだよ」と言いたい。しかし、余計な気持ちまで込めてしまいそうな「好き」は友人に対する言葉としてはふさわしくない。
(そうだ。僕が抱いているこの思いは友人に対する好意じゃない)
頻繁に蕾宮にやって来るようになったシュクラとは、気がつけば友人のような間柄になっていた。八歳も年下のαを友人と思うのはどうかと思ったのも最初だけで、顔を合わせ言葉を交わすのが密かな楽しみになった。
それが、いつの頃からか友人以上の気持ちを抱くようになってしまった。しかしキーシュは蕾宮の住人だ。たとえ皇帝のお渡りがなくても皇帝に捧げられたΩであることに変わりはない。正式な手順を踏めばΩ宮から出ることはできるものの、そう簡単でないこともわかっている。抱いているこの気持ちは、シュクラの未来のためにも隠し通さなくてはならない。
キーシュは花を抱えて歩き出した若いαの背中を見て、再び小さくため息をついた。
一つは、皇帝のお渡りがないΩたちが住む“蕾宮”。まだ発情を迎えていない若年のΩや、皇帝のお渡りを受けていない手つかずのΩたちが住んでいる。
一つは、一度でも皇帝のお渡りを受けたΩたちが住む“開花宮”。形としては妃の地位にあるΩが住まう場所だったが、そのまま皇帝のお渡りがなくなるΩも住んでいた。
そして最後の一つが“大輪宮”。皇帝のお渡りを受けたのち、とくによい香りを放つΩのみが住むことを許されている場所で、別名“寵妃の宮”と呼ばれている。
黒髪黒目のΩが多いなか、蕾宮には金髪緑眼のΩがいた。しかも男性体で年もそこそこ重ねている。元は異国で剣を振るっていたからか、ほかのΩに比べると体格もよく男らしい雰囲気を残していた。
「キーシュ様、これはどちらに運べばいいの?」
「あぁ、壺は重いからわたしが運ぶよ。きみはあちらの掛け軸を運んでくれるかな」
「はぁい」
明るい返事にキーシュの緑眼が優しく微笑む。華奢な腕で掛け軸を抱えているのはひと月ほど前に蕾宮にやって来たΩで、帝国の北の端に住む北方民族の娘だ。帝国への恭順を示すために差し出された献上品だと言われている。
(あのように若い娘がなぁ)
小さくため息をついたキーシュは、娘が運ぼうとしていた壺を抱えて蕾宮の空き部屋へと持っていく。
本来は侍女たちの仕事であるが、手持ち無沙汰が性に合わないキーシュは率先して蕾宮での仕事をこなしていた。そんなキーシュに侍女たちは尊敬と憧れに似た感情を抱き、同じように若年のΩたちもキーシュを慕っている。
「あぁ、掛け軸はそこに置いておいて。さぁ、荷物運びはこれで終わりだ。きみは奥でお菓子でももらってきなさい」
「はぁい」
先ほどより明るい返事にキーシュの顔がほころんだ。少女にいつ皇帝のお渡りがあるかはわからないが、それまでは蕾宮で健やかに過ごしてほしい。そうした環境を整えるのも最年長となった自分の役目だとキーシュは考えていた。
(さて、新しいΩはどんなお方だろうか)
間もなく新しいΩが蕾宮にやって来る。今度は南の島からの献上品だと聞いた。年は二十の手前で、すでに発情を迎えているらしい。
(ということは、早くにお渡りがあるかもしれないのか)
掛け軸を運んだ少女よりも先に開花宮へ行くことになるかもしれない。自分はまた見送る側になるのだろうと思うと多少複雑な気持ちになる。それでも帝国で初めて住む部屋がここになるのだから、心安らかに過ごせる環境を整えてやりたい。
(掛け軸に壺に……そうだ、花も飾っておくか)
たしか南のほうの花が温室で咲き始めた頃だ。それを飾れば少しは癒やされるのではないだろうか。そう考えたキーシュは蕾宮の東側にある温室へと向かった。
思ったとおり、温室には色鮮やかな花々が咲き誇っていた。その中でもとくに香りがよいものを選び、咲き始めと蕾のものを選んでいく。一輪が大きいからか、十数本選んだところで両手に抱えるほどの花束になった。
(このくらいで十分か)
花束を抱えながら温室を出たところで「温室から花の女神が出てきたのかと思いました」という声が聞こえてきた。すっかり馴染みになった声にキーシュが小さなため息をつく。
「どうしてきみはこうも頻繁にΩ宮に潜り込むのかな」
「やだなぁ、ちゃんと許可証はもらってますよ? ほら」
そう言って男が差し出した紙には、Ω宮を管理する高級官吏の印が押されている。
「高級官吏の息子だから持っているだけだろう? いくら地位が高いといっても、きみはαだ。こう何度もΩ宮に入っていては、いずれ皇帝陛下に咎められてしまうよ」
「それで罰を受けるのはきみだ」とたしなめるキーシュに、黒髪黒目の男はにっこり微笑みかけた。
「大丈夫ですよ、俺はそんなヘマはしませんから。それにΩ宮全体が後宮ってわけじゃありませんからね。ぶっちゃけて言うなら、大輪宮にさえ行かなければ陛下からお咎めを受けることもありません」
「それはそうかもしれないけど……」
公ではα禁制、男子禁制と言われているΩ宮だが、実際に皇帝の後宮と呼ばれているのは大輪宮と呼ばれる区域だけだ。そしてそのことはαもΩも知っている。
「蕾宮は高貴なαがΩを見つける場所」と揶揄されることもあるくらいで、許可証さえ手にできれば中に入ることができた。さすがに開花宮はそうもいかないが、皇帝からの下賜という形で有力貴族や帝室のαに引き取られるΩもいる。だからといってαが堂々と蕾宮に入ってよいわけではない。
「蕾宮のΩを娶りたいのなら、手順に従ってもらわないと困る」
「あはは、キーシュさんったら蕾宮の監督官吏みたいなこと言っちゃって」
「そういうわけじゃないけど……」
「わかってますよ。キーシュさんは真面目な人ですからね。そういうキーシュさん、俺は好きですけど」
好きという言葉にキーシュの肩がわずかに反応した。もし花を抱えていなければ動揺する姿を見られたかもしれないと唇をキュッと引き締める。
「そういう冗談はよくない」
「冗談じゃないんだけどなぁ」
「それなら、なおのことよくない。それに僕は三十になったΩだ。皇帝のお渡りも望めない年齢だ。そんな僕に、まだ二十二歳の若いきみがこうも頻繁に会いに来ていては、よい縁談が来なくなるだろう?」
キーシュは十七のときにΩ宮に来た。祖国は帝国よりずっと西にある国で、没落貴族の最後の跡取りとして生を受けた。ところが十七歳を前にΩだと判明し、家を継ぐことができなくなってしまった。祖国ではΩは跡取りとして認められていないからだ。
キーシュは家がなくなったあとの家族の生活のことを考え、東の帝国に身売りすることにした。金髪のΩは東での価値が高く、しかも没落したとはいえ貴族の身でもある。皇帝への献上品として価値があると踏んでのことだった。そうして高値を提示した商人から帝国の下級貴族へ引き渡され、十七歳を迎えた直後に蕾宮へと入った。
(最初の頃は、いつお渡りがあるのか戦々恐々としていたっけ)
それも半年、一年と時間が経つにつれて消えていった。
「おそらく自分に皇帝のお渡りはない」
そう思ったのは十八歳を前にしたときだった。たしかに金髪は珍しいが、もともと西の人間は東の人間に比べて大きく育つ。遅くにΩだと判明したキーシュは同年代のΩに比べ体が大きいため皇帝のお気に召さなかったのだろう。
それから十三年、キーシュのもとに皇帝がやって来ることは一度もなかった。ほかのαに求められることもなく、こうして蕾宮の最年長として新米Ωたちの世話を焼く日々を送っている。
「僕のことまで心配してくれるんですか? キーシュさんは優しいなぁ」
「そういうことじゃないだろう」
「そういうことですよ。僕みたいなαの心配までしてくれるなんて、そんなキーシュさんも好きです」
今度は胸の奥がズキッとした。こんなふうに自分に好意を寄せてくれるαもいるのだと思うと、わずかに体が熱くなる。軽い発情しか経験したことがないキーシュも、このときばかりは自分もΩなのだと実感させられた。
(それでも、彼のためにはならない)
こんな行き遅れのようなΩに関わっていてはよくない噂が流れる。いくら高級官吏の息子だとしても、噂で身を滅ぼすこともあるだろう。
「あまりΩ宮に来ないほうがいい。これはきみのためでもあるし、蕾宮の最年長としてもきちんと言わせてもらうよ」
少し厳しいことを口にしたキーシュに黒目が小さく笑った。
「その花、持ちますね」
両手いっぱいに抱えていた花をすべて奪われてしまった。行き場をなくした手を一度ぐっと握り、隣に立つ男を横目でちらりと見る。キーシュはΩにしては大きいほうだが、やはりαよりは小柄だ。頭半分大きい体にほんの少し胸がざわつく。
「これ、新しく来るΩのための花でしょう? やっぱりキーシュさんは優しいなぁ。そういうところも好きですよ」
「シュクラ」
「ありがとう」とは言えず、代わりに咎めるように名を呼んだ。本当は「僕も優しいきみが好きだよ」と言いたい。しかし、余計な気持ちまで込めてしまいそうな「好き」は友人に対する言葉としてはふさわしくない。
(そうだ。僕が抱いているこの思いは友人に対する好意じゃない)
頻繁に蕾宮にやって来るようになったシュクラとは、気がつけば友人のような間柄になっていた。八歳も年下のαを友人と思うのはどうかと思ったのも最初だけで、顔を合わせ言葉を交わすのが密かな楽しみになった。
それが、いつの頃からか友人以上の気持ちを抱くようになってしまった。しかしキーシュは蕾宮の住人だ。たとえ皇帝のお渡りがなくても皇帝に捧げられたΩであることに変わりはない。正式な手順を踏めばΩ宮から出ることはできるものの、そう簡単でないこともわかっている。抱いているこの気持ちは、シュクラの未来のためにも隠し通さなくてはならない。
キーシュは花を抱えて歩き出した若いαの背中を見て、再び小さくため息をついた。
42
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?
krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」
突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。
なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!?
全力すれ違いラブコメファンタジーBL!
支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。
【本編完結】処刑台の元婚約者は無実でした~聖女に騙された元王太子が幸せになるまで~
TOY
BL
【本編完結・後日譚更新中】
公開処刑のその日、王太子メルドは元婚約者で“稀代の悪女”とされたレイチェルの最期を見届けようとしていた。
しかし「最後のお別れの挨拶」で現婚約者候補の“聖女”アリアの裏の顔を、偶然にも暴いてしまい……!?
王位継承権、婚約、信頼、すべてを失った王子のもとに残ったのは、幼馴染であり護衛騎士のケイ。
これは、聖女に騙され全てを失った王子と、その護衛騎士のちょっとズレた恋の物語。
※別で投稿している作品、
『物語によくいる「ざまぁされる王子」に転生したら』の全年齢版です。
設定と後半の展開が少し変わっています。
※後日譚を追加しました。
後日譚① レイチェル視点→メルド視点
後日譚② 王弟→王→ケイ視点
後日譚③ メルド視点
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる