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未来の人類の探しもの
とある未来、人類の探しものは食肉だった。
今まで食べていた家畜の豚や牛、鶏や羊が相次いで謎のウイルスに感染して死んでいったのだ。さらに、各国の政府が謎のウイルスが人間にも感染する事を恐れ、多くの家畜を殺処分としたため、食肉が圧倒的に不足した。
牛は乳牛の確保と繁殖のため、鶏もまた卵を産む卵用鶏の確保と繁殖のため、さらに豚もまた繁殖のために、食肉となる個体が激減した。なおかつ、羊は食肉用に飼われていた家畜が、不足していた羊毛を取るための家畜へと移されたため、羊の食肉はほとんど出回らなくなった。
そのことで、狩猟で取れるジビエ肉などは需要が高まって、庶民が手を出せない途方も無い価格に高騰した。そういった状況の中で各国の政府は対策を急務としていた。
そんなとき、韓国政府がある声明を発表した。内容は、食用の犬を各国に輸出する用意があるというものだった。韓国では古くから犬食文化が受け継がれて来ていた。
これに当然、犬食を忌み嫌い、禁止している欧米や日本などの先進国や、宗教的な理由で犬食をタブーとするイスラエルなどの国々は、これを拒否する声明を発表した。しかし、しばらくして、犬は現在発生しているウイルスに感染することがないという研究結果を韓国政府が発表すると、アフリカや南米、アジアなどの後進国が、食用犬の輸出を求めて韓国と協議を始めた。
食べる動物を選んでなどいられない程に後進国の国民は困窮していたのだ。さらに、この協議に参加する国の増加に拍車をかけたのが、数多くのイスラム法学者が危機的状況であるとして、犬を食べてよいとするファトワーと呼ばれる勧告を出した事だ。その効果は絶大で、これによってイスラム教徒が人口の大多数を占める国々も、韓国との食用犬輸出の協議に参加し始めた。
それからまもなくして、協議に参加した国に食用犬が数多く輸出され、犬の肉を食べる人が増加していった。これに対し、犬食を禁止する先進国や宗教的な理由で犬食をタブーとするイスラエルなどの国々が共同で、犬食を認める国々を非難する声明を発表した。
声明の内容は、犬は警察犬や災害犬、盲導犬、そして人々を癒やすペットとして、人間を助けるとても有能な動物であるから、犬を食べる行為は人の道を外れる外道な行いであるというものだった。
しかし、これに対して、韓国を始めとする犬食を認めている国々が共同で、反論する声明を発表した。
内容は、犬食を禁止する先進国やイスラエルなどの国々で、食べられている牛や豚、鶏や羊だって人間の生活を助ける有能な動物ではないか。牛は人間が食べる数多くの料理に必要な牛乳を与えてくれるし、鶏も数多くの料理に使われる鶏卵を恵んでくれている。羊から取れる羊毛だって人間の生活必需品を作る上で重要なものだ。だから、人間にとって有能な生き物だから食べないという考えは矛盾に満ちているというものであった。
この声明が発表されると、犬食を禁止する国々でも犬食を認めるよう求める世論が上がり始めた。動物の肉を食べることが出来ない事に限界を迎える国民が出始めたのだ。
その世論は日を増すごとに高まり、やがて今まで犬食を禁じていた国の政府も、その世論を無視することができなくなっていった。
そして、やがてどの国々でも犬食を推奨する事はしないが、禁止するというのは取り消されていった。最初の内は動物愛護を求める運動などから犬食は激しい非難を受けていたが、やがて少しずつ犬食文化は各国で広まっていった。そうして、数年後には世界の人口の半分以上の人々が犬食を行うようになっていた。
結局、動物の一生や生きる環境は、人間の考え方や状況一つで簡単に変わってしまうのだ。
今まで食べていた家畜の豚や牛、鶏や羊が相次いで謎のウイルスに感染して死んでいったのだ。さらに、各国の政府が謎のウイルスが人間にも感染する事を恐れ、多くの家畜を殺処分としたため、食肉が圧倒的に不足した。
牛は乳牛の確保と繁殖のため、鶏もまた卵を産む卵用鶏の確保と繁殖のため、さらに豚もまた繁殖のために、食肉となる個体が激減した。なおかつ、羊は食肉用に飼われていた家畜が、不足していた羊毛を取るための家畜へと移されたため、羊の食肉はほとんど出回らなくなった。
そのことで、狩猟で取れるジビエ肉などは需要が高まって、庶民が手を出せない途方も無い価格に高騰した。そういった状況の中で各国の政府は対策を急務としていた。
そんなとき、韓国政府がある声明を発表した。内容は、食用の犬を各国に輸出する用意があるというものだった。韓国では古くから犬食文化が受け継がれて来ていた。
これに当然、犬食を忌み嫌い、禁止している欧米や日本などの先進国や、宗教的な理由で犬食をタブーとするイスラエルなどの国々は、これを拒否する声明を発表した。しかし、しばらくして、犬は現在発生しているウイルスに感染することがないという研究結果を韓国政府が発表すると、アフリカや南米、アジアなどの後進国が、食用犬の輸出を求めて韓国と協議を始めた。
食べる動物を選んでなどいられない程に後進国の国民は困窮していたのだ。さらに、この協議に参加する国の増加に拍車をかけたのが、数多くのイスラム法学者が危機的状況であるとして、犬を食べてよいとするファトワーと呼ばれる勧告を出した事だ。その効果は絶大で、これによってイスラム教徒が人口の大多数を占める国々も、韓国との食用犬輸出の協議に参加し始めた。
それからまもなくして、協議に参加した国に食用犬が数多く輸出され、犬の肉を食べる人が増加していった。これに対し、犬食を禁止する先進国や宗教的な理由で犬食をタブーとするイスラエルなどの国々が共同で、犬食を認める国々を非難する声明を発表した。
声明の内容は、犬は警察犬や災害犬、盲導犬、そして人々を癒やすペットとして、人間を助けるとても有能な動物であるから、犬を食べる行為は人の道を外れる外道な行いであるというものだった。
しかし、これに対して、韓国を始めとする犬食を認めている国々が共同で、反論する声明を発表した。
内容は、犬食を禁止する先進国やイスラエルなどの国々で、食べられている牛や豚、鶏や羊だって人間の生活を助ける有能な動物ではないか。牛は人間が食べる数多くの料理に必要な牛乳を与えてくれるし、鶏も数多くの料理に使われる鶏卵を恵んでくれている。羊から取れる羊毛だって人間の生活必需品を作る上で重要なものだ。だから、人間にとって有能な生き物だから食べないという考えは矛盾に満ちているというものであった。
この声明が発表されると、犬食を禁止する国々でも犬食を認めるよう求める世論が上がり始めた。動物の肉を食べることが出来ない事に限界を迎える国民が出始めたのだ。
その世論は日を増すごとに高まり、やがて今まで犬食を禁じていた国の政府も、その世論を無視することができなくなっていった。
そして、やがてどの国々でも犬食を推奨する事はしないが、禁止するというのは取り消されていった。最初の内は動物愛護を求める運動などから犬食は激しい非難を受けていたが、やがて少しずつ犬食文化は各国で広まっていった。そうして、数年後には世界の人口の半分以上の人々が犬食を行うようになっていた。
結局、動物の一生や生きる環境は、人間の考え方や状況一つで簡単に変わってしまうのだ。
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