上 下
222 / 286

第二百二十話『武器破壊技』

しおりを挟む
「いや、『鬼神の籠手』があってもそんな動きが出来るわけじゃないからね」
と僕が笑う。

間違いなく彼女の実力だった。
習ってもいない、『ソードブレイク』も普通に使いこなしていた。

「よっし!まずは一体ね!!」
と、サラはバックステップで僕達のもとに戻ってニッコリと笑った。

「で、ジュン!『ソードブレイク』ってなに・・・?」
とサラが僕に聞く。
しっかりと僕の言葉を聞いていたらしい。

「剣を破壊することだよ!」
と僕がざっくりと説明する。

「あはは!そのままだね!さすがにソードとブレイクはわかるわよ!ソードは剣でブレイクは爆発・・・?」
と、サラが自信なさそうに言う。

あんまりわかっていなかった!

「爆発はエクスプロージョンだね。ブレイクは破壊とかだよ、つまり武器破壊技!」
と、僕がサラに言う。
よく考えると、そのまま日本語に直しただけという気もするけど。

「武器破壊技なら武器破壊技っていってくれたらいいのに!!」
と、プンプンしながらサラが言う。
武器破壊技ならなんとなく理解できるらしかった。

「で、それは何?」
と、サラが聞く。
そう、話がまったく進んでいなかった。
本題に入るように促された。

「うん、さっきのサラみたいに、武器を持っているところをうまく攻撃したりすると、武器が壊れたり、飛んで行ったりしちゃうんだ!」
「ほうほう」
と、僕の説明に頷くサラ。

さっきは『リザードマン』が剣を持っている左腕目掛けて、サラが『雷迅 - ライトニング』を纏った蹴りを放った。
その衝撃で、『リザードマン』は剣を離して落としてしまったのだ。

「すると、相手の攻撃がかなり弱くなるので、めちゃくちゃ有利になるんだよ!」
「確かに!今かなり有利だった!!」
とサラが言う。

そう、武器をもっていない、盾だけをもったモンスターになってしまった『リザードマン』は大分弱くなってしまったといえる。

「普通はそんな簡単に出来る技じゃないんだけどね!」
「へー!」
と、僕の説明にそうなのかな??という顔をしているサラ。

「武器を持っている手って、すごく高速で動く的ってことだしね。『マニュアル操作』をかなり使いこなしてないと難しいと思う」
と、僕が言う。
そんなに頻繁に見れる技ではないと思う。
かなり有利になってしまうから、当たり判定も厳し目なのではないかな、と思う。

「サラちゃんだからできる感じですね!」
と奈緒子もにっこりと微笑む。

「えへへ!そっかぁ!じゃぁまた出来るときがあれば狙ってみる!」
と、サラが言う。

「でも、とりあえず!難しいことは考えずに、残り2体を倒そう!」
「まだ、2:1でランコ、リンコ、レンコチームに負けてるしね!」
と、サラが言い、僕も答える。
そう、まだ僕達はリードされている。

「そう、負けは良くない!」
と、負けず嫌いの、サラが微笑んだ。
しおりを挟む

処理中です...