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第六十五話『ワイバーンの強さ』

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「さあ、ドラゴン退治と行こう!」
僕の言葉にみんなが同意した。

「さて、とはいうものの、どこから攻めるかなぁ。」
とりあえず、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」の更にレアスキル、「目が届き、障害物がないすべての範囲」に攻撃が出来る『疾風』で、ワイバーンの片翼を奪ったが、この後、どう攻めるのかを考えあぐねていた。

ワイバーンは、ミニドラゴン数体分の大きさで巨体。鋼鉄のような体でダメージも少ない。おまけに遠隔から炎を吹いてくる。翼で攻撃してくることも考えられる。

「さっきの、ジュンさんの攻撃で右翼だけ消滅してますね。これはどういうことなんでしょうか。」
と、奈緒子がこの特殊な状態を分析する。このパターンは今までにはなかった、ただ昔のRPGにはたまにあったので、なんとなく理解はできる。

「特殊な体力を持っているようだね。体、左翼、右翼と別れているのだろう」右翼はすでに僕の攻撃で消滅しているので、残りは二カ所。しかも、片翼を奪ったので機動力がかなり落ちているはずだ。かなりの楽勝ムードなはずだ。

「なるほど、そういうモンスターもいるんですね。」
奈緒子が感心する。その情報から戦い方を考えているようだ。うまく利用すれば相手の弱点にもなり得る。

「へー、面白い。どうすればいいの?つまり、全部やっつければいいの?」と、格闘少女のサラが質問する。だいたい彼女のシンプルな考えで合っていることの方が多い。

「基本的にはそうだ。ただ、翼が本体を守るので、本体にはなかなか攻撃を与えることができないのだろうな。」珊瑚たちもそれでかなり苦労していたのだろう。翼が防御壁となって本体に攻撃することができない。

と、みんなで、考えていると、ワイバーンは灼熱の炎を吐いてきた。
「おっと、危ない。」なんとかよける僕。
「あちちちち、これのんびりしてるとやられるよ!ジュン」
と、サラがのんびりしている場合じゃないと僕に忠告する。

「うん、わかった、攻撃に移ろう!」
「のんびり話している場合じゃないですね、さて、どうしましょうか」僕と奈緒子が次ぎの作戦を考える

すこし考えて僕が決めた。
「よし、遠隔攻撃ができる僕と奈緒子が先に攻撃しよう」
「オッケーよろしく」とサラが僕らに向かって合図した。いつもとは逆で僕らがスキを作ったら、一気にサラが追攻撃を
たたき込むという作戦だ。

キイイィィィィィィン。
僕が構えると、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」に光が集まる。さっきの攻撃からしばらく時間がたっているのでスキルバーも貯まっている。

僕は剣を抜き、叫んだ!!
「疾風!!」

もう一度、ワイバーンの翼めがけて、斬撃を放った。
その瞬間ワイバーンは片翼を広げ、滑空しその攻撃を避けた。

そう、なんと、ワイバーンは、驚くべきことに、僕の「疾風」を避けたのだった!!

疾風って避けられるのか!!
衝撃が走る!!
いままでにこんなことはなかった!

つまり、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」でも無敵ではないのだ。

「なるほど、こりゃ手強いわ」と僕は笑った。
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