転生したらヤギでした!キマイラの!

なかの

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第二十九話『マカロン』

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「よし、妖精っち!これと引き換えに、お菓子もらってきて!」
「わかりました師匠!行ってきます!!」
と妖精くんが元気よく飛び出した。

「と、送り出したはいいけど、大丈夫かしら?」
と私が言う。
そもそもお菓子ってよくわかっているのかしら?
この世界にそういうものがあるかもよくわからないし。

「まぁ大丈夫なんじゃないか?少なくとも砂糖くらいは持ってこれるだろう」とライオンが言う。確かに昔からお砂糖はあるっぽいから、この文明が進んでいない異世界にもあるかもしれない。

「お砂糖だけあってもなぁ〜」
と私が言う。贅沢な意見だとは思うけど。
お砂糖をぺろぺろ舐めるのまったくエレガントじゃない、女子高生がするべきことじゃない!!

まぁ、いまの私はヤギだけど・・・。

「お砂糖をゲットして、お菓子づくりを覚えるというのもありかもね」とへびくんが言う。さらりと言った!そんな方法が・・・!もちろん私は一切つくれません!
「へび、お菓子作れるのか?」
とライオンが聞く。

「簡単なのなら作れると思う。ただ手足がないからね。大変だと思うけど・・・」と、自分の体を見ながら言うヘビくん。そう、確かに、手足はない、ただ、彼は、かなり器用に体を動かしている。片腕を動かすくらいの器用なことは、へびの体でも出来るかも知れない。

「確かに、ほんとに、人間に変身するスキルがあればねぇ」とへびくんが言う。
「でも、それって一人の人間の体に三人の魂が入るってことだよね?それってどうなっちゃうんだろう」
さらにへびくんが言った。
「うーん、確かに!この体は全員バラバラだから、まだいいけど、左腕だけとかだったらやだなぁ・・・」
と私が考える。

「リアルに考えると、怖くなってくるね・・・」
とへびくんが笑った。そもそも今のキマイラに三人いる状態も良くわからないといえばよくわからない。
「このキマイラの状態でなんとかする方法を考えましょう!」
「お菓子を我慢するって選択肢はないのか」
とライオンが言った。

「それはないわね!!」
「女子高生がお菓子を我慢したら、死んでいるのと同じよ!!リビングデッドよ!哲学的ゾンビよ!!」
「そこまで言うか」とライオンが苦笑する。
「最後の方よくわからなかったけど!」とへびくんも笑う。

「女の子はお砂糖でできてるのよ!」
「またよくわからなくなったな」
とライオンが苦笑する。

「女性になったら、ワインで出来るようになるんだろうね」
とへびくんが笑う。

「お菓子がなかったら、魔王になんかならないからね!!」
「でた!女子のわがまま!」
とへびくんが笑った。

「女子特有の謎の二択だな」
とライオンはさらに苦笑した。

「あぁ、妖精くんが楽しみだわ!!」
と私が言うと、ちょうどそこに妖精くんが帰ってきた!

「マカロンありました!!」
妖精くんが戻ってきた!
「なんと!!」
私はあふれんばかりの笑みをこぼした。
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