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セクション1『魔術学園2046篇』
第23話『進化への助走』
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伊織や天音達は、上級生の元で鍛錬を重ねている。
そんな中日向は、屋上に寝転がり呆然と空を見上げていた。
――――思い起こされるのは、紅蓮との戦いで喫した完膚なきまでの敗北。
啓治や獅堂、創来とも互角以上に渡り合って来た日向。しかし紅蓮の力は、自身を遥かに凌駕する程に圧倒的だった。
同じ『炎』でありながらも、一方的に捻じ伏せられ灼き尽くされる明確な実力差。日向の心は、行き止まりに突き当たったような閉塞感に支配され始めていた。
「――――浮かない顔だな」
その時、横になっていた日向の頭上から聞こえて来た声。視線を上げるとそこには、灰色のスーツの上から外套を羽織った一人の女性が立っていた。
「!!…………学園長じゃん。珍しいね、こんなトコ来るとか」
東帝学園学長、神宮寺 澄香。意外な人物の登場に、日向は軽く驚きを見せる。
「……敗北が頭から離れないのか?」
「……鋭いね。まァ、そこまで気にしてるつもりは無ェんだけどさ……」
内心を言い当てられ、小さく苦笑する日向。しかし澄香は穏やかな口調で言葉を続ける。
「お前は桐谷の生徒だったな」
「え……うん、そだけど」
「……奴もよく、屋上で暇を持て余していた」
「らしいね。このサボり場教えてくれたのも恭夜センセーだし」
そう口にする澄香の瞳に見えるのは、僅かな旧懐の情。
「今でこそ最強と言われているが……あの男も昔はお前と同じ、悩める一人の学生だった」
「っ…………」
「お前の力はまだ発展途上だ。……それに、再戦の機はいずれ必ず訪れる。お前がやるべき事は迷うよりも、鍛え、備える事ではないのか?」
――――立ち止まっている時間など無いと、静かに、しかし力強く諭される。澄香は日向が持つ、『可能性』と『成長性』を信じていた。
「…………魔力がさ、『上書き』されるような感覚だったんだ」
「…………?」
口を開いた日向が言及していたのは、紅蓮が戦いの中で見せた『火属性魔力』について。
「同じ属性なのに、全く相殺出来なかった。なんつーか……俺の魔力が"削られて"、"呑み込まれる"みてェな感じだったんだよな」
地獄の業火の如き、紅蓮の炎。あの力に対抗する手段が無ければ、そもそも勝負にすらならない。しかしそれを全く見出せないが為に、日向の鍛錬は行き詰まっているようだった。
「成程な……つまり、魔力密度の問題か」
「え?なんか言った?」
一方で澄香は、腑に落ちたと言った表情で小さく呟く。その声に反応し、聞き返して来た日向へと彼女は続けた。
「お前、天堂の事は知ってるか?」
「蒼のコトか?うん、まァなんとなくは。東帝で一番強ェんだろ?」
「奴は恐らくスラムの旧演習場にいる。会って今の話をして来い。それと、『斬界』について教わって来る事も忘れるな」
澄香から告げられたのは、東帝の全学生中最強と謳われる男の名前。彼を訪ねろという勧めに、戸惑いながらも日向は頷き返した。
「奴ならお前が抱えている問題の、答えの一つを知っている筈だ」
「そうなのか……分かった。行ってみるよ」
立ち上がった日向は駆け出そうとして、ふと足を止める。
「ありがとな、澄香センセー」
振り返った日向はそう言って、今度こそ屋上から飛び降りて行った。その背中を見送りながら、澄香はある男の後ろ姿を思い出して微かに笑う。
仲間と共に歩き、時には仲間を導いていた"彼"もまた、日向と同じように真っ直ぐに強さを追い求めていた。
(…………似ているな、戦国に――――)
◇◇◇
「オイオイ、逃げてばっかじゃいつまで経っても勝てねェぞ伊織~」
ステージ上で胡座をかき、愉快そうに声を上げている蒼。その視線の先では、伊織とスティーブが激しい戦闘を繰り広げていた。
無属性魔力×形成術式
『飛斬』
スティーブが自身の刀に魔力を纏わせ、鋭く振り抜く。撃ち放たれたのは魔力で型作られた、術式名通りの"飛ぶ斬撃"だった。
「ッ……!!」
回避不能のタイミングを狙われ、刀身でのガードを試みる伊織。しかし防御されて尚その斬撃は、伊織を演習場内の壁際まで押し込む程の威力を残していた。
更にスティーブは追撃を仕掛け、鋭い斬り上げで伊織の手から刀を弾き飛ばす。即座に二本目へと手を伸ばす伊織だったが、スティーブの方が一手速かった。
抜き放とうとした刀の柄頭を踏み込まれ、抜刀を封じられる。そして武器を抑えられた次の瞬間には、喉元へと刃が突き付けられていた。
「……勝負あったな」
蒼がそう告げると同時に、回りながら宙を舞っていた刀が床へ突き刺さる。
これで、伊織の16戦16敗。学園第六席に座す男の実力は伊達ではなかった。
「まだ続けてもいいけどよ……お前、自分の敗因については理解出来てんのか?」
刀を収めているスティーブの背後から、蒼が伊織へと問い掛ける。
「分かってんだよ……力不足なら、俺が一番……!!」
苛立たしげな声を返しながら、再戦を挑むべく立ちあがろうとする伊織。対して蒼の口から放たれたのは、普段の彼からすると意外とも取れる理知的な言葉だった。
「あのなァ……我武者羅に戦った所で強くなれるワケじゃねェんだぞ。弱点を正確に分析して、フィードバック出来なきゃ意味無ェんだ」
焦りが見える表情の伊織を抑えながら、蒼は落ち着き払った口調で続ける。
「自分には今何が必要か、何が足りねェのかを理論で説明出来るようになれ」
「……だからって……頭で考えた所で、飛び道具が使えるようにでもなんのかよ」
「成程……把握自体は出来てるよォで何よりだ」
伊織が口にした自身の弱点とは、『遠距離攻撃』という手札を持たない事。剣技だけの勝負なら寧ろ伊織が優位と思われたが、スティーブの『飛斬』は剣士の戦いに於いて、一方的に攻撃出来る強大なアドバンテージだった。
「解ってんなら話は早ェ。お前がやるべきは……"新技"作りだ。それも遠距離用のな」
ニヤリと笑いそう言った蒼に、無茶を言うなと伊織が反論する。
「だから……そもそも俺には魔力が」
「無ェんだろ?ンなこた解ってらァ。俺は『魔術』じゃなくて『技』を作れっつってんだよ」
「……はァ……?」
彼が何を言っているのか理解出来ず、疑問の表情を浮かべている伊織。
「大体なァ……俺達からすりゃ、魔力も使わず術式ブッた斬るよォなお前の芸当の方がよっぽどバカげてんぜ。ソレに比べりゃ、斬撃を飛ばす事なんざワケ無ェだろ」
「……簡単に言いやがって……」
蒼は伊織が持つ戦闘センスと、高い潜在能力を認めていた。勝手な言い分にも聞こえるその言葉に、溜息を吐きながらも伊織は立ち上がる。
「ハラは決まったみてェだな。ならまずは…………
…………死ぬほど振り込め」
「…………オイ」
そして蒼から手始めに課されたのは、矛盾も甚だしい我武者羅な修行方法だった。
◇◇◇
「ココか……」
スラムの旧演習場へとやって来た日向は、巨大な鉄扉の前に立っていた。場内では誰かが暴れているのか、外まで轟音が響いて来ている。
「よし……たァーのもォー」
意を決した日向は、扉を開けその中へと足を踏み入れた。そこで彼が見たのは――――
――――鋭い剣戟音と共に斬り結ぶ、二人の剣士の姿。
激しい乱戦を繰り広げていたのは、御剣 伊織とスティーブ・ジャクソンだった。
その時、スティーブに斬り飛ばされた伊織が日向の近くまで転がって来る。
「……違う。もう一度だ」
「クッソォ…………!!」
スティーブに淡々と指摘されながら、刀を突き立て起き上がる伊織。
「『斬る』んじゃねェ……『割って』『広げる』イメージ……」
そう呟く伊織は、場内に入って来ている日向の姿も見えない程の集中で、戦いに没入しているようだった。
「頑張ってんなアイツ……」
「――――ん?日向じゃねーか。こんなトコで何してんだオマエ」
伊織が地を蹴りスティーブへと突撃して行く中、日向は背後から声を掛けられ振り返る。そこに立っていたのは、自販機で飲料を買い戻って来ていた蒼だった。
◇◇◇
演習場からスラムへと出て来た二人は、オブジェのように積み上げられた資材の上に腰掛けていた。
「成程な……話は大体分かった」
澄香に紅蓮との戦いについて話をした事、そして彼女から蒼に助言を求めるよう言われた事を日向は告げる。それを聞き終えた蒼は、暫く何かを考えるように黙り込んでいた。
「あー、それとさ……『斬界』?に、ついても聞いて来いって言われたんだケド……」
「おー、ソレも後々説明してやるよ。関係あるしな」
自身の術式についても軽く触れながら、蒼は本題へと入っていく。
「まずは……紅蓮に『炎』で"押し負けた"原因だったか」
「うん。……何であそこまで威力に差があったのかも気になんだけど、アレにどう対抗すりゃいいのかが全く分かんねーんだわ」
「……ま、原因に関しちゃ答えは簡単だ。オマエの魔力が『密度』で負けてたんだよ」
まず蒼が言及したのは、術式構築の際にその強度を左右する『魔力密度』についてだった。
「属性魔術に限った話じゃねェけどな……術式を組む時、その規模が同じでもより多く魔力が込められてる方が威力は大きくなる。コレは理解出来るよな?」
「つまり、俺の炎は中の魔力がスカスカだったってコトか?」
「まァ、あん時のお前は連戦の疲れもあったろうけどな。火属性なんかは特に、魔力の変換効率がモロに威力に反映されるんだよ」
『燃焼』性質の強さを決める術式中の魔力量に於いて、紅蓮の炎が日向を上回っていた事で、軍配が上がった訳である。
「だったら、その魔力密度を上げるにはどうすりゃいいんだ?」
そしてその具体的な方法を聞き出そうとする日向だったが、何故か蒼は難しい表情を浮かべていた。
「あー、それなんだがな…………結論から言うと、気合いか反復ぐらいしかやり方は無ェんだわ」
「気合い……?」
「まずは構築の話になるんだけどな……術式の組み方って、ザックリ二つに分けられんだよ」
そう説明する蒼は、両手に魔力で形成した刀を出現させる。
「一つ目は、何も考えずに魔力を押し固めて術式を作る。カンタンに出来るから発動が速ェし、魔力量が多いヤツなら威力もそこそこ出せる。獅堂とかはこのやり方だな」
そう言って蒼は右手に握った、大振りな魔力刀を持ち上げた。
「で、二つ目は術式の中に魔術記号を書き込むやり方だ」
そして蒼は次に、少し小さい左手の刀を日向に見せる。その刀身には、紋様のような謎の文字列が所狭しと書き込まれていた。
『魔術記号』。
それは"魔術が始まった場所"イェルサレムで使用されていた、ヘブライ語を基に創り出された『魔術的な意味』を有する言語であり文字である。
「コッチのやり方は難しい上に構築に時間が掛かっけど、その分密度が上がって威力も強くなる。コレは雪華とかが使ってるな」
蒼はその声と同時に、両手に持った刀同士を打ち合わせた。すると右手の刃はヒビ割れ、左手の刀に斬り砕かれる。
「けど、必ずしも記号を使う方が強ェってワケじゃねェ。物量差が質を上回る事だってある」
「どっちのスタイルも使い手次第ってコトか」
しかし左手の刀を地面に突き立て、右手に更に巨大な魔力刀を創り出す蒼。その巨大な刃は振り下ろされ、記号が書き込まれていた刀を斬り潰した。
「そういうコトだ。お前みたいな『近接型』は下手に記号使っても、速攻で殴れるっつー強みが消えるだけだからな」
「確かに、寧ろタイムロスになるよな……」
そうなるとやはり根本的に魔力密度を上げるには、反復練習で術式に込められる魔力量を地道に増やしていくしか主な方法は無い。
「……つまり俺はシンプルに……鍛え方でアイツに敗けてたのか」
仰向けに倒れ込んだ日向は、そう口にしながら空を見上げる。しかし悲観的な様子は無く、疑問が解けたようにその表情は比較的晴れやかだった。
「…………お前、術式組む時に何か考えてるか?」
その時蒼が、傍らに立て掛けられていた刀を手に取りつつ口を開く。
「いや……ほとんど感覚でやってるけど」
「魔力で何かを作り出すなら、『型』ぐらいは意識した方が集積度はマシになるぞ」
術式を型作る『図式』について指摘しながら、刀を抜き放つ蒼。
「まァそれ以前に……魔術ってのは言っちまえば、イメージを具現化する力だ」
「っ……」
そう言って蒼は、スラムの方角へと歩いて行く。その手に握られた刀には、膨大な魔力が収束していた。
そして。
無属性攻撃術式
『斬界』
刃は振り抜かれ、全ての魔力は解放される。
「――――勝つイメージが無きゃ、勝てねェぞ」
蒼からそう告げられる日向の眼前では、巨大な斬撃によって聳え立っていた旧校舎が両断されていた。
魔力を一点集中し放たれる、超高密度の一撃。それが蒼を最強たらしめる、『万物万象を斬り裂く』術式だった。
「凄ェ……!!」
規格外の威力を示すその光景に、瞠目し驚愕を露わにしている日向。尽くを焼き払う紅蓮の炎をも、蒼の『斬界』は恐らく斬ってみせるだろう。
(――――!!)
その時日向の脳裏には、一つのイメージが浮かんでいた。
より鋭く凝縮され、研ぎ澄まされた魔力。
全てを斬り裂く『刀』の如く。そのイメージが、『炎』という力の解釈を押し広げる。
炎の"燃やす"力。そして――――"灼き斬る"力。
「…………そうか…………!!」
僅かに見えた、『進化』への足掛かり。そう呟く日向を傍目に、蒼は小さく、しかし愉しげな笑みを零していた。
◇◇◇
「しつっけェな、テメェ!!」
「まだまだこッからだろォが、蛇島ァ!!」
鬩ぎ合う、片手斧と大剣。
スラムでは蛇島 司と漆間 創来による、轟音を伴った激しい戦闘が展開されていた。そして周囲からその様を傍観しているのは、大文字一派の面々。
「しぶてェな、漆間の野郎」
「蛇島さん相手にあそこまで粘るとは……やはり中々やるね、彼」
長髪を束ねた中性的な風貌の少年、壬生 閃九郎が舌打ちと共に呟く。その声に落ち着いた口調で応えたのは、臙脂色の髪を持つ少年愛染 光陰。
「前は獅堂さんにノされてたが……鍛え直して来やがったってか」
「つっても司先輩が手加減してるだけじゃねェのか?『盾』も使ってねェっぽいしよ」
創来は以前にもスラムに乗り込んで来た事があったが、その時は獅堂に一蹴されていた。彼が着実に力を付けて来ていると口にするのは、黒髪の少年斯波 一太朗。しかしその隣に居た金髪の少年、鬼丸 コージはそれに異を唱える。
彼等四人は二年生ながら、大文字一派に於いて諸星と蛇島に次ぐ実力者だった。
「バーカ。蛇島先輩は盾は使ってねーけど、『反射』自体は使ってんだろ。ちゃんと見ろ」
「え、マジかよ」
壬生からそう指摘され、眼前の戦闘を注視する鬼丸。確かに彼の言う通り蛇島は、瞬間的に小型の反射障壁を展開していた。
「諸星さんはどう見ます?この戦い」
「……そうだな……」
そして愛染が声を掛けたのは、四人の背後から同じく戦いを傍観していた諸星 敦士。彼が口を開こうとした、その時だった。
諸星の懐から響いて来る、電子音。メールが受信された事に気付き、携帯端末を取り出す。その画面に目を通した瞬間、諸星が纏っていた雰囲気が一変した。
唐突に立ち上がり端末を懐に仕舞った諸星は、蛇島達の方へと歩き出す。
「諸星さん?どうかしたんですか?」
「……急用が出来た。漆間を医務室に連れて行ってやれ」
その様子に愛染が気付くが、諸星は端的にそう返すのみで足を止めない。
「司!!」
「あァ!?」
そして突然、創来と戦っている真っ最中である蛇島へと声を上げる。蛇島は反射的にそちらへ視線を向けるが、創来はその隙を逃さず刃を振り上げていた。
「何ヨソ見してんだテメェ!!」
しかし、次の瞬間。
「悪いな。今日付き合ってやれるのはここまでだ」
高速移動で瞬く間に距離を詰めた、諸星の膝蹴りが創来の腹へと炸裂していた。痛烈な一撃を叩き込まれ、吹き飛ばされた創来がスラムの壁へと激突する。
「テ……メェ…………!!」
諸星を睨み付けていたが、やがて意識を失い崩れ落ちる創来。
「オイ敦士……邪魔してんじゃねェよお前」
「悪かった。だがそうも言ってられない状況になって来たぞ」
「あ……?」
横槍を入れられた蛇島は露骨に気分を害していたが、諸星の徒ならぬ雰囲気を感じ取り眉を顰める。しかし次に放たれた言葉は、蛇島の予想を遥かに上回る衝撃的な内容だった。
「…………池袋で、獅堂が刺されたらしい」
◇◇◇
新宿周辺にて。
「あらー?凪チャンやないの」
交差点を渡ろうとしていた更科 凪は、背後から声を掛けられ振り返る。そこに立っていたのは、彼女と同じ東帝の学生である一文字 陣だった。
「奇遇やねこんなトコで。何してんの?」
「別に……大した用じゃないよ。陣は?サボってんの?」
「まァそんなトコやなァ。こないだ桐谷センセーに怒られたさかい、見つからんようお互い気ぃ付けよや」
「そうだね…………じゃ」
陣と二、三言交わした後、人混みの中へと消えて行く凪。
「……………………」
雑踏へ紛れて行く彼女の背中を見送り、陣もまたその場に背を向け立ち去って行く。
事態は水面下で、静かに動き始めていた。
そんな中日向は、屋上に寝転がり呆然と空を見上げていた。
――――思い起こされるのは、紅蓮との戦いで喫した完膚なきまでの敗北。
啓治や獅堂、創来とも互角以上に渡り合って来た日向。しかし紅蓮の力は、自身を遥かに凌駕する程に圧倒的だった。
同じ『炎』でありながらも、一方的に捻じ伏せられ灼き尽くされる明確な実力差。日向の心は、行き止まりに突き当たったような閉塞感に支配され始めていた。
「――――浮かない顔だな」
その時、横になっていた日向の頭上から聞こえて来た声。視線を上げるとそこには、灰色のスーツの上から外套を羽織った一人の女性が立っていた。
「!!…………学園長じゃん。珍しいね、こんなトコ来るとか」
東帝学園学長、神宮寺 澄香。意外な人物の登場に、日向は軽く驚きを見せる。
「……敗北が頭から離れないのか?」
「……鋭いね。まァ、そこまで気にしてるつもりは無ェんだけどさ……」
内心を言い当てられ、小さく苦笑する日向。しかし澄香は穏やかな口調で言葉を続ける。
「お前は桐谷の生徒だったな」
「え……うん、そだけど」
「……奴もよく、屋上で暇を持て余していた」
「らしいね。このサボり場教えてくれたのも恭夜センセーだし」
そう口にする澄香の瞳に見えるのは、僅かな旧懐の情。
「今でこそ最強と言われているが……あの男も昔はお前と同じ、悩める一人の学生だった」
「っ…………」
「お前の力はまだ発展途上だ。……それに、再戦の機はいずれ必ず訪れる。お前がやるべき事は迷うよりも、鍛え、備える事ではないのか?」
――――立ち止まっている時間など無いと、静かに、しかし力強く諭される。澄香は日向が持つ、『可能性』と『成長性』を信じていた。
「…………魔力がさ、『上書き』されるような感覚だったんだ」
「…………?」
口を開いた日向が言及していたのは、紅蓮が戦いの中で見せた『火属性魔力』について。
「同じ属性なのに、全く相殺出来なかった。なんつーか……俺の魔力が"削られて"、"呑み込まれる"みてェな感じだったんだよな」
地獄の業火の如き、紅蓮の炎。あの力に対抗する手段が無ければ、そもそも勝負にすらならない。しかしそれを全く見出せないが為に、日向の鍛錬は行き詰まっているようだった。
「成程な……つまり、魔力密度の問題か」
「え?なんか言った?」
一方で澄香は、腑に落ちたと言った表情で小さく呟く。その声に反応し、聞き返して来た日向へと彼女は続けた。
「お前、天堂の事は知ってるか?」
「蒼のコトか?うん、まァなんとなくは。東帝で一番強ェんだろ?」
「奴は恐らくスラムの旧演習場にいる。会って今の話をして来い。それと、『斬界』について教わって来る事も忘れるな」
澄香から告げられたのは、東帝の全学生中最強と謳われる男の名前。彼を訪ねろという勧めに、戸惑いながらも日向は頷き返した。
「奴ならお前が抱えている問題の、答えの一つを知っている筈だ」
「そうなのか……分かった。行ってみるよ」
立ち上がった日向は駆け出そうとして、ふと足を止める。
「ありがとな、澄香センセー」
振り返った日向はそう言って、今度こそ屋上から飛び降りて行った。その背中を見送りながら、澄香はある男の後ろ姿を思い出して微かに笑う。
仲間と共に歩き、時には仲間を導いていた"彼"もまた、日向と同じように真っ直ぐに強さを追い求めていた。
(…………似ているな、戦国に――――)
◇◇◇
「オイオイ、逃げてばっかじゃいつまで経っても勝てねェぞ伊織~」
ステージ上で胡座をかき、愉快そうに声を上げている蒼。その視線の先では、伊織とスティーブが激しい戦闘を繰り広げていた。
無属性魔力×形成術式
『飛斬』
スティーブが自身の刀に魔力を纏わせ、鋭く振り抜く。撃ち放たれたのは魔力で型作られた、術式名通りの"飛ぶ斬撃"だった。
「ッ……!!」
回避不能のタイミングを狙われ、刀身でのガードを試みる伊織。しかし防御されて尚その斬撃は、伊織を演習場内の壁際まで押し込む程の威力を残していた。
更にスティーブは追撃を仕掛け、鋭い斬り上げで伊織の手から刀を弾き飛ばす。即座に二本目へと手を伸ばす伊織だったが、スティーブの方が一手速かった。
抜き放とうとした刀の柄頭を踏み込まれ、抜刀を封じられる。そして武器を抑えられた次の瞬間には、喉元へと刃が突き付けられていた。
「……勝負あったな」
蒼がそう告げると同時に、回りながら宙を舞っていた刀が床へ突き刺さる。
これで、伊織の16戦16敗。学園第六席に座す男の実力は伊達ではなかった。
「まだ続けてもいいけどよ……お前、自分の敗因については理解出来てんのか?」
刀を収めているスティーブの背後から、蒼が伊織へと問い掛ける。
「分かってんだよ……力不足なら、俺が一番……!!」
苛立たしげな声を返しながら、再戦を挑むべく立ちあがろうとする伊織。対して蒼の口から放たれたのは、普段の彼からすると意外とも取れる理知的な言葉だった。
「あのなァ……我武者羅に戦った所で強くなれるワケじゃねェんだぞ。弱点を正確に分析して、フィードバック出来なきゃ意味無ェんだ」
焦りが見える表情の伊織を抑えながら、蒼は落ち着き払った口調で続ける。
「自分には今何が必要か、何が足りねェのかを理論で説明出来るようになれ」
「……だからって……頭で考えた所で、飛び道具が使えるようにでもなんのかよ」
「成程……把握自体は出来てるよォで何よりだ」
伊織が口にした自身の弱点とは、『遠距離攻撃』という手札を持たない事。剣技だけの勝負なら寧ろ伊織が優位と思われたが、スティーブの『飛斬』は剣士の戦いに於いて、一方的に攻撃出来る強大なアドバンテージだった。
「解ってんなら話は早ェ。お前がやるべきは……"新技"作りだ。それも遠距離用のな」
ニヤリと笑いそう言った蒼に、無茶を言うなと伊織が反論する。
「だから……そもそも俺には魔力が」
「無ェんだろ?ンなこた解ってらァ。俺は『魔術』じゃなくて『技』を作れっつってんだよ」
「……はァ……?」
彼が何を言っているのか理解出来ず、疑問の表情を浮かべている伊織。
「大体なァ……俺達からすりゃ、魔力も使わず術式ブッた斬るよォなお前の芸当の方がよっぽどバカげてんぜ。ソレに比べりゃ、斬撃を飛ばす事なんざワケ無ェだろ」
「……簡単に言いやがって……」
蒼は伊織が持つ戦闘センスと、高い潜在能力を認めていた。勝手な言い分にも聞こえるその言葉に、溜息を吐きながらも伊織は立ち上がる。
「ハラは決まったみてェだな。ならまずは…………
…………死ぬほど振り込め」
「…………オイ」
そして蒼から手始めに課されたのは、矛盾も甚だしい我武者羅な修行方法だった。
◇◇◇
「ココか……」
スラムの旧演習場へとやって来た日向は、巨大な鉄扉の前に立っていた。場内では誰かが暴れているのか、外まで轟音が響いて来ている。
「よし……たァーのもォー」
意を決した日向は、扉を開けその中へと足を踏み入れた。そこで彼が見たのは――――
――――鋭い剣戟音と共に斬り結ぶ、二人の剣士の姿。
激しい乱戦を繰り広げていたのは、御剣 伊織とスティーブ・ジャクソンだった。
その時、スティーブに斬り飛ばされた伊織が日向の近くまで転がって来る。
「……違う。もう一度だ」
「クッソォ…………!!」
スティーブに淡々と指摘されながら、刀を突き立て起き上がる伊織。
「『斬る』んじゃねェ……『割って』『広げる』イメージ……」
そう呟く伊織は、場内に入って来ている日向の姿も見えない程の集中で、戦いに没入しているようだった。
「頑張ってんなアイツ……」
「――――ん?日向じゃねーか。こんなトコで何してんだオマエ」
伊織が地を蹴りスティーブへと突撃して行く中、日向は背後から声を掛けられ振り返る。そこに立っていたのは、自販機で飲料を買い戻って来ていた蒼だった。
◇◇◇
演習場からスラムへと出て来た二人は、オブジェのように積み上げられた資材の上に腰掛けていた。
「成程な……話は大体分かった」
澄香に紅蓮との戦いについて話をした事、そして彼女から蒼に助言を求めるよう言われた事を日向は告げる。それを聞き終えた蒼は、暫く何かを考えるように黙り込んでいた。
「あー、それとさ……『斬界』?に、ついても聞いて来いって言われたんだケド……」
「おー、ソレも後々説明してやるよ。関係あるしな」
自身の術式についても軽く触れながら、蒼は本題へと入っていく。
「まずは……紅蓮に『炎』で"押し負けた"原因だったか」
「うん。……何であそこまで威力に差があったのかも気になんだけど、アレにどう対抗すりゃいいのかが全く分かんねーんだわ」
「……ま、原因に関しちゃ答えは簡単だ。オマエの魔力が『密度』で負けてたんだよ」
まず蒼が言及したのは、術式構築の際にその強度を左右する『魔力密度』についてだった。
「属性魔術に限った話じゃねェけどな……術式を組む時、その規模が同じでもより多く魔力が込められてる方が威力は大きくなる。コレは理解出来るよな?」
「つまり、俺の炎は中の魔力がスカスカだったってコトか?」
「まァ、あん時のお前は連戦の疲れもあったろうけどな。火属性なんかは特に、魔力の変換効率がモロに威力に反映されるんだよ」
『燃焼』性質の強さを決める術式中の魔力量に於いて、紅蓮の炎が日向を上回っていた事で、軍配が上がった訳である。
「だったら、その魔力密度を上げるにはどうすりゃいいんだ?」
そしてその具体的な方法を聞き出そうとする日向だったが、何故か蒼は難しい表情を浮かべていた。
「あー、それなんだがな…………結論から言うと、気合いか反復ぐらいしかやり方は無ェんだわ」
「気合い……?」
「まずは構築の話になるんだけどな……術式の組み方って、ザックリ二つに分けられんだよ」
そう説明する蒼は、両手に魔力で形成した刀を出現させる。
「一つ目は、何も考えずに魔力を押し固めて術式を作る。カンタンに出来るから発動が速ェし、魔力量が多いヤツなら威力もそこそこ出せる。獅堂とかはこのやり方だな」
そう言って蒼は右手に握った、大振りな魔力刀を持ち上げた。
「で、二つ目は術式の中に魔術記号を書き込むやり方だ」
そして蒼は次に、少し小さい左手の刀を日向に見せる。その刀身には、紋様のような謎の文字列が所狭しと書き込まれていた。
『魔術記号』。
それは"魔術が始まった場所"イェルサレムで使用されていた、ヘブライ語を基に創り出された『魔術的な意味』を有する言語であり文字である。
「コッチのやり方は難しい上に構築に時間が掛かっけど、その分密度が上がって威力も強くなる。コレは雪華とかが使ってるな」
蒼はその声と同時に、両手に持った刀同士を打ち合わせた。すると右手の刃はヒビ割れ、左手の刀に斬り砕かれる。
「けど、必ずしも記号を使う方が強ェってワケじゃねェ。物量差が質を上回る事だってある」
「どっちのスタイルも使い手次第ってコトか」
しかし左手の刀を地面に突き立て、右手に更に巨大な魔力刀を創り出す蒼。その巨大な刃は振り下ろされ、記号が書き込まれていた刀を斬り潰した。
「そういうコトだ。お前みたいな『近接型』は下手に記号使っても、速攻で殴れるっつー強みが消えるだけだからな」
「確かに、寧ろタイムロスになるよな……」
そうなるとやはり根本的に魔力密度を上げるには、反復練習で術式に込められる魔力量を地道に増やしていくしか主な方法は無い。
「……つまり俺はシンプルに……鍛え方でアイツに敗けてたのか」
仰向けに倒れ込んだ日向は、そう口にしながら空を見上げる。しかし悲観的な様子は無く、疑問が解けたようにその表情は比較的晴れやかだった。
「…………お前、術式組む時に何か考えてるか?」
その時蒼が、傍らに立て掛けられていた刀を手に取りつつ口を開く。
「いや……ほとんど感覚でやってるけど」
「魔力で何かを作り出すなら、『型』ぐらいは意識した方が集積度はマシになるぞ」
術式を型作る『図式』について指摘しながら、刀を抜き放つ蒼。
「まァそれ以前に……魔術ってのは言っちまえば、イメージを具現化する力だ」
「っ……」
そう言って蒼は、スラムの方角へと歩いて行く。その手に握られた刀には、膨大な魔力が収束していた。
そして。
無属性攻撃術式
『斬界』
刃は振り抜かれ、全ての魔力は解放される。
「――――勝つイメージが無きゃ、勝てねェぞ」
蒼からそう告げられる日向の眼前では、巨大な斬撃によって聳え立っていた旧校舎が両断されていた。
魔力を一点集中し放たれる、超高密度の一撃。それが蒼を最強たらしめる、『万物万象を斬り裂く』術式だった。
「凄ェ……!!」
規格外の威力を示すその光景に、瞠目し驚愕を露わにしている日向。尽くを焼き払う紅蓮の炎をも、蒼の『斬界』は恐らく斬ってみせるだろう。
(――――!!)
その時日向の脳裏には、一つのイメージが浮かんでいた。
より鋭く凝縮され、研ぎ澄まされた魔力。
全てを斬り裂く『刀』の如く。そのイメージが、『炎』という力の解釈を押し広げる。
炎の"燃やす"力。そして――――"灼き斬る"力。
「…………そうか…………!!」
僅かに見えた、『進化』への足掛かり。そう呟く日向を傍目に、蒼は小さく、しかし愉しげな笑みを零していた。
◇◇◇
「しつっけェな、テメェ!!」
「まだまだこッからだろォが、蛇島ァ!!」
鬩ぎ合う、片手斧と大剣。
スラムでは蛇島 司と漆間 創来による、轟音を伴った激しい戦闘が展開されていた。そして周囲からその様を傍観しているのは、大文字一派の面々。
「しぶてェな、漆間の野郎」
「蛇島さん相手にあそこまで粘るとは……やはり中々やるね、彼」
長髪を束ねた中性的な風貌の少年、壬生 閃九郎が舌打ちと共に呟く。その声に落ち着いた口調で応えたのは、臙脂色の髪を持つ少年愛染 光陰。
「前は獅堂さんにノされてたが……鍛え直して来やがったってか」
「つっても司先輩が手加減してるだけじゃねェのか?『盾』も使ってねェっぽいしよ」
創来は以前にもスラムに乗り込んで来た事があったが、その時は獅堂に一蹴されていた。彼が着実に力を付けて来ていると口にするのは、黒髪の少年斯波 一太朗。しかしその隣に居た金髪の少年、鬼丸 コージはそれに異を唱える。
彼等四人は二年生ながら、大文字一派に於いて諸星と蛇島に次ぐ実力者だった。
「バーカ。蛇島先輩は盾は使ってねーけど、『反射』自体は使ってんだろ。ちゃんと見ろ」
「え、マジかよ」
壬生からそう指摘され、眼前の戦闘を注視する鬼丸。確かに彼の言う通り蛇島は、瞬間的に小型の反射障壁を展開していた。
「諸星さんはどう見ます?この戦い」
「……そうだな……」
そして愛染が声を掛けたのは、四人の背後から同じく戦いを傍観していた諸星 敦士。彼が口を開こうとした、その時だった。
諸星の懐から響いて来る、電子音。メールが受信された事に気付き、携帯端末を取り出す。その画面に目を通した瞬間、諸星が纏っていた雰囲気が一変した。
唐突に立ち上がり端末を懐に仕舞った諸星は、蛇島達の方へと歩き出す。
「諸星さん?どうかしたんですか?」
「……急用が出来た。漆間を医務室に連れて行ってやれ」
その様子に愛染が気付くが、諸星は端的にそう返すのみで足を止めない。
「司!!」
「あァ!?」
そして突然、創来と戦っている真っ最中である蛇島へと声を上げる。蛇島は反射的にそちらへ視線を向けるが、創来はその隙を逃さず刃を振り上げていた。
「何ヨソ見してんだテメェ!!」
しかし、次の瞬間。
「悪いな。今日付き合ってやれるのはここまでだ」
高速移動で瞬く間に距離を詰めた、諸星の膝蹴りが創来の腹へと炸裂していた。痛烈な一撃を叩き込まれ、吹き飛ばされた創来がスラムの壁へと激突する。
「テ……メェ…………!!」
諸星を睨み付けていたが、やがて意識を失い崩れ落ちる創来。
「オイ敦士……邪魔してんじゃねェよお前」
「悪かった。だがそうも言ってられない状況になって来たぞ」
「あ……?」
横槍を入れられた蛇島は露骨に気分を害していたが、諸星の徒ならぬ雰囲気を感じ取り眉を顰める。しかし次に放たれた言葉は、蛇島の予想を遥かに上回る衝撃的な内容だった。
「…………池袋で、獅堂が刺されたらしい」
◇◇◇
新宿周辺にて。
「あらー?凪チャンやないの」
交差点を渡ろうとしていた更科 凪は、背後から声を掛けられ振り返る。そこに立っていたのは、彼女と同じ東帝の学生である一文字 陣だった。
「奇遇やねこんなトコで。何してんの?」
「別に……大した用じゃないよ。陣は?サボってんの?」
「まァそんなトコやなァ。こないだ桐谷センセーに怒られたさかい、見つからんようお互い気ぃ付けよや」
「そうだね…………じゃ」
陣と二、三言交わした後、人混みの中へと消えて行く凪。
「……………………」
雑踏へ紛れて行く彼女の背中を見送り、陣もまたその場に背を向け立ち去って行く。
事態は水面下で、静かに動き始めていた。
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