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006 パーティに入る?
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「えっ!? アベル叔父さん、あたしのパーティに入ってくれるの!?」
先程までの恥ずかしがるような、どこかオレに対して距離を取るような態度はどこへと行ったのか、クロエがテーブルに身を乗り出して、こちらをキラキラとした黒い瞳で見ていた。その予想外の勢いに押されて、オレはのけぞるように身を引いてしまう。
どうしたってんだクロエは? なんだか急に活き活きとしやがった。
「あ、あぁ。ちょっとパーティメンバーと折り合いがつかなくなってな。今のオレはどこにも所属していない。それでもし、クロエがよかったらでいいんだが……オレをパーティに入れてくれないか? 7人目でもいいからよ」
冒険者パーティの人数は、6人までと相場が決まっている。それが、神の課したルールだからだ。
ダンジョンというのは、神が創った魂の精錬所って説が一般的だ。本当かどうかは知らないが、主に教会の連中がそう説いて回っている。魂がどうのって話はよく分からないが、ダンジョンに潜ると恩恵があるのは確かだ。
その恩恵というのが、ギフトの成長である。ダンジョンのモンスターを倒すと、ギフトが成長するのだ。
勿論、普段の生活の中でもギフトは成長していく。しかし、ダンジョンのモンスターを倒すことに比べたら、その成長速度は遅々たるものだ。
なぜ、ダンジョンのモンスターを倒すとギフトの成長が促進されるのかは分かっていない。だが、先人たちの試行錯誤の結果、分かってきたこともある。その一つが、一度にギフトの成長の恩恵に与れるのは、6人までいうことだ。
ダンジョンの入り口には、必ず台座に鎮座した白い巨大な真珠のようなものがある。そこでダンジョンに挑戦するパーティメンバーの登録ができるのだが、このパーティの上限人数がまず6人だ。
とはいえ、べつにダンジョン自体に上限人数は無いので、7人目以降もパーティと一緒にダンジョンに潜ることはできる。しかし、パーティメンバーがモンスターを倒しても、ギフトの成長の促進という恩恵があるのはパーティとして登録した6人までで、7人目以降はなんの恩恵も無い。
パーティメンバーの誰よりも戦闘で活躍したとしても、パーティメンバーの中になにもしていない奴がいたとしても、7人目以降は恩恵に与れない。
ちょっと納得いかないものを感じるが、それがダンジョンのルールなのだから仕方がない。
そのため、多くの冒険者パーティは、6人編成だ。たまに5人のところがあるくらいか。
いきなりパーティメンバーを追放するなんて、普通じゃ考えられない暴挙だが、オレをパーティから追放したブランディーヌたちの考えも分からなくもない。6人という限られた人数で、よりパーティの質を高めるために、不要になったオレを追放して、新たな戦力をパーティメンバーに加えようというのだろう。
まぁ、いきなりこれまで苦楽を共にしてきたパーティメンバーの追放する冒険者パーティなんて、怖くて誰も命を預けられないだろうがな。あのバカどもは、常識ってものを分かっちゃいない。
「大丈夫よ! ウチ、5人パーティだから!」
クロエが更にグイッと笑顔で顔を寄せてくる。その眩しい笑顔に、オレの暗くなりかけてた心に、まるで一条の光が射した気分だ。
「そりゃちょうどいいが……なんで5人なんだ? いいメンバーが見つからなかったか?」
「えっ? あ、うん。ま、まぁそんなとこ……かな。それより! ほんとにウチに入ってくれるの? 言っちゃあれだけど、あたしたちまだ初心者よ? アベル叔父さんならもっといいところがあったんじゃないの?」
「いいんだよ。オレのことなんて気にするな。使えるものは便利に使っておけって」
オレは、べつに稼ぎやギフトの成長が目当てで冒険するわけじゃない。クロエを護るために冒険するのだ。他のことなんて二の次三の次である。
「それよりも、クロエはいいのか? 叔父さんがパーティメンバーになっ……」
「いいわよ! いいに決まってるじゃないっ!」
クロエがオレの言葉を遮って、噛み付くような勢いで答える。クロエはオレがパーティに入ることを認めてくれるようだ。ありがたい。しかし、一番の難関がまだ残っている。
「クロエはよくても、他のパーティメンバーはどうだ? こんなおっさんがパーティに入るのなんて嫌じゃないか?」
「大丈夫よ! きっと!」
クロエは自信満々に答えるが、オレには不安しかない。クロエのパーティメンバーを遠目から見たことがあるが、皆成人直後ぐらいの若い女だった。オレは若い女の子たちに歓迎されるような、スマートなかっこいい男ではない。そうじゃなくても、若い女の子の中におっさん一人だ。明らかに浮いている。異性がパーティメンバーになるのを嫌がる子も居るだろう。正直、不安しかない。
「そうは言うがな……やっぱり直接メンバーに話して了解を取った方がいいと思うぞ?」
「それもそうね。分かったわ!」
そう言うと、クロエはオレに向かって笑顔で手を伸ばす。それだけのことなのに、クロエが本気でオレを必要としていることが分かって、オレは、昨日の夜から抱いていた苛立ちや不満の感情が完全に消えていくのを感じた。
すごいな、クロエは。ただ笑いかけてくれるだけで、オレの心が清々しいまでに晴れ渡っていく。
「叔父さんの気が変わらない内に、みんなの了解をもらわなくっちゃ! 早く行きましょ?」
どうやら、これからクロエのパーティメンバーに会いに行くらしい。まだ朝食の途中なんだが、クロエに言われたら断れない。
「分かった」
オレは最後にコップに残っていたワインを飲み干すと、クロエの小さく柔らかな手を取るのだった。
先程までの恥ずかしがるような、どこかオレに対して距離を取るような態度はどこへと行ったのか、クロエがテーブルに身を乗り出して、こちらをキラキラとした黒い瞳で見ていた。その予想外の勢いに押されて、オレはのけぞるように身を引いてしまう。
どうしたってんだクロエは? なんだか急に活き活きとしやがった。
「あ、あぁ。ちょっとパーティメンバーと折り合いがつかなくなってな。今のオレはどこにも所属していない。それでもし、クロエがよかったらでいいんだが……オレをパーティに入れてくれないか? 7人目でもいいからよ」
冒険者パーティの人数は、6人までと相場が決まっている。それが、神の課したルールだからだ。
ダンジョンというのは、神が創った魂の精錬所って説が一般的だ。本当かどうかは知らないが、主に教会の連中がそう説いて回っている。魂がどうのって話はよく分からないが、ダンジョンに潜ると恩恵があるのは確かだ。
その恩恵というのが、ギフトの成長である。ダンジョンのモンスターを倒すと、ギフトが成長するのだ。
勿論、普段の生活の中でもギフトは成長していく。しかし、ダンジョンのモンスターを倒すことに比べたら、その成長速度は遅々たるものだ。
なぜ、ダンジョンのモンスターを倒すとギフトの成長が促進されるのかは分かっていない。だが、先人たちの試行錯誤の結果、分かってきたこともある。その一つが、一度にギフトの成長の恩恵に与れるのは、6人までいうことだ。
ダンジョンの入り口には、必ず台座に鎮座した白い巨大な真珠のようなものがある。そこでダンジョンに挑戦するパーティメンバーの登録ができるのだが、このパーティの上限人数がまず6人だ。
とはいえ、べつにダンジョン自体に上限人数は無いので、7人目以降もパーティと一緒にダンジョンに潜ることはできる。しかし、パーティメンバーがモンスターを倒しても、ギフトの成長の促進という恩恵があるのはパーティとして登録した6人までで、7人目以降はなんの恩恵も無い。
パーティメンバーの誰よりも戦闘で活躍したとしても、パーティメンバーの中になにもしていない奴がいたとしても、7人目以降は恩恵に与れない。
ちょっと納得いかないものを感じるが、それがダンジョンのルールなのだから仕方がない。
そのため、多くの冒険者パーティは、6人編成だ。たまに5人のところがあるくらいか。
いきなりパーティメンバーを追放するなんて、普通じゃ考えられない暴挙だが、オレをパーティから追放したブランディーヌたちの考えも分からなくもない。6人という限られた人数で、よりパーティの質を高めるために、不要になったオレを追放して、新たな戦力をパーティメンバーに加えようというのだろう。
まぁ、いきなりこれまで苦楽を共にしてきたパーティメンバーの追放する冒険者パーティなんて、怖くて誰も命を預けられないだろうがな。あのバカどもは、常識ってものを分かっちゃいない。
「大丈夫よ! ウチ、5人パーティだから!」
クロエが更にグイッと笑顔で顔を寄せてくる。その眩しい笑顔に、オレの暗くなりかけてた心に、まるで一条の光が射した気分だ。
「そりゃちょうどいいが……なんで5人なんだ? いいメンバーが見つからなかったか?」
「えっ? あ、うん。ま、まぁそんなとこ……かな。それより! ほんとにウチに入ってくれるの? 言っちゃあれだけど、あたしたちまだ初心者よ? アベル叔父さんならもっといいところがあったんじゃないの?」
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オレは、べつに稼ぎやギフトの成長が目当てで冒険するわけじゃない。クロエを護るために冒険するのだ。他のことなんて二の次三の次である。
「それよりも、クロエはいいのか? 叔父さんがパーティメンバーになっ……」
「いいわよ! いいに決まってるじゃないっ!」
クロエがオレの言葉を遮って、噛み付くような勢いで答える。クロエはオレがパーティに入ることを認めてくれるようだ。ありがたい。しかし、一番の難関がまだ残っている。
「クロエはよくても、他のパーティメンバーはどうだ? こんなおっさんがパーティに入るのなんて嫌じゃないか?」
「大丈夫よ! きっと!」
クロエは自信満々に答えるが、オレには不安しかない。クロエのパーティメンバーを遠目から見たことがあるが、皆成人直後ぐらいの若い女だった。オレは若い女の子たちに歓迎されるような、スマートなかっこいい男ではない。そうじゃなくても、若い女の子の中におっさん一人だ。明らかに浮いている。異性がパーティメンバーになるのを嫌がる子も居るだろう。正直、不安しかない。
「そうは言うがな……やっぱり直接メンバーに話して了解を取った方がいいと思うぞ?」
「それもそうね。分かったわ!」
そう言うと、クロエはオレに向かって笑顔で手を伸ばす。それだけのことなのに、クロエが本気でオレを必要としていることが分かって、オレは、昨日の夜から抱いていた苛立ちや不満の感情が完全に消えていくのを感じた。
すごいな、クロエは。ただ笑いかけてくれるだけで、オレの心が清々しいまでに晴れ渡っていく。
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