【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)

文字の大きさ
23 / 124

023 リーダー

しおりを挟む
「オレが客観視できていないねぇ……」
「安いよ、安いよ! さぁさ、買ってってちょうだい! どうだいそこのお兄さん!」

 オレの零した言葉は、騒がしい王都の大通りに誰にも届かずかき消された。

 思い返すのは、イザベルの言葉だ。自分の半分も生きていないような若輩者の言葉だが、妙に胸に刺さったままだ。若い女の言葉が胸を打つなんて、まるで恋の始まりのような甘酸っぱい雰囲気が漂うな。だが、オレの胸中にあるのは、そんな明るい調子のものじゃない。言葉じゃ言い表せないようなモヤモヤしたものだ。

 あの後、話はイザベルを中心に回った。

 イザベルはオレをパーティに入れるメリット、オレを7人目と扱うことのデメリットを説き、クロエ、エレオノール、ジゼル、リディから承諾を引き出してみせた。弁の立つ奴だ。

 もっとも、真面目にイザベルの話を聞いていたのはエレオノールくらいだがな。クロエは最初からオレがパーティに入るのに賛成だし、ジゼルは最初からどっちでもよさそうに適当にイザベルの話を聞き流していた。問題のリディは不満そうな顔を見せたが、最終的にイザベルの言葉に頷いた。エレオノールもイザベルを信用しているのか、イザベルの言葉に賛同した。

 こうしてオレは、晴れて冒険者パーティ『五花の夢』の一員になったわけだが……。オレとしては、最良の結果が得られて万々歳と言えるだろう。しかし、予想外のこともあった。

「はぁ? オレがパーティのリーダー?」

 イザベルに告げられたその言葉は、とても意外なものだった。パーティメンバーからオレのパーティ入りの許可を引き出したイザベルは、そのままオレをパーティのリーダーに推したのだ。

「その通りよ。そんなに驚くことでもないでしょ? 貴方が一番経験豊富じゃない。貴方こそパーティのリーダーに相応しいわ」

 ただでさえ女の子ばかりのパーティーにお邪魔する形のオレだ。イザベルはこう言うが、オレがリーダーになるなんて他の子には認められないだろう。そう思ったのだが……。

「いいじゃない! あたしは賛成よっ!」
「そうですねぇ。よろしいのではなくて?」
「あーしもそれでいいよー」
「………」

 クロエが真っ先に賛成し、エレオノールもそれに続く。ジゼルも賛同し、残るリディは沈黙。賛成4の沈黙1か。

「いいのか、そんな簡単にリーダーを譲っちまって? というか、今のリーダー誰だよ?」
「はーい! あたし、あたし!」

 オレの問いに、クロエが元気よく手を上げる。クロエがリーダーだったのか。クロエならオレへの信頼もあるだろうから、オレにリーダーを譲渡しようとするのも分かる。だが……。

「他の奴は本当にそれでいいのか? お前たちのパーティだろう? こんなポッと出の奴に自分たちの運命、命を預けられるか?」

 パーティのリーダーは、時に命の選択を迫られることもある。多数を生かすために、少数を犠牲にせざるをえないこともあるだろう。その時、オレの決定に従うことができるか。多数派は少数派を見捨てることを良しとし、少数派は仲間の為にその身を犠牲にできるか。

 パーティのリーダーには、仲間にそれを許容させるだけのカリスマが必要だ。

 残念ながら、オレにはそんなものは無い。戦闘では役にも立たないポーターのオレだ。冒険者は、個人の強さを最上のものとして尊ぶ気風がある。大した戦闘力を持たないオレは、一段下に見られることが多い。そんなオレが、そんな大事なことを決定するのは納得されないだろう。

 “命”という重い言葉が出たからか、クロエたちは沈黙した。

「パーティのリーダーには、自分の命を預けられる、信頼できる奴にした方がいい。そうじゃないと後悔するぞ? 元々お前たちのパーティなんだろ? だったら、お前たちの誰かがリーダーをやった方がいい。オレは助言だけさせてもらう」
「それではダメなのよ」

 オレの言葉を否定する奴がいる。イザベルだ。オレはイザベルがパーティリーダーになるのが丸く収まると思うのだがな……。

「何がダメなんだ?」
「そんな二頭体制では、余計な混乱を生むだけよ。意思決定者は1人でいいわ」
「意思決定をするのは、あくまでリーダーだ。オレは助言をするだけで……」
「それがダメなのよ」

 イザベルがオレの言葉を遮って口を開く。いったいなにがダメだってんだ?

「貴方、昨日パーティを追放されたでしょ? その時、私もその場に居たのよ」

 イザベルの言葉に、胸が締め付けられるような気持がした。みっともないところを見られちまったな……。

「あの時、リーダーのブランディーヌが言っていたでしょ? いつもわたくしと反対のことを言うって。貴方としては、間違った選択を正しただけでしょうけど、ブランディーヌにとっては、毎回自分の決定を否定してくる貴方は疎ましいだけの存在だわ。それはあれだけ不満も溜まるわよ」

 イザベルが少し呆れたように言う。ブランディーヌの不満か……。ブランディーヌがオレに追放を告げた時のやけに晴れやかな顔が頭を過った。

「私たちの中で、一番冒険者に精通しているのは貴方よ。貴方がパーティのリーダーになるべきだわ。それなら余計な不満が溜まることも防げるし、貴方の知恵を存分に活用できるのよ。逆に貴方以外がリーダーになったら、いちいち貴方の助言に耳を傾けなくてはいけないの。そんなの非効率だわ」
「あぁ……」

 効率非効率で論ずるならば、たしかにオレがリーダーになった方が効率的だ。いちいち助言する手間が省けるからな。しかし……。

「お前たちの意志はどうするんだ? お前たちにも“こうしたい、ああしたい”っていう思いはあるだろう? 元々お前たちのパーティなんだ。自分たちのしたいことがあるんじゃないか?」
「それは、貴方が私たちの意見を聞く耳があればいいことでしょ?」
「そりゃ……そうだが……」

 そう言われるとそうなんだが……。本当にオレがリーダーになってもいいのか? 
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

処理中です...